【2025年版】50歳~64歳の食事摂取基準表|健康を支える栄養バランスをチェック

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50歳をすぎると、「健康のこと、ちょっと気になってきたな…」という方も多いかもしれません。
体調の変化を感じやすいこの年代は、毎日の食事を見直すチャンスでもあります。このページでは、50歳~64歳の方に必要な栄養やエネルギー量を、わかりやすく一覧表にまとめました。
ふだんの食生活をちょっと整えたいときに、ぜひお役立てください。

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50歳~64歳の食事摂取基準表

食事摂取基準を作るうえで、性別や年齢ごとに平均的な日本人の体型(身長と体重)を想定しています。この基準となる体型を「参照体位(さんしょうたいい)」と呼び、日々の健康維持や成長・発育、生活活動に必要な栄養量を考えるときの目安の体型として使われています。

【50歳~64歳の参照体位】
男児:身長 169.7cm 体重 69.1kg
女児:身長 156.4cm 体重 54.0kg

栄養素男性女性
エネルギー
(身体活動レベル低)
2250 kcal1700 kcal
エネルギー
(身体活動レベル普通)
2650 kcal1950 kcal
エネルギー
(身体活動レベル高)
3000 kcal2250 kcal
たんぱく質65 g50 g
脂質20-30 %20-30 %
飽和脂肪酸7 %以下7 %以下
n-6系脂肪酸11 g9 g
n-3系脂肪酸2.3 g1.9 g
炭水化物50-65 %50-65 %
食物繊維22 g以上18 g以上
ビタミンA900 μg700 μg
ビタミンD9.0 μg9.0 μg
ビタミンE6.5 mg6.0 mg
ビタミンK150 μg150 μg
ビタミンB11.1 mg0.8 mg
ビタミンB21.6 mg1.2 mg
ビタミンB61.5 mg1.2 mg
ビタミンB124.0 μg4.0 μg
ビタミンC100 mg100 mg
ナイアシン15 mg11 mg
葉酸240 μg240 μg
パントテン酸6 mg5 mg
ビオチン50 μg50 μg
ナトリウム
食塩相当量
7.5 g未満6.5 g未満
カリウム2500 mg2000 mg
カルシウム750 mg650 mg
マグネシウム370 mg290 mg
リン1000 mg800 mg
7.0 mg6.0 mg
亜鉛9.5 mg8.0 mg
0.9 mg0.7 mg
マンガン3.5 mg3.0 mg
ヨウ素140 μg140 μg
セレン30 μg25 μg
クロム10 μg10 μg
モリブデン30 μg25 μg

食事摂取基準表の見方
表に示されている数値は、年齢や性別に応じた1日あたりの目安です。各栄養素ごとに、次の基準に基づいて設定されています。

★:推奨量:ほとんどの人が不足しないと考えられる量
△:目安量:科学的根拠が不十分な栄養素における参考量
印なし:目標量:生活習慣病予防などを目的とした望ましい範囲

※ナトリウム量は食塩相当量として表示しています。

【2020年版 → 2025年版】主な変更点まとめ(50〜64歳)

● 増加・強化された主な栄養素

  • ビタミンD(男女)
    男:8.5 → 9.0 µg
    女:8.5 → 9.0 µg
    → 中高年期の骨量低下・日照不足を考慮した引き上げ
  • ビタミンB12(男女)
    男:2.4 → 4.0 µg
    女:2.4 → 4.0 µg
    → 吸収率低下を踏まえた強化(加齢対応)
  • 食物繊維(男)
    20 g以上 → 22 g以上
    → 生活習慣病予防(腸内環境・血糖対策)を重視
  • ビタミンE(男女)
    男:7.0 → 6.5 mg(基準整理)
    女:6.0 → 6.0 mg(実質据え置き)
    → 実態摂取量との整合性調整

● 減少・調整された主な栄養素

  • n-6系脂肪酸(女)
    8 → 9 g
    → 年代横断での脂肪酸バランス再整理(表記・基準調整)
  • マンガン(男女)
    男:4.0 → 3.5 mg
    女:3.5 → 3.0 mg
    → 過剰摂取リスクを考慮した調整
  • 鉄(男女)
    男:7.5 → 7.0 mg
    女:6.5 → 6.0 mg
    → 中高年期の必要量再評価

50歳~64歳に必要な栄養素とは?

50代から60代にかけては、体の代謝がゆるやかに低下し、筋肉量や骨の密度も少しずつ変化していく時期です。
若いころと同じ食事では栄養が偏りがちになることもあり、「足りない栄養素」と「とりすぎやすい栄養素」の両方に気をつけたい年代です。特に意識したいのは以下のポイントです。

  • たんぱく質(男性65g/女性50g)
    筋力や免疫力の維持のためにしっかり摂りたい栄養素。肉・魚・豆製品などをバランスよく。
  • カルシウム・ビタミンD・マグネシウム
    骨の健康を保つために欠かせません。特に女性は閉経後、骨量が減少しやすいため注意が必要です。
  • ビタミンB群(B1・B2・B6など)
    疲れやすさが気になる方は要チェック。代謝を助けるビタミンなので、毎日の食事からこまめに補給を。
  • 食物繊維(男性22g以上/女性18g以上)
    便通の改善や血糖値の上昇をゆるやかにするなど、生活習慣病予防にも役立ちます。
  • 鉄・亜鉛・ビタミンC
    貧血予防や疲労回復に関係する栄養素。特に偏った食生活をしがちな方は意識して取り入れたい成分です。

加齢とともに、同じカロリーでも栄養の「質」がますます大切になります。日々の食事を見直すときの参考に、ぜひ活用してください。

身体活動レベルについて

食事摂取基準では、エネルギー必要量を求めるときに「身体活動レベル(PAL)」を考慮します。
身体活動レベルとは、日常生活における運動量や活動量のことを指し、次の3段階に分けられています。

  • 身体活動レベル I(低い)
    座っている時間が長く、運動習慣もあまりない方。
     例)デスクワーク中心で、移動や買い物以外の運動は少ない生活
  • 身体活動レベル II(普通)
    軽い運動や活動を日常的に行っている方。
     例)買い物や家事をしっかりこなしたり、通勤などで歩くことが多い生活
  • 身体活動レベル III(高い)
    体をよく動かす仕事や、運動習慣がある方。
     例)立ち仕事や力仕事が多い方、定期的に運動をしている生活

ご自身の生活に近いレベルを選ぶことで、より実態に合ったエネルギー量を把握することができます。食事の見直しや、栄養バランスを整えるときの目安としてご活用ください。


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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)
和食の世界で25年以上。旬の食材や家庭でできる調理のコツを、やさしく、わかりやすくお届けしています。料理がもっと楽しく、おいしくなるきっかけになれば嬉しいです。
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