細魚 さより(Halfbeak)

細魚
 

細魚の旬

さより

*各数字で歳時記を表示

 

細魚とは ~解説

  • 英語で「halfbeak」
  • 漢字で「鱵」「細魚」「針魚」「針嘴魚」「水針魚」「竹魚」「長鰯」
  • ダツ目トビウオ亜目サヨリ科サヨリ属
  • 全国的に獲れるため、旬の時期がずれる
  • 産卵期は初夏で春の魚(3~4月)
  • 白身で高級魚
  • 東京では120g以上の物を「カンヌキ」と呼び珍重する
  • 干物は高価だが価値あり
  • 腹の中は黒いため「ハラグロ」と呼ばれることもある
  • 祝いの席では長い身を結び吸い物に使われる
  • 日本全国で獲れるが、福井県の水揚げが多い
  • 12月頃には韓国から空輸された細魚が出回る
  • ウロコは薄くはがれやすい
  • 皮は薄いが強い。骨はあまり硬くない。

味わい
香り高く上品な白身
見た目にも美しく美味
春は旨味や脂がのっていて美味しい
皮目に独特の風味がある
生で食べてもうま味が強い

 

地方名

  • エンピツ(小型)
  • カンヌキ
  • カンノウオ
  • サイレンボウ
  • ショウブ
  • サイチ
  • ゼンド
  • ハリオ
  • ヨロズ
  • チョウカツ
  • スズ
 

目利き

  • 下あごの前部が赤いと新鮮な証拠
  • 全身が透き通るような色をしているものが良い
  • 腹側が銀白色に輝いているもの
  • エラが綺麗な赤色なら新鮮
  • 下あごの赤みが薄い物は鮮度が落ちている
  • ヒレが乾いているものは古い
 

仲間

  • ナンヨウサヨリ
  • ホシザヨリ
  • クルメザヨリ
  • トウザヨリ
 

細魚を使った料理

  • 細魚の一夜干し
  • 細魚の寿司・刺身
  • 細魚の天ぷら・から揚げ
  • 細魚の潮汁
 

細魚の栄養素(食品成分表)

可食部100g当たり

さより(生)

廃棄率40 %
エネルギー95 ㎉
水分77.9 g
タンパク質19.6 g
脂質1.3 g
炭水化物
ナトリウム190 ㎎
カリウム290 ㎎
カルシウム41 ㎎
マグネシウム37 ㎎
リン190 ㎎
0.3 ㎎
亜鉛1.9 ㎎
0.03 ㎎
マンガン0.02 ㎎
ヨウ素
セレン
クロム
モリブデン
ビタミンA(レチノール)
ビタミンA(β-カロテン)
ビタミンD3.0 ㎍
ビタミンE(トコフェロールα)0.9 ㎎
ビタミンK
ビタミンB1
ビタミンB20.12 ㎎
ナイアシン5.2 ㎎
ビタミンB60.33 ㎎
ビタミンB125.5 ㎎
葉酸10 ㎍
パントテン酸0.44 ㎎
ビオチン
ビタミンC2 ㎎
食物繊維(総量)

日本食品標準成分表2015年版(七訂)から引用

糸撚鯛 いとよりだい(Golden threadfin bream)

いとよりだい
 

いとよりだいの旬

いとよりだい

*各数字で歳時記を表示

 

いとよりだいとは ~解説

  • 英語で「Golden threadfin bream」「Besugo」
  • 漢字で「糸縒鯛」「糸撚鯛」「糸繰魚」「金糸魚」
  • スズキ目スズキ亜目イトヨリダイ科イトヨリダイ属の海水魚
  • 産卵期は5~6月で旬は秋から初夏。旬を外してもおいしい
  • 安定して高価な魚
  • 体色はピンクで体側に黄色い縞が6本ある

味わい
白身でクセがなく、上品な味わい
旨味が強い白身魚
身は水分が多く、軟らかい。熱を通しても縮まない
火を通せば、柔らかく適度に繊維質で骨離れが良い
鱗は薄く取りやすく、皮も薄い
骨は細いが硬い
皮に独特の甘み、香りがあるため刺身なら「皮霜造り」が良い
上品で芳醇なため蒸し物に向く

 

いとよりだいの地方名

  • イトヒキ
  • テレンコ(幼魚)
  • アカナ
  • ヤモメ
  • アバイトヨリ
 

目利き

  • 目が澄んでエラが鮮紅色のものが良い
  • 目に透明感があり、澄んでいるものが良い
    (目が白濁しているものや乾いているものは鮮度が落ちている)
  • 模様が鮮やかではっきりしているものが良い
  • 触って張りのあるものが良い
  • ヒレに透明感があるものが良い
  • ウロコが落ちているものは鮮度が落ちている
 

いとよりだいの仲間

  • ソコイトヨリダイ
  • ヒメイトヨリダイ
  • シャムイトヨリ
  • ヒライトヨリ
  • ニホンイトヨリ
  • タマガシラ
 

いとよりだいを使った料理

  • 刺身・寿司
  • 皮霜造り
  • 煮物
  • 酒蒸し
  • 潮汁
  • 唐揚げ
  • 西京焼き
  • 天ぷら
 

いとよりだいの栄養素(食品成分表)

可食部100g当たり

いとよりだい(生)

廃棄率0 %
エネルギー93 ㎉
水分78.8 g
タンパク質18.1 g
脂質1.7 g
炭水化物0.1 g
ナトリウム85 ㎎
カリウム390 ㎎
カルシウム46 ㎎
マグネシウム26 ㎎
リン200 ㎎
0.5 ㎎
亜鉛0.4 ㎎
0.05 ㎎
マンガン0.02 ㎎
ヨウ素84 ㎍
セレン33 ㎍
クロム
モリブデン
ビタミンA(レチノール)28 ㎍
ビタミンA(β-カロテン)
ビタミンD11.0 ㎍
ビタミンE(トコフェロールα)0.6 ㎎
ビタミンK
ビタミンB10.04 ㎎
ビタミンB20.08 ㎎
ナイアシン2.3 ㎎
ビタミンB60.27 ㎎
ビタミンB123.0 ㎎
葉酸5 ㎍
パントテン酸0.50 ㎎
ビオチン3.7 ㎍
ビタミンC2 ㎎
食物繊維(総量)

日本食品標準成分表2015年版(七訂)から引用

 

関連記事

1月 | 食の歳時記 | 睦月 | JANUARY
2月 | 食の歳時記 | 如月 | FEBRUARY
甘鯛 あまだい(Tilefish)
鯛 たい(Sea bream)

 

黍魚子 きびなご(Banded blue sprat)

きびなご
 

きびなごの旬

きびなご

子持ち

*各数字で歳時記を表示

 

きびなごとは ~解説

  • 英語で「Banded blue sprat」
  • 漢字で「吉備奈子」「黍魚子」「黍女子」
  • ニシン科ウルメイワシ亜科キビナゴ属の海水魚
  • 鹿児島県では郷土料理に欠かせない魚
  • 身が柔らかく手で開いて簡単に刺身にできる
  • 全長10cm程度の細長い小魚
  • 鮮度が落ちるのが早いのでなるべく早く調理する
  • 鱗は塩水で洗い流す程度で流せる

味わい
骨は柔らかく、旨味が強い
透明感のある白身で火を通しても硬くならない
走りのころは刺身や塩焼きが美味しい
子持ちは天ぷらやから揚げがおすすめ
刺身はわさび醤油よりも生姜醤油や酢味噌がよく合う
身が柔らかく、手開き出来る

 

きびなごの地方名

  • キミイワシ
  • ハマゴイワシ
  • ハマイワシ
  • カナギ
  • キビナ
  • キミナゴ
  • ハマゴ
  • スルル
  • ヤス
  • コオナゴ
  • スリ
  • スルン
  • スルル

 

きびなごの選び方

  • 身に張りがあり、体の模様がはっきりしているものが新鮮
  • 体色が赤いのはエサ(アミエビなど)によるもので鮮度の見極めにはならない
  • 鮮やかな銀色の物が良い
 

きびなごを使った料理

  • 刺身・寿司
  • 揚げ物(唐揚げ、天ぷら)
  • 柳川風
  • 魚すき
  • 丸干し
  • 一夜干し
  • 澄まし汁
  • 南蛮漬け
 

きびなごの栄養素(食品成分表)

可食部100g当たり

きびなご(生)

廃棄率35 %
エネルギー93 ㎉
水分78.2 g
タンパク質18.8 g
脂質1.4 g
炭水化物0.1 g
ナトリウム150 ㎎
カリウム330 ㎎
カルシウム100 ㎎
マグネシウム34 ㎎
リン240 ㎎
1.1 ㎎
亜鉛1.9 ㎎
0.10 ㎎
マンガン0.03 ㎎
ヨウ素
セレン
クロム
モリブデン
ビタミンA(レチノール)
ビタミンA(β-カロテン)
ビタミンD10.0 ㎍
ビタミンE(トコフェロールα)0.3 ㎎
ビタミンK
ビタミンB10.02 ㎎
ビタミンB20.25 ㎎
ナイアシン6.2 ㎎
ビタミンB60.44 ㎎
ビタミンB128.3 ㎎
葉酸8 ㎍
パントテン酸0.87 ㎎
ビオチン
ビタミンC3 ㎎
食物繊維(総量)

日本食品標準成分表2015年版(七訂)から引用

金目鯛 きんめだい(alfonsino)

金目鯛
 

金目鯛の旬

きんめだい

*各数字で歳時記を表示

 

金目鯛とは ~解説

  • 英語で「alfonsino」「red bream」「Beryx splendens」「Red snapper」
  • 漢字で「金目鯛」
  • キンメダイ目キンメダイ科に属する深海魚である
  • 「たい」と名につくが「スズキ目スズキ亜目タイ科」とは異なる種類である
  • 体色が赤く、目が金色
  • 旬は冬、春だが通年味が良い
  • 国産物は非常に高価で冷凍輸入物が出回る
    (ニュージーランド、チリ、アメリカ、ロシアなど)
  • 今は流通の発達と脂志向の影響で高価
  • 鮮魚としては高価、冷凍物はお手頃な価格
  • 厚生労働省では妊婦が摂取量を注意すべき魚介類に指定されている
    (参考→これからママになるあなたにお魚について知っておいてほしい事

味わい
身が柔らかく小骨が少ない
昔は脂っこい魚として安価で売られていた
煮物や塩焼きが代表的な調理法
近年ではしゃぶしゃぶ、刺身、カルパッチョなど人気

 

金目鯛の地方名

  • マキン(真キン)
  • マキンメ(真キンメ)
  • アカギ
  • アコウダイ
  • カゲキヨ
  • トウキョウキンメ
 

金目鯛の目利き

  • 目が澄んで金色に光り透き通っているものが新鮮
  • 皮目が赤く鮮やかなもの
  • 切り身は艶があり、サシの入っているものが良い
  • 白っぽいものは避ける
  • 冷凍物は身が白い方が脂が多い
 

金目鯛の仲間

  • 風船金目(フウセンキンメ)
  • 南洋金目(ナンヨウキンメ)
 

金目鯛を使った料理

  • 煮物
  • 塩焼き
  • ソテー
  • 刺身・寿司
  • しゃぶしゃぶ
  • カルパッチョ
  • 鍋物
  • フライ
 

金目鯛の栄養素(食品成分表)

可食部100g当たり

きんめだい(生)

廃棄率60 %
エネルギー160 ㎉
水分72.1 g
タンパク質17.8 g
脂質9.0 g
炭水化物0.1 g
ナトリウム59 ㎎
カリウム330 ㎎
カルシウム31 ㎎
マグネシウム73 ㎎
リン490 ㎎
0.3 ㎎
亜鉛0.3 ㎎
0.02 ㎎
マンガン0.01 ㎎
ヨウ素
セレン
クロム
モリブデン
ビタミンA(レチノール)63 ㎍
ビタミンA(β-カロテン)
ビタミンD2.0 ㎍
ビタミンE(トコフェロールα)1.7 ㎎
ビタミンK
ビタミンB10.03 ㎎
ビタミンB20.05 ㎎
ナイアシン2.7 ㎎
ビタミンB60.28 ㎎
ビタミンB121.1 ㎎
葉酸9 ㎍
パントテン酸0.23 ㎎
ビオチン
ビタミンC1 ㎎
食物繊維(総量)

日本食品標準成分表2015年版(七訂)から引用

 

赤魚鯛 あこうだい(Matsubara’s red rockfish)

アコウダイ
 

赤魚鯛(あこうだい)の旬

あこうだい

*各数字で歳時記を表示

 

赤魚鯛(あこうだい)とは ~解説

  • 英語で「Rockfish」「Matsubara’s red rockfish」
  • 漢字で「阿侯鯛」「赤魚鯛」「緋魚」「阿加魚」
  • スズキ系スズキ目カサゴ亜目メバル科メバル属の深海魚
  • 産卵期は冬~春
  • 深海に生息しているため、釣り上げたときに水圧の急激な変化のために目が飛び出すことから「メヌケ」とも呼ばれる(標準和名「メヌケ」と言う魚は存在しない)
  • アコウダイ以外に「メヌケ」と称される魚がある
    バラメヌケ、ホウズキ、アラメヌケ、ヒレグロメヌケ、アラスカメヌケ
  • 関西でアコウと呼ばれているのは別種であるキジハタを指す
  • 昔は食卓に並ぶ惣菜魚だったが、獲れなくなり今では高級魚になっている
  • 国産が獲れなくなったため、今では「アラスカメヌケ」などが輸入されている

味わい
鱗は柔らかく、皮は厚く骨は硬くない
身は少し赤身がかっていて、熱を通しても硬くならない
刺身はサッパリとした味わいで皮霜造りがおいしい
クセのない淡泊な味で脂の乗りがよい

 

地方名

  • アコウ
  • アコ
  • メヌケ
  • メヌキ
  • アカウオ
  • アカラ
 

目利き

体表が鮮やかな赤色で、目が澄んでいるものを選ぶとよい
身がしっかりしたものを選ぶ
体色が鮮やかで、表皮が破れていないものが新鮮

 

赤魚鯛(あこうだい)を使った料理

  • 刺身・すし
  • 皮霜造り
  • 若狭焼き
  • あらい
  • 味噌漬け
  • 焼き物
  • 椀だね
  • 煮物
 

赤魚鯛(あこうだい)の栄養素(食品成分表

可食部100g当たり

あこうだい(生)

廃棄率0 %
エネルギー93 ㎉
水分79.8 g
タンパク質16.8 g
脂質2.3 g
炭水化物0.1 g
ナトリウム75 ㎎
カリウム310 ㎎
カルシウム15 ㎎
マグネシウム24 ㎎
リン170 ㎎
0.3 ㎎
亜鉛0.4 ㎎
0.02 ㎎
マンガン
ヨウ素
セレン
クロム
モリブデン
ビタミンA(レチノール)26 ㎍
ビタミンA(β-カロテン)
ビタミンD1.0 ㎍
ビタミンE(トコフェロールα)3.4 ㎎
ビタミンK
ビタミンB10.11 ㎎
ビタミンB20.04 ㎎
ナイアシン1.1 ㎎
ビタミンB60.05 ㎎
ビタミンB120.7 ㎎
葉酸3 ㎍
パントテン酸0.35 ㎎
ビオチン
ビタミンC
食物繊維(総量)

日本食品標準成分表2015年版(七訂)から引用

 

関連記事

2月 | 食の歳時記 | 如月 | FEBRUARY
3月 | 食の歳時記 | 弥生 | MARCH
黒鯛 くろだい(Black sea bream)

 

甘鯛 あまだい(Tilefish)

甘鯛
 

甘鯛の旬

あまだい

*各数字で歳時記を表示

 

甘鯛とは ~解説

  • 英語で「Tilefish」
  • 漢字で「甘鯛」「尼鯛」
  • スズキ目キツネアマダイ科アマダイ属の底生肉食魚
  • 日本では南日本近海で5種が見られ、このうちアカアマダイシロアマダイキアマダイの3種が重要な食用種となっている
  • 市場に多く出回る盛期は8月から12月
  • 食べて美味しい旬の時期には諸説ある
    福井県では夏の8月頃から秋10月頃までが旬とされている
    山陰から北陸にかけての産地では夏としているところが多い
  • 鯛の仲間ではないが真鯛よりも高価で高級食材として扱われる
  • 産卵を終えた春から夏はあまりおいしくない
  • 京料理では人気の魚
  • 手荒に扱うと身が崩れやすいので取り扱いには注意が必要

味わい
身は白身で、脂肪分が少なく淡白
柔らかく水っぽいので刺身にする時はひと手間が必要になる
水分が多いので適度に水分を抜いて調理する
焼き魚や干物に利用されることが多い
またウロコも食べることができる
鱗と骨は柔らかい(中骨は硬い)
皮目は焼くと甘い香りで、独特の風味がある

 

甘鯛の地方名

  • グジ
  • オキツダイ
  • クズナ
  • ビタ
  • オオタロウ
  • コズナ
  • アマミ
  • コビル
 

目利き

  • 触って硬いものを選ぶようにする
  • 体表が赤色や黄色がはっきりしているものが良い
  • 目が澄んでいるものが良い
  • エラが鮮紅色でかたいもの
 

甘鯛の仲間

  • 白甘鯛(しろあまだい)
  • 黄甘鯛(きあまだい)
  • 赤甘鯛(あかあまだい)
  • 墨付甘鯛(スミツキアマダイ)
 

甘鯛を使った料理

  • 甘鯛の若狭焼
  • 甘鯛の皮霜造り
  • 甘鯛の昆布締め
  • 甘鯛の酒蒸し
  • 松笠揚げ
  • 甘鯛の骨蒸し
 

甘鯛の栄養素(食品成分表)

可食部100g当たり

あまだい(生)

廃棄率50 %
エネルギー113 ㎉
水分76.5 g
タンパク質18.8 g
脂質3.6 g
炭水化物
ナトリウム73 ㎎
カリウム360 ㎎
カルシウム58 ㎎
マグネシウム29 ㎎
リン190 ㎎
0.3 ㎎
亜鉛0.3 ㎎
0.02 ㎎
マンガン
ヨウ素41 ㎍
セレン75 ㎍
クロム1 ㎍
モリブデン
ビタミンA(レチノール)27 ㎍
ビタミンA(β-カロテン)
ビタミンD1.0 ㎍
ビタミンE(トコフェロールα)1.3 ㎎
ビタミンK
ビタミンB10.04 ㎎
ビタミンB20.06 ㎎
ナイアシン1.5 ㎎
ビタミンB60.08 ㎎
ビタミンB122.1 ㎎
葉酸6 ㎍
パントテン酸0.43 ㎎
ビオチン1.7 ㎍
ビタミンC1 ㎎
食物繊維(総量)

日本食品標準成分表2015年版(七訂)から引用

 

関連記事

2月 | 食の歳時記 | 如月 | FEBRUARY
3月 | 食の歳時記 | 弥生 | MARCH
槍烏賊 やりいか(Spear squid)
大根 だいこん(Japanese white radish)

 

鯛 たい(Sea bream)

鯛
 

鯛の旬

北海道・東北

関東・東海

中国・四国

九州・沖縄

*各数字で歳時記を表示

 

鯛とは ~解説

  • 英語で「sea bream」
  • 漢字で「鯛」
  • スズキ目タイ科の海水魚
  • 名前の一部に「〇〇タイ」と名の付く鯛は300種類を超える
  • スズキ目スズキ亜目タイ科に含まれる近縁の魚は13種類しかいない
  • 旬は春と言われるが南と北で産卵期が違うのでほぼ年中おいしい鯛が食べられる
  • 春は「桜鯛」や「花見鯛」と呼ばれ、秋は「紅葉鯛」と呼ばれる
  • 産卵前や寒くなる前には栄養を蓄えるためおいしくなる
  • 赤い色がめでたいとして祝いの席で出されることが多い
  • 天然物は見た目が鮮やかで養殖物は黒っぽい色をしている
  • 鼻の孔が2つなら天然。はっきりしない物や1つしかないものは養殖
    (100%ではないため、鼻の孔だけで見分けるのは不可能)
  • 養殖はおいしくないというのは昔の話。今は天然物と比較しても違いが分からない程においしい
  • 市場に出回る約75%は養殖

味わい
淡泊で甘味とコクのあるうま味が特徴
透明感のある白身で血合いが赤く、熱を通しても硬く締まらない
鱗はやや硬いが取りやすい
骨は硬く、皮はしっかりして厚みがある

 

地方名

  • カツラダイ
  • サクラダイ
  • ウオジマノタイ
  • ホンダイ
  • ホンダチ
  • オオダイ
  • シバダイ
  • カスゴ
 

目利き

  • 体表が鮮やかで目の上の鱗が青紫に輝いていると新鮮
  • 目が澄んでエラが鮮紅色のものが良い
    (鮮度が悪くなるとウロコや目に輝きがなくなってくる)
  • 腹は白い部分が鮮やかなものが良い
  • 体長は40~50㎝くらいが良い
  • 丸々と太っているもので尻尾は幅があるものが良い
  • 柵や刺身で売られているときは赤みが鮮やかで光沢のあるものが良い
 

タイ科近縁の鯛 13種

★スズキ目タイ科マダイ亜科(4種)
真鯛(マダイ)
台湾鯛(タイワンダイ)
血鯛(チダイ)
鰭小鯛(ヒレコダイ)

★スズキ目タイ科キダイ亜科(3種)
星連子(ホシレンコ)
黄鯛(キダイ)
黄鰭赤連子(キビレアカレンコ)

★スズキ目タイ科ヘダイ亜科(6種)
平鯛(ヘダイ)
黒鯛(クロダイ)
黄茅渟(キチヌ)
南洋茅渟(ナンヨウキチヌ)
南黒鯛(ミナミクロダイ)
豪州真鯛(オーストラリアキチヌ)(オキナワチヌ)

 

鯛を使った料理

  • 鯛茶漬け
  • 鯛の若狭焼
  • 塩焼き
  • 鯛めし
  • 刺身、すし
  • 松皮造り
  • 昆布締め
  • カルパッチョ
  • あら炊き
  • 兜煮
  • 干物
 

鯛の栄養素(食品成分表

可食部100g当たり

まだい(生)天然、生

廃棄率50 %
エネルギー142 ㎉
水分72.2 g
タンパク質20.6 g
脂質5.8 g
炭水化物0.1 g
ナトリウム55 ㎎
カリウム440 ㎎
カルシウム11 ㎎
マグネシウム31 ㎎
リン220 ㎎
0.2 ㎎
亜鉛0.4 ㎎
0.02 ㎎
マンガン0.01 ㎎
ヨウ素
セレン
クロム
モリブデン
ビタミンA(レチノール)8㎍
ビタミンA(β-カロテン)
ビタミンD5.0 ㎍
ビタミンE(トコフェロールα)1.0 ㎎
ビタミンK
ビタミンB10.09 ㎎
ビタミンB20.05 ㎎
ナイアシン6.0 ㎎
ビタミンB60.31 ㎎
ビタミンB121.2 ㎎
葉酸5 ㎍
パントテン酸0.64 ㎎
ビオチン
ビタミンC1 ㎎
食物繊維(総量)

日本食品標準成分表2015年版(七訂)から引用

 
 

関連記事

黒鯛 くろだい(Black sea bream)

黒鯛
 

黒鯛の旬

くろだい

*各数字で歳時記を表示

 

黒鯛とは ~解説

  • 英語で「Japanese black seabream」「black seabream」
  • 漢字で「烏頬魚」「黒鯛」、別名「チヌ」
  • スズキ目スズキ亜目タイ科ヘダイ亜科クロダイ属の魚
  • 成長によって呼び名が変わる出世魚
    (関東ではチンチン-カイズ-クロダイ。関西ではババタレ-チヌ-オオスケ)
  • 産卵期は春なので秋冬に栄養を蓄えるので旬と言える
  • 夏には栄養を蓄え始めるので、この時期が美味しいという人もいる
  • 釣りの対象魚としての人気が高い
  • 内湾に生息するため、磯臭さが残ることがある
  • オスからメスに性転換する魚

味わい
歯ごたえがあり、淡白な白身
夏頃のものはマダイにも劣らない美味とされる
やや磯臭いと感じる
熱を通しても硬くならない

 

黒鯛の地方名

  • チン(10cm前後)
  • チンチン、ババタレ(~20cm)
  • ケイズ、カイズ、コグロ(25~30cm)
  • クロダイ、オオスケ(30~)
  • カワダイ
  • ケンダイ
  • シノコダイ
  • チヌ
  • チンタ
 

タイ科近縁の鯛 13種

★スズキ目タイ科マダイ亜科(4種)
真鯛 (マダイ)
台湾鯛 (タイワンダイ)
血鯛 (チダイ)
鰭小鯛 (ヒレコダイ)

★スズキ目タイ科キダイ亜科(3種)
星連子 (ホシレンコ)
黄鯛 (キダイ)
黄鰭赤連子 (キビレアカレンコ)

★スズキ目タイ科ヘダイ亜科(6種)
平鯛 (ヘダイ)
黒鯛 (クロダイ)
黄茅渟 (キチヌ)
南洋茅渟 (ナンヨウキチヌ)
南黒鯛 (ミナミクロダイ)
豪州真鯛 (オーストラリアキチヌ) (オキナワチヌ)

 

黒鯛を使った料理

  • カルパッチョ
  • 刺身、すし
  • 洗い
  • 炊き込みご飯
  • 焼き物
  • 潮汁
  • ムニエル
  • 煮つけ
 

黒鯛の栄養素 (食品成分表)

可食部100g当たり

くろだい (生)

廃棄率55 %
エネルギー150 ㎉
水分71.4 g
タンパク質20.4 g
脂質6.7 g
炭水化物0.3 g
ナトリウム59 ㎎
カリウム400 ㎎
カルシウム13 ㎎
マグネシウム36 ㎎
リン250 ㎎
0.3 ㎎
亜鉛0.8 ㎎
0.03 ㎎
マンガン0.01 ㎎
ヨウ素
セレン
クロム
モリブデン
ビタミンA(レチノール)12 ㎍
ビタミンA(β-カロテン)
ビタミンD4.0 ㎍
ビタミンE(トコフェロールα)1.4 ㎎
ビタミンK
ビタミンB10.12 ㎎
ビタミンB20.30 ㎎
ナイアシン5.5 ㎎
ビタミンB60.42 ㎎
ビタミンB123.7 ㎎
葉酸14 ㎍
パントテン酸0.62 ㎎
ビオチン
ビタミンC3 ㎎
食物繊維(総量)

日本食品標準成分表2015年版(七訂)から引用

 
 

関連記事

薄口醤油 うすくちしょうゆ (Light color soy sauce)

薄口醤油
 

うすくち醤油とは ~特徴

  • 漢字では「薄口醤油」「淡口醤油」
  • 英語では「light soy sauce」「light colored soy sauce」「Usukuchi-shoyu」
  • 江戸時代に円尾孫右衛門が作り出したと言われる
  • 京都の精進料理や懐石料理に用いられた
  • 関西地方発祥の醤油である
  • 醤油全体消費の約12%を占めている
  • 薄口と表記すると味が薄いと勘違いしがちなので「淡口」と表記される
  • 色は濃口醤油の1/3の淡さである
  • 一般的に醤油と記されているときは「濃口醤油」を指す
  • 基本的に調理用で卓上用には向かない
  • あまり色を出したくないときに使うとよい
  • 家庭用製品はペットボトルの小型商品が主流になっている
  • 味と鮮度を保つため、空気に触れないよう工夫したパウチやボトル形態の商品がある

うすくち醤油の味わい
塩分は18~19%
素材の味を生かすため、色や香りが抑えられている
濃口醤油よりも色が薄く、味が薄いと勘違いしやすいが、塩分は高い
昆布だしとの相性が良い
関西ではよく使われる (出汁を利かすために薄口醤油を使う)
素材の味を生かす炊き合わせや含め煮などの料理に適合する

うすくち醤油の働き
塩分が多いので浸透圧の働きによって、水分が引き出される
防腐作用がある
素材の持ち味を生かす
素材の色を生かす

うすくち醤油の生産
こいくちしょうゆと同様、大豆と小麦をほぼ等量使用している
色を淡くするために、仕込みの際に食塩水の量を多くしている
味をまろやかにするため、米を糖化させた甘酒を使用することもある

 

うすくち醤油の重さ (計量カップ)

小さじ6 g
大さじ18 g
1カップ230 g

大さじ・小さじの重さ一覧表 (グラム)

 

醤油 (全般)の保存

  • 醤油は時間がたつと風味が落ち、色が濃くなる (酸化)
  • 空気に触れると酸化し、色が濃くなる
  • 温度が高くなると酸化が早くなり、風味が落ちる
  • 塩分が多く腐りにくいがカビが発生することがある
  • 直射日光を避け冷暗所に保存
  • 開封後は空気に触れ、酸化が進むので冷蔵庫保存が好ましい
  • 開封後は早めに使いきるようにする (一か月程度)
 

ネットで買える全国のうすくち醤油

【香川県】正金・天然醸造 うすくち生醤油
(第47回令和元年全国醤油品評会食料産業局長賞受賞)

【三重県】ミエマン 淡口しょうゆ
(第47回令和元年全国醤油品評会優秀賞受賞)

【新潟県】良寛ひとえ
(第47回令和元年全国醤油品評会優秀賞受賞)

【滋賀県】えんどう
(第47回令和元年全国醤油品評会優秀賞受賞)

 

うすくち醤油を使った料理

  • うどんだし
  • 若竹煮
  • 肉じゃが
  • おでん
  • 茶碗蒸し
  • 煮物
  • 炊き込みご飯
  • 雑炊
 

うすくち醤油の栄養素 (食品成分表)

可食部100g当たり

うすくちしょうゆ

廃棄率0%
エネルギー60 kcal
水分69.7g
タンパク質5.7g
脂質
炭水化物5.8 g
ナトリウム6300 ㎎
カリウム320 ㎎
カルシウム24 ㎎
マグネシウム50 ㎎
リン130 ㎎
1.1 ㎎
亜鉛0.6 ㎎
0.01 ㎎
マンガン0.66 ㎎
ヨウ素1 ㎍
セレン6 ㎍
クロム2 ㎍
モリブデン40 ㎍
ビタミンA (レチノール)
ビタミンA (β-カロテン)
ビタミンD
ビタミンE (トコフェロールα)
ビタミンK
ビタミンB10.05 ㎎
ビタミンB20.11 ㎎
ナイアシン1.0 ㎎
ビタミンB60.13 ㎎
ビタミンB120.1 ㎍
葉酸31 ㎍
パントテン酸0.37 ㎎
ビオチン8.4 ㎍
ビタミンC
食物繊維 (総量)

日本食品標準成分表2015年版(七訂) から引用

 

醤油全体の解説

醤油は3つの醸造法式で作られる
分かりやすく言うと
本醸造 = 調味液なし
混合醸造法式 = もろみに調味液を加える
混合方式 = 生揚げ醤油に調味液を加える

本醸造しょうゆこうじに食塩水を加えて仕込み、これを発酵、熟成させる最も一般的な方式であり、しょうゆの生産量の85%がこの方式である
混合醸造法式本醸造方式でできた「諸味」にアミノ酸液、または酵素分解調味液あるいは発酵分解調味液を加え、1ヶ月以上撹拌しながら発酵・熟成させて造る
混合方式本醸造方式によって造られた生揚げしょうゆに、アミノ酸液、または酵素分解調味液あるいは発酵分解調味液を加えて造る

しょうゆの等級 (品質基準)

JASの認定工場で作られ、JAS規格に合格したしょうゆはJASマークをつけることができる
非認定工場の製品にはJASマークはつけられない
認定工場の製品にはJASマークをつけるか、つけないかは任意とされてる
JAS規格により特級、上級、標準の3段階に分けられている
そのうち「特級」には「特選」「超特選」に分けられている
①特級=醸造法式が「本醸造」の物で成分が一定以上の物(下記参照)
 ※超特級=特級の無塩可溶性固形分の1.2倍以上
 ※特級=特級の無塩可溶性固形分の1.1倍以上
②上級、標準=「混合醸造法式」「混合方式」で成分が一定以上の物

うすくち全窒素分 (%)色度 (番)無塩可溶性固形分 (%)
特級1.15 以上22 以上14 以上
上級1.05 以上22 以上12 以上
標準0.95 以上18 以上

窒素分の多いものほど、うま味がある (しょうゆのうま味成分であるグルタミン酸やアミノ酸類は、必ず窒素分を含んでいることから)
色度は「しょうゆの標準色」の番数。番数が小さくなるほど色がこくなり、番数がおおきくなるほど色は淡くなります
無塩可溶性固形分は醤油に溶け込んでいる食塩以外の糖分、アミノ酸、有機酸の成分の多少を示す数値

 

うすくち醤油についてまとめ

醤油全体の約12%しか流通してない
関西地方で好まれて使われている
塩分は18~19%、色は濃口醤油の1/3の淡さである
卓上には向かない
素材の味を生かす炊き合わせや含め煮などの料理に適合する
塩分が多いので浸透圧の働きによって、水分が引き出される
魚類や肉類の生臭みを消す