【よくわかるレシピ】揚げ物の基本とコツ|温度の目安・衣の違い・失敗しない揚げ方

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揚げ物は、油の温度管理と衣づくりによって仕上がりが大きく変わる、日本料理の中でも奥深い調理法です。衣がベチャっとしてしまう、油を吸って重たくなる、中心まで火が入らない

──こうした失敗の原因は、ほんの少しのコツで防ぐことができます。

揚げ物の基本の考え方・温度の目安・衣の違い・失敗しないためのコツを調理師目線でわかりやすく解説します。また、食材や料理名から探せる揚げ物レシピ一覧も掲載していますので、献立や料理選びにもご活用ください。

唐揚げ・天ぷら・フライ・素揚げなどの定番をはじめ、揚げ物がもっと上手になるヒントを、【よくわかるレシピ】シリーズとして体系的にまとめています。まずは基本を押さえ家庭で揚げたてのおいしさを楽しんでみてください。

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揚げ物とは?〜基本の考え方〜

揚げ物は高温の油で食材を一気に加熱し、表面を固めることで旨みと水分を閉じ込める調理法です。外側はカリッと香ばしく、内側はしっとり柔らかく仕上がるのが最大の魅力。短時間で火が通るため、魚・肉・野菜など幅広い素材に向いています。

揚げ物の本質は、次の3つに集約されます。

本質役割
温度食材に合わせて適温で揚げる
役割は“守る・閉じ込める・香ばしくする”
水分コントロール余分な水を除き、油ハネとベタつきを防ぐ

特に重要なのは “温度と水分のコントロール”
水分が多いと油ハネが起こり、衣が油を吸って重たくなってしまいます。逆に適温を保てば、余分な油を吸わずに揚がり、軽くてサクッとした仕上がりになります。

揚げ物は決して難しい料理ではありません。
「適温」「衣の役割」「水分管理」 の3つを理解するだけで、家庭でもワンランク上の揚げ物を安定して作ることができます。

揚げ物をおいしく仕上げる3つのコツ

揚げ物の仕上がりは温度・衣・水分の3つを正しく扱えるかで決まります。逆に言えば、この3点を押さえるだけで、家庭でも失敗の少ない揚げ物が作れるようになります。


油の“適温を守る”

揚げ物は温度が命。温度がブレると仕上がりもブレます。
温度が低いと… → ベチャッとして油を吸う
温度が高すぎると… → 焼け色だけが早くつき中は半生

揚げ始めは やや高め、食材投入直後は温度が下がる前提で調整するのがコツです。

目安温度適した揚げ物仕上がり
160℃野菜・芋類・かき揚げ中までじっくり火を入れる温度
170℃唐揚げ・フライ全般最も失敗が少ない基本温度
180℃魚の天ぷら・薄い食材カラッと軽い仕上がり

衣は“食材を守る膜”として考える

衣の役割は3つです。
衣が厚いと重たくなり、薄すぎると油を吸ってベタつきます。
粉 → 卵 → パン粉(または衣)という 薄い膜を重ねる順序が、揚げ物の食感を決めます。

役割効果
守る旨みと水分を閉じ込める
食感を作るサクッ、カリッ、ふんわり
油から食材を遮る必要以上に油を吸わせない

余分な水分を徹底して取る

揚げ物の失敗で最も多いのが “水分が残っている状態で揚げてしまうこと”

✅ 水気を拭き取る
✅ 粉を薄くまぶしておく(ドライ状態を作る)
→ これだけで揚げ上がりが劇的に変わります

水分が残ると起きること
衣がはがれる
油ハネが起きる
表面がベチャつく
温度が一気に下がる

現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

揚げ物は経験の料理と思われがちですが、実は 理屈が分かれば再現性の高い調理法です。


失敗しない揚げ物のコツ(油・衣・火入れ・後処理)

揚げ物の失敗は、揚げる前の準備・油の扱い・仕上げの処理、この3工程のどこかに原因があります。ポイントを押さえれば、揚げたてはもちろん時間がたってもベチャつきにくい揚げ物が作れます。


揚げる前の下準備を丁寧に

コツ理由
水分をきちんと拭き取る衣がはがれない・油ハネ防止・ベタつき防止
粉は薄く均一につける衣の密着が良くなる
冷たい食材は室温に戻す温度低下を防ぎ、カラッと揚がる

→ 揚げ物は「水」と「温度が下がる」ことを嫌う料理
揚げる前の状態づくり=成功の8割と考えるのが理想


油の中では“触りすぎない”

行動の目安ねらい
食材投入後30秒は触らない衣を落ち着かせ、はがれを防ぐ
浮いてきてから返す衣の密着と色づきを安定させる
小鍋で少量ずつ揚げる温度変化を抑えて失敗を防ぐ

“投入後は待つ”が鉄則
→ いじりすぎ=衣がはがれる最大の原因


油切りと仕上げで差が出る

コツ意図
揚げたら網+バットで油を切るキッチンペーパーはベタつきやすい
重ねて置かない衣が蒸れてベチャつく原因
余熱を想定して早めに引き上げる過加熱を防ぎ、ふっくら仕上げる

→ 揚げ物は最後の置き方までが調理
→ 「油を落とす」=軽さと香ばしさを保つ仕上げ

現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

揚げ物・成功の手順
①下準備で水分を断つ
②粉・衣を薄く均一につける
③少量ずつ揚げる
④触りすぎない
⑤油を切り、重ねない


揚げ物レシピ一覧

揚げ物は素材や衣の種類によって仕上がりの表情が大きく変わる調理法です。このページでは、食材・料理名・季節から探せる揚げ物レシピ一覧をまとめています。献立づくりや「今日は何を揚げよう?」という時のアイデア源としてご活用ください。

唐揚げ・天ぷら・フライ・素揚げなど定番料理はもちろん、季節の食材を使ったメニューも随時追加していきます。揚げ物の基本とコツを押さえたうえで、まずは気になる一品からチェックしてみてください。

食材料理名
海老海老の天ぷら
目板鰈目板鰈のから揚げ
豆腐揚げ出し豆腐
ちくわちくわの磯部揚げ
里芋里芋コロッケ

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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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