【2025年版】65歳~74歳の食事摂取基準表|健康維持に必要な栄養素とエネルギー量

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年を重ねると、食べる量や体の調子が少しずつ変わってきます。「どんな食事をすれば元気でいられるの?」「栄養は足りているのかな?」と気になることもあるかもしれません。このページでは、65歳~74歳の方に合った栄養の目安を、見やすい表で紹介しています。毎日の食事づくりの参考にして、これからも元気にすごしていきましょう。

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65歳~74歳の食事摂取基準表

食事摂取基準を作るうえで、性別や年齢ごとに平均的な日本人の体型(身長と体重)を想定しています。この基準となる体型を「参照体位(さんしょうたいい)」と呼び、日々の健康維持や成長・発育、生活活動に必要な栄養量を考えるときの目安の体型として使われています。

【65歳~74歳の参照体位】
男児:身長 165.3cm 体重 64.4kg
女児:身長 152.2cm 体重 52.6kg

栄養素男性女性
エネルギー
(身体活動レベル低)
2100 kcal1650 kcal
エネルギー
(身体活動レベル普通)
2350 kcal1850 kcal
エネルギー
(身体活動レベル高)
2650 kcal2050 kcal
たんぱく質60 g50 g
脂質20-30 %20-30 %
飽和脂肪酸7 %以下7 %以下
n-6系脂肪酸10 g9 g
n-3系脂肪酸2.3 g2.0 g
炭水化物50-65 %50-65 %
食物繊維21 g以上18 g以上
ビタミンA850 μg700 μg
ビタミンD9.0 μg9.0 μg
ビタミンE7.5 mg7.0 mg
ビタミンK150 μg150 μg
ビタミンB11.0 mg0.8 mg
ビタミンB21.4 mg1.1 mg
ビタミンB61.4 mg1.2 mg
ビタミンB124.0 μg4.0 μg
ビタミンC100 mg100 mg
ナイアシン14 mg11 mg
葉酸240 μg240 μg
パントテン酸6 mg5 mg
ビオチン50 μg50 μg
ナトリウム
食塩相当量
7.5 g未満6.5 g未満
カリウム2500 mg2000 mg
カルシウム750 mg650 mg
マグネシウム350 mg280 mg
リン1000 mg800 mg
7.0 mg6.0 mg
亜鉛9.0 mg7.5 mg
0.8 mg0.7 mg
マンガン3.5 mg3.0 mg
ヨウ素140 μg140 μg
セレン30 μg25 μg
クロム10 μg10 μg
モリブデン20 μg20 μg

食事摂取基準表の見方
表に示されている数値は、年齢や性別に応じた1日あたりの目安です。各栄養素ごとに、次の基準に基づいて設定されています。

★:推奨量:ほとんどの人が不足しないと考えられる量
△:目安量:科学的根拠が不十分な栄養素における参考量
印なし:目標量:生活習慣病予防などを目的とした望ましい範囲

※ナトリウム量は食塩相当量として表示しています。

【2020年版 → 2025年版】主な変更点まとめ(65〜74歳)

● 増加・強化された主な栄養素

  • ビタミンD(男女)
    男:8.5 → 9.0 µg
    女:8.5 → 9.0 µg
    → 高齢期の骨折・骨粗しょう症リスクを踏まえ、必要量が引き上げられた
  • ビタミンE
    男:7.0 → 7.5 mg
    女:6.5 → 7.0 mg
    → 抗酸化作用・血管保護を重視した調整
  • ビタミンB12(男女)
    男:2.4 → 4.0 µg
    女:2.4 → 4.0 µg
    → 吸収効率低下を考慮し、高齢期で大きく増加
  • n-3系脂肪酸
    男:2.2 → 2.3 g
    女:2.0 → 2.0 g(据え置き)
    → 動脈硬化予防・炎症抑制を意識した微調整

● 減少・調整された主な栄養素

  • ビタミンB1
    男:1.3 → 1.0 mg
    女:1.1 → 0.8 mg
    → エネルギー必要量低下に合わせた見直し
  • マンガン
    男:4.0 → 3.5 mg
    女:3.5 → 3.0 mg
    → 過剰摂取リスクを考慮した調整
  • モリブデン
    男:30 → 20 µg
    女:25 → 20 µg
    → 必要量再評価による引き下げ

65歳〜74歳に必要な栄養素とは?

65歳をすぎると、体の機能や筋力が少しずつ低下しやすくなります。
そのため、バランスよく栄養をとることが、健康にすごすための大切なポイントです。
ここでは、特に意識してとりたい栄養素を紹介します。

● タンパク質
筋肉を保つために大切な栄養素です。
加齢とともに筋力が落ちやすくなるため、毎日しっかりとることが大切です。

● カルシウム
骨を丈夫に保つ栄養素。年齢を重ねると骨がもろくなりやすいため、骨粗しょう症の予防にも効果的です。

● ビタミンD
カルシウムの吸収を助け、骨の健康を守るビタミンです。
外に出る機会が少ない方は、特に意識してとりましょう。

● 食物繊維
腸内環境を整え、便秘予防にも役立ちます。
野菜、豆類、海藻などを意識して食べましょう。

● 鉄分・亜鉛
貧血や免疫力の低下を防ぐために大切なミネラル。
魚や肉、大豆製品などを取り入れて、体を守りましょう。

身体活動レベルについて

食事摂取基準では、エネルギー必要量を求めるときに「身体活動レベル(PAL)」を考慮します。
身体活動レベルとは、日常生活における運動量や活動量のことを指し、次の3段階に分けられています。

  • 身体活動レベル I(低い)
    家の中でのんびりすごすことが多く、体をあまり動かさない生活。外出は買い物や病院くらいで、運動の習慣があまりない方。
  • 身体活動レベル II(普通)
    掃除や洗濯などの家事をしていたり、買い物や通院で外出したり、軽い運動(散歩など)をときどき行う方。この年代の多くの方がここに当てはまります。
  • 身体活動レベル III(高い)
    畑仕事やウォーキング、体操など、日常的にしっかり体を動かす習慣がある方
    定期的にスポーツや運動をしている場合もここに含まれます。

年齢を重ねると、代謝(エネルギーを使う力)が少しずつ下がるため、活動量と食事のバランスがとても大切です。
ご自身の生活スタイルに合った活動レベルを知ることで、ムリなく、健康を守る食事の目安がわかるようになります。


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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)
和食の世界で25年以上。旬の食材や家庭でできる調理のコツを、やさしく、わかりやすくお届けしています。料理がもっと楽しく、おいしくなるきっかけになれば嬉しいです。
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