ローストビーフの肉の種類と選び方|おすすめ部位ランキングとスーパーで失敗しない見分け方【調理師解説】

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記念日の前日、精肉売り場の前で「牛ももブロック」「肩ロースかたまり」「ローストビーフ用」と書かれたラベルを見比べて、手が止まってしまう。

「どの部位を選べば柔らかく仕上がるの?」
「スーパーのお肉でも大丈夫?」

せっかくの日だからこそ、失敗したくないですよね。

結論:ローストビーフに向く部位は、牛ももの「ウチモモ・シンタマ・ランプ」です。
迷ったら、スーパーで「牛もも」と書かれた、太さのそろったブロックを選べば失敗しにくくなります。記念日用に、和牛のももを通販で探している方は▶こちら

調理場に立ってきた実感として、ローストビーフの仕上がりは「部位選び」で8割が決まります。部位さえ合っていれば、スーパーのお肉でもお店のようなしっとりした一皿になります。

この記事では調理師歴25年の視点から、ローストビーフにおすすめの部位ランキングと肉の種類8つの特徴、スーパーでの選び方と見分け方、そして硬くしない焼き時間の目安までまとめました。

  1. 【結論】ローストビーフにおすすめの部位ランキングと肉の種類
  2. ローストビーフの部位ごとの特徴と向いている人
    1. モモ(ウチモモ・シンタマ・ランプ)|失敗しにくい王道の赤身
    2. ロース(サーロイン・リブロース)|ジューシーで華やかな霜降り
    3. ヒレ|いちばん柔らかい、脂の少ない部位
    4. 肩ロース・外モモ・イチボ|値段を抑えたい・旨味がほしいとき
    5. 目的別で選ぶローストビーフの部位の早見表
  3. なぜ部位で仕上がりが変わる?ローストビーフに赤身のモモが向く理由
  4. スーパーの牛肉で作るなら、どの部位?売り場での見分け方
    1. スーパーに並ぶ塊肉は、主に「もも」と「肩ロース」
    2. ラベルに「うちもも」と書いてあれば、それを選ぶ
    3. パックを見て選ぶ4つのポイント
    4. 値段を抑えるなら、輸入牛のももも選択肢
    5. 安いお肉を柔らかくする下ごしらえ
  5. 記念日の1本なら、等級がわかる和牛のももブロック
    1. 和牛のももは、同じ「もも」でも仕上がりがちがう
    2. 佐賀・伊万里牛の極上モモブロック
    3. 向いている人・向いていない人
  6. 選んだ部位を硬くしない、ローストビーフの焼き方の基本
    1. 硬くしないための3つの基本
    2. 【重さ別】焼き時間と休ませる時間の目安
    3. フライパン以外の焼き方と、安全に食べるための注意
  7. ローストビーフの部位に関するよくある質問
  8. まとめ|迷ったら「うちもも」、特別な日は和牛のももを
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【結論】ローストビーフにおすすめの部位ランキングと肉の種類

ローストビーフに使える牛肉の部位は、大きく分けて8種類あります。まずは一覧で、それぞれの場所と特徴、スーパーで見つけやすいかどうかを確認してください。

部位場所特徴スーパーで
ウチモモ後ろ脚の内側赤身・きめ細かい・脂が少ないよく見る
シンタマ
(マルシン)
後ろ脚の付け根赤身で柔らかめときどき
ランプ腰からお尻赤身で柔らかく旨味が濃いほぼない
イチボお尻の先赤身と脂のバランスがよく旨味が濃いほぼない
外モモ後ろ脚の外側きめが粗く、やや硬い(薄切り向き)よく見る
サーロイン
リブロース
背中霜降り・脂の甘みときどき
肩ロース首〜肩の背中側適度なサシ・筋があるよく見る
ヒレ腰の内側いちばん柔らかい・高価ほぼない
◎=ローストビーフに特に向く ○=向く △=下ごしらえが必要/「スーパーで」は塊(ブロック)で並ぶかどうかの目安で、お店によって変わります

この中から、調理師としておすすめする順に3つを選ぶと、次のとおりです。

順位部位こんな人におすすめ
1位モモ
(ウチモモ・シンタマ・ランプ)
失敗したくない
赤身のしっとり感を楽しみたい
2位ロース
(サーロイン・リブロース)
ジューシーに仕上げたい
おもてなしの主役に
3位ヒレ
(フィレ)
とにかく柔らかく
脂が苦手な方・年配の方に

迷ったら1位の「モモ」を選んでください。脂が少なく、冷めてもしっとりしているので、初めての方でもきれいなロゼ色に仕上げやすい部位です。スーパーでもいちばん見つけやすく、値段も手ごろです。

ローストビーフの部位ごとの特徴と向いている人

同じ牛肉でも、部位によって脂の量や繊維の細かさがちがいます。ここでは、ローストビーフによく使われる部位を、特徴と向いている人に分けて解説します。

モモ(ウチモモ・シンタマ・ランプ)|失敗しにくい王道の赤身

ローストビーフ用の牛ももブロック

「モモ」は牛の後ろ脚の部位で、よく動かす筋肉のため脂が少なく、ほとんどが赤身です。ローストビーフでいちばん使われる、王道の部位です。

  • ウチモモ:後ろ脚の内側。きめが細かく、塊が大きいので形のそろったブロックをとりやすい。スーパーでいちばん見かけるのがこの部位です。
  • シンタマ:後ろ脚の付け根にある丸い塊。中心部の「マルシン」は、モモの中でも柔らかめです。
  • ランプ:腰からお尻にかけての部位。赤身なのに柔らかく、旨味が濃いのが特徴です。量が少ないため、精肉店や通販で探すことが多くなります。

どれも脂が少ないので、冷めてもしっとりしていて、きれいなロゼ色に仕上げやすいのが強みです。たんぱく質が多く脂質が少ない赤身なので、さっぱり食べたい方にも向いています。

向いている人:初めて作る方、失敗したくない方、赤身の味を楽しみたい方

調理師
調理師

調理場では、モモ肉をウチモモと外モモに分けて使っていました。ウチモモは牛のたたきに、外モモは煮込みに。たたきは表面を焼いて中をしっとり残す料理なので、火の入れ方はローストビーフとほとんど同じです。つまり、ローストビーフに向くのはウチモモのほうです。モモ肉は繊維が一定の方向に走っています。切るときは繊維を断ち切るように、垂直に薄く。これだけで、口に入れたときの柔らかさが変わります。

ロース(サーロイン・リブロース)|ジューシーで華やかな霜降り

霜降りの入ったサーロインの塊肉

背中側の「サーロイン」や「リブロース」は、霜降り(サシ)が入りやすく、脂の甘みとジューシーさを楽しめる部位です。見た目にも華やかで、記念日やパーティーの主役に向いています。

一方で、脂が多いぶん、冷めると脂が白く固まり、口当たりが重くなります。たくさん食べるより、少しずつ味わう一皿に向いた部位です。

向いている人:ジューシーさを重視したい方、おもてなしで華やかに見せたい方

調理師
調理師

ロースは、冷蔵庫で冷えている状態でスライスし、お皿に盛ってから15〜20分ほど置いてから出してください。固まっていた脂がゆるんで、口に入れたときにとろける食感と香りが戻ります。

ヒレ|いちばん柔らかい、脂の少ない部位

牛ヒレの塊肉

「ヒレ」は腰の内側にある部位で、ほとんど動かさない筋肉のため、繊維が細かく、牛肉の中でいちばん柔らかいと言われます。一頭からとれる量が少なく、値段は高めです。

脂がほとんどないので、霜降りの脂が苦手な方や、年配の方を招くおもてなしにも出しやすい部位です。

向いている人:とにかく柔らかさを重視したい方、脂が苦手な方

調理師
調理師

ヒレは脂が少ないぶん、火が入りすぎると一気にパサついて縮みます。焼き時間は、後で紹介する目安表の短いほうに合わせてください。

肩ロース・外モモ・イチボ|値段を抑えたい・旨味がほしいとき

適度にサシの入った牛肩ロースの塊肉

上の3つ以外にも、ローストビーフに使える部位があります。それぞれ「ひと手間」や「切り方」で、おいしく仕上がります。

  • 肩ロース:首から肩にかけての背中側。適度なサシがあり、肉の味が濃い部位です。モモよりグラム単価が安いことが多い反面、筋が通っていることがあります。焼く前に、目立つ筋に包丁で浅く切れ目を入れておきます。
  • 外モモ:後ろ脚の外側。スーパーでよく見かけて値段も手ごろですが、きめが粗く、やや硬めです。できるだけ薄く切ると食べやすくなります。焼く前にブライン液に漬けておくのも効果的です(後述)。
  • イチボ:お尻の先の部位。赤身と脂のバランスがよく、旨味が濃いのが特徴です。量が少なく、スーパーではほとんど見かけないため、精肉店や通販で探します。

向いている人:値段を抑えたい方(肩ロース・外モモ)、肉の旨味をしっかり感じたい方(肩ロース・イチボ)

目的別で選ぶローストビーフの部位の早見表

売り場で迷ったときは、何をいちばん大事にしたいかで選ぶと決めやすくなります。

大事にしたいこと選ぶ部位仕上がり
失敗したくないウチモモ
シンタマ
しっとりした赤身
きれいなロゼ色
旨味を楽しみたいランプ
イチボ
赤身の味が濃く、柔らかい
華やかに見せたいサーロイン
リブロース
ジューシーで脂の甘みがある
とにかく柔らかくヒレいちばん柔らかく、脂が少ない
値段を抑えたい外モモ
肩ロース
噛みごたえがあり、肉の味が濃い

なぜ部位で仕上がりが変わる?ローストビーフに赤身のモモが向く理由

同じ焼き方をしても、部位によって「しっとり柔らか」にも「硬くてパサパサ」にもなります。その差を生むのは、次の3つです。


①脂の量:冷めると固まる

ローストビーフは、焼きたての熱々ではなく、冷ましてから切って食べることが多い料理です。霜降りの多い部位は、冷めると脂が白く固まり、口当たりが重くなります。

赤身のモモは脂が少ないので、冷めてもしっとりしたまま。噛むほどに肉の味が広がります。

②繊維の細かさ:よく動かす筋肉ほど粗くなる

牛がよく動かす筋肉ほど、繊維は太く粗くなります。ほとんど動かさないヒレがいちばん柔らかく、同じモモでも、内側のウチモモは外側の外モモより繊維が細かくなります。

③筋(すじ)の多さ:短い加熱では柔らかくならない

肉の筋は、時間をかけて煮込むと、とろけるように柔らかくなります。ところがローストビーフは、中をしっとり残すために加熱を短くする料理です。そのため、筋の多い部位は硬いまま残ってしまいます。

調理場で外モモを煮込みに回していたのは、このためです。筋が多く繊維が粗い外モモは、長く煮込んではじめて柔らかくなる部位です。


3つを部位ごとに並べると

部位脂繊維筋ローストビーフに
ウチモモ
シンタマ
少ない細かい少ない◎
ランプ少ない細かい少ない◎
ヒレとても少ないとても細かい少ない○
(火が入りやすい)
サーロイン
リブロース
多い細かい少ない○
(冷めると脂が固まる)
外モモ少ない粗い多め○
(薄切りで)
肩ロースほどほどやや粗い多め△
(筋切りが必要)

ローストビーフに向くのは「脂が少なく、繊維が細かく、筋が少ない」部位。この3つがそろっているのが、ウチモモ・シンタマ・ランプです。


スーパーの牛肉で作るなら、どの部位?売り場での見分け方

ローストビーフに向くうちももの位置と特徴

答えは、「牛もも」のブロック、できれば「うちもも」です。

スーパーの精肉売り場に塊(ブロック)で並ぶのは、ほとんどが牛ももと肩ロースです。ここでは、売り場で迷わないための見分け方を、ラベル・パックの見た目・下ごしらえの順に紹介します。


スーパーに並ぶ塊肉は、主に「もも」と「肩ロース」

一般的なスーパーで、塊のまま売られていることが多いのは次の2つです。

牛ももブロック
いちばん多く並んでいる定番です。「ローストビーフ用」というシールが貼られていることもあります。

牛肩ロースブロック
ほどよく脂の入った塊肉です。ももよりグラム単価が安いことが多く、肉の味が濃いのが特徴です。

大きな店では、サーロインのブロックが並ぶこともあります。ランプ・イチボ・ヒレは、スーパーではほとんど見かけません。

お店や地域によっては、塊肉そのものが並ばない日もあります。記念日に合わせて確実に用意したいときは、通販のももブロックを前もって頼んでおく方法もあります▶記念日の1本なら、等級がわかる和牛の伊万里牛の極上モモブロック


ラベルに「うちもも」と書いてあれば、それを選ぶ

スーパーのラベルには、次のような書き方があります。

「うちもも」「内もも」
ローストビーフにいちばん向く部位です。迷わずこれを選んでください。

「そともも」「外もも」
値段は手ごろですが、繊維が粗く、やや硬めです。薄切りにする前提で選びます。

「もも」だけ
うちももか外ももか分かりません。お店の人に「これは内ももですか?」と聞くのが確実です。

「ローストビーフ用」
お店がローストビーフ向きに切り分けたものです。部位名も一緒に書かれていれば、確認しておきます。

調理師
調理師

同じ「もも」でも、うちももか外ももかで仕上がりが変わります。ラベルに「もも」としか書いていなければ、遠慮せずに売り場の人に聞いてください。


パックを見て選ぶ4つのポイント

部位が決まったら、パックの中身を見て選びます。

  1. 太さと厚みがそろっている
    円柱や長方形に近い形のものを選びます。
  2. 重さは300〜500g
    家庭のフライパンで焼くなら、この大きさがいちばん扱いやすくなります。初めてなら400g前後がおすすめです。
  3. 赤い肉汁(ドリップ)が出ていない
    パックを少し傾けて、底に赤い汁がたまっていないか、表面にハリがあるかを見ます。
  4. 断面に太い脂の塊がない
    全体が赤いものはさっぱり、細かい白い線(サシ)が散っているものはジューシーに仕上がります。中心に太い脂の塊が入っているものは避けます。
調理師
調理師

端が極端に細くなっている塊は、焼いたときにそこだけ火が入りすぎて硬くなります。太さがそろっているかどうかは、パックを手に取ってすぐ確かめられる、いちばん大事なポイントです。


値段を抑えるなら、輸入牛のももも選択肢

アメリカ産やオーストラリア産などの輸入牛のももは、国産牛より値段が手ごろです。脂が少ないものが多いので、ローストビーフのきれいなロゼ色にも仕上げやすくなります。

ただ、赤身が締まっていて硬く感じやすいので、次に紹介する下ごしらえをしておくと安心です。


安いお肉を柔らかくする下ごしらえ

ブライン液

「安いお肉だと、パサパサして硬くなりそう」と心配になるかもしれません。でも、パサつきのいちばんの原因は、肉の質ではなく「火の入れすぎ」です。そのうえで、焼く前に次の下ごしらえをしておくと、よりしっとり仕上がります。

  • ブライン液に漬ける
    水に対して5%の塩と5%の砂糖を溶かした液に、1〜3時間ほど漬けます。塩が肉の水分を保つ力を高め、砂糖が水分を抱え込んでくれます。
  • 牛脂で焼く
    精肉売り場に置いてある牛脂をフライパンに溶かしてから焼くと、脂の少ない赤身にも香りとコクが移ります。
  • すりおろし玉ねぎに漬ける
    1〜2時間ほど漬けておくと、肉が柔らかくなります。漬けたあとの玉ねぎは、そのままソースの材料に使えます。
調理師
調理師

ブライン液に漬けるのは、長くても4時間まで。それ以上漬けると、塩気が入りすぎます。焼く前には、キッチンペーパーで水気をしっかり拭いてください。

記念日の1本なら、等級がわかる和牛のももブロック

記念日の前日に精肉売り場をのぞいたら、ちょうどいい塊肉が1つもない——。スーパーの塊肉はその日の入荷しだいなので、これは珍しいことではありません。

ふだんのローストビーフなら、ここまでの選び方で、スーパーの牛ももでも十分おいしく作れます。ただ、「年に一度の日だけは、肉で迷いたくない」というときは、等級のわかる和牛のももブロックを、通販で前もって用意しておく方法があります。


和牛のももは、同じ「もも」でも仕上がりがちがう

和牛のももは、赤身の中にも細かいサシが入りやすく、輸入牛のももより柔らかく仕上がります。赤身のしっとり感はそのままに、口当たりがなめらかになるのが特徴です。

スーパーでは、和牛のもものブロックを見かけることはあまりありません。等級や産地まで選びたいなら、通販のほうが確実です。


佐賀・伊万里牛の極上モモブロック

内容量500g
(4人分ほど)
価格7,800円
(1人分にすると約1,950円)
(税込・2026年10月時点)
牛の種類佐賀県産の国産黒毛和牛
等級伊萬里牛は90%以上がA5等級
届く状態冷凍便
(賞味期限は発送日から30日)
送料地域によって1,000〜2,840円
(1回の配送で10,800円(税込)以上買うと送料無料)

販売店によると伊萬里牛の脂は融点が低く、さらっとしているのが特徴です。年配の方にも食べやすいとされています。赤身のももなら、なおさら重たくなりません。

500gは、このページの焼き時間の表の「おもてなしサイズ」に、そのまま当てはまります。当日は、解凍しておいたお肉を焼いて、休ませるだけ。切り分けた断面の赤がそろっていて、家族から「これ、どこのお肉?」と聞かれる。そんな記念日の一皿になります。

たとえば三重県なら、1本(7,800円)だと送料1,250円がかかり、合計9,050円です。2本セット(14,800円)なら送料が無料になり、1本あたり7,400円で買えます。賞味期限が30日あるので、記念日用と、ふだんの日の1本に分けて使えます。

\年に一度の日は、肉で迷わない/
佐賀・伊万里牛 極上モモブロック500g(生肉)

調理師
調理師

冷凍で届くので、賞味期限は発送日から30日あります。記念日の直前に慌てて探さなくても、1〜2週間前に頼んで冷凍庫に入れておけば安心です。焼く前日に冷蔵庫へ移して、1日かけてゆっくり解凍してください。急いで電子レンジや流水で解凍すると、肉汁が抜けてパサつきやすくなります。

調理師
調理師

この商品は、もものどの部分が届くかを選べません。うちももが届けばそのまま、外ももに近い部分が届いたら、少し薄めに切ってください。和牛のももは赤身にも細かいサシが入るので、輸入牛の外ももほど硬くはなりません。


向いている人・向いていない人

向いている人

  • 記念日やおもてなしで、肉選びに迷いたくない方
  • 近所のスーパーに、ちょうどいい塊肉が並ばない方
  • 和牛のももで、しっとりした赤身を味わいたい方

向いていない人

  • ふだんのローストビーフとして作りたい方→スーパーの「うちもも」で十分です
  • 値段をいちばん大事にしたい方→輸入牛のももがおすすめです

スーパー・精肉店・コストコ・通販の比べ方は▶ローストビーフ用の肉はどこで買う?失敗しない選び方を調理師が解説

選んだ部位を硬くしない、ローストビーフの焼き方の基本

部位を選んだら、あとは火の入れ方です。ローストビーフが硬くなる原因は、ほとんどが「火の入れすぎ」。次の3つを守れば、スーパーの牛ももでも、和牛のももでも、しっとり仕上がります。


硬くしないための3つの基本

1.焼く30分〜1時間前に、冷蔵庫から出しておく
冷えきった塊肉をそのまま焼くと、中が温まる前に外側だけ火が入りすぎてしまいます。焼く前に冷蔵庫から出して、表面の冷たさをとっておきます。

2.強火で表面に焼き色をつける
「表面を焼いて肉汁を閉じ込める」とよく言われますが、焼き色で肉汁は閉じ込められません。強火で焼く目的は、香ばしい焼き色と香りをつけることです。

3.アルミホイルで包んで、余熱で火を通す
肉汁を守るのは、焼いたあとに休ませる時間です。アルミホイルで包んで置いておくと、余熱で中心までゆっくり火が通り、肉汁も落ち着きます。切ったときに、お皿に肉汁が流れ出にくくなります。


【重さ別】焼き時間と休ませる時間の目安

フライパンで焼くときの、表面の焼き時間と、アルミホイルで休ませる時間の目安です。

肉の重さフライパンでの焼き時間
(全面の合計)
アルミホイルで
休ませる時間
約300g
(小さめ)
強火で約4〜5分約15〜20分
約400g
(標準)
強火で約5〜6分約20〜25分
約500g
(おもてなし)
強火で約6〜7分約25〜30分

※モモ肉を目安にしています。同じ重さでも、太さや形で火の入り方は変わります。

部位による調整

  • ヒレ:細長く脂が少ないので、焼き時間は表の短いほうに合わせます。
  • サーロイン・リブロース:脂が多いぶん、焼くと脂がたくさん出ます。キッチンペーパーで拭きながら焼きます。
  • 肩ロース:塊が太いことが多いので、休ませる時間を少し長めにとります。

フライパン以外の焼き方と、安全に食べるための注意

フライパンとアルミホイルがいちばん手軽ですが、ほかにも方法があります。

  • 炊飯器の保温:表面を焼いたあと、耐熱の保存袋に入れ、70℃前後のお湯を張った炊飯器で30〜40分保温します。温度が一定に保たれるので、焼きすぎを防ぎやすくなります。
  • 湯せん:炊飯器と同じように、袋に入れた肉を、火を止めたお湯(またはごく弱火)で温めます。

安全に食べるための注意
塊肉は、表面をしっかり焼けば、中がしっとりした状態でも食べられます。ただし、フォークなどで刺して穴をあけた肉や、成型肉(小さな肉をくっつけて形を整えた肉)は、中まで火を通してください。 表面の菌が中に入っているおそれがあるためです。

調理師
調理師

焼き上がってすぐに切ると、肉の中の肉汁が一気に流れ出て、パサパサになります。冷めるか、手で触れるくらいの温度まで落ち着いてから切ってください。

ローストビーフの部位に関するよくある質問

部位選びや保存について、よくある質問に調理師としてお答えします。

Q
スーパーの「ローストビーフ用」は、何の部位ですか?
A

多くは「もも」です。うちもも・しんたま・外もものどれかであることがほとんどです。ラベルに部位名が書いてあれば確認し、書いていなければ、お店の人に「どこの部位ですか?」と聞いてみてください。うちももなら、いちばん向いています。

Q
ステーキ用の肉でも作れますか?
A

厚みのある塊でなければ、ローストビーフにはなりにくいです。ステーキ用の肉は厚さ2〜3cmほどのものが多く、焼くとすぐ中まで火が通ってしまいます。中をしっとり残すには、太さのある塊(ブロック)を選んでください。

Q
輸入牛と国産牛、どちらがいいですか?
A

ふだんなら輸入牛、記念日なら国産牛か和牛がおすすめです。輸入牛のももは値段が手ごろで、脂が少なくロゼ色に仕上げやすいのが利点です。国産牛や和牛のももは、赤身の中に細かいサシが入りやすく、口当たりがなめらかになります。

記念日に和牛のももを使うなら、佐賀の▶伊万里牛の極上モモブロック(500g・冷凍便)が、焼き時間の表の『おもてなしサイズ』にそのまま合います。

Q
1人あたり何グラム用意すればいいですか?
A

メインの料理なら1人120〜150g、前菜やおつまみなら80〜100gが目安です。500gの塊なら、メインとして4人分ほどになります。

Q
余ったローストビーフの保存方法と、日持ちの目安は?
A

塊のままラップでぴったり包み、冷蔵庫で2〜3日以内に食べきるのが目安です。

切ると断面から乾いて色が変わっていくので、食べる直前まで切らずにおきます。ラップで包んだら、保存袋に入れて空気を抜き、冷蔵庫(できればチルド室)へ。

すぐに食べきれないときは、塊のまま同じように包んで冷凍もできます(2週間〜1か月ほど)。食べる前日に冷蔵庫へ移して、ゆっくり解凍してください。

まとめ|迷ったら「うちもも」、特別な日は和牛のももを

  • 失敗したくないなら:赤身でしっとり仕上がる「モモ(ウチモモ・シンタマ・ランプ)」
  • ジューシーに華やかにしたいなら:霜降りの「ロース(サーロイン・リブロース)」
  • とにかく柔らかくしたいなら:繊維が細かい「ヒレ」

ふだんのローストビーフなら、スーパーで「うちもも」と書かれた、太さのそろったブロックを選べば十分です。記念日の1本なら、伊萬里牛 極上モモブロックのように、等級のわかる和牛のももを前もって用意しておくと、当日は肉選びに迷わずにすみます。

切り分けたとき、きれいなピンク色の断面が見えて、食卓から「お店みたい」と声が上がる。その一皿は、売り場での部位選びから始まっています。


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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)
和食の世界で25年以上。旬の食材や家庭でできる調理のコツを、やさしく、わかりやすくお届けしています。料理がもっと楽しく、おいしくなるきっかけになれば嬉しいです。
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