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炭水化物とは?その特徴と働き

炭水化物は、たんぱく質・脂質と並んで「エネルギー産生栄養素(エネルギー源となる栄養素)」のひとつです。大きく糖質と食物繊維に分類され、それぞれの特徴は以下の通りです。
| 分類 | 内容・特徴 |
|---|---|
| 糖質 | 体内で消化・吸収され、エネルギー源として利用される。でんぷんや砂糖など。 |
| 食物繊維 | 消化吸収されないが、健康的な食生活を支える成分として注目されている。 |
糖質は1gあたり約4kcalのエネルギーを生み出します。炭水化物は体内で主にブドウ糖の形で存在し、脳や神経系、赤血球など特定の組織ではブドウ糖をエネルギー源として利用します。
私たちの日常の活動や思考を支える基本的なエネルギー源として、炭水化物はとても重要な栄養素といえるでしょう。
種類別|炭水化物の含有量|トップ10
穀類|炭水化物|含有量ランキング

加工食品のアルファ米やコーンフレーク、ライスペーパーなどは水分が少ない状態で提供されるため、炭水化物含有量が高くなりやすい傾向にあります。
また、ビーフンは米粉から作られた乾麺で、東南アジアなどでよく使われる食材です。インディカ米はタイ米などに代表される長粒米で、日本のうるち米やもち米とは性質がやや異なります。
さらに、玄米や発芽玄米は白米と比べて炭水化物量はやや低いですが、栄養成分や食物繊維が含まれる点で注目されています。
| 食品 | 100g当たりの含有量 |
|---|---|
| アルファ米 | 84.8 g |
| ライスペーパー | 84.3 g |
| コーンフレーク | 83.6 g |
| ビーフン | 79.9 g |
| インディカ米 | 77.7 g |
| うるち米 | 77.6 g |
| もち米 | 77.2 g |
| 精白米 | 74.5 g |
| 発芽玄米 | 74.3 g |
| 玄米 | 74.3 g |
野菜類|炭水化物|含有量ランキング

野菜類の中でも、乾燥・漬物・甘煮など加工された食品は、炭水化物の含有量が高くなりやすい傾向があります。
たとえば、ドライトマトやかんぴょうの甘煮などは、水分が抜けることで成分が凝縮され、炭水化物の割合が高く表示されます。
また、守口漬けや奈良漬け、らっきょうの甘酢漬けなどの漬物類は、味付けに使われる砂糖やみりんの影響で炭水化物量が上がることがあります。
自然な状態の野菜と比較して、調理法や加工の違いによって大きな差が出る点が特徴です。
| 食品 | 100g当たりの含有量 |
|---|---|
| ドライトマト | 67.3 g |
| 守口漬け | 44.3 g |
| 奈良漬け | 40.0 g |
| かんぴょう(甘煮) | 36.5 g |
| 福神漬け | 33.3 g |
| にんにく(油いため) | 30.6 g |
| らっきょう(甘酢漬) | 29.4 g |
| 百合根(茹で) | 28.7 g |
| 西洋かぼちゃ(焼き) | 27.7 g |
| くわい(ゆで) | 27.2 g |
果物類|炭水化物|含有量ランキング

| 食品 | 100g当たりの含有量 |
|---|---|
| ドライマンゴー | 84.9 g |
| 干しブドウ | 80.3 g |
| ブルーベリー(乾) | 72.5 g |
| 干し柿 | 71.3 g |
| いちごジャム | 48.4 g |
| ドリアン(生) | 27.1 g |
| バナナ(生) | 22.5 g |
| あけび(生) | 22.0 g |
| 焼き林檎 | 21.9 g |
| もも(缶詰) | 20.6 g |
砂糖及び甘味料|炭水化物|含有量ランキング

砂糖や甘味料は、炭水化物の中でも特に糖質の割合が非常に高い食品群です。
氷砂糖・角砂糖・上白糖などの精製された砂糖類は、ほぼ100%が糖質で構成されており、炭水化物=糖質として表示されています。
一方で、黒糖や和三盆、はちみつ、メープルシロップなどは、糖質以外にも微量のミネラルや成分を含むため、炭水化物含有量はやや低く表示されます。
調味料として少量使われることが多いものの、100gあたりの炭水化物量としては非常に高いため、用途や摂取量に応じて意識したい食品群といえるでしょう。
| 食品 | 100g当たりの含有量 |
|---|---|
| 氷砂糖 | 100 g |
| 角砂糖 | 100 g |
| ざらめ糖 | 100 g |
| 上白糖 | 100 g |
| 三温糖 | 99.0 g |
| 和三盆 | 99.0 g |
| 黒糖(黒砂糖) | 90.3 g |
| はちみつ | 81.9 g |
| メープルシロップ | 66.3 g |
| 黒蜜 | 50.5 g |
菓子類|炭水化物|含有量ランキング

菓子類はその多くが砂糖やでんぷんなどの糖質を主原料として作られているため、100gあたりの炭水化物含有量は非常に高い水準になります。
飴玉やガム、ラムネ、らくがんなどは、水分やたんぱく質・脂質がほとんど含まれず、ほぼ糖質で構成されている食品です。
また、焼き菓子や干菓子(おこし・松風・八つ橋など)も、加工段階で水分が飛ばされているため、同じ100g中でも炭水化物の割合が高く表示されます。
| 食品 | 100g当たりの含有量 |
|---|---|
| 飴玉 | 97.5 g |
| 板ガム | 96.9 g |
| らくがん | 94.3 g |
| 八つ橋 | 94.2 g |
| ラムネ | 92.2 g |
| バタースコッチ | 91.0 g |
| ボーロ | 90.6 g |
| ゼリービーンズ | 90.4 g |
| おこし | 90.2 g |
| 松風 | 89.7 g |
炭水化物の食事摂取基準|年齢・性別別の必要量を解説!
炭水化物は、体にとって重要なエネルギー源となる栄養素のひとつです。
主にごはん・パン・麺類などから摂取され、日常生活を支えるエネルギーの多くを担っています。
厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、炭水化物の摂取目安量は総エネルギーの50〜65%とされています。年齢や性別によって推奨される比率は大きく変わらず、全世代を通じて安定した供給が求められています。

📌 年齢・性別ごとの目安割合(%エネルギー)
以下の表は、年齢や性別ごとに示された「1日のエネルギー摂取量のうち、炭水化物から何%を摂るのが望ましいか」の目安です。食事のバランスを整える参考として活用できます。
📌 炭水化物を多く含む食品と摂取のポイント
炭水化物は主に、穀類(米・小麦など)やいも類、果物などに多く含まれています。
糖質だけでなく食物繊維を含む食品を組み合わせることで、食事全体のバランスを整えることができます。加工食品や甘味の多い食品は炭水化物が集中しやすいため、量や組み合わせに配慮しながら取り入れることが大切です。
炭水化物の英語表記

炭水化物は英語で 「Carbohydrate(カーボハイドレート)」 と表記されます。食品ラベルや栄養成分表示では、以下のような表現が使われることが一般的です。
食品ラベル・栄養成分表示での表記例
| 英語表記 | 意味 |
|---|---|
| Carbohydrate | 炭水化物 |
| Total Carbohydrate | 総炭水化物量 |
| Sugars | 糖類(ブドウ糖・果糖・砂糖など) |
| Added Sugars | 添加糖(加工時に加えられた糖) |
| Dietary Fiber | 食物繊維 |
| Net Carbs | 実質炭水化物(※主に糖質だけを指す米国の用語) |
特にアメリカやヨーロッパの食品パッケージでは、「Total Carbohydrate」や「Sugars」などに数値が記載されていることが多く、糖質と食物繊維を区別して表示するスタイルが一般的です。
料理や食品に使われる炭水化物の英語表現
| 食品カテゴリ | 英語での表記例 |
|---|---|
| 米・パン類 | Rice, Bread, Pasta |
| 穀類・シリアル | Cereal, Oats, Cornflakes |
| 芋類 | Potato, Sweet Potato |
| 果物類 | Banana, Apple, Mango |
| 甘味料 | Sugar, Honey, Maple Syrup |
炭水化物はさまざまな食品に含まれており、英語での食材名を知っておくことで、海外のメニューや成分表示を読む際にも役立ちます。
炭水化物についてまとめ
- 炭水化物は「糖質」と「食物繊維」に分類される、主要なエネルギー源のひとつ
- 糖質はごはんやパン、砂糖などに含まれ、1gあたり約4kcalのエネルギーを生み出す
- 食物繊維は消化吸収されないが、食事バランスを支える重要な成分
- 炭水化物の摂取目安は、1日のエネルギーの50〜65%が推奨されている(食事摂取基準2025年版)
- 穀類・芋類・果物・菓子・甘味料など、さまざまな食品に炭水化物は含まれている
- 乾燥食品や加工食品は、炭水化物含有量が高くなりやすい傾向がある
- 食品表示では「Carbohydrate」「Sugars」「Dietary Fiber」などの表記が用いられる
- 摂取量だけでなく、食物繊維とのバランスや調理法も意識することが大切
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