「1~2歳の子どもって、どれくらい食べたらいいの?」
離乳食を卒業し、食べる量や栄養バランスに悩む時期。
このページでは、2025年版の日本人の食事摂取基準から、1~2歳の幼児に必要な栄養量をわかりやすくご紹介します。食事の目安が知りたい方、栄養バランスに不安がある方は、ぜひ参考にしてください。
※本記事には広告が表示されます。
1~2歳の食事摂取基準表
食事摂取基準を作るうえで、性別や年齢ごとに平均的な日本人の体型(身長と体重)を想定しています。この基準となる体型を「参照体位(さんしょうたいい)」と呼び、日々の健康維持や成長・発育、生活活動に必要な栄養量を考えるときの目安の体型として使われています。
【1~2歳の参照体位】
男児:身長 85.8cm 体重 11.5kg
女児:身長 84.6cm 体重 11.0kg
| 栄養素 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| エネルギー | 950 kcal | 900 kcal |
| たんぱく質★ | 20 g | 20 g |
| 脂質△ | 20-30 % | 20-30 % |
| 飽和脂肪酸 | ー | ー |
| n-6系脂肪酸 | 4 g | 4 g |
| n-3系脂肪酸 | 0.7 g | 0.7 g |
| 炭水化物△ | 50-65 % | 50-65 % |
| 食物繊維 | ー | ー |
| ビタミンA★ | 400 μg | 350 μg |
| ビタミンD | 3.5 μg | 3.5 μg |
| ビタミンE | 3.0 mg | 3.0 mg |
| ビタミンK | 50 μg | 60 μg |
| ビタミンB1★ | 0.4 mg | 0.4 mg |
| ビタミンB2★ | 0.6 mg | 0.5 mg |
| ビタミンB6★ | 0.5 mg | 0.5 mg |
| ビタミンB12 | 1.5 μg | 1.5 μg |
| ビタミンC★ | 35 mg | 35 mg |
| ナイアシン★ | 6 mg | 5 mg |
| 葉酸★ | 90 μg | 90 μg |
| パントテン酸 | 3 mg | 3 mg |
| ビオチン | 20 μg | 20 μg |
| ナトリウム△ | 3.0 g未満 | 2.5 g未満 |
| カリウム | 900 mg | 900 mg |
| カルシウム★ | 450 mg | 400 mg |
| マグネシウム★ | 70 mg | 70 mg |
| リン | 600 mg | 500 mg |
| 鉄★ | 4.0 mg | 4.0 mg |
| 亜鉛★ | 3.5 mg | 3.0 mg |
| 銅★ | 0.3 mg | 0.3 mg |
| マンガン | 1.5 mg | 1.5 mg |
| ヨウ素★ | 50 μg | 50 μg |
| セレン★ | 10 μg | 10 μg |
| クロム | – | – |
| モリブデン★ | 10 μg | 10 μg |
★:推奨量(ほとんどの人が不足しないと考えられる量)
△:目標量(生活習慣病予防のために設定された望ましい範囲)
印なし:目安量
※本表では分類が分かりやすいよう 推奨量と目標量のみ記号を付与しています。
※ナトリウム量は食塩相当量として表示しています。
1~2歳の幼児に必要な栄養とは?

1~2歳は、「離乳食」から「普通の食事」へと移行する大切な時期。
体がぐんぐん成長し、運動量も増えてくるため、栄養バランスのとれた食事が欠かせません。
この時期に特に意識したい栄養素は以下の通りです
- たんぱく質:筋肉や内臓、免疫細胞の材料に。肉・魚・卵・大豆製品などで摂取。
- 鉄分:貧血を防ぐために大切。レバー、赤身の肉、ひじきなどがおすすめ。
- カルシウム:骨や歯の成長に必要。牛乳や小魚、青菜に多く含まれます。
- ビタミン類:ビタミンA・C・Dなどは免疫力や皮膚・骨の健康に役立ちます。
- エネルギー源(糖質・脂質):活発に動くためのエネルギーとして不可欠です。
まだ食べムラが多く、「好き嫌い」や「気分」に左右されやすい時期ですが、
1回の食事だけで完璧を目指さず、1日〜数日単位でバランスを取ることがポイントです。
食事摂取基準とは?

「食事摂取基準」とは、私たちが毎日どれくらいのエネルギーや栄養素をとれば、健康に暮らせるかを示した目安のことです。
厚生労働省が、国民の健康を守るために作っていて、5年ごとに最新のデータに合わせて見直しが行われています。
こんな目的で作られています
- 健康な体を保つため
- 生活習慣病(高血圧や糖尿病など)を予防するため
- 栄養不足や摂りすぎによる体への悪影響を防ぐため
つまり、食事摂取基準は、毎日の食事の「バランス」を考えるときにとても役立つガイドなんです。
食事摂取基準はこんな場面で使われています
- 自分や家族の健康管理に
- 病院や保健センターなどでの栄養指導に
- 国や市町村が行う健康づくりの計画にも活かされています
厚生労働省の食事摂取基準報告書
身体活動レベルについて

食事摂取基準では、エネルギー必要量を求めるときに「身体活動レベル(PAL)」を考慮します。
身体活動レベルとは、日常生活における運動量や活動量のことを指し、次の3段階に分けられています。
- 身体活動レベル I(低い):ほとんど運動をしない生活
- 身体活動レベル II(普通):日常生活で軽い運動や活動を行う生活
- 身体活動レベル III(高い):仕事や習慣的な運動で身体活動量が多い生活
※5歳までの年齢区分では身体活動レベルの設定がありません。
食事摂取基準表の見方
表に示されている数値は、年齢や性別に応じた1日あたりの目安です。
各栄養素ごとに、次の基準に基づいて設定されています。
- 推奨量:ほとんどの人が不足しないと考えられる量
- 目安量:科学的根拠が不十分な栄養素における参考量
- 目標量:生活習慣病予防などを目的とした望ましい範囲
単位(mg、μg、gなど)にも注意して確認しましょう。
必要に応じて、個別の栄養素ページで詳しい内容も紹介していますので、気になる方はぜひご覧ください。
他の年齢の食事摂取基準もチェック!
年齢によって必要な栄養素やエネルギー量は少しずつ異なります。
ご自身やご家族に合わせた基準を確認したい方は、以下の年齢別ページもあわせてご覧ください。各年齢のページでは、詳しい基準表とポイント解説を掲載しています。
関連記事
他の年齢のお子さんの基準や、栄養素についても詳しくまとめています。
気になる年齢別のページや、栄養素の一覧表とあわせてご覧ください。
