【調理師検証】オイシックスは本当に高い?農水省データと比べて分かった”買うべきもの

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そう思って迷っていませんか。実際に使っていた私も、同じことを感じていました。

ただ「高い」と言われても、具体的にどれくらい高いのかを数字で示した記事は、意外と見当たりません。そこで今回、農林水産省が公表している全国の小売価格データと、オイシックスの実際の価格を並べて比較してみました。

結果は正直に言って予想以上でした。野菜は2〜3倍。キャベツに至っては3.3倍です。

調理師
調理師

25年、食材の原価と向き合ってきた立場としての結論を先にお伝えします。野菜を単品で買うなら、オイシックスは向いていません。

ただし、これで話は終わりません。肉は1.4〜1.8倍と野菜ほどの差はありませんでした。そして私自身は、今でもミールキットだけは「価値がある」と思っています

なぜ野菜はダメでミールキットはいいのか。公的データと、25年分の現場感覚の両方から、正直にお話しします。

農水省データと比べた、オイシックスの実際の価格

実際にオイシックスから届いた箱
オイシックス注文一回でこの箱が届きます

比較には農林水産省が全国470店舗のスーパーを調査して公表している「食品価格動向調査」の全国平均小売価格を使いました。特売品を含まない通常価格なので、オイシックスの通常価格と条件が揃います。調査時点はどちらも2026年7月です。▶食品価格動向調査(野菜)の調査結果

野菜は2〜3倍。キャベツは3.3倍だった

品目スーパー平均
(農水省)
オイシックス価格差
キャベツ197円649円3.3倍
じゃがいも530円1,215円2.3倍
たまねぎ365円854円2.3倍
トマト826円1,508円1.8倍
にんじん511円796円1.6倍

※すべて1kgあたりの価格に換算
※スーパー価格は農林水産省「食品価格動向調査(野菜)」令和8年7月13日の週・全国平均小売価格(特売価格を含まない税込価格)。オイシックスは各品目で内容量の大きい標準的な商品を選び、1kgあたりに換算したもの。

数字だけを見れば、オイシックスの完敗です。 品目によっては2倍、キャベツに至っては3倍以上の開きがあります。「高い」と感じるのは、気のせいでも何でもありません。事実です。

調理師の視点|歩留まりを計算しても、この差は埋まらない

ただ、25年プロの現場で食材の原価と向き合ってきた身として、一つ付け加えたいことがあります。それは「歩留まり(ぶどまり)」、つまり「買った野菜のうち、実際に食べられる部分がどれだけ残るか」という視点です。

調理師
調理師

原価計算では、値段そのものより「捨てる分を差し引いた実質単価」を見ます。プロの現場では、これを無視して仕入れを判断することはありません。

スーパーの野菜、こんな経験はありませんか。

  • キャベツの外葉が傷んでいて、何枚も剥いて捨てた
  • にんじんの傷んだ部分を切り落とした
  • 買って2〜3日で、使い切る前にしなびてしまった

安く買ったつもりでも、実際にはその2〜3割がゴミ箱行きになっていることは珍しくありません。だとすれば、197円のキャベツも、食べられる部分だけで計算すれば実質はもっと高くついています。

一方、オイシックスの野菜は根元まで瑞々しく、捨てる部分がほとんどありません。歩留まりを計算に入れれば、見かけの差は多少縮まります。

ただ、正直に言います。それでも埋まりません。

キャベツで言えば、スーパーの197円が仮に3割ロスしても実質281円。オイシックスの649円には遠く及びません。

調理師
調理師

25年、原価と向き合ってきた立場としての結論です。野菜を単品で買うなら、オイシックスを選ばないでください。素直にスーパーで買った方がいい。

一方、肉は1.4〜1.8倍。野菜ほどの差はなかった

ところが、肉を調べると様子が違いました。

品目スーパー平均
(農水省)
オイシックス価格差
豚肉(ロース)287円399円1.4倍
国産牛肉(ロース)870円1,487円1.7倍
鶏肉(もも肉)153円277円1.8倍

※すべて100gあたりの価格に換算
※スーパー価格は農林水産省「食品価格動向調査(食肉・鶏卵)」令和8年7月13日の週・全国平均小売価格(特売価格を含まない税込価格)。オイシックスは同部位の商品価格を100gあたりに換算したもの。牛ロースは冷凍品。

意外だったのは、肉の方が価格差が小さかったことです。 野菜が2〜3倍だったのに対し、肉は1.4〜1.8倍。特に豚ロースの1.4倍は、正直「思ったより健闘している」という印象です。

調理師
調理師

肉は部位や等級で価格が大きく動く商品です。その中で1.4倍に収まっているなら、飼育条件まで管理されていることを考えて、極端に割高とは言えません。

つまり「オイシックスは全部高い」ではなく、野菜は明確に割高、肉はそこまでではないというのが、数字を並べて分かったことでした。では、私が今でも「これは価値がある」と思っているものは何か。次でお話しします。

なお、魚については今回の比較から外しました。農水省の調査対象に鮮魚が含まれておらず、切り身の規格や産地、天然か養殖かで価格の幅が大きいため、同じ条件で並べることができなかったためです。

では、なぜミールキットだけは「あり」なのか

結論から言うと、ミールキットが省いてくれるのは「材料費」ではなく、料理で一番しんどい3つの工程だからです。

野菜が2〜3倍という話をした直後に矛盾するようですが、私が今でも「これは価値がある」と思っているのは、ミールキットだけです。理由を順に説明します。

省ける手間①|買い出しそのものが消える

買い物かごいっぱいの野菜とレシートのイメージ写真
送料で損してしまう典型的な行動イメージ。正しい買い方を知ることで無駄な出費を防げます。

ビビンバを一から作ろうとすると、まず買い物です。にんじん、もやし、ほうれん草、ひき肉、コチュジャン……。スーパーを回って、レジに並んで、持ち帰る。この往復だけで小一時間は消えます。

しかも「今日はビビンバにしよう」と決めるところから始まるので、献立を考える時間も含まれます。実はここが、毎日の料理で一番エネルギーを使う部分です。

省ける手間②|使い切れない食材が出ない

実際に届いたオイシックスのミールキットを開封した画像
シロネギ半分やかぼちゃ1/4など、使用する分量だけ入っています。

家庭で一番厄介なのがここです。ビビンバのために買ったコチュジャン、次にいつ使うでしょうか。ナムル用に買ったもやし一袋、ほうれん草一束、全部使い切れますか。

調理師
調理師

プロの厨房は毎日大量に使うので食材が余りません。でも家庭は違う。「安く買ったのに使い切れず捨てた」が積み重なると、実質単価は簡単に跳ね上がります。

前半で野菜は2〜3倍だと書きましたが、使い切れずに捨てる分まで考えれば、スーパーで買っても実質の差は縮まります。 ミールキットは使う分だけしか入っていないので、この問題が起きません。

省ける手間③|味付けで迷わない

ミールキットは調味料が計量済みで付いてきます。ここで迷う余地がありません。「味が決まらない」「濃すぎた」という失敗が起きないだけでも、料理のハードルは大きく下がります。

調理師
調理師

家庭料理で手間なのは味付けです。プロは「何をどれだけ」が体に入っていますが、家庭でレシピを見ながら大さじ小さじを計るのは、想像以上にストレスなんです。

差額をどう見るか

オイシックスのジューシーそぼろと野菜のビビンバのミールキットの外装写真
オイシックスのジューシーそぼろと野菜のビビンバのミールキット

Kit Oisixのビビンバは2人前で1,598円。同じ材料をスーパーで揃えれば、おおよそ900円前後です。差額は約700円。(※スーパーの金額は、材料を個別に揃えた場合の概算です。調味料は使い切りではなく一部使用として計算しています。)

この700円で、買い出しの往復、余る食材、味付けの迷いが全部消えます。

調理師
調理師

外食すれば2人で2,000円は超えます。作る手間をまるごと買えて700円なら、私はこの金額は妥当だと思っています。

野菜は自分で選んで買った方がいい。でも「一食まるごと」を任せるなら、ミールキットは理にかなっている。これが、数字を並べたうえでの私の結論です。

価格表に出てこない「高さ」もある

ここまで商品の値段を比べてきましたが、実際に使っていて「高い」と感じたのは、実は別のところでした。

送料無料ラインの駆け引き

私が利用していた頃、一番よく覚えているのは商品の値段そのものより、「送料無料にするために、あと何を追加しようか」と毎回悩んでいたことです。

あと1品足せば送料が浮く。でもその1品、本当に必要かと言われると微妙——。この葛藤を、注文のたびに味わっていました。

調理師
調理師

冷静に考えれば、送料を浮かせるために要らないものを買っているなら、結局は損をしています。分かっていても、毎回同じことをしていました。

これはオイシックス特有の「送料無料ライン」の設計によるものです。気づけば「本当は要らないもの」までカゴに入れてしまう、よくできた仕掛けだと思います。

配送料そのものの存在

もうひとつが配送料です。
自宅の玄関まで、冷蔵・冷凍の状態を保ったまま届けてもらうわけですから、費用がかかるのは当然です。鮮度を守るための必要経費だと、頭では分かっています。

それでも、一定額を超えないと上乗せされるこの送料は、最後まで「高いな」と思わせる要因でした。表に出てくる商品価格とは別に、毎回のしかかってくるコストだからです。

調理師
調理師

商品が2倍高いより、毎回数百円の送料の方が、心理的には響きました。

なお、高さ以外にも続けていく上で引っかかった点があり、最終的に私はオイシックスの利用をやめています。その理由はこちらに詳しく書きました。→ オイシックスをやめた理由は「面倒」だったから。現役調理師が挫折した3つの物理的限界

調理師としての使い分け|私はこうしています

結論はシンプルで「全部を置き換えようとしない」ことです。
野菜は2〜3倍、肉は1.4〜1.8倍。この数字を見た上で、私が行き着いた付き合い方をお伝えします。

野菜と日持ちするものは、スーパーで買う

これは前半で書いた通りです。野菜を単品で買う理由は、価格面ではありません。米、調味料、乾物といった日持ちするものも同じで、急ぐ必要がないなら安いところで買えば十分です。

調理師
調理師

「せっかく登録したから全部オイシックスで」と考えると、確実に高くつきます。使うところを絞るのが前提です。

本当に忙しい日だけ、ミールキットに頼る

平日のどうしても時間が取れない日。買い出しに行く気力もなく、献立を考えるのもしんどい日。そこだけをミールキットに任せます。

差額の700円で買い出し・食材のロス・味付けの迷いがまとめて消える。この使い方なら、価格差は十分に見合います。

安全性にこだわりたいものだけ、ピンポイントで

オイシックスのパッケージに入った舞茸とベビーリーフ
オイシックスのパッケージに入った舞茸とベビーリーフ

子どもに食べさせる生鮮品など、「ここは多少高くても妥協したくない」というものがあれば、そこだけオイシックスを使う。これも合理的な選択だと思います。

オイシックスには「たべもの安心宣言」という独自の安全基準があり、農薬や添加物の扱いに細かいルールが設けられています。この基準を自分で調べて確かめる手間を考えれば、任せてしまうのは一つの手です。

調理師
調理師

全部を置き換えようとするから「高い」と感じるだけです。 一番しんどい部分だけを任せる、くらいの距離感がちょうどいい。25年料理を仕事にしてきた立場から見ても、この使い方が一番無理がないと思っています。

こんな人には向いている/向いていない

向いている人

  • 共働きや育児で、夕方の料理時間がどうしても足りない人
  • 「今日何作ろう」と毎日ゼロから考えるのが、正直しんどい人
  • 子どもに食べさせる食材の安全性は、多少高くても妥協したくない人
  • 買い物に行く時間そのものを減らしたい人

共通しているのは、お金より時間や手間の方が惜しいという状況です。そこにハマれば、価格差は十分に納得できるはずです。

向いていない人

  • とにかく食費を安く抑えたい人
  • 買い物や献立を考えるのが、そもそも苦ではない人
  • 野菜や肉を、自分の目で選んで買いたい人
  • 特売やまとめ買いを活用するのが得意な人
調理師
調理師

価格だけで判断するなら、答えははっきりしています。スーパーの方が安い。それは今回の数字が示している通りです。

迷っているなら

正直なところ、これは使ってみないと分からない部分があります。「時間が浮くこと」にいくら払えるかは、人によって全く違うからです。

いきなり定期会員になる必要はありません。まずはお試しセットで、実際の食材の質とミールキットの手軽さを確かめてみるのが確実です。ここで「思ったほどでもない」と感じたなら、それが答えです。

まとめ|野菜はスーパー、忙しい日だけミールキット

農林水産省のデータと並べて分かったのは、次のことでした。

  • 野菜は2〜3倍。 キャベツに至っては3.3倍で、歩留まりを計算に入れても埋まらない差です
  • 肉は1.4〜1.8倍。 野菜ほどの開きはなく、飼育条件まで考えれば極端に割高とは言えません
  • ミールキットの差額は1食あたり約700円。 買い出し・食材のロス・味付けの迷いが、まとめて消えます
調理師
調理師

25年、食材の原価と向き合ってきた立場としての結論です。野菜は素直にスーパーで買った方がいい。でもミールキットは、手間を買うものとして理にかなっています。

「オイシックスは高い」——この言葉は事実です。ただ、何を買うかで、その意味はまったく変わります。

全部を置き換えようとすれば、確実に高くつきます。逆に、一番しんどい一食だけを任せる使い方なら、価格差は十分に見合う。私はそう考えています。

高いと感じるかどうかは、結局その人の生活スタイル次第です。気になっているなら、まずはお試しセットで実際の質を確かめてみるのが一番早いはずです。

送料無料の駆け引きには最後まで悩まされましたが、それとは別に、今振り返ると「これは仕方ないな」と思える部分もありました。

  1. 買い出しに行かなくていい、という時間の価値
    買い出しの往復やレジ待ち、毎日の献立構築にかかる膨大な時間をゼロにできる
  2. 下処理が全部終わっている、というラクさ
    使う分だけ届くので、食材ロスはゼロ。さらに「皮むき・カット・調味料の計量」がすべて終わって届きます。(葉野菜は状態が悪くなるので別)
  3. 安全性を自分で調べなくていい安心感
    オイシックスには業界でもトップクラスに厳しい安全基準「たべもの安心宣言」というものがあり、「安全チェックと目利き」を代行してくれています。

自分で納得のいく理由があるかどうか一度お試しセットで確認するのも一つの手です。


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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)
和食の世界で25年以上。旬の食材や家庭でできる調理のコツを、やさしく、わかりやすくお届けしています。料理がもっと楽しく、おいしくなるきっかけになれば嬉しいです。
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