桜海老の旬はいつ?
生と干しで栄養は違うの?
どんな料理に使うと美味しい?
桜海老は淡い紅色と香ばしい風味が魅力の小型エビ。静岡県駿河湾でしか水揚げされず、希少価値も高い春と秋の味覚です。この記事では、旬の時期や栄養成分、相性の良い食材やおすすめ調理法まで、調理師目線でわかりやすくご紹介します。
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桜海老の旬 ~おいしい時期~
春漁
| ① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | ⑦ | ⑧ | ⑨ | ⑩ | ⑪ | ⑫ |
|---|
秋漁
| ① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | ⑦ | ⑧ | ⑨ | ⑩ | ⑪ | ⑫ |
|---|
桜海老は、日本では静岡県の駿河湾でしか商業的に漁獲されない希少なエビです。漁が行われるのは春(3月下旬〜6月上旬)と秋(10月下旬〜12月下旬)の年2回で、この期間が「旬」とされます。
季節ごとの旬の食材をもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。▶ 旬の野菜・魚介【年間カレンダー】

現役和食調理師のヒント
春はぷりっとした食感と甘み、秋は旨味が濃くなり香ばしさが増します。生で味わえるのは漁期中だけなので、春や秋に静岡で出会えたら迷わず注文する価値があります。
桜海老とは ~特徴と味わい~

桜海老(さくらえび/学名 Lucensosergia lucens)は、体長4〜5cmほどの小型のエビで、日本では静岡県・駿河湾でしか商業的に漁獲されない非常に希少な食材です。体は半透明の淡い紅色で、その姿から“海のルビー”とも呼ばれます。
生桜海老の特徴
- 漁期中(春・秋)のみ流通
- 獲れたては透明感があり、繊細な甘みと旨味が楽しめる
- 刺身、かき揚げ、酢の物など、生ならではの瑞々しい食感が魅力
干し桜海老の特徴
- 天日干しや機械乾燥で加工され、保存性が高い
- 香ばしさと旨味が凝縮し、和え物、炊き込みご飯、味噌汁の具などに最適
- 年間を通して入手可能だが、旬の時期に干されたものは香りが格別
味わいの魅力
カルシウムが多く、殻ごと食べられるので栄養価が高い
甘み・旨味成分(グリシン・アラニンなど)が豊富
香ばしさと風味が強く、少量でも料理全体の味を引き立てる

現役和食調理師のヒント
生桜海老は、ほんのり甘くて口の中でとろけるような食感。干し桜海老は、少し炒ると香ばしさが倍増します。どちらも色と香りが強いので、料理の仕上げにひとつまみ加えるだけで一気に華やぎます。
桜海老の地方名
桜海老は漁獲地域が限られているため、静岡県では下記のような呼ばれ方をする時があります
| 呼び名 | 補足・由来 |
|---|---|
| シンエビ | 春漁で獲れる新物の桜海老。 透明感と甘みが強い。 |
| ヒネエビ | 秋漁で獲れる桜海老。 旨味が濃く、香りが強い。 |
| ヒカリエビ | 水揚げ後に体表が光るように見えることから。 |

現役和食調理師のヒント
シンエビは淡い色とみずみずしさ、ヒネエビは濃厚な香りと旨味。どちらも特徴が違うので、料理に合わせて使い分けると楽しみが広がります。
桜海老の目利き(鮮度の見分け方)

生桜海老
- 色が鮮やかで透明感がある
新鮮なものは淡い紅色で透き通っており、黒ずみや白濁がない。 - 殻がしっかりしている
触れたときに潰れやすいものは鮮度が落ちている。 - 香りが爽やか
海の香りがして、嫌な生臭さがないものが良品。
干し桜海老
- 色が濃く、均一
旬の時期に干されたものは鮮やかな赤〜紅色で、色ムラが少ない。 - 形がきれいに残っている
殻が割れていないものほど香りと食感が良い。 - 香ばしい香りが強い
湿気で香りが弱くなったものやカビ臭いものは避ける。

現役和食調理師のヒント
生桜海老は鮮度が落ちるのが早いので、漁期中でも市場近くでしか出回らないこともあります。干し桜海老は冷暗所で保存し、使う直前に軽く炒ると香りがぐっと引き立ちます。
桜海老と相性の良い食材

| 食材 | 使い方例 |
|---|---|
| 青ねぎ | 香りと彩りを加え、かき揚げや炒め物に最適 |
| 大根おろし | 天ぷらやかき揚げと合わせて後味をさっぱり |
| キャベツ | 炒め物やお好み焼きに入れると甘みと香ばしさが引き立つ |
| 玉ねぎ | かき揚げやスープに加えて旨味と甘みをプラス |
| 卵 | 桜海老入り卵焼きやチャーハンで彩りと風味をアップ |
| ごはん | 炊き込みご飯や混ぜご飯で香りと旨味を移す |
| 青じそ | 酢の物や和え物で香りと爽やかさを加える |

おかみさんの一言
桜海老はね、色も香りも強いから、ちょっと加えるだけで料理が華やかになるの。かき揚げなんて、玉ねぎと合わせれば甘みと香ばしさが絶妙で、お酒もごはんも進んじゃうわ。
桜海老に合う調理法
| 調理法 | 理由 |
|---|---|
| かき揚げ | 生桜海老の甘みと香ばしさを最大限に引き出せる |
| 炊き込みご飯 | 干し桜海老の旨味がご飯全体に広がる |
| 卵焼き | 彩りと風味をプラスし、弁当にも向く |
| 酢の物 | 生桜海老の甘みと酸味が調和する |
| 味噌汁 | 干し桜海老の香ばしさと旨味が汁に溶け出す |
| サラダ | 彩りは良いが、風味の主張が強く好みが分かれる |

おかみさんの一言
桜海老のかき揚げは、衣は薄くしてカリッと揚げると香りがたまらないの。干し桜海老はね、ちょっと炒ってから炊き込みご飯に入れると、家中いい匂いになって、おかわり必至よ。
桜海老の栄養素(食品成分)
さくらえび
可食部100g当たり
| 栄養素 | 素干し | 生 | 単位 |
|---|---|---|---|
| 廃棄率 | 0 | 0 | % |
| エネルギー | 286 | 78 | ㎉ |
| 水分 | 19.4 | 78.9 | g |
| タンパク質 | 64.9 | 16.6 | g |
| 脂質 | 4.0 | 2.0 | g |
| 食物繊維(総量) | – | – | g |
| 炭水化物 | 0.1 | 0.1 | g |
| ナトリウム | 1200 | 270 | ㎎ |
| カリウム | 1200 | 310 | ㎎ |
| カルシウム | 2000 | 630 | ㎎ |
| マグネシウム | 310 | 69 | ㎎ |
| リン | 1200 | 330 | ㎎ |
| 鉄 | 3.2 | 0.3 | ㎎ |
| 亜鉛 | 4.9 | 1.3 | ㎎ |
| 銅 | 3.34 | 0.9 | ㎎ |
| マンガン | 0.23 | 0.05 | ㎎ |
| ヨウ素 | – | 110 | ㎍ |
| セレン | – | 64 | ㎍ |
| クロム | – | 1 | ㎍ |
| モリブデン | – | 3 | ㎍ |
| ビタミンA(レチノール) | – | 1 | ㎍ |
| ビタミンA(β-カロテン) | – | 6 | ㎍ |
| ビタミンD | – | 0.1 | ㎍ |
| ビタミンE(トコフェロールα) | – | 2.3 | ㎎ |
| ビタミンK | – | – | ㎍ |
| ビタミンB1 | 0.17 | 0.1 | ㎎ |
| ビタミンB2 | 0.15 | 0.08 | ㎎ |
| ナイアシン | 5.5 | 2.3 | ㎎ |
| ビタミンB6 | 0.21 | 0.1 | ㎎ |
| ビタミンB12 | 11.0 | 4.5 | ㎍ |
| 葉酸 | 230 | 94 | ㎍ |
| パントテン酸 | 1.16 | 0.29 | ㎎ |
| ビオチン | – | 5.2 | ㎍ |
| ビタミンC | – | 1 | ㎎ |
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おかみさんの一言
生の桜海老は甘みと香りが魅力だけど、素干しにすると水分が抜けて栄養がギュッと凝縮されるのよね
英語・漢字表記

漢字表記:桜海老
英語表記:Sakura shrimp
発音記号:[ˈsɑː.kʊrɑː ʃrɪmp](アメリカ英語)
[ˈsækərə ʃrɪmp](イギリス英語)
英語表記についてもっと詳しく知りたい方は、こちらのページで 魚介類の漢字・英語表記一覧 をまとめています。
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