黒豆 21%の食パンを焼いたらどうなったか|ホームベーカリー奮闘記

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おせち料理で余りがちな「黒豆」。
そのまま食べる以外に使い道がなく、気づけば冷蔵庫に残っていることも少なくありません。
今回はこの黒豆を使って、黒豆21%配合の食パンをホームベーカリーで焼いてみました。豆の形は残るのか。生地にうまくなじむのか。それとも重くなってしまうのか。

黒豆は甘く煮てあることが多く、水分量や糖分の影響でパン生地にどう作用するのかは、実際に焼いてみないと分かりません。

思っていた以上に粒感が残らなかった一方で、予想外の仕上がりになった今回の黒豆食パン。
焼き上がり・食感・扱いやすさを、ホームベーカリー奮闘記として正直にまとめました。

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結論

ホームベーカリーに煮た黒豆を入れてても問題なく食パンになりました
黒豆はミキシングの段階で砕け、生地全体に均一に混ざることで、パン全体がほんのり黒っぽい色合いに仕上がります。豆の存在感は控えめで、黒豆特有の食感はほとんど感じられませんが、かすかに黒豆の風味が残り、甘さやクセは出すぎない印象です。余りがちなおせち料理の黒豆を使ったリメイクとしては扱いやすく、「黒豆を入れたらどうなるのか?」という疑問には、良い意味で意外な結果となりました。


このレシピを試した理由

おせち料理で余った黒豆を別の形で消費できないかと考えたのがきっかけです。そのまま食べる以外の使い道が思いつかず、パンに入れたらどうなるのかを一度確かめてみたいと思いました。

黒豆は甘く煮てあることが多く、水分や糖分を多く含みます。そのため、生地が重くなるのか?粒が残るのか?あるいは意外と問題なくなじむのかは、実際に焼いてみないと分かりません。

完成形を強くイメージしていたわけではなく「黒豆を21%入れたら、ホームベーカリーではどうなるのか」その挙動を確認する目的でこのレシピを試しました。


レシピと条件

レシピ|黒豆21%配合の食パン

※この原価表は、当時実際に使用していた材料価格をもとに算出しています。
現在は原材料価格が変動しているため、あくまで目安としてご覧ください。

材料割合(%)分量原価
強力粉100 %230g95 円
ドライイースト1.2 %3g16.8 円
60 %140 cc7 円
生クリーム17 %40 g34 円
てんさい糖8 %20 g16.4 円
黒豆3 %50 g※250 円
2 %4 g1 円
バター7 %15 g30 円
スキムミルク3 %8 g17 円
▼原価合計467.2円
※黒豆はおせちの残り物でイチから炊いているので原価は300gの瓶詰め(1500円)を使ったと仮定して計算しています。

※今回使用した材料は、製菓・製パン材料専門店「コッタ」で購入しました。
同じ材料を探したい方はこちら。▶ コッタ公式サイトを見る

条件

日付2023.1.8
室温13℃
湿度62℃
天気晴れ
タイマー使用アリ
ホームベーカリーの設定食パンモード
焼き上がり「淡」

今回使用したホームベーカリーはPanasonic SD-BH104(廃盤モデル)
発売からかなり年数が経っていますが、現在も安定した焼き上がりで現役使用中です。


実際の焼き上がりと食感

膨らみ
黒豆を21%配合していますが生地は重くならず、思った以上によく膨らみました。生クリーム(植物性37%)を使った影響もあり、全体に軽く、ふんわりとした仕上がりです。具材入りの食パンとしては、膨らみはかなり安定している印象を受けました。


焼き色
焼き色は全体に落ち着いており、黒豆由来の色が生地全体に広がることで、やや黒っぽい食パンに仕上がっています。焦げやムラはなく、見た目としては素朴で、いかにもアレンジ食パンらしい印象です。


クラム
クラムを見ると、黒豆の粒はほとんど残っておらず、ミキシングの段階で砕け、生地全体に均一になじんだ状態でした。「豆の粒感が残るパン」を想像していると、意外な結果に感じるかもしれません。


食感
口に入れると、黒豆の食感はほとんど感じられません。味としても主張は強くなく、かすかに黒豆の風味を感じる程度です。トーストすると印象が大きく変わり、外側はサクッと、中はふんわりとした食感に。黒豆入りというより、甘さ控えめで食べやすいアレンジ食パンとして完成度は高いと感じました。


なぜこの結果になったのか(仮説)

今回の仕上がりは黒豆そのものの状態と配合全体のバランスが大きく影響していると考えられます。使用した黒豆は一から炊いたもので水分を含みやすく、粒自体も柔らかい状態でした。そのため、後入れ投入口を使って投入したものの、ミキシング中に自然と砕けて生地全体に広がった可能性があります。

黒豆が砕けて均一に混ざったことで生地の一部に重さが集中せず、結果として膨らみが阻害されなかったと考えられます。具材入り食パンとしては珍しく、全体が軽く仕上がった理由のひとつでしょう。

スキムミルクを加えたことで香りは出たものの、黒豆の粒感や存在感を強調する方向には働かなかったかもしれません。その結果、黒豆の味はかすかに感じるが食感としては残らない仕上がりになったと考えられます。

総合すると「柔らかい黒豆」「砕けやすい状態」「生地を軽くする配合」この組み合わせが今回の意外な結果につながったと推測できます。


再現するためのポイント

  • 黒豆は水分をしっかり切った状態で後入れする。
  • それでも柔らかい黒豆は砕けやすいため、粒感が残らない前提で考える。
  • ふんわり感を重視する場合は生クリーム(植物性でも可)を加える配合が有効
  • 黒豆の風味は強く出ないため、甘さはてんさい糖などで控えめに整えると全体のバランスが取りやすい。
  • 黒豆の食感を期待するより「黒豆入りのアレンジ食パン」と割り切った方が再現しやすい
  • 仕上がりはそのままよりトースト向き

私が作成したパンの一覧はコチラ
▶ホームベーカリー奮闘記|うまくいかなかった原因と試したことを全部まとめました


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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)
和食の世界で25年以上。旬の食材や家庭でできる調理のコツを、やさしく、わかりやすくお届けしています。料理がもっと楽しく、おいしくなるきっかけになれば嬉しいです。
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