サルモネラ菌の症状・原因・感染経路・予防法まとめ【食中毒対策】

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サルモネラ菌とは

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サルモネラ菌とは、食中毒の原因となる代表的な細菌のひとつです。
正式には「サルモネラ属菌(Salmonella)」と呼ばれ、棒状の形をしたグラム陰性桿菌です。世界中で広く分布しており、動物や人の腸内、特に生肉・卵・加熱不足の食品に潜んでいることが多いです。

この菌が口から体内に入ると、腸内で増殖し、腹痛・下痢・発熱などの症状を引き起こします。特に小さな子どもや高齢者では重症化しやすく、注意が必要です。

サルモネラ菌には2,600以上の種類があり、よく知られるのが「サルモネラ・エンテリティディス(S. Enteritidis)」や「サルモネラ・タイフィムリウム(S. Typhimurium)」といった、食中毒の主な原因菌です。

農林水産省|食中毒から身を守るには

サルモネラ菌の英語表記

サルモネラ菌は、英語で Salmonella と表記されます。
医療や食品安全の現場では

Salmonella infection(サルモネラ感染症)」
Salmonella food poisoning(サルモネラによる食中毒)」

などの表現が用いられています。 また、菌の学術名は Salmonella entericaSalmonella Typhimurium など、分類名も併せて使用されます。

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サルモネラ菌の症状と潜伏期間

サルモネラ菌に感染すると、数時間から数日以内に食中毒の症状が現れます。

【主な症状】

  • 腹痛
  • 下痢(水様便)
  • 発熱(38〜40℃程度)
  • 吐き気・嘔吐(まれに)

潜伏期間は一般的に6〜72時間で、多くは12〜24時間以内に症状が出始めます。

症状は通常、2〜3日で回復することが多いですが、高齢者や子どもなど免疫力が弱っている人では、脱水症状や菌血症(菌が血液に侵入する状態)を起こすリスクが高くなります。

多くの場合、特別な治療を必要とせず自然治癒しますが、重症化した場合は抗菌薬の投与点滴が必要になることもあります。
そのため、症状が強い場合は早めに医療機関を受診しましょう。

サルモネラ菌はうつる?人から人への感染経路

サルモネラ菌は「人から人へうつる」こともある細菌です。
一般的には食べ物を通じた感染が多いですが、感染した人の便や汚れた手、動物との接触でもうつることがあります。

【注意すべき感染経路】

  • 感染者の便に触れた手から口へ(トイレ後の手洗い不足)
  • 生肉や卵を触った手でドアノブ・冷蔵庫などを汚染
  • ペット(特にカメ・トカゲなど爬虫類)からの接触感染
    →厚生労働省|サルモネラ×爬虫類について
  • 感染者とのタオルや調理器具の共用

また、抵抗力の弱い人(乳幼児、高齢者、病気の方)は少ない菌でも発症することがあるため、家庭内での二次感染には特に注意が必要です。

手洗いの徹底、調理器具の使い分け、ペットとの接触後の衛生管理が、感染を防ぐ基本です。

サルモネラ菌の原因と感染源|食べ物・動物など

サルモネラ菌の主な感染源は「食品」「動物」「水・環境」など多岐にわたります。
日常生活の中にも多くのリスクが潜んでおり、以下のようなものが代表的です。

【主な感染源】

  • 鶏肉や豚肉などの生肉類(加熱不足が特に危険)
  • 生卵(とくに殻に菌がついていることがある)
  • 未殺菌の牛乳や乳製品
  • 汚染された調理器具・台所まわり
  • ペットのカメ・ヒヨコ・トカゲなどの爬虫類・小動物
  • 井戸水や不衛生な水

また、まな板や包丁の使い回し、手指の不衛生などにより、交差汚染(菌が他の食材に移ること)が起こることもあります。

たとえば、生肉を切った後に洗わずに野菜を切ると、加熱せずに食べるサラダにも菌が付着する恐れがあります。

食品の加熱、器具の洗浄、手洗いの徹底が、こうした感染源から身を守るための基本です。

自然治癒は可能?サルモネラ菌の対処法と治療の考え方

サルモネラ菌による食中毒は、健康な人であれば自然に回復することが多いとされています。症状が軽い場合は、安静にして十分な水分をとることが大切です。

【治療が必要になるケース】

  • 高熱が続く
  • 脱水症状がある
  • 血便が出る
  • 小さなお子さんや高齢の方、基礎疾患がある方の場合

このようなときは、早めに医療機関を受診してください。

また、腸内環境のサポートを目的とした整腸作用のある食品や一般用医薬品も市販されていますが、使用の際は表示内容をよく確認し、不安な場合は医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

サルモネラ菌の予防方法5つ

✅ サルモネラ菌の予防方法5つ

① 食材は中心部までしっかり加熱する
サルモネラ菌は熱に弱く、75℃で1分以上の加熱で死滅します。特に鶏肉・豚肉・卵は中まで火を通すことが重要です。

② 生肉や生卵を扱った後は、手洗いを徹底
調理中に肉や卵を触った手で、冷蔵庫や戸棚を触ると菌が広がります。調理の前後や途中でもこまめな手洗いを。

③ まな板・包丁は食材ごとに使い分ける
生肉を切った器具でそのまま野菜を切ると、加熱しない食材にも菌が付着します。食材別に器具を分けるか、使用後はしっかり洗浄しましょう。

④ 食材はすぐに冷蔵保存する
菌は10℃以上で増殖しやすくなります。特に夏場は常温放置を避け、肉や卵は購入後すぐ冷蔵庫へ

⑤ ペット(カメ・ヒヨコなど)を触ったら手洗いを
爬虫類や小動物の表面にサルモネラ菌がいることがあります。触った後は必ず手洗いを行い、口元や食材に触れるのを避けましょう。

サルモネラ菌の発生しやすい場所と季節

サルモネラ菌による食中毒は、一年を通して起こりますが、特に「高温多湿」の環境で増殖しやすく、発生件数が多いのは6月〜9月の夏場です。

これは、菌が10℃以上で増殖し始め、30〜40℃前後で活発になる性質を持っているためです。湿度の高い日本の夏は、サルモネラ菌にとって非常に繁殖しやすい環境です。


発生しやすい場所・場面

  • 家庭のキッチン(常温放置・調理器具の共用)
  • 行楽地のバーベキュー(加熱不足・屋外での衛生管理)
  • 保育園・介護施設などの集団調理
  • 家庭内でのペット飼育(カメやヒヨコ)
  • プールや水遊び後の手洗い忘れ

とくに夏場は「外で食べる」「冷房のない場所で調理する」「子どもがペットと触れ合う」などのシーンが多くなり、注意すべき状況が重なりやすくなります。

厚生労働省|弁当によるサルモネラ食中毒について


秋冬でも油断は禁物

冬でも卵の生食冷蔵庫の過信家庭内の調理ミスにより、サルモネラ菌による食中毒が発生することがあります。「気温が低いから大丈夫」と油断せず、通年での衛生対策が必要です。

まとめ|サルモネラ菌

サルモネラ菌による食中毒は、日常のちょっとした工夫と注意でしっかり予防することができます。

サルモネラ菌対策の基本

  • 食材はしっかり加熱(中心温度75℃以上)
  • 調理前後・トイレ後の手洗い徹底
  • 肉や卵の汁が他の食材に触れないよう分けて保管・調理
  • ペットに触れたあとは手洗い
  • 食材はすぐ冷蔵庫に保存し、室温放置を避ける

✅ 最後に

「サルモネラ菌=特別なもの」ではなく、家庭内にも潜んでいる身近な存在です。
しっかりと予防知識を持ち、食材の扱いと調理に注意することで、多くの食中毒は防げます。


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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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