この年代は思春期の真っただ中。
身長・体重の急激な変化や、精神的な成長も著しい時期です。部活や勉強で忙しくなる中、栄養が偏りがちになることも。このページでは、12~14歳の中学生に必要な食事と栄養素の目安を、2025年版の食事摂取基準に基づいて解説します。
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12~14歳の食事摂取基準表
食事摂取基準を作るうえで、性別や年齢ごとに平均的な日本人の体型(身長と体重)を想定しています。この基準となる体型を「参照体位(さんしょうたいい)」と呼び、日々の健康維持や成長・発育、生活活動に必要な栄養量を考えるときの目安の体型として使われています。
【12~14歳の参照体位】
男児:身長 160.5cm 体重 49.0kg
女児:身長 155.1cm 体重 47.5kg
| 栄養素 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| エネルギー (身体活動レベル低) | 2300 kcal | 2150 kcal |
| エネルギー (身体活動レベル普通) | 2600 kcal | 2400 kcal |
| エネルギー (身体活動レベル高) | 2900 kcal | 2700 kcal |
| たんぱく質★ | 60 g | 55 g |
| 脂質 | 20-30 % | 20-30 % |
| 飽和脂肪酸△ | 10 %以下 | 10 %以下 |
| n-6系脂肪酸△ | 11 g | 11 g |
| n-3系脂肪酸△ | 2.2 g | 1.7 g |
| 炭水化物△ | 50-65 % | 50-65 % |
| 食物繊維 | 17 g以上 | 16 g以上 |
| ビタミンA★ | 800 μg | 700 μg |
| ビタミンD△ | 9.0 μg | 9.0 μg |
| ビタミンE△ | 6.5 mg | 6.0 mg |
| ビタミンK△ | 140 μg | 150 μg |
| ビタミンB1★ | 1.1 mg | 1.0 mg |
| ビタミンB2★ | 1.6 mg | 1.4 mg |
| ビタミンB6★ | 1.4 mg | 1.3 mg |
| ビタミンB12△ | 4.0 μg | 4.0 μg |
| ビタミンC★ | 90 mg | 90 mg |
| ナイアシン★ | 15 mg | 14 mg |
| 葉酸★ | 230 μg | 230 μg |
| パントテン酸△ | 7 mg | 6 mg |
| ビオチン△ | 50 μg | 50 μg |
| ナトリウム 食塩相当量 | 7.0 g未満 | 6.5 g未満 |
| カリウム△ | 2400 mg | 2200 mg |
| カルシウム★ | 1000 mg | 800 mg |
| マグネシウム★ | 290 mg | 290 mg |
| リン△ | 1200 mg | 1100 mg |
| 鉄★ | 9.0 mg | 8.0 mg |
| 亜鉛★ | 8.5 mg | 8.5 mg |
| 銅★ | 0.8 mg | 0.8 mg |
| マンガン△ | 3.5 mg | 3.0 mg |
| ヨウ素★ | 140 μg | 140 μg |
| セレン★ | 30 μg | 30 μg |
| クロム△ | – | – |
| モリブデン★ | 25 μg | 25 μg |
食事摂取基準表の見方
表に示されている数値は、年齢や性別に応じた1日あたりの目安です。各栄養素ごとに、次の基準に基づいて設定されています。
★:推奨量:ほとんどの人が不足しないと考えられる量
△:目安量:科学的根拠が不十分な栄養素における参考量
印なし:目標量:生活習慣病予防などを目的とした望ましい範囲
※ナトリウム量は食塩相当量として表示しています。
【2020年版 → 2025年版】主な変更点まとめ(12〜14歳)
2025年版では、思春期まっただ中の12〜14歳を対象に、
骨格形成・血液量増加・ホルモン変化 をより強く反映するため、
ビタミンD・ビタミンB12・鉄・亜鉛・カリウムなどで基準値の見直し が行われました。
● 増加・強化された主な栄養素
- ビタミンD(男女)
男 8.0 → 9.0 µg / 女 9.5 → 9.0 µg
→ 日照不足を考慮し、骨形成をより重視 - ビタミンB12(男女)
2.4 → 4.0 µg
→ 神経系の成熟と摂取実態を反映 - カリウム(男女)
男 2300 → 2400 mg / 女 1900 → 2200 mg
→ 食事由来の摂取量を重視した調整 - 亜鉛(男女)
男 10 → 8.5 mg / 女 8 → 8.5 mg
→ 男女差を整理し、基準を統一 - 銅(男女)
0.8 mg → 変更なし(重要栄養素として明確化)
● 減少・調整された主な栄養素
- n-6系脂肪酸(女)
10 → 11 g(※男女差整理) - n-3系脂肪酸(女)
1.8 → 1.7 g
→ 脂肪酸バランスの再調整 - 食物繊維(女)
17 g以上 → 16 g以上
→ 摂取実態を踏まえた調整 - ビタミンC(男女)
100 → 90 mg
→ 必要量の再評価 - 葉酸(男女)
240 → 230 µg
→ 年齢区分の見直しによる調整 - 鉄(男女)
男 10.0 → 9.0 mg
女 8.5 → 8.0 mg
→ 基準の整理(※月経ありは別途高値設定)
10~11歳の必要な栄養素とは?

たんぱく質:成長ホルモンの働きを支える
カルシウム:骨量が一気に増える重要時期
鉄分:とくに女子は月経による鉄損失に注意
ビタミンD・K:骨の形成をサポート
炭水化物:活動量が増えるため、エネルギー確保に重要
身体活動レベルについて

食事摂取基準では、エネルギー必要量を求めるときに「身体活動レベル(PAL)」を考慮します。
身体活動レベルとは、日常生活における運動量や活動量のことを指し、次の3段階に分けられています。
- 身体活動レベル I(低い):帰宅後は勉強中心・運動習慣なし
- 身体活動レベル II(普通):通学・授業+部活や軽い運動
- 身体活動レベル III(高い):運動部などで激しく体を動かす日常
→ 男女差・活動差が明確に出るため、個別の見直しが効果的です。
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現在は2025年版が最新ですが、以前の基準を参考にしたい方はこちらをご覧ください
厚生労働省の食事摂取基準報告書

現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)
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