ヨウ素は「海藻に多い」と知られていますが、実際の食事は乾物100gを食べるわけではありません。数字だけで見ると昆布が突出して見えますが、そこをそのままランキングにすると、日常の食べ方とかけ離れた情報になりがちです。
この記事では、現役調理師の視点で、家庭で実践しやすい“普段の形”をベースにヨウ素の多い食品をランキング化しました。具体的には昆布だし(煮だし/水だし)・佃煮など、実際によく使う形も含めています(数値はµg/100g)。
さらに、乾物を含めると数値が上位に出やすい理由、摂りすぎを避けるための食事摂取基準も解説します。「ヨウ素を増やしたい」「でも摂りすぎは不安」という方のために、現実的に使える内容にまとめました。
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ヨウ素|総合ランキングTOP10(昆布だし・佃煮を含む)

- 昆布(佃煮)11000㎍
- 昆布だし(煮だし)11000㎍
- 昆布だし(水だし)5300㎍
- 生わかめ 1600㎍
- ほしひじき(茹で)960㎍
- 卵豆腐 770㎍
- とさかのり(あかとさか)630㎍
- だし巻き卵 450㎍
- しめさば 430㎍
- めかぶわかめ(生)390㎍
※本ランキングは「普段の食べ方(佃煮/だし)」で比較しています。乾燥昆布などの乾物は100g換算で数値が極端に高くなりやすく、実際の摂取量とズレるため別枠で紹介します。
※昆布だしは昆布の量・浸け時間・加熱時間でヨウ素量が大きく変動します。数値は目安としてご覧ください。
※昆布は少量でもヨウ素が多い食品です。摂取基準(特に上限量)も確認し、毎日大量に続けないよう調整しましょう。
種類別|ヨウ素の含有量|トップ10
総合ランキングは「家庭で取り入れやすい形」を優先してまとめましたが、次はもう少し分かりやすく、食品の種類ごとにヨウ素が多いものを見ていきます。
ヨウ素は特に藻類(海藻)と魚介類に多く含まれるのが特徴です。同じ海藻でも「生・ゆで・加工」で数値が変わることがあるため、ここでも基本は普段の食べ方で比較しています(単位:µg/100g)。まずは、ヨウ素の代表格である藻類(海藻)のランキングから確認していきましょう。
藻類|ヨウ素|含有量ランキング

藻類(海藻)はヨウ素を多く含む食品の代表格です。中でも昆布はヨウ素が非常に多いため、加工品である「昆布の佃煮」も上位に入りやすくなります。注意したいのはランキングの数値は 100gあたり(µg/100g) という点です。佃煮は毎回100g食べるものではなく、小鉢で少量つまむだけでもヨウ素を摂りやすい食品です。
※乾物(乾燥昆布・乾燥わかめなど)は100g換算で数値が極端になりやすいため、後半で別枠として紹介します。
| 食品 | ヨウ素(μg/100g) |
|---|---|
| 刻み昆布 | 230000 |
| 真昆布(水煮) | 19000 |
| 昆布の佃煮 | 11000 |
| あおのり(素干し) | 2700 |
| あおさ(素干し) | 2200 |
| 焼きのり | 2100 |
| 生わかめ | 1600 |
| ひじき(油いため) | 1300 |
| 乾燥わかめ(水戻し) | 1300 |
| 沖縄もずく(塩抜き) | 140 |
藻類|ヨウ素|含有量ランキング

魚介類にもヨウ素は含まれていて、海藻ほど極端ではないものの、日常の主菜として取り入れやすいのが強みです。とくに青魚や加工品(しめさばなど)は商品や製法によって数値が変わることがありますが、「普段の食べ方」でヨウ素を補える選択肢になります。
ランキングの数値は 100gあたり(µg/100g) の目安です。食べる量(1切れ・1皿)によって実際の摂取量は変わるため、順位だけで判断せず、いつもの量で無理なく取り入れてください。
また、しめさばのような加工品は塩分が高めになりやすいので、食べる頻度や量は調整しつつ、他の魚介や海藻とも組み合わせるのがおすすめです。
| 食品 | ヨウ素(μg/100g) |
|---|---|
| しめさば | 430 |
| くろあわび(生) | 200 |
| さくらえび(生) | 110 |
| 塩サバ | 110 |
| さざえ(生) | 97 |
| 大西洋さば(焼き) | 89 |
| きちじ(生) | 84 |
| イトヨリダイ(生) | 84 |
| なまこ(生) | 78 |
| うなぎ(かば焼き) | 77 |
魚介でヨウ素を増やしたいけど、毎回買い物で揃えるのは大変…という人は多いです。
私は“魚介が届く”サブスクを実際に使ってみて、献立に魚を入れるハードルが下がりました。▶【調理師がガチ評価】サカナDIYレビュー総まとめ
たまご類|ヨウ素|含有量ランキング

たまご類は海藻や魚介ほど突出して多いわけではありませんが、日常的に食べやすく、少しずつヨウ素を補える食品群です。中でも卵豆腐のような加工品は原材料や配合(卵の割合・だしの種類)によって数値が変わることがありますが、副菜として取り入れやすいのがメリットです。
なお、ランキングの数値は 100gあたり(µg/100g) の目安です。卵豆腐は1個あたりの量が決まっていることが多いので、順位だけに引っ張られず、「いつもの1食分」で無理なく続けられるかを基準に選ぶと失敗しません。
※商品によって含有量が前後するため、表の数値は目安としてご覧ください。
| 食品 | ヨウ素(μg/100g) |
|---|---|
| 卵豆腐 | 770 |
| 厚焼き玉子 | 540 |
| だし巻き卵 | 450 |
| 鶏卵 卵黄(茹で) | 200 |
| うずら卵(生) | 140 |
| 鶏卵 卵黄(生) | 110 |
| うずら卵(水煮缶) | 73 |
| ピータン | 34 |
| 鶏卵 全卵(生) | 33 |
| 目玉焼き | 25 |
肉類|ヨウ素|含有量ランキング

肉類は海藻や魚介に比べるとヨウ素は多くありません。「まったく入っていない」わけではなく、特にベーコンやハムなどの加工肉は製造工程や原材料(塩・調味料など)によってヨウ素量が前後することがあります。
ランキングの数値は 100gあたり(µg/100g) の目安です。肉類はヨウ素を“主に補う食品”というより、普段の食事で少しずつ積み上げる補助枠として考えると分かりやすいです。
なお、ベーコンなど加工肉は塩分が高めになりやすいので、摂りすぎを避けたい場合は「食べる量・頻度」を調整しつつ、ヨウ素は海藻・魚介から上手に補うのがおすすめです。
| 食品 | ヨウ素(μg/100g) |
|---|---|
| 生ハム | 180 |
| ショルダーベーコン | 130 |
| プレスハム | 41 |
| つくね | 38 |
| ばらベーコン | 25 |
| コンビーフ(缶詰) | 9 |
| 焼き豚 | 6 |
| 鶏ミンチ(焼き) | 5 |
| 牛レバー(生) | 4 |
| チキンナゲット | 4 |
野菜類|ヨウ素|含有量ランキング

野菜類はヨウ素を多く含む食品ではありません。ここで紹介するランキングは「野菜でもヨウ素が摂れる食品がある」という意味ではなく、野菜から摂れるヨウ素はこの程度だと把握するための参考データとして掲載しています。
中でもキムチのような加工食品は、原材料や製法(塩や調味料、海産物由来の材料の有無など)によってヨウ素量が前後しやすく、数値はあくまで目安です。
ヨウ素をしっかり補いたい場合は、基本的に海藻・魚介(だし含む)を主軸にし、野菜はバランスを整える役割として考えるのが現実的です。それではヨウ素の多い野菜ランキングTOP10(μg/100g)を紹介します。
| 食品 | ヨウ素(μg/100g) |
|---|---|
| 白菜キムチ | 14 |
| カイワレダイコン(生) | 12 |
| 蓮根(生) | 9 |
| かんぴょう(甘煮) | 8 |
| 水菜(生) | 7 |
| リーフレタス(生) | 7 |
| パセリ(生) | 7 |
| とうがん(生) | 7 |
| 蕪(生) | 6 |
| 紫蘇(なm) | 6 |
乾物(昆布など)が上位に出やすい理由
ここまでのランキングは「普段の食べ方(生・ゆで・加工・だし)」を基準にまとめました。
ヨウ素は乾物を含めると順位が一気に入れ替わる栄養素です。
その理由はシンプルで、乾物は水分が抜けている分、栄養素が100gあたりに濃縮されるからです。特に昆布や乾燥わかめは、数値(µg/100g)だけを見ると突出しやすく、ランキングが“乾物だらけ”になりがちです。
しかし現実には、乾物は1回に食べる量が少量(ひとつまみ、数g〜十数g程度)であることが多く、「100g換算の順位=実際の摂取量」ではありません。このため本記事では、乾物の上位食品は主ランキングから外し、参考枠として別で紹介します。
さらにヨウ素は「不足」だけでなく摂りすぎ(過剰摂取)にも注意が必要な栄養素です。乾物の数字はインパクトが強いので、目安として捉えつつ、食事摂取基準(特に上限量)も合わせて確認してください。
参考:乾物を含めると上位に出やすい食品TOP5(µg/100g)
- 刻み昆布 230000µg
- ながこんぶ/素干し 210000µg
- まこんぶ/素干し/乾 200000µg
- ほしひじき/鉄釜/乾 45000µg
- ほしひじき/ステンレス釜/乾 45000µg
※乾物は「戻し方・煮出し方・商品差」で数値が変動します。表の数値は目安としてご覧ください。
ヨウ素とは?その特徴と働き

「ヨウ素って名前は聞くけど…どんな働きがあるの?」
そう思っている方が実はけっこう多いんです。ヨウ素は、甲状腺ホルモンの材料になる栄養素で、私たちの体にとってとても大切な役割を担っています。特に成長期の子どもやエネルギーをしっかり使いたい大人にとっても必要不可欠なんです。
ヨウ素の主な働き
- 体の代謝をコントロールする(太りにくさや寒さに強い体づくりに関与)
- 成長や発達に関わる(子どもの脳や体の成長にも影響)
- 体温や心拍、消化機能などを整える
- 妊娠中の赤ちゃんの発育にも重要
日本ではわかめや昆布などの海藻類をよく食べるため、世界的に見てもヨウ素の摂取量は高め。ただし、摂りすぎにも注意が必要です。「体に良いからたくさん食べよう!」ではなく、ちょうどいい量をバランスよく摂るのが理想です。
ヨウ素の食事摂取基準|年齢・性別別の必要量を解説!
「ヨウ素って、どれくらい摂ればいいの?」
そう思った方に向けて年齢、性別ごとの摂取基準をまとめました。
ヨウ素は少なすぎても、多すぎても体に影響を与える可能性があるため、目安量を知っておくことがとても大切です。特に、妊娠中や授乳中の方は必要量が変わるため、注意が必要です。

ヨウ素の摂取基準のポイント
- 通常の食事であれば過剰になることは少ないですが、昆布だしや海藻サプリなどの習慣がある方は摂取量に注意が必要です。
- 成長期の子ども、妊婦さん、授乳中の方は、必要量が少し多めに設定されています。
年齢別の食事摂取基準表を確認したいときはコチラを参考にしてください▶年齢別 食事摂取基準一覧
ヨウ素の英語表記

「ヨウ素って、英語でなんて言うの?」
海外の食品ラベルやサプリメントを見たとき、成分表示に「ヨウ素」が書かれているのか気になりますよね。ヨウ素は英語で 「iodine(アイオダイン)」 と表記されます。商品や文脈によっては、「iodide(アイオダイド)」という形で表示されることもあります。
よく使われる表記例
- iodine(アイオダイン)
一般的な表記。サプリや栄養素説明によく使われる - iodide(アイオダイド)
ヨウ化物としての形(ヨウ化カリウムなど)で記載されることもあります
サプリメントや食品ラベルでの例
- Contains iodine 150μg (from potassium iodide)
→「ヨウ化カリウム由来のヨウ素150マイクログラム含有」 - Iodine (as kelp powder)
→「ケルプ(海藻)由来のヨウ素」
💡「アイオダイン」と「アイオダイド」は違う言い方ですが、どちらも“ヨウ素”に関係する表現です。特にサプリを選ぶときは、どの形で含まれているかもチェックしてみましょう!
ヨウ素を含む栄養素の英語表記一覧はこちら▶栄養素の英語一覧|成分表・食品ラベル・英語レシピで役立つ英語表記&例文まとめ【保存版】
ヨウ素についてまとめ
- ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料になる大切なミネラル
代謝や体温調節、成長・発達に関わります - 主な供給源は海藻類(昆布・わかめなど)
魚介類や卵、肉、野菜にも少量含まれます - 日本人は比較的ヨウ素摂取量が多め
海藻を日常的に食べる文化によるものです - 摂りすぎにも注意が必要
特に昆布だしやサプリなど、継続的な多量摂取には気をつけましょう - 年齢や性別によって適正な摂取量が決まっている
食事摂取基準を参考に、過不足のないバランスを意識 - 英語では“iodine(アイオダイン)”と表記される
海外製品の成分表示やサプリ選びにも役立ちます
ヨウ素は身近な食材に含まれているからこそ、「知らずに摂りすぎていた…」ということも。日々の食事を見直しながら、必要な分だけをうまく取り入れていきましょう!
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現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)
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