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n-3系脂肪酸とは?その特徴と働き

n-3系脂肪酸(エヌ・スリーけいしぼうさん)は、正式には「n-3系多価不飽和脂肪酸」と呼ばれ、オメガ3脂肪酸(ω3脂肪酸)としても知られています。
体の中でつくることができない「必須脂肪酸」の一つで食事からとる必要があります。
代表的なn-3系脂肪酸には、次の3つがあります。
EPA(エイコサペンタエン酸):主にイワシやサバ、サンマなどの青魚に含まれる。
DHA(ドコサヘキサエン酸):主にイワシやサバ、サンマなどの青魚に多く含まれます。α-リノレン酸(ALA):主にえごま油や亜麻仁油(あまにゆ)などの植物性の油に含まれます。
n-3系脂肪酸の働き
n-3系脂肪酸は、体の中でいろいろなはたらきをしてくれる脂肪の一種で、次のような役割があるといわれています。
- 体の細胞膜の材料になる
- 脳や神経のはたらきをサポートする
- 血液の流れや脂肪のバランスを整えるのに関わる
EPAやDHAについては、健康的な生活を送るうえで注目されていて、研究も進められています。
種類別|n-3系脂肪酸の含有量|トップ10
油脂類|n-3系脂肪酸|含有量ランキング

n-3系脂肪酸は、油脂類に多く含まれる脂質の一種です。
中でもえごま油や亜麻仁油は、α-リノレン酸を豊富に含むことで知られており、植物性のオメガ3脂肪酸を効率よくとれる食品とされています。
ここでは、身近な油脂類を対象に、100gあたりのn-3系脂肪酸含有量を比較しました。
日常的に使う調味油や加工食品の油脂を選ぶ際の参考にしてみてください。
食品 | 100g当たの含有量 |
---|---|
えごま油 | 58.31g |
亜麻仁油 | 56.63g |
なたね油 | 7.52g |
大豆油 | 6.10g |
マーガリン | 1.17g |
ショートニング | 0.99g |
トウモロコシ油 | 0.76g |
オリーブオイル | 0.60g |
ラード | 0.46g |
バター(食塩不使用) | 0.33g |
種実類|n-3系脂肪酸|含有量ランキング

n-3系脂肪酸は、ごま・あまに・くるみなどの種実類にも含まれています。
とくに植物性のα-リノレン酸(ALA)をとるには、これらの食材が日常の食事に取り入れやすく便利です。
ここでは、主な種実類を対象に、100gあたりのn-3系脂肪酸の含有量を比較しています。
おやつやサラダのトッピングなど、食生活の中での活用に役立ててみてください。
食品 | 100g当たの含有量 |
---|---|
えごま(乾) | 23.7g |
あまに(炒り) | 23.5g |
くるみ(炒り) | 8.96g |
ペカン(フライ) | 0.99g |
胡麻(練り) | 0.21g |
ピスタチオ(炒り) | 0.20g |
まつ(炒り) | 0.18g |
落花生(炒り) | 0.10g |
マカダミアナッツ(炒り) | 0.09g |
カシューナッツ(フライ) | 0.08g |
※数値は文部科学省『日本食品標準成分表(八訂)増補2023年版』をもとにしています。
種実類は脂質が多くエネルギーも高めなので、量には注意しながらバランスの良い摂取を心がけましょう。
魚介類|n-3系脂肪酸|含有量ランキング

特に青魚(マグロ、サバ、イワシ、サンマなど)には豊富に含まれており、日常の食事からとり入れやすい食品です。
主な魚介類の100gあたりのn-3系脂肪酸の含有量を比較しています。
焼き魚、煮魚、お刺身、缶詰など、ふだんの食卓に取り入れやすいカタチで活用するのがおすすめです。
食品 | 100g当たの含有量 |
---|---|
ミナミマグロ(脂身/生) | 6.77g |
大西洋鯖(焼き) | 5.66g |
さんま(生) | 5.59g |
鯖(開き干し) | 5.58g |
さんま(焼き) | 4.95g |
いくら | 4.70g |
からすみ | 4.47g |
イワシ缶詰(かば焼き) | 4.23g |
マサバ(フライ) | 3.95g |
マイワシ(フライ) | 3.93g |
肉類|n-3系脂肪酸|含有量ランキング

n-3系脂肪酸は魚介類や植物油に多いイメージがありますが、一部の肉類にもわずかに含まれています。
身近な肉類に含まれる100gあたりのn-3系脂肪酸量を比較しています。
メイン料理として取り入れることが多い肉類ですが、魚や植物性の脂質とバランスをとりながら食べることがポイントです。
食品 | 100g当たの含有量 |
---|---|
くじら(生) | 11.20g |
くじら うねす(生) | 5.80g |
とんかつ(ヒレ) | 1.62g |
ささみフライ | 0.99g |
からあげ(若どり) | 0.70g |
ささみ(天ぷら) | 0.55g |
ラムロース(焼き) | 0.45g |
チキンナゲット | 0.36g |
マトンロース | 0.29g |
スモークレバー(豚) | 0.26g |
n-3系脂肪酸の食事摂取基準|年齢・性別別の必要量を解説!
n-3系脂肪酸は、体内でつくることができない「必須脂肪酸」のひとつです。
細胞膜の構成や、体内のさまざまなはたらきに関わる栄養素として知られており、日々の食事から適切にとることが大切です。
下の表は、**厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」**をもとに、**年齢や性別ごとのn-3系脂肪酸の目安量(g/日)**をまとめたものです。
自分のライフステージに合った摂取目安を知って、食生活に役立てましょう。

📌 成長期や成人期は摂取量が高めに
n-3系脂肪酸の目安量は、成長期や活動量の多い世代でやや多く設定されています。特に10代後半から成人にかけては必要量が高くなる傾向にあります。
📌 妊娠・授乳中は安定した脂質の摂取が大切
妊娠期や授乳期には、母体や赤ちゃんの健康を支えるために、脂質バランスのとれた食事が求められます。n-3系脂肪酸についても、適切な摂取が推奨されています。
📌 n-3系脂肪酸を含む主な食品
n-3系脂肪酸は、イワシ・サバ・サンマなどの青魚、えごま油や亜麻仁油、チアシードなどの植物性食品に含まれています。
n-6系脂肪酸とのバランスにも気をつけながら、日々の食事で上手に取り入れましょう。
n-3系脂肪酸の英語表記

n-3系脂肪酸は、英語で「n-3 fatty acids」または「Omega-3 fatty acids(オメガ3脂肪酸)」と表記されます。
海外の食品ラベルや栄養成分表示では、以下のような表記が使われることが多く、n-3系脂肪酸が含まれているかを知るヒントになります。
📌 栄養成分表示で使われる表記例:
- Omega-3 Fatty Acids(オメガ3脂肪酸)
- Alpha-Linolenic Acid(α-リノレン酸)
- Eicosapentaenoic Acid(エイコサペンタエン酸/EPA)
- Docosahexaenoic Acid(ドコサヘキサエン酸/DHA)
特にEPAやDHAは魚油などのサプリメントにもよく使われており、「Omega-3」やそれぞれの正式名称が記載されています。
n-3系脂肪酸についてまとめ
- n-3系脂肪酸(オメガ3脂肪酸)は、必須脂肪酸のひとつ
体内でつくることができないため、食事からの摂取が必要です。 - 代表的な成分はα-リノレン酸・EPA・DHA
植物油や青魚に多く含まれています。 - 細胞膜の構成や体内の機能に関わる栄養素
健康的な食生活の中で注目されています。 - 日本人の食事摂取基準において、年齢や性別ごとに目安量が設定されている
妊娠・授乳期には特に意識したい脂質のひとつです。 - 食品では、青魚・えごま油・亜麻仁油・チアシードなどが主な供給
n-6系脂肪酸とのバランスを意識した摂取が大切です。 - 海外の食品ラベルでは「Omega-3」や「EPA」「DHA」と記載されていることが多い
パッケージを見る際の参考になります。