【よくわかるレシピ】焼き物の基本とコツ|焦がさず焼く火加減と定番レシピ一覧

よくわかるレシピ 焼き物
TOP » 【よくわかるレシピ】焼き物の基本とコツ|焦がさず焼く火加減と定番レシピ一覧

焼き物はシンプルな調理法でありながら、火加減ひとつで仕上がりが大きく変わる奥深い料理です。

表面は焦げるのに中は生っぽい
パサついて固くなる
脂のある魚はうまく焼けない

——そんな経験をしたことがある人も多いはずです。
焼き物を失敗しないための鍵は下ごしらえ・火加減・水分と油分のコントロールの3つ。ここを押さえるだけで、外は香ばしく、中はふっくらとジューシーに仕上げることができます。

このページでは、焼き物の基本や火加減の考え方、失敗しないコツを現役調理師の視点でやさしく解説します。また、食材や料理名で探せる焼き物レシピ一覧も掲載しているので、今日の献立や目的に合わせてレシピを見つけることができます。

※本記事には広告が表示されます。

焼き物とは?~基本の考え方~

焼き物とは直火や遠火で熱を入れ、食材の旨味を凝縮させて仕上げる調理法です。外側を香ばしく焼き上げ、内側の水分と旨味を閉じ込めることで、素材の持ち味を最も引き出せるのが特徴です。和食の焼き物は特に魚を中心とした直火焼きを基本とし、炭火や強火の遠火を理想としています。

焼き物は、次の3つの要素が味の決め手となります。

要素内容
火加減遠火・中火・弱火の使い分けで食感と香りが決まる
水分コントロール余分な水分を飛ばし、旨味を凝縮させる
油脂と塩の扱い風味を引き立て、焼き締めて味をまとめる

焼き物は “火と塩で味を作る料理”
手数を加えるより、火加減と素材の見極めが仕上がりを左右します。

現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

和食における焼き物はただ火を通す料理ではなく、食材の香り・脂・旨味のバランスを整える技法です。


焼き物をおいしく仕上げる3つのコツ

焼き物の味を決める最大のポイントは、下味となる塩の量・油脂の使い方・火加減のコントロールの3つです。特に和食の焼き物は「水ではなく火と塩で味を作る料理」。この考え方を押さえることで、香ばしくジューシーな仕上がりに近づきます。


①塩加減(下味の基準)

焼き物の味付けの柱となるのは です。塩の量は 食材の重量に対して0.8〜1%が目安

食材の種類塩の役割ポイント
魚介臭みを抑え、旨味を凝縮焼く10〜20分前に振り、余分な水分を引き出す
水分保持と味の締まり焼く直前 or 直後に使い分ける
野菜甘味を引き出す控えめでOK(0.5%程度でも良い)
現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

塩は“味付け”と同時に“下ごしらえ”でもある
塩を適切に使うだけで、パサつきや臭みを防ぎ、味のノリが格段に良くなります。


②油脂の使い方

油脂は 焦げ防止・風味付け・食感のコントロール という3つの役割を持ちます。 油は“焼き物の保護フィルム”。使いすぎず薄くが基本です。

役割内容使うタイミング
香り付け皮目や表面にツヤと香ばしさ表面に薄く塗る or 仕上げに回しかける
乾燥防止パサつきを防ぎ、ふっくら仕上げる特に脂の少ない魚・肉で有効
温度の均一化焼きムラを防ぐフライパン焼きで特に効果大

③火加減(遠火・中火・弱火の使い分け)

焼き物は 最初の火 → 育てる火 → 仕上げの火 の3段階で考えると失敗しません。

段階火加減目的
① 皮目〜表面を焼く中火〜強火表面を固め、旨味を閉じ込める
② 中まで火を入れる弱火〜遠火ゆっくり均一に加熱(香り成分を守る)
③ 色と香りをつける中火最後の仕上げで焼き目を調整

基本原則:焼き物は “最初は中火・途中は弱火・最後に再び中火”
強火のまま焼き続けると「焦げるのに生焼け」という典型的な失敗になります。


現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

焼き物は“待つ料理”。火が入るのを見極めることが何より大切。触りすぎない、ひっくり返しすぎない、勢いだけで焼かない。この3つを意識すると、仕上がりと香りが劇的によくなります。

失敗しないコツ

焼き物は工程自体はシンプルなのに仕上がりの差が出やすい料理です。その理由は火加減・水分・油の扱い方で結果が大きく変わるから。逆に言うと、この3つのポイントさえ押さえれば、焼き物は誰でも安定しておいしく仕上げることができます。


① 下ごしらえの段階で「水分と臭み」をコントロールする
焼く前の食材の状態が、そのまま仕上がりに直結します。

下ごしらえのポイント理由
魚介は塩を振って余計な水分と臭みを抜く表面が締まり、焦げにくく旨味が凝縮
肉は常温に戻してから焼く中まで火が入りやすく、固くなりにくい
野菜は水気をよく拭く跳ね防止+余計な蒸し焼けを防ぐ
脂の多い食材は切り込みを入れる反り返り防止&均一な火入れ

② 焼き物は“触らないほうがうまくいく”
焼き物の失敗で多いのは、触りすぎ/返しすぎです。→ ひっくり返すタイミングは 基本 “1回だけ” が目安。皮目の焼き色がつくまでは ガマンが正解 です。


③ 火は“最初で決めて、最後で整える”
焼き物は火加減の迷いが失敗につながります。火入れの原則はシンプルです。
“最初は中火 → 途中は弱火 → 仕上げで中火”
この流れが鉄則。

現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

焼き物は“急がず・触らず・乾かしすぎない”
①火に任せる時間を作る、②表面が固まるまで触らない③仕上げの水分量を意識する
この3点を守るだけで、中はふっくら、外は香ばしく仕上がります。


焼き物レシピ一覧

焼き物は素材や脂の量によって仕上がりが大きく変わる料理です。焼き物レシピを食材別・料理名別に探しやすく一覧でまとめました。 冷蔵庫にある食材から選んだり、献立のテーマに合わせて探したりと、目的に応じて活用できます。

今後も焼き物レシピを追加・更新していく予定です。迷ったときにサッと見返せる一覧なので、ブックマークしておくと便利です。まずは気になる料理からチェックしてみてください。

食材料理名
もやし
豚ローススライス
もやしの中華炒ちゅうかいた
青椒ピーマン
味噌みそ
ピーマンの味噌炒みそいた

あわせて読みたい

【調理師が解説】肉の種類と特徴まとめ
牛肉の部位図と特徴一覧|

調理師プロフィール画像
この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

プロフィールを見る
タイトルとURLをコピーしました