記念日の前日、精肉売り場の前で「牛ももブロック」「肩ロースかたまり」「ローストビーフ用」と書かれたラベルを見比べて、手が止まってしまう。
「どの部位を選べば柔らかく仕上がるの?」
「スーパーのお肉でも大丈夫?」
せっかくの日だからこそ、失敗したくないですよね。
結論:ローストビーフに向く部位は、牛ももの「ウチモモ・シンタマ・ランプ」です。
迷ったら、スーパーで「牛もも」と書かれた、太さのそろったブロックを選べば失敗しにくくなります。記念日用に、和牛のももを通販で探している方は▶こちら
調理場に立ってきた実感として、ローストビーフの仕上がりは「部位選び」で8割が決まります。部位さえ合っていれば、スーパーのお肉でもお店のようなしっとりした一皿になります。
この記事では調理師歴25年の視点から、ローストビーフにおすすめの部位ランキングと肉の種類8つの特徴、スーパーでの選び方と見分け方、そして硬くしない焼き時間の目安までまとめました。
【結論】ローストビーフにおすすめの部位ランキングと肉の種類
ローストビーフに使える牛肉の部位は、大きく分けて8種類あります。まずは一覧で、それぞれの場所と特徴、スーパーで見つけやすいかどうかを確認してください。
| 部位 | 場所 | 特徴 | スーパーで |
|---|---|---|---|
| ウチモモ | 後ろ脚の内側 | 赤身・きめ細かい・脂が少ない | よく見る |
| シンタマ (マルシン) | 後ろ脚の付け根 | 赤身で柔らかめ | ときどき |
| ランプ | 腰からお尻 | 赤身で柔らかく旨味が濃い | ほぼない |
| イチボ | お尻の先 | 赤身と脂のバランスがよく旨味が濃い | ほぼない |
| 外モモ | 後ろ脚の外側 | きめが粗く、やや硬い(薄切り向き) | よく見る |
| サーロイン リブロース | 背中 | 霜降り・脂の甘み | ときどき |
| 肩ロース | 首〜肩の背中側 | 適度なサシ・筋がある | よく見る |
| ヒレ | 腰の内側 | いちばん柔らかい・高価 | ほぼない |
この中から、調理師としておすすめする順に3つを選ぶと、次のとおりです。
| 順位 | 部位 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|
| 1位 | モモ (ウチモモ・シンタマ・ランプ) | 失敗したくない 赤身のしっとり感を楽しみたい |
| 2位 | ロース (サーロイン・リブロース) | ジューシーに仕上げたい おもてなしの主役に |
| 3位 | ヒレ (フィレ) | とにかく柔らかく 脂が苦手な方・年配の方に |
迷ったら1位の「モモ」を選んでください。脂が少なく、冷めてもしっとりしているので、初めての方でもきれいなロゼ色に仕上げやすい部位です。スーパーでもいちばん見つけやすく、値段も手ごろです。
ローストビーフの部位ごとの特徴と向いている人
同じ牛肉でも、部位によって脂の量や繊維の細かさがちがいます。ここでは、ローストビーフによく使われる部位を、特徴と向いている人に分けて解説します。
モモ(ウチモモ・シンタマ・ランプ)|失敗しにくい王道の赤身

「モモ」は牛の後ろ脚の部位で、よく動かす筋肉のため脂が少なく、ほとんどが赤身です。ローストビーフでいちばん使われる、王道の部位です。
- ウチモモ:後ろ脚の内側。きめが細かく、塊が大きいので形のそろったブロックをとりやすい。スーパーでいちばん見かけるのがこの部位です。
- シンタマ:後ろ脚の付け根にある丸い塊。中心部の「マルシン」は、モモの中でも柔らかめです。
- ランプ:腰からお尻にかけての部位。赤身なのに柔らかく、旨味が濃いのが特徴です。量が少ないため、精肉店や通販で探すことが多くなります。
どれも脂が少ないので、冷めてもしっとりしていて、きれいなロゼ色に仕上げやすいのが強みです。たんぱく質が多く脂質が少ない赤身なので、さっぱり食べたい方にも向いています。
向いている人:初めて作る方、失敗したくない方、赤身の味を楽しみたい方

調理場では、モモ肉をウチモモと外モモに分けて使っていました。ウチモモは牛のたたきに、外モモは煮込みに。たたきは表面を焼いて中をしっとり残す料理なので、火の入れ方はローストビーフとほとんど同じです。つまり、ローストビーフに向くのはウチモモのほうです。モモ肉は繊維が一定の方向に走っています。切るときは繊維を断ち切るように、垂直に薄く。これだけで、口に入れたときの柔らかさが変わります。
ロース(サーロイン・リブロース)|ジューシーで華やかな霜降り

背中側の「サーロイン」や「リブロース」は、霜降り(サシ)が入りやすく、脂の甘みとジューシーさを楽しめる部位です。見た目にも華やかで、記念日やパーティーの主役に向いています。
一方で、脂が多いぶん、冷めると脂が白く固まり、口当たりが重くなります。たくさん食べるより、少しずつ味わう一皿に向いた部位です。
向いている人:ジューシーさを重視したい方、おもてなしで華やかに見せたい方

ロースは、冷蔵庫で冷えている状態でスライスし、お皿に盛ってから15〜20分ほど置いてから出してください。固まっていた脂がゆるんで、口に入れたときにとろける食感と香りが戻ります。
ヒレ|いちばん柔らかい、脂の少ない部位

「ヒレ」は腰の内側にある部位で、ほとんど動かさない筋肉のため、繊維が細かく、牛肉の中でいちばん柔らかいと言われます。一頭からとれる量が少なく、値段は高めです。
脂がほとんどないので、霜降りの脂が苦手な方や、年配の方を招くおもてなしにも出しやすい部位です。
向いている人:とにかく柔らかさを重視したい方、脂が苦手な方

ヒレは脂が少ないぶん、火が入りすぎると一気にパサついて縮みます。焼き時間は、後で紹介する目安表の短いほうに合わせてください。
肩ロース・外モモ・イチボ|値段を抑えたい・旨味がほしいとき

上の3つ以外にも、ローストビーフに使える部位があります。それぞれ「ひと手間」や「切り方」で、おいしく仕上がります。
- 肩ロース:首から肩にかけての背中側。適度なサシがあり、肉の味が濃い部位です。モモよりグラム単価が安いことが多い反面、筋が通っていることがあります。焼く前に、目立つ筋に包丁で浅く切れ目を入れておきます。
- 外モモ:後ろ脚の外側。スーパーでよく見かけて値段も手ごろですが、きめが粗く、やや硬めです。できるだけ薄く切ると食べやすくなります。焼く前にブライン液に漬けておくのも効果的です(後述)。
- イチボ:お尻の先の部位。赤身と脂のバランスがよく、旨味が濃いのが特徴です。量が少なく、スーパーではほとんど見かけないため、精肉店や通販で探します。
向いている人:値段を抑えたい方(肩ロース・外モモ)、肉の旨味をしっかり感じたい方(肩ロース・イチボ)
目的別で選ぶローストビーフの部位の早見表
売り場で迷ったときは、何をいちばん大事にしたいかで選ぶと決めやすくなります。
| 大事にしたいこと | 選ぶ部位 | 仕上がり |
|---|---|---|
| 失敗したくない | ウチモモ シンタマ | しっとりした赤身 きれいなロゼ色 |
| 旨味を楽しみたい | ランプ イチボ | 赤身の味が濃く、柔らかい |
| 華やかに見せたい | サーロイン リブロース | ジューシーで脂の甘みがある |
| とにかく柔らかく | ヒレ | いちばん柔らかく、脂が少ない |
| 値段を抑えたい | 外モモ 肩ロース | 噛みごたえがあり、肉の味が濃い |
なぜ部位で仕上がりが変わる?ローストビーフに赤身のモモが向く理由
同じ焼き方をしても、部位によって「しっとり柔らか」にも「硬くてパサパサ」にもなります。その差を生むのは、次の3つです。
①脂の量:冷めると固まる
ローストビーフは、焼きたての熱々ではなく、冷ましてから切って食べることが多い料理です。霜降りの多い部位は、冷めると脂が白く固まり、口当たりが重くなります。
赤身のモモは脂が少ないので、冷めてもしっとりしたまま。噛むほどに肉の味が広がります。
②繊維の細かさ:よく動かす筋肉ほど粗くなる
牛がよく動かす筋肉ほど、繊維は太く粗くなります。ほとんど動かさないヒレがいちばん柔らかく、同じモモでも、内側のウチモモは外側の外モモより繊維が細かくなります。
③筋(すじ)の多さ:短い加熱では柔らかくならない
肉の筋は、時間をかけて煮込むと、とろけるように柔らかくなります。ところがローストビーフは、中をしっとり残すために加熱を短くする料理です。そのため、筋の多い部位は硬いまま残ってしまいます。
調理場で外モモを煮込みに回していたのは、このためです。筋が多く繊維が粗い外モモは、長く煮込んではじめて柔らかくなる部位です。
3つを部位ごとに並べると
| 部位 | 脂 | 繊維 | 筋 | ローストビーフに |
|---|---|---|---|---|
| ウチモモ シンタマ | 少ない | 細かい | 少ない | ◎ |
| ランプ | 少ない | 細かい | 少ない | ◎ |
| ヒレ | とても少ない | とても細かい | 少ない | ○ (火が入りやすい) |
| サーロイン リブロース | 多い | 細かい | 少ない | ○ (冷めると脂が固まる) |
| 外モモ | 少ない | 粗い | 多め | ○ (薄切りで) |
| 肩ロース | ほどほど | やや粗い | 多め | △ (筋切りが必要) |
ローストビーフに向くのは「脂が少なく、繊維が細かく、筋が少ない」部位。この3つがそろっているのが、ウチモモ・シンタマ・ランプです。
スーパーの牛肉で作るなら、どの部位?売り場での見分け方

答えは、「牛もも」のブロック、できれば「うちもも」です。
スーパーの精肉売り場に塊(ブロック)で並ぶのは、ほとんどが牛ももと肩ロースです。ここでは、売り場で迷わないための見分け方を、ラベル・パックの見た目・下ごしらえの順に紹介します。
スーパーに並ぶ塊肉は、主に「もも」と「肩ロース」
一般的なスーパーで、塊のまま売られていることが多いのは次の2つです。
牛ももブロック
いちばん多く並んでいる定番です。「ローストビーフ用」というシールが貼られていることもあります。
牛肩ロースブロック
ほどよく脂の入った塊肉です。ももよりグラム単価が安いことが多く、肉の味が濃いのが特徴です。
大きな店では、サーロインのブロックが並ぶこともあります。ランプ・イチボ・ヒレは、スーパーではほとんど見かけません。
お店や地域によっては、塊肉そのものが並ばない日もあります。記念日に合わせて確実に用意したいときは、通販のももブロックを前もって頼んでおく方法もあります▶記念日の1本なら、等級がわかる和牛の伊万里牛の極上モモブロック
ラベルに「うちもも」と書いてあれば、それを選ぶ
スーパーのラベルには、次のような書き方があります。
「うちもも」「内もも」
ローストビーフにいちばん向く部位です。迷わずこれを選んでください。
「そともも」「外もも」
値段は手ごろですが、繊維が粗く、やや硬めです。薄切りにする前提で選びます。
「もも」だけ
うちももか外ももか分かりません。お店の人に「これは内ももですか?」と聞くのが確実です。
「ローストビーフ用」
お店がローストビーフ向きに切り分けたものです。部位名も一緒に書かれていれば、確認しておきます。

同じ「もも」でも、うちももか外ももかで仕上がりが変わります。ラベルに「もも」としか書いていなければ、遠慮せずに売り場の人に聞いてください。
パックを見て選ぶ4つのポイント

部位が決まったら、パックの中身を見て選びます。
- 太さと厚みがそろっている
円柱や長方形に近い形のものを選びます。 - 重さは300〜500g
家庭のフライパンで焼くなら、この大きさがいちばん扱いやすくなります。初めてなら400g前後がおすすめです。 - 赤い肉汁(ドリップ)が出ていない
パックを少し傾けて、底に赤い汁がたまっていないか、表面にハリがあるかを見ます。 - 断面に太い脂の塊がない
全体が赤いものはさっぱり、細かい白い線(サシ)が散っているものはジューシーに仕上がります。中心に太い脂の塊が入っているものは避けます。

端が極端に細くなっている塊は、焼いたときにそこだけ火が入りすぎて硬くなります。太さがそろっているかどうかは、パックを手に取ってすぐ確かめられる、いちばん大事なポイントです。
値段を抑えるなら、輸入牛のももも選択肢
アメリカ産やオーストラリア産などの輸入牛のももは、国産牛より値段が手ごろです。脂が少ないものが多いので、ローストビーフのきれいなロゼ色にも仕上げやすくなります。
ただ、赤身が締まっていて硬く感じやすいので、次に紹介する下ごしらえをしておくと安心です。
安いお肉を柔らかくする下ごしらえ

「安いお肉だと、パサパサして硬くなりそう」と心配になるかもしれません。でも、パサつきのいちばんの原因は、肉の質ではなく「火の入れすぎ」です。そのうえで、焼く前に次の下ごしらえをしておくと、よりしっとり仕上がります。
- ブライン液に漬ける
水に対して5%の塩と5%の砂糖を溶かした液に、1〜3時間ほど漬けます。塩が肉の水分を保つ力を高め、砂糖が水分を抱え込んでくれます。 - 牛脂で焼く
精肉売り場に置いてある牛脂をフライパンに溶かしてから焼くと、脂の少ない赤身にも香りとコクが移ります。 - すりおろし玉ねぎに漬ける
1〜2時間ほど漬けておくと、肉が柔らかくなります。漬けたあとの玉ねぎは、そのままソースの材料に使えます。

ブライン液に漬けるのは、長くても4時間まで。それ以上漬けると、塩気が入りすぎます。焼く前には、キッチンペーパーで水気をしっかり拭いてください。
記念日の1本なら、等級がわかる和牛のももブロック
記念日の前日に精肉売り場をのぞいたら、ちょうどいい塊肉が1つもない——。スーパーの塊肉はその日の入荷しだいなので、これは珍しいことではありません。
ふだんのローストビーフなら、ここまでの選び方で、スーパーの牛ももでも十分おいしく作れます。ただ、「年に一度の日だけは、肉で迷いたくない」というときは、等級のわかる和牛のももブロックを、通販で前もって用意しておく方法があります。
和牛のももは、同じ「もも」でも仕上がりがちがう
和牛のももは、赤身の中にも細かいサシが入りやすく、輸入牛のももより柔らかく仕上がります。赤身のしっとり感はそのままに、口当たりがなめらかになるのが特徴です。
スーパーでは、和牛のもものブロックを見かけることはあまりありません。等級や産地まで選びたいなら、通販のほうが確実です。
佐賀・伊万里牛の極上モモブロック
| 内容量 | 500g (4人分ほど) |
| 価格 | 7,800円 (1人分にすると約1,950円) (税込・2026年10月時点) |
| 牛の種類 | 佐賀県産の国産黒毛和牛 |
| 等級 | 伊萬里牛は90%以上がA5等級 |
| 届く状態 | 冷凍便 (賞味期限は発送日から30日) |
| 送料 | 地域によって1,000〜2,840円 (1回の配送で10,800円(税込)以上買うと送料無料) |
販売店によると伊萬里牛の脂は融点が低く、さらっとしているのが特徴です。年配の方にも食べやすいとされています。赤身のももなら、なおさら重たくなりません。
500gは、このページの焼き時間の表の「おもてなしサイズ」に、そのまま当てはまります。当日は、解凍しておいたお肉を焼いて、休ませるだけ。切り分けた断面の赤がそろっていて、家族から「これ、どこのお肉?」と聞かれる。そんな記念日の一皿になります。
たとえば三重県なら、1本(7,800円)だと送料1,250円がかかり、合計9,050円です。2本セット(14,800円)なら送料が無料になり、1本あたり7,400円で買えます。賞味期限が30日あるので、記念日用と、ふだんの日の1本に分けて使えます。
\年に一度の日は、肉で迷わない/
佐賀・伊万里牛 極上モモブロック500g(生肉)

冷凍で届くので、賞味期限は発送日から30日あります。記念日の直前に慌てて探さなくても、1〜2週間前に頼んで冷凍庫に入れておけば安心です。焼く前日に冷蔵庫へ移して、1日かけてゆっくり解凍してください。急いで電子レンジや流水で解凍すると、肉汁が抜けてパサつきやすくなります。

この商品は、もものどの部分が届くかを選べません。うちももが届けばそのまま、外ももに近い部分が届いたら、少し薄めに切ってください。和牛のももは赤身にも細かいサシが入るので、輸入牛の外ももほど硬くはなりません。
向いている人・向いていない人
向いている人
- 記念日やおもてなしで、肉選びに迷いたくない方
- 近所のスーパーに、ちょうどいい塊肉が並ばない方
- 和牛のももで、しっとりした赤身を味わいたい方
向いていない人
- ふだんのローストビーフとして作りたい方→スーパーの「うちもも」で十分です
- 値段をいちばん大事にしたい方→輸入牛のももがおすすめです
スーパー・精肉店・コストコ・通販の比べ方は▶ローストビーフ用の肉はどこで買う?失敗しない選び方を調理師が解説
選んだ部位を硬くしない、ローストビーフの焼き方の基本
部位を選んだら、あとは火の入れ方です。ローストビーフが硬くなる原因は、ほとんどが「火の入れすぎ」。次の3つを守れば、スーパーの牛ももでも、和牛のももでも、しっとり仕上がります。
硬くしないための3つの基本

1.焼く30分〜1時間前に、冷蔵庫から出しておく
冷えきった塊肉をそのまま焼くと、中が温まる前に外側だけ火が入りすぎてしまいます。焼く前に冷蔵庫から出して、表面の冷たさをとっておきます。
2.強火で表面に焼き色をつける
「表面を焼いて肉汁を閉じ込める」とよく言われますが、焼き色で肉汁は閉じ込められません。強火で焼く目的は、香ばしい焼き色と香りをつけることです。
3.アルミホイルで包んで、余熱で火を通す
肉汁を守るのは、焼いたあとに休ませる時間です。アルミホイルで包んで置いておくと、余熱で中心までゆっくり火が通り、肉汁も落ち着きます。切ったときに、お皿に肉汁が流れ出にくくなります。
【重さ別】焼き時間と休ませる時間の目安
フライパンで焼くときの、表面の焼き時間と、アルミホイルで休ませる時間の目安です。
| 肉の重さ | フライパンでの焼き時間 (全面の合計) | アルミホイルで 休ませる時間 |
|---|---|---|
| 約300g (小さめ) | 強火で約4〜5分 | 約15〜20分 |
| 約400g (標準) | 強火で約5〜6分 | 約20〜25分 |
| 約500g (おもてなし) | 強火で約6〜7分 | 約25〜30分 |
※モモ肉を目安にしています。同じ重さでも、太さや形で火の入り方は変わります。
部位による調整
- ヒレ:細長く脂が少ないので、焼き時間は表の短いほうに合わせます。
- サーロイン・リブロース:脂が多いぶん、焼くと脂がたくさん出ます。キッチンペーパーで拭きながら焼きます。
- 肩ロース:塊が太いことが多いので、休ませる時間を少し長めにとります。
フライパン以外の焼き方と、安全に食べるための注意
フライパンとアルミホイルがいちばん手軽ですが、ほかにも方法があります。
- 炊飯器の保温:表面を焼いたあと、耐熱の保存袋に入れ、70℃前後のお湯を張った炊飯器で30〜40分保温します。温度が一定に保たれるので、焼きすぎを防ぎやすくなります。
- 湯せん:炊飯器と同じように、袋に入れた肉を、火を止めたお湯(またはごく弱火)で温めます。
安全に食べるための注意
塊肉は、表面をしっかり焼けば、中がしっとりした状態でも食べられます。ただし、フォークなどで刺して穴をあけた肉や、成型肉(小さな肉をくっつけて形を整えた肉)は、中まで火を通してください。 表面の菌が中に入っているおそれがあるためです。

焼き上がってすぐに切ると、肉の中の肉汁が一気に流れ出て、パサパサになります。冷めるか、手で触れるくらいの温度まで落ち着いてから切ってください。
ローストビーフの部位に関するよくある質問
部位選びや保存について、よくある質問に調理師としてお答えします。
- Qスーパーの「ローストビーフ用」は、何の部位ですか?
- A
多くは「もも」です。うちもも・しんたま・外もものどれかであることがほとんどです。ラベルに部位名が書いてあれば確認し、書いていなければ、お店の人に「どこの部位ですか?」と聞いてみてください。うちももなら、いちばん向いています。
- Qステーキ用の肉でも作れますか?
- A
厚みのある塊でなければ、ローストビーフにはなりにくいです。ステーキ用の肉は厚さ2〜3cmほどのものが多く、焼くとすぐ中まで火が通ってしまいます。中をしっとり残すには、太さのある塊(ブロック)を選んでください。
- Q輸入牛と国産牛、どちらがいいですか?
- A
ふだんなら輸入牛、記念日なら国産牛か和牛がおすすめです。輸入牛のももは値段が手ごろで、脂が少なくロゼ色に仕上げやすいのが利点です。国産牛や和牛のももは、赤身の中に細かいサシが入りやすく、口当たりがなめらかになります。
記念日に和牛のももを使うなら、佐賀の▶伊万里牛の極上モモブロック(500g・冷凍便)が、焼き時間の表の『おもてなしサイズ』にそのまま合います。
- Q1人あたり何グラム用意すればいいですか?
- A
メインの料理なら1人120〜150g、前菜やおつまみなら80〜100gが目安です。500gの塊なら、メインとして4人分ほどになります。
- Q余ったローストビーフの保存方法と、日持ちの目安は?
- A
塊のままラップでぴったり包み、冷蔵庫で2〜3日以内に食べきるのが目安です。
切ると断面から乾いて色が変わっていくので、食べる直前まで切らずにおきます。ラップで包んだら、保存袋に入れて空気を抜き、冷蔵庫(できればチルド室)へ。
すぐに食べきれないときは、塊のまま同じように包んで冷凍もできます(2週間〜1か月ほど)。食べる前日に冷蔵庫へ移して、ゆっくり解凍してください。
まとめ|迷ったら「うちもも」、特別な日は和牛のももを
- 失敗したくないなら:赤身でしっとり仕上がる「モモ(ウチモモ・シンタマ・ランプ)」
- ジューシーに華やかにしたいなら:霜降りの「ロース(サーロイン・リブロース)」
- とにかく柔らかくしたいなら:繊維が細かい「ヒレ」
ふだんのローストビーフなら、スーパーで「うちもも」と書かれた、太さのそろったブロックを選べば十分です。記念日の1本なら、伊萬里牛 極上モモブロックのように、等級のわかる和牛のももを前もって用意しておくと、当日は肉選びに迷わずにすみます。
切り分けたとき、きれいなピンク色の断面が見えて、食卓から「お店みたい」と声が上がる。その一皿は、売り場での部位選びから始まっています。
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農林水産省:牛肉の部位
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)
和食の世界で25年以上。旬の食材や家庭でできる調理のコツを、やさしく、わかりやすくお届けしています。料理がもっと楽しく、おいしくなるきっかけになれば嬉しいです。
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