
食中毒について
食中毒の原因は目に見えない細菌とウイルスで、細菌は食べ物の中で増殖し、ウイルスは低温や乾燥した環境で生存します。
その細菌やウイルスがついた食べ物を食べることにより食中毒を引き起こします。
数種類の食中毒菌が存在し、症状は下痢や嘔吐が多い。それぞれ特徴や症状は異なります。
食中毒の症状や特徴を知って予防しましょう
予防のポイント
食中毒予防の3原則
食中毒菌を「つけない・増やさない・やっつける」
- つけない
- 手洗いの徹底
- 調理器具&食材の洗浄
- 食材ごとに調理器具を洗浄する
- 増やさない
- 食材の温度管理をきちんとする
- 食材の保存方法を考える
- 食べ残しや翌日に残す時は注意する
- やっつける
- 十分に加熱する
- 冷凍で死滅する菌もある
- アルコール除菌を上手に使う
参考HP→厚生労働省/食中毒

食中毒の種類
食中毒は大きく分けて4つの種類に分けることができます。
主に細菌性食中毒(8種類)は6~9月に多く発生し、ウイルス性食中毒(ノロウイルス)は11~2月に多く発生します。
細菌性食中毒(感染型)は全部で3種類あり、摂取された菌が腸管内で増殖して、発症する。
細菌性食中毒(毒素型)は全部で5種類あり、食品内で菌が繁殖したものを摂取して、発症する。
- 細菌性食中毒
- 感染型
- 腸炎ビブリオ
- カンピロバクター
- サルモネラ菌
- 毒素型
- 食品内毒素型
- ボツリヌス菌
- ウエルシュ菌
- ブドウ球菌
- セレウス菌
- 生体内毒素型
- セレウス菌
- 腸管毒素原性大腸菌
- 食品内毒素型
- 感染型
- 自然毒食中毒
- 動物性自然毒
- ふぐ中毒
- 貝毒
- 食物性自然毒
- 毒キノコ
- 青梅
- 動物性自然毒
- ウイルス性食中毒
- ノロウイルス
- 科学性食中毒
- ヒスタミン

食中毒の特徴・症状一覧表
食中毒の症状、潜伏期間などをわかりやすく一覧表にまとめました。
ほとんどの食中毒菌は加熱に弱い事が分かります。
注意すべきは「ウェルシュ菌」「ブドウ球菌」の2種類。
「ウェルシュ菌」は加熱に強く(100℃で1~4時間)、調理済みの料理の常温保存によって繁殖します(症状は下痢と腹痛)
「ブドウ球菌」は自体は熱に弱いが、「ブドウ球菌」が繁殖する時に作られる毒素「エンテロトキシン」が原因。「エンテロトキシン」は加熱に強い(症状は嘔吐、下痢、腹痛)
菌名 | 症状 | 潜伏期間 | 原因食物 | 備考 |
サルモネラ菌 | 下痢 腹痛 吐き気 | 6~72 | 生野菜 牛肉 豚肉 鶏肉 | 加熱に弱い |
腸炎ビブリオ | 上腹部痛 下痢 | 8~15 時間 | 生食の魚介類 魚介類の加工品 漬物 | 熱に弱い 酸に弱い 低温で増殖しにくい 3%の塩水を好む |
病原大腸菌 | 頭痛 嘔吐 下痢 腹痛 発熱 血便 | 8~30 時間 | 生野菜 牛肉 水産加工品 水 | |
ウエルシュ菌 | 下痢 腹痛 | 8~22 時間 | カレー シチュー めんつゆ | 加熱に強い |
カンピロバクター | 発熱 頭痛 腹痛 下痢 めまい | 2~6 日 | 水 牛乳 鶏肉 牛肉 糞便による汚染 | 加熱に弱い 塩分に弱い 乾燥に弱い |
エルシニア | 発熱 腹痛 下痢 頭痛 | 2~3 日 | 動物の腸内 (特に豚) | 加熱に弱い 低温でも増殖 |
リステリア | 発熱 頭痛 嘔吐 | 1~7 日 | 生野菜 乳製品 食肉加工品 | 加熱に弱い 低温でも増殖 |
ブドウ球菌 | 嘔吐 下痢 腹痛 | 1~6 | 乳製品 弁当 調理パン | 熱に強い (エンテロトキシン) |
ボツリヌス菌 | 神経麻痺 口の渇き 呼吸困難 | 12~36 | ソーセージ いずし | 熱に弱い |
セレウス菌 (嘔吐型) | 嘔吐 腹痛 | 1~3 時間 | 米飯 パスタ | 加熱に強い |
セレウス菌 (下痢型) | 下痢 腹痛 | 8~16 時間 | 肉類 スープ 弁当 | 加熱に弱い |
ノロウイルス | 腹痛 下痢 嘔吐 発熱 | 1~3 日 | 生食魚介 | 加熱に弱い 二次感染する 糞便、嘔吐から感染 |
ふぐ中毒 | 頭痛 下痢 嘔吐 発熱 | 1~3 時間 | 河豚 | 取り扱い要免許 |
貝毒 | 嘔吐 下痢 しびれ | 30分 ~3日 | 二枚貝 | 自然に毒化 ほぼ流通しない |
植物性自然毒 | 吐き気 嘔吐 頭痛 | 毒キノコ 青梅 銀杏 | 知識不足による誤食 | |
科学性食中毒 | 吐き気 嘔吐 頭痛 | 有害化学物質 | 無許可の添加物 |