白だしは体に悪い?添加物と塩分を調理師がラベルで確かめた結論

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「白だしは使ってはいけない」。

そんな記事を読んで、台所の白だしをこのまま使っていいのか迷った方も多いのではないでしょうか。

調理師歴25年の私も白だしは普段から使っている調味料のひとつです。気になったので、よく見かける4商品のラベルと公式情報を見比べてみました。

結論から言うと
お吸い物1杯の塩分は4商品とも約1.4〜1.6gで、ほとんど差はありません。アミノ酸等(うま味を足すための添加物)は4商品中3つに入っています。入っていないにんべんゴールドも、酵母エキスでうま味を足しているんですよね。白だしが体に悪いかどうかは、商品の違いよりも「量と使い方」で決まります。

ちなみに、私が選んでいるのは七福の白だしです。原材料の1番目が食塩でもしょうゆでもなく「だし」になっている。これが理由です。

商品1杯(150ml)
の塩分
原材料
の1番目
アミノ酸等
七福醸造
四季の彩
約1.40g合わせだしあり
にんべん
白だしゴールド
約1.37g食塩なし
ヤマキ
割烹白だし
約1.53g食塩あり
創味
白だし
約1.58gしょうゆあり

※七福はボトルの表示、ほかの3商品は各社の公式レシピの分量から計算(出典は記事の最後)

白だしが「体に悪い」「使ってはいけない」と言われる2つの理由

漆のお椀に入ったお吸い物。白だしが体に悪いと言われる理由は塩分と添加物
白だしの「塩分」と「添加物」が気になるという声を見かけます

白だしが体に悪いと言われる理由は大きく分けて「塩分」と「添加物」の2つです。どちらも、ラベルの数字や原材料名だけを見ると不安になりやすいポイントです。

あなたが読んだ記事も、この2つのどちらかを取り上げていたのではないでしょうか? まずは、なぜそう言われるのかを整理しておきます。

塩分が多い

白だしはボトルの表示だけを見ると塩分の多い調味料です。100mlあたりの食塩相当量(ナトリウムの量を食塩に換算した値)は、今回比べた4商品で10.2〜14.9gでした。

この数字は濃口しょうゆ(100gあたり14.5g/日本食品標準成分表(八訂))とほぼ同じです。「しょうゆ並みの塩分」と聞けば、心配になるのも無理はありませんよね。

ただ、白だしは水で薄めて使う「濃縮タイプ」の調味料です。ラベルの数字は、薄める前の原液での値なんです。

調理師
調理師

調理師として気になるのは、むしろ白だしの「色の薄さ」のほうです。しょうゆなら、だしの色を見て「入れすぎたかな」と気づけます。白だしは色がほとんどつかないので、目で量を判断できません。そのため、ボトルから直接注ぐとつい多めに入りやすいんですよね。

塩分が多いと言われるのは、ラベルの原液の数字と量を目で測りにくい使い勝手が重なっているからです。実際に1杯でどのくらいになるのかは、次の章で4商品を計算して比べます。

添加物(アミノ酸等・たん白加水分解物・エキス類)

もう1つの理由は、原材料にうま味を足す成分が並んでいることです。よく話題になるのは次の3つでした。

調味料(アミノ酸等)グルタミン酸ナトリウムなどのうま味成分。食品添加物として国が使用を認めているもので、ラベルではまとめて「調味料(アミノ酸等)」と表示されます
たん白加水分解物大豆や小麦などのたんぱく質を分解して、うま味を取り出したもの
エキス類かつお節エキス・酵母エキスなど。素材のうま味を濃く抽出したもの

原材料欄では原材料と食品添加物を分けて書くことが決まっています。今回の4商品はどれも「/(スラッシュ)」で区切られていて、前が原材料、後ろが添加物です。(商品によっては、改行や別の欄で分けていることもあります)

つまり、「添加物が入っていない」ように見える商品でも、エキス類でうま味を足していることは珍しくありません。スラッシュの後ろだけを見て判断すると、少し誤解しやすいですよ。

調理師
調理師

私が現場で白だしを選ぶときに見ているのは、安全かどうかよりも味のバランスです。うま味を足す成分が多い白だしは、だしの香りより先にうま味が舌に来る味になりやすいと感じています。

不安の正体は、名前の聞き慣れない成分が並んでいることなんですよね。どの商品に何が入っているかは、このあとの章で4商品のラベルを並べて確認していきます。


白だしの塩分は多い?100mlと1杯で4商品を比べた結果

白だし4商品の比較をグラフにまとめた画像
白だし4商品の比較をグラフにまとめた画像

白だしの塩分は、100mlあたりで比べると商品ごとに差があります。ところが、お吸い物1杯にすると4商品ともほぼ同じ量になるんです。

ラベルの数字を見て「この白だしは塩分が多いから避けよう」と考えたことはありませんか? その判断が少しもったいない理由を、実際に計算して確かめました。

100mlの数字だけ見ると誤解する理由(薄め方が違う)

100mlあたりの塩分だけで比べると、白だし選びを誤解しやすくなります。商品ごとに、決められている薄め方が違うからです。

塩分が濃い白だしほど水を多く足して使うので、できあがった料理の塩分は近くなるんですよね。今回、お吸い物1杯(お椀1杯の目安として150ml)に換算した結果がこちらです。

商品薄め方
(白だし:水)
塩分
(100mlあたり)
1杯の塩分
(150ml)
にんべん
白だしゴールド
1:1313.1g約1.37g
七福醸造
四季の彩
1:1514.9g約1.40g
ヤマキ
割烹白だし
1:910.2g約1.53g
創味
白だし
1:1314.7g約1.58g

計算式:1杯に入る白だしの量 × 100mlあたりの塩分 ÷ 100

七福の場合、1:15なので150mlのうち白だしは150÷16=約9.4ml。9.4×14.9÷100=約1.40gになります。

薄め方の出典

  • 七福:ボトルに書かれた吸い物(白だし1+水15)
  • にんべん:公式のあさりのお吸い物レシピ(白だし大さじ2+水400ml)
    ※あさりの塩分は含めず、白だしの分だけで計算
  • ヤマキ:公式お麩のお吸い物(白だし40ml+お湯360ml)
  • 創味:公式基本のお吸い物(白だし10ml+お湯130ml)

100mlではいちばん塩分が多い七福も、水で15倍に薄めるので1杯では2番目に少ない量です。反対に、100mlの数字がいちばん低いヤマキは、薄め方が1:9と濃いめなので1杯では多いほうになります。

ラベルの数字は薄める前の原液での比較にすぎません。1杯にすると4商品の差は約0.2gで、「どの白だしなら安心」と言えるほどの差ではないんです。

1杯の塩分は1日の目標量の約2割

お吸い物1杯の塩分(約1.4〜1.6g)は1日の食塩の目標量の約2割にあたります。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、18歳以上の食塩相当量の目標量が男性7.5g未満、女性6.5g未満とされています。

性別目標量お吸い物1杯の割合
(約1.4〜1.6g)
女性6.5g未満約21〜24%
男性7.5g未満約18〜21%

1杯で約2割と聞くと、多いと感じるか少ないと感じるか、人によって分かれるところですよね。朝食のみそ汁や、夕食の煮物・漬物にも塩分は入っています。白だしだけを特別に心配するより、1日の中のひとつとして考えるほうが実際的です。

調理師
調理師

ボトル通りの薄め方は少し濃いめの設定になっています。今回の数字で計算すると、1杯の塩分濃度は約0.9〜1.1%でした。私が現場でお吸い物を作るときは、0.8%前後を目安にすることが多いんです。

料理人が作るお吸い物はメーカーの表示よりも薄いことが多いということです。表示より少し少なめに入れて、味見をしてから足す。それだけで1杯の塩分はもう少し下げられますよ。具体的なコツは、後半の「白だしを使いすぎない4つのコツ」でまとめています。


白だしの添加物は何が入っている?ラベルの見方

七福の白だしの原材料表示ラベル。①原材料の1番目の合わせだしと、②添加物の区切りの『/』に印をつけた写真
七福の白だしの原材料表示ラベル。①原材料の1番目の合わせだしと、②添加物の区切りの『/』に印をつけた写真

白だしに何が入っているかは、ラベルの原材料欄を見ればほとんど分かります。見るのは「1番目に何が書いてあるか」と、先ほど紹介した「添加物の区切りの後ろに何があるか」の2か所です。区切りは「/(スラッシュ)」のことが多いですが、改行や別の欄で分けている商品もあります。

成分名を1つずつ調べなくても、この2か所でその白だしの性格はつかめます。手元に白だしがある方は、ボトルを手に取りながら読んでみてください。

原材料は重い順に書かれている(1番目が食塩・しょうゆ・だしのどれか)

原材料欄でいちばん大事なのは、1番目に書かれている原材料です。食品表示のルールで、使った原材料を重さの多い順に並べることになっているからです(消費者庁「早わかり食品表示ガイド」)。

白だしの場合、1番目はだいたい次の3つのどれかになります。

  • 食塩が1番目:塩水にだしやうま味を合わせたつくり。すっきりした塩味で、素材の色を邪魔しにくい
  • しょうゆが1番目:しょうゆをベースにした白だし。コクがあり、色がやや濃くなりやすい
  • だしが1番目:だしの素材がいちばん多いつくり。香りとうま味をだしそのものに頼っている

食塩が1番目だから悪い、というわけではないんですよね。食塩ベースの白だしは味がぶれにくいので、ほかの調味料と合わせやすい良さがあります。

調理師
調理師

私がラベルを見るときは、1番目でベースを確かめてから、2〜4番目で「うま味を何で足しているか」を見ます。そこにエキス類やたん白加水分解物が上のほうに来ていれば、うま味をだし以外でも補っている白だしだと分かります。

4商品の原材料の比較表

4商品のラベルを並べると、うま味の足し方がはっきり違いました。まずは要点を表にまとめます。

七福
四季の彩
にんべん
白だしゴールド
ヤマキ
割烹白だし
創味
白だし
原材料の1番目合わせだし(国産の節4種+干し椎茸)食塩食塩しょうゆ
調味料
(アミノ酸等)
ありなしありあり
たん白加水分解物表示なし
(小麦酵素分解液あり)
なしあり(2番目)あり
エキス類かつお節
昆布
酵母(3番目)
魚介
かつおぶし
魚介
酵母
かつお
にぼし
昆布
しいたけ
アルコールなしありありなし

表で気づいてほしいのは、4商品とも「/」の後ろに何かしら添加物が書かれていることです。にんべんゴールドはアミノ酸等が入っていませんが、アルコール(品質を保つために加える酒精)が入っています。今回の4商品に、無添加と言える白だしはありませんでした。

商品ごとに見ると、次のような違いがあります。

七福(四季の彩)
1番目がだしで、うま味の中心は節と干し椎茸です。たん白加水分解物という表示はありませんが、小麦を酵素で分解した液(小麦酵素分解液)が入っています。アミノ酸等とビタミンB1(栄養強化や日持ちのために使われることがある添加物)も入っています

にんべん (白だしゴールド)
アミノ酸等は入っていませんが、酵母エキスが3番目に来ています。うま味を酵母エキスでしっかり支えるつくりです

ヤマキ (割烹白だし)
たん白加水分解物が2番目で、節より前にあります。エキス類とアミノ酸等も入っていて、うま味をいくつもの方法で重ねています

創味 (白だし)
しょうゆベースで、たん白加水分解物とアミノ酸等が入っています。エキスはかつお・にぼし・昆布・しいたけと種類が多めです

七福(四季の彩)(ボトルのラベルより)
合わせだし(かつおかれぶし削り、あじぶし削り、そうだがつおぶし削り、まぐろぶし削り、乾しいたけ)(国内製造)、有機しろしょうゆ、水飴、小麦酵素分解液、食塩、かつお節エキス、昆布エキス、みりん/調味料(アミノ酸等)、ビタミンB1、(一部に小麦・大豆を含む)

にんべん 白だしゴールド(公式サイトより)
食塩(国内製造)、砂糖、酵母エキス、かつおぶし、さばぶし、有機しょうゆ、魚介エキス、醸造酢、そうだがつおぶし、こんぶ/アルコール

ヤマキ 割烹白だし(公式サイトより)
食塩(国内製造)、たん白加水分解物(大豆を含む)、ふし(かつお、そうだかつお)、米発酵調味料、砂糖、しょうゆ(小麦を含む)、還元水飴、かつおぶしエキス、魚介エキス、醸造酢、酵母エキス/調味料(アミノ酸等)、アルコール

創味 白だし(公式サイトより)
しょうゆ(国内製造)、糖類(水あめ、砂糖)、食塩、たん白加水分解物、かつお削りぶし、にぼし、かつおぶしだし、かつおエキス、にぼしエキス、昆布エキス、しいたけエキス/調味料(アミノ酸等)

ラベルを比べて分かるのは、「添加物ゼロ」と「だしが多い」は同じ商品にはそろっていないということです。どちらを優先するかで選ぶ1本は変わります。その選び方を、次の章で2つに分けて紹介しますね。


添加物と味、どちらを優先する?目的別の選び方

白だしで優先する事のまとめ

前の章で見たとおり、今回の4商品には「添加物ゼロでだしもたっぷり」という白だしはありませんでした。そのため、白だしは「何を優先するか」で選ぶのがいちばん迷わない方法です。

あなたが気になっているのは、添加物の名前でしょうか。それとも、毎日の料理の味でしょうか? どちらかを決めれば、選ぶ1本は自然に絞れます。

アミノ酸等をとにかく避けたい人 → にんべん白だしゴールドも選択肢

ラベルに「調味料(アミノ酸等)」と書かれていない白だしがいい人には、にんべん白だしゴールドが選択肢に入ります。4商品の中で、アミノ酸等もたん白加水分解物も入っていないのはこの1本だけでした。

ただし、選ぶ前に知っておいてほしい点が2つあります。

  • 1番目は食塩:だしではなく、塩をベースにしたつくりです
  • 酵母エキスが3番目:アミノ酸等の代わりに、酵母エキスでうま味をしっかり補っています

酵母エキスは添加物ではなく原材料として扱われるので、「/」の前に書かれます。アミノ酸等が入っていないことと、うま味を足していないことは別の話なんですよね。

製法から考えると、酵母エキスが上のほうにある白だしは、だしの香りよりもうま味の厚みが前に出やすいつくりです。「アミノ酸等という表示がなければ安心できる」という方には、表示の面ではいちばん条件に合う1本と言えます。

だしの量と味で選びたい人 → 七福の白だし

表示の名前よりも、料理の味やだしの多さで選びたい人には、七福の白だしをおすすめします。4商品の中で、原材料の1番目が「だし」になっているのは七福だけです。

だしが1番目ということは、うま味の中心を節や干し椎茸そのものに頼っているということです。アミノ酸等は入っていますが、うま味をつくる主役ではありません。

この違いが出やすいのは、だし巻き卵や茶碗蒸し、お吸い物のように、白だしの味がそのまま料理の味になるものです。煮物のようにほかの調味料も入る料理より、白だしだけで味を決める料理のほうが、だしの多さが分かりやすいんですよね。

私が七福を選んでいるのも、この「だしが主役」というつくりが理由です。アミノ酸等が入っていても、だしがいちばん多い白だしを選びたい。そう考える方には、合う1本だと思いますよ。

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使っている素材や、調理師として気になる点は、次の章でくわしく書きます。


調理師が七福の白だしを使う理由と、気になる点

七福の白だし(彩)2本の裏ラベル。栄養成分表示(100mlあたり食塩相当量14.9g)と原材料名
実際の白だしの食品栄養表示。

私が七福の白だしを選んでいる理由はだしの素材が多く、薄めて使える量が多いからです。ただ、ラベルを見ると気になる点もあるので、両方を正直に書いておきます。

「良いことばかり書いてあると、かえって信用できない」。そう感じる方も多いのではないでしょうか? 判断材料として、どちらも並べておきますね。

使う理由(国産の節4種+干し椎茸、有機しろしょうゆ、1:15まで薄めて使える)

1つ目は、
だしの素材の組み合わせです。ラベルには「合わせだしの原料はすべて国産」と書かれていて、次の4種類の節と干し椎茸が使われています。

  • かつおかれぶし(枯れ節):カビ付けを重ねて仕上げた鰹節。香りが上品で、雑味が出にくい
  • そうだがつおぶし(宗田節):コクが強く、関東のそば屋のつゆによく使われる節
  • あじぶし(鯵節):あっさりとした甘みのあるだし
  • まぐろぶし(鮪節):色が淡く、すっきりしたうま味。透明に仕上げたいお吸い物に向く

現場でだしを取るときも、私は節を1種類にしぼらず、香り・コク・すっきり感を組み合わせて使います。七福の節の組み合わせは、その考え方に近いんですよね。干し椎茸が入っているのも、うま味に深みを出すための組み合わせだと読み取れます。

2つ目は、
有機しろしょうゆを使っている点です。しろしょうゆ(大豆をあまり使わず、小麦を主な原料にした色の淡いしょうゆ)は、料理に色をつけずに香りを足せます。七福醸造がある愛知県碧南市は、しろしょうゆづくりが盛んな土地で、七福醸造は白だしの元祖とされるメーカーです。

3つ目は、
お吸い物なら1:15まで薄めて使えることです。360mlのボトル1本で、お吸い物(150ml)がおよそ38杯分つくれる計算になります。前の章で見たとおり1杯の塩分は他社と変わらないので、塩分を減らせるという意味ではありません。少ない量で味が決まるという、使いやすさの話です。

気になる点(100mlの塩分は最多、炭水化物が多め、アミノ酸等・ビタミンB1が入っている)

七福にも、ラベルを見て気になる点が3つあります。

100mlあたりの塩分が14.9g

1つ目は、100mlあたりの塩分が14.9gで4商品の中でいちばん多いことです。1杯にすれば他社と変わりませんが、それは表示どおりに薄めた場合の話です。ボトルから直接注いで目分量で使うと、他社の白だしより塩分が多くなりやすいんです。

炭水化物が100mlあたり15.2gと多い

2つ目は、炭水化物が100mlあたり15.2gと多めなことです。原材料に水飴とみりんが入っているためで、やさしい甘みが出るつくりです。お吸い物1杯(白だし約9.4ml)にすると、炭水化物は約1.4g・エネルギーは約7kcalなので、量としては多くありません。ただ、甘さを控えたい料理では、ほかの調味料の砂糖やみりんを少し減らすと味のバランスがとりやすいですよ。

無添加ではない

3つ目は、無添加ではないことです。「/」の後ろには調味料(アミノ酸等)とビタミンB1が書かれています。また、たん白加水分解物という表示はありませんが、小麦を酵素で分解した液(小麦酵素分解液)も入っています。原材料に小麦・大豆が含まれるので、アレルギーのある方はラベルを確認してください。

それでも私が七福を選ぶのは、こうした点を差し引いても「だしが主役」というつくりに価値があると考えているからです。添加物の表示を最優先にする方は、前の章で紹介したにんべんと見比べてみてくださいね。

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白だしを使いすぎない4つのコツ

白だしを使いすぎない4つのコツ。①計量スプーンで量る、②表示より1割少なめに入れる、③味見は食べるときの温度で、④削り節や昆布で香りを足す
白だしを使いすぎない4つのコツ。①計量スプーンで量る、②表示より1割少なめに入れる、③味見は食べるときの温度で、④削り節や昆布で香りを足す

白だしの塩分を気にするなら、商品を変えるより使い方を変えるほうが効果的です。1杯の塩分は商品ではほとんど変わらず、入れる量で変わるからです。

ボトルから「このくらいかな」と注いでいませんか? ここでは、私が現場でも家でもやっている4つのコツを紹介します。

コツ1 計量スプーンで量る

1つ目のコツは、白だしを計量スプーンで量ることです。先ほども書いたとおり、白だしは色が薄く、入れた量を目で確かめられません。

七福の場合、お吸い物の量に合わせた白だしの量は次のとおりです(1:15で計算)。

お吸い物の量白だしの量
1杯(150ml)約9ml
(小さじ2弱)
2杯(300ml)約19ml
(大さじ1と小さじ1弱)
4杯(600ml)約38ml
(大さじ2と1/2)

一度量ってみると、「思っていたより少ない」と感じる方が多いと思います。よく作る量の分だけ、メモして冷蔵庫に貼っておくと便利ですよ。

コツ2 表示より1割少なめに入れて、味見してから足す

2つ目のコツは、ボトルに書かれた量より1割ほど少なく入れて、味見をしてから足すことです。先ほどの章で書いたように、表示どおりの薄め方は、料理人がつくるお吸い物より少し濃いめになっています。

七福で1割減らすと、1杯の白だしは約8.4ml、塩分は約1.26gです。塩分濃度は約0.84%になり、私が現場で目安にしている0.8%前後に近づきます。

足すのはいつでもできますが、入れすぎたものを戻すことはできません。料理人が調味料を「少なめから入れる」のは、このためなんですよね。

コツ3 味見は食べるときの温度でする

3つ目のコツは、食べるときと同じ温度で味見をすることです。人の舌は、熱いものほど塩味を感じにくく、冷めると塩味を強く感じます。

分かりやすいのは、だし巻き卵です。焼いた直後の卵液や焼きたてで味を決めると、お弁当に入れて冷めたときに塩辛く感じることがあります。冷めてから食べる料理は、温かいうちは「少し物足りない」くらいでちょうどいいんです。

お吸い物なら、熱々で飲むので、味見も熱い状態で問題ありません。冷やして食べる茶碗蒸しや白だしの浅漬けは、控えめに味をつけておくのがおすすめです。

コツ4 削り節や昆布で香りを足す

4つ目のコツは、白だしを減らした分を、削り節や昆布の香りで補うことです。だしの香りやうま味がしっかりあると、塩味を控えても物足りなさを感じにくくなります。

料理人のあいだでは、仕上げに削り節を加えて香りを足すことを「追いがつお」と呼びます。家庭でできる方法は、次のようなものです。

  • お吸い物を火から下ろす直前に、削り節をひとつまみ入れて30秒ほどで取り出す
  • お椀にとろろ昆布を少し入れてから、汁を注ぐ
  • 煮物を煮るとき、水の代わりに昆布を浸けておいた水を使う

白だしの量を減らすとき、そのまま減らすだけでは味がさみしくなりがちです。香りを足す一手間を合わせると、減らしたことに家族も気づきにくいですよ。


よくある質問

Q
白だしは毎日使っても大丈夫?
A

量を量って、表示どおりかそれより少なめに使えば、毎日使っても問題ないと私は考えています。白だしだけが特別に塩分の多い調味料というわけではないからです。

先ほど計算したとおり、お吸い物1杯の塩分は約1.4〜1.6gでした。気にしたいのは「白だしを使うかどうか」より、1日の食事全体でどのくらい塩分をとっているかです。白だしを使う日は、漬物や汁物をもう1品増やさない。そのくらいの調整で十分ですよ。

Q
白だしはめんつゆより塩分が多い?
A

薄める前の原液で比べると、白だしのほうが塩分が多いことがほとんどです。ただ、料理にしたときの塩分は、薄め方しだいで変わります。

日本食品標準成分表(八訂)では、めんつゆ(三倍濃縮)の食塩相当量は100gあたり9.9gです。今回の白だし4商品は100mlあたり10.2〜14.9gなので、原液では白だしのほうが多くなります。

一方で、白だしはお吸い物なら9〜15倍に薄めて使います。今回の計算では、お吸い物の塩分濃度は約0.9〜1.1%でした。めんつゆ(三倍濃縮)をかけそばのつゆ用に1:6で薄めると、塩分濃度は約1.4%になります。原液の数字だけで「白だしは危ない」と決めないでくださいね。

Q
減塩の白だしとの違いは?
A

減塩の白だしは、通常の白だしより塩分を減らしてつくられた商品です。「減塩」と書くには、比べる商品よりどのくらい少ないかなど、食品表示の基準を満たす必要があります。

選ぶときにチェックしてほしいのは、ボトルに書かれた薄め方です。100mlあたりの塩分が少なくても、薄め方が濃いめに設定されていれば、1杯の塩分はあまり変わらないことがあります。この記事で計算したように、「1杯あたり」で比べるのがいちばん確実です。

また、減塩の調味料の中には、塩味を補うために塩化カリウム(塩に似た味がする成分)を使っているものがあります。腎臓の病気などで食事制限を受けている方は、使う前に医師や管理栄養士に相談してください。

Q
白だしを使わずに、塩分を自分で決めたいときは?
A

だしと味付けを分けて考えるのがいちばん確実です。白だしは、だしと塩・醤油が最初から合わさった調味料なので、1杯の塩分がある程度決まってしまいます。

だしは食塩不使用のだしパックで引き、塩や醤油は自分で量って足せば、塩の量を自分で決められます。ただし、だしパックにも味付きのものがあり、私が比べた商品の中には1袋で食塩相当量4.1gのものもありました。選ぶときは、袋の裏の原材料を確かめてください。▶だしパックの塩分は意外と多い?味付きと食塩不使用をラベルで比べた調理師の選び方

まとめ

白だしが体に悪いかどうかは、商品の違いよりも量と使い方で決まります。要点は次の4つです。

  • お吸い物1杯の塩分は、4商品とも約1.4〜1.6gでほぼ同じ
  • 4商品とも「/」の後ろに添加物があり、無添加の商品はなかった
  • アミノ酸等を避けるならにんべん、だしの多さで選ぶなら七福
  • 計量スプーンで量り、表示より少なめに入れる

まずは今使っている白だしのラベルで、1番目の原材料を確かめてみてください。

※七福の白だしは、ボトルのラベル(原材料・栄養成分・使い方)をもとにしています。原材料や数値は2026年10月時点のものです。

調理師プロフィール画像
この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)
和食の世界で25年以上。旬の食材や家庭でできる調理のコツを、やさしく、わかりやすくお届けしています。料理がもっと楽しく、おいしくなるきっかけになれば嬉しいです。
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