食物繊維の含有量ランキング|穀類・豆類・野菜のベスト10

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食物繊維とは?その特徴と働き

タンパク質とは?その特徴と働き
食物繊維とは?その特徴と働き

食物繊維は、「人の体では消化・吸収されにくい成分」として知られています。
エネルギーにはならないものの、毎日の健康をサポートする大切な成分のひとつです。
そのため「第六の栄養素」と呼ばれることもあります。

食物繊維には2つのタイプがあります。

  • 不溶性食物繊維(水に溶けにくい)
     野菜や豆類に多く含まれ、おなかの中でふくらんでスムーズな排便を助けるとされています。
  • 水溶性食物繊維(水に溶ける)
     海藻や果物などに多く含まれ、体に余分なものをからめ取って外に出す働きがあるとも言われています

これら2つをバランスよくとることが大切で、一般的には「不溶性:水溶性=2:1」が良いとされています。

主な働き

  • 毎日のお通じをサポートしてくれると言われています
  • 食後の血糖値の上がり方をゆるやかにすることがあると言われています
  • 腸内環境をととのえることに役立つとも考えられています
  • 一部の食物繊維には、余分な脂質や塩分などを体の外に出す働きがあるとも言われています
 

種類別|食物繊維の含有量|トップ10

食物繊維は、毎日の食事でとりたい大切な成分のひとつです。
野菜やきのこ、豆類、果物などに多く含まれていて、健康的な食生活をサポートすると言われています。
食品ごとに含まれる食物繊維の量をランキング形式でご紹介します。
「どの食材に多いの?」「毎日の食事で取り入れるには?」という方の参考になれば幸いです。

 

穀類|食物繊維|含有量ランキング

食物繊維の含有量ランキング|穀類・豆類・野菜のベスト10
食物繊維の含有量ランキング|おしむぎ

穀類に含まれる食物繊維は、主食から自然に摂れるのが大きな魅力です。
特に 押麦・オートミール・玄米・そば は、スーパーでも手に入りやすく、アレンジも自由。初心者でも取り入れやすい食材です。
また、パンや麺類にも意外と食物繊維が含まれているため、主食を少し工夫するだけで摂取量を増やすことができます

特におすすめの「実用的穀類ベスト5」

  • 押麦(精白米に混ぜて炊くだけ)
  • 玄米(普段のごはんの置き換え)
  • オートミール(朝食向き。水や牛乳で手軽に調理可)
  • そば(乾麺)(いつもの主食を置き換えるだけ)
  • パールバーリー(精麦)(スープ・リゾットに混ぜて◎)
食品100g当たりの含有量
押麦15.5
オートミール(インスタント11.2
びつき押麦(乾)10.3
玄米9.7
パールバーリー(精麦)9.4
そば(乾)7.1
アマランサス(乾)7.4
玄米ビーフン(乾)6.3
中華めん(乾)5.0
食パン(角型)4.5

参考文献「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

 

豆類|食物繊維|含有量ランキング

食物繊維の含有量ランキング|蒸し大豆
食物繊維の含有量ランキング|蒸し大豆

豆類は、食物繊維をはじめとする栄養がたっぷり詰まった食材です。
サラダや煮物、スープ、カレー、和菓子まで幅広く活用できるのが魅力。
今回のランキングでは、実際に家庭で使いやすい「ゆで」「蒸し」「生おから」などの状態に限定して紹介しています。
特におから・ゆで大豆・レンズ豆・蒸し大豆などは手軽に使えるうえに、食物繊維もしっかり摂れるのでおすすめです。

食品100g当たりの含有量
グリンピース(揚げ)19.6
いり大豆(黄大豆)19.4
いり大豆(黒大豆)19.2
レンズ豆(ゆで)9.4
えんどう(塩豆)17.9
そらまめ(フライビーンズ)14.9
インゲンマメ(茹で)13.6
ひよこまめ(ゆで)11.6
おから(生)11.5
蒸し大豆10.6

参考文献「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

 

野菜類|食物繊維|含有量ランキング

食物繊維の含有量ランキング|ごぼう
食物繊維の含有量ランキング|ごぼう

テキスト

食品100g当たりの含有量
ドライトマト21.7
らっきょう(生)20.7
エシャレット(生)11.4
グリンピース(茹で)8.6
ホースラディッシュ(生)8.2
よもぎ(ゆで)7.8
牛蒡(生)5.7
キャベツ(生)5.5
オクラ(茹で)5.4
かぼちゃ(焼き)5.3

参考文献「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

 

果実類|食物繊維|含有量ランキング

アボカド

果物はおやつや朝食の一品として、自然に食物繊維を摂れる優秀な食材です。
特に 干し柿やバナナ、アボカド、キンカン などは、手に入りやすく調理も簡単。日常に取り入れやすい果実として人気です。
乾燥果物は食物繊維が凝縮されている反面、糖分も多いため食べすぎには注意**が必要です。
食物繊維を意識するなら、生の果物と組み合わせてバランスよく取り入れるのがポイントです。

食品100g当たりの含有量
ブルーベリー(乾)17.6
干し柿14.0
あんず(乾)9.8
バナナ(乾)7.0
アボカド(生)5.6
キンカン(生)4.6
グリーンオリーブ(塩漬)3.3
キウイフルーツ(生)2.6
林檎(焼き)2.5
パパイヤ(生)2.2

参考文献「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

 

きのこ類|食物繊維|含有量ランキング

天然物のしめじの旬は9月~11月。一般的に流通しているものは人工栽培なので旬はない
癖なく食べやすい

きのこ類は、低カロリーで食物繊維が豊富な食材として、健康志向の方に人気があります。
特にエリンギ・まいたけ・しめじ・しいたけなどはスーパーで手軽に購入でき、炒め物やスープなどにも使いやすいため、毎日の食事に取り入れやすいのが魅力です。
食物繊維はきのこの種類によって差がありますが、下ごしらえがほとんど不要で、加熱してもかさが減りにくいのもポイントです。

実用的なおすすめきのこベスト5

  • エリンギ(焼き・炒めものに最適)
  • しめじ(鍋物・味噌汁に◎)
  • まいたけ(香りと歯ごたえが特徴)
  • 生しいたけ(和洋中どの料理にも合う)
  • えのきだけ(火の通りが早く、使いやすい)
食品100g当たりの含有量
あらげきくらげ(ゆで)16.3
乾しいたけ(茹で)6.7
しろきくらげ(茹で)6.4
エリンギ(焼き)5.4
きくらげ(茹で)5.2
生しいたけ(茹で)4.8
えのきだけ(茹で)4.5
まいたけ(茹で)4.3
ぶなしめじ(茹で)4.2
ひらたけ(茹で)3.7

参考文献「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

 

食物繊維の食事摂取基準|年齢・性別別の必要量を解説!

食物繊維は、私たちの体では消化・吸収されにくい成分ですが、腸内環境を整える・排便をサポートするなどの働きがあるといわれる重要な栄養素のひとつです。
健康的な食生活を維持するためには、年齢や性別に応じた適切な摂取量を知ることが大切です。
下の表では、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」に基づいて、食物繊維の目安量(g/日)を一覧にしています。
ご自身のライフステージに合わせて、日々の食事に活かしてみてください。

日本人の食事摂取基準(2025年版)食物繊維の推奨摂取量一覧
2025年版|食物繊維の推奨摂取量(日本人の食事摂取基準)

📌 成長期・働き盛り世代は摂取量も多めに
食物繊維の目安量は、活動量の多い10代後半~成人期にやや高く設定されています。食事のバランスとともに、食物繊維も意識してとると良いでしょう。

📌 女性や高齢者も意識したい食物繊維の摂取
特に女性や高齢の方は、便通の悩みを感じやすい年代ともいわれています。野菜やきのこ、豆類などを日常的に取り入れていきましょう。

📌 食物繊維が多く含まれる食品
食物繊維はオートミール・大豆製品・果物などに多く含まれています。主食や副菜に上手に取り入れて、無理なく続けられる工夫をしてみてください。

 

食物繊維の英語表記

食物繊維|英語表記
食物繊維|英語表記|Dietary fiber

食物繊維は、英語で 「Dietary Fiber(米)」 または 「Dietary Fibre(英)」 と表記されます。


📌 栄養成分表示で使われる主な表記例:

  • Dietary Fiber / Fibre(食物繊維)
  • Soluble Fiber(可溶性食物繊維/水溶性)
  • Insoluble Fiber(不溶性食物繊維)
  • Prebiotic Fiber(プレバイオティクス食物繊維)
  • Functional Fiber(機能性食物繊維)
  • Psyllium Husk(サイリウム/オオバコ由来)
  • Inulin(イヌリン)
  • Beta-Glucan(ベータグルカン)

海外製品では、「食物繊維」とひとくちに言っても、具体的な原材料や機能性を示す名称が使われることがあります。
たとえば「Inulin」や「Psyllium」はサプリメントや高繊維食品でよく見られる表記です。
栄養成分表示をチェックする際の参考にしてみてください。

 

食物繊維についてまとめ

  • 食物繊維は、体内で消化・吸収されにくい成分のひとつ
  • エネルギー源にはならないが、健康を支える大切な栄養素として注目されている
  • 不溶性」と「水溶性」の2種類があり、働きや役割が異なる
  • 一般的には「不溶性:水溶性=2:1」のバランスが理想とされる
  • 野菜、豆類、きのこ、果物、海藻などに多く含まれる
  • 毎日の食事で自然に摂ることができる栄養素のひとつ
  • 年齢や性別によって、目安となる摂取量が異なる
  • 海外では「Dietary Fiber / Fibre」などの表記で示される
  • 食物繊維を意識することで、食生活のバランスをととのえる助けになる
 

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