「食べる量が増えてきたけど、これで足りてるの?」
10歳~11歳は、思春期に入る前の“ぐん”と伸びる時期です。体つきが変化し、運動量も学習量も増えるため、栄養バランスを意識した食事がとても大切です。このページでは、2025年版の食事摂取基準をもとに、エネルギー量と必要な栄養素をわかりやすくまとめました。
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10~11歳の食事摂取基準表
食事摂取基準を作るうえで、性別や年齢ごとに平均的な日本人の体型(身長と体重)を想定しています。この基準となる体型を「参照体位(さんしょうたいい)」と呼び、日々の健康維持や成長・発育、生活活動に必要な栄養量を考えるときの目安の体型として使われています。
【10~11歳の参照体位】
男児:身長 142.0cm 体重 35.6kg
女児:身長 144.0cm 体重 36.3kg
| 栄養素 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| エネルギー (身体活動レベル低) | 1950 kcal | 1850 kcal |
| エネルギー (身体活動レベル普通) | 2250 kcal | 2100 kcal |
| エネルギー (身体活動レベル高) | 2500 kcal | 2350 kcal |
| たんぱく質★ | 45 g | 50 g |
| 脂質 | 20-30% | 20-30 % |
| 飽和脂肪酸△ | 10%以下 | 10 %以下 |
| n-6系脂肪酸△ | 9 g | 9 g |
| n-3系脂肪酸△ | 1.7 g | 1.7 g |
| 炭水化物△ | 50-65 % | 50-65 % |
| 食物繊維 | 13 g以上 | 13 g以上 |
| ビタミンA★ | 600 μg | 600 μg |
| ビタミンD△ | 8.0 μg | 8.0 μg |
| ビタミンE△ | 5.0 mg | 5.5 mg |
| ビタミンK△ | 110 μg | 130 μg |
| ビタミンB1★ | 0.9 mg | 0.9 mg |
| ビタミンB2★ | 1.4 mg | 1.3 mg |
| ビタミンB6★ | 1.0 mg | 1.2 mg |
| ビタミンB12△ | 3.0 μg | 3.0 μg |
| ビタミンC★ | 70 mg | 70 mg |
| ナイアシン★ | 13 mg | 12 mg |
| 葉酸★ | 180 μg | 180 μg |
| パントテン酸△ | 6 mg | 6 mg |
| ビオチン△ | 40 μg | 40 μg |
| ナトリウム 食塩相当量 | 6.0 g未満 | 6.0 g未満 |
| カリウム△ | 1900 mg | 1800 mg |
| カルシウム★ | 700 mg | 750 mg |
| マグネシウム★ | 210 mg | 220 mg |
| リン△ | 1100 mg | 1000 mg |
| 鉄★ (月経あり) | 9.5 mg | 9.0 mg (12.5 mg) |
| 亜鉛★ | 8.0 mg | 7.5 mg |
| 銅★ | 0.6 mg | 0.6 mg |
| マンガン△ | 3.0 mg | 3.0 mg |
| ヨウ素★ | 110 μg | 110 μg |
| セレン★ | 25 μg | 25 μg |
| クロム△ | – | – |
| モリブデン★ | 20 μg | 20 μg |
食事摂取基準表の見方
表に示されている数値は、年齢や性別に応じた1日あたりの目安です。各栄養素ごとに、次の基準に基づいて設定されています。
★:推奨量:ほとんどの人が不足しないと考えられる量
△:目安量:科学的根拠が不十分な栄養素における参考量
印なし:目標量:生活習慣病予防などを目的とした望ましい範囲
※ナトリウム量は食塩相当量として表示しています。
【2020年版 → 2025年版】主な変更点まとめ(10〜11歳)
2025年版では、思春期前後に差し掛かる10〜11歳を対象に、ビタミン類・ミネラル類を中心に基準値の再整理 が行われました。特にビタミンD・ビタミンB12・鉄・亜鉛 は実生活で不足しやすい栄養素として見直されています。
● 増加・強化された主な栄養素
- ビタミンD(男女)
男 6.5 → 8.0 µg / 女 8.0 → 8.0 µg
→ 日照不足を考慮し、骨の成長をより重視 - ビタミンB12(男女)
1.9 → 3.0 µg
→ 神経系の発達・摂取実態を反映 - 亜鉛(男女)
男 7.0 → 8.0 mg / 女 6.0 → 7.5 mg
→ 成長期の需要増加を考慮 - 鉄(男女)
男 8.5 → 9.5 mg
女 8.5 → 9.0 mg(※月経あり:12.5 mg)
→ 思春期初期の鉄需要増加を反映 - カリウム(男)
1800 → 1900 mg
→ 食事からの摂取量を考慮した調整
● 減少・調整された主な栄養素
- n-6系脂肪酸(男)
10 → 9 g
→ 脂肪酸バランスの見直し - n-3系脂肪酸(男女)
1.8 → 1.7 g
→ 摂取実態を踏まえた調整 - ビタミンB1(男)
1.2 → 0.9 mg
→ 他ビタミンとのバランス調整 - ビタミンB6(男)
1.1 → 1.0 mg - 葉酸(男女)
190 → 180 µg
→ 年齢区分の再整理による調整 - ナイアシン(女)
10 → 12 mg(※表記整理)
10~11歳の必要な栄養素とは?

- たんぱく質:筋肉・臓器・免疫の基礎をつくる
- カルシウム:骨格の急成長を支える
- 鉄分:とくに女児は月経開始前に備えて意識
- ビタミンB群:エネルギー代謝を助け、学習にも
- 食物繊維:腸内環境を整え、便通を促進
身体活動レベルについて
食事摂取基準では、エネルギー必要量を求めるときに「身体活動レベル(PAL)」を考慮します。
身体活動レベルとは、日常生活における運動量や活動量のことを指し、次の3段階に分けられています。
- 身体活動レベル I(低い):座りがちで運動が少ない
- 身体活動レベル II(普通):学校+平均的な運動
- 身体活動レベル III(高い):毎日スポーツや激しい活動あり
※この年代はII~IIIの子が多く、個人差が大きくなる時期です。
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毎日の食事づくりに役立つヒントや、栄養にまつわる知識を深めたい方はこちらもどうぞ!
- ▶ 調味料別|大さじ・小さじの重さ一覧表【保存版】
→ 子どもと料理するときにも便利!計量の早見表として人気です。 - ▶【2020年版】10~11歳の食事摂取基準表(過去の基準はこちら)
現在は2025年版が最新ですが、以前の基準を参考にしたい方はこちらをご覧ください。

現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)
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