楤の芽(たらのめ)とは?旬・英語・下ごしらえ・栄養を解説

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タラの芽の漢字・英語表記

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「たらの芽」は英語で Aralia sprout(アレイリア・スプラウト) と呼ばれます。
「Aralia(アラリア)」は植物分類上の属名で、タラノキ(Aralia elata)から芽吹く新芽を指します。英語圏では一般的に知られていない山菜のため、日本食や山菜料理を紹介する文脈で使われることが多く、料理名や輸出品ではそのまま「Taranome」や「Japanese Aralia sprout」と表記される場合もあります。

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楤の芽(たらのめ)とは?特徴・味わい・山菜としての魅力

楤の芽

楤の芽(たらのめ)は、タラノキ(楤木/たらのき)の若芽で、春の訪れを告げる山菜として親しまれています。地域によっては「山菜の王様」とも呼ばれ、その香り高い風味と独特のほろ苦さが魅力です。

タラノキはウコギ科の落葉低木で、山の斜面や里山に自生するほか、現在では食用として畑で栽培される「栽培たらの芽」も増えています。自然のものは「山たら」「山採りたらの芽」などと呼ばれ、香りと歯ごたえがより強く、高値で取引されることもあります。


楤の芽の特徴

  • 新芽は厚みのある緑色の葉とやわらかい茎をもち、外側にうぶ毛が生えていることが多いです
  • 味わいは「ほろ苦さ+ほのかな甘み」が特徴で、天ぷらやおひたしにすると旨味が際立ちます
  • 旬は3月中旬〜4月中旬ごろ(地域差あり)で、まさに“春の恵み”といえる食材です

薬草的な一面も
民間では古くから胃腸を整える・疲労回復によいとも言われてきましたが、現在は薬効の表現には注意が必要です(薬機法により)。


山菜初心者にもおすすめ
他の山菜(ゼンマイ、こごみ、うどなど)に比べてアクが少なく、扱いやすいのも魅力です。加熱すると苦味がやわらぎ、春野菜の入門としても最適です。

楤の芽の下ごしらえ|アク抜き不要?茹で時間と下処理のコツ

下ごしらえの流れ

  1. 表面のうぶ毛が気になる場合は、軽くこすって取り除く
     → 塩をふってこすり洗いしてもOK(洗いすぎないよう注意)
  2. 根元の硬い部分を切り落とす
     → 茎の下部にスジがあれば軽くそぎ取る
  3. 流水でやさしく洗う
     → ごみや虫を落とす程度でOK

茹でる場合(おひたし・和え物など)

  • 鍋に湯を沸かし、塩少々を加えて1分ほどサッと茹でる
  • すぐに冷水にとって色止めし、水気をよく絞る
  • 茹で時間は1分以内が目安(火を通しすぎると苦味が増す)

天ぷらなど加熱調理する場合

  • 茹でずにそのまま使用可
  • 衣を薄めにつけ、170〜180℃の油でカラッと揚げる
  • 揚げすぎ注意。衣が色づけばOK

✅ 補足:アク抜きは基本的に不要
楤の芽はわらびやぜんまいに比べてアクが非常に少ないため、通常は重曹や米ぬかでのアク抜きは不要です。育ちすぎて大きくなったものは軽く茹でてから調理すると食べやすくなります。

楤の芽の保存方法|冷蔵・冷凍・塩漬けのコツ

冷蔵保存(生のまま)

  • 湿らせたキッチンペーパーで包み、ポリ袋または保存容器に入れて野菜室へ
  • 乾燥に弱いため、できるだけ密閉+立てて保存が望ましい
  • 保存期間:2〜3日以内が目安(風味が落ちる前に調理を)

冷凍保存(軽く茹でてから)

  1. 下ごしらえ(うぶ毛を取り、根元カット)
  2. 塩少々を入れてサッと1分茹で、冷水に取って冷ます
  3. 水気をしっかり拭き取り、ラップで小分けして冷凍用保存袋に入れる
  4. 調理時は解凍せず、そのまま加熱可能(炒め物・天ぷら・おひたしなどに)
  • 保存期間:約1か月が目安

塩漬け保存(風味を長持ちさせたいとき)

  • 軽く茹でてから、水気を拭き取り、粗塩をまぶして瓶や保存袋に入れる
  • 冷蔵庫で保存すれば、1〜2週間ほど持ちます
  • 食べる際は塩抜きをして使用(10分ほど水にさらす)

保存のポイントまとめ

方法保存期間メモ
冷蔵2〜3日できるだけ早めに使う
冷凍約1か月茹でてから小分け冷凍
塩漬け1〜2週間軽い塩味がつく。風味を活かすならおすすめ

楤の芽とよく合う食材|春の味わいを引き立てる組み合わせ

楤の芽(たらのめ)は、独特のほろ苦さと爽やかな香りが特徴の春の山菜です。この風味を活かすには、まろやかさ・香ばしさ・うま味を持つ食材と合わせるのがポイントです。


楤の芽 × 天ぷら衣(小麦粉・卵)
サクッと香ばしく、えぐみをやさしく包む

→ たらの芽といえば天ぷら。シンプルな衣と油が、ほろ苦さを引き立てます。仕上げに抹茶塩や山椒塩を添えても◎。


楤の芽 × ごま(白ごま・すりごま)香ばしさとコクが加わり、苦味がまろやかに
→ 白和えやごまあえに。ほうれん草のごまあえと似た感覚で、たらの芽にも応用できます。


楤の芽 × 卵
苦味とまろやかさのバランスが絶妙
→ 卵とじや、薄焼き卵に巻き込んで。苦味が抑えられ、初心者にも食べやすくなります。


楤の芽 × だし(かつおだし・白だし)
シンプルな出汁がたらの芽の香りを引き立てる
→ おひたしや吸い物に。だしの旨味を吸ったたらの芽は、春の和食の王道です。


楤の芽 × ベーコン・ハム
洋風アレンジにも対応|塩味+脂で苦味が引き立つ
→ ソテーやパスタに。オリーブオイルで炒めてもOK。山菜の新しい楽しみ方。


楤の芽の栄養素 (食品成分表)

たらのめ (若芽)
可食部100g当たり

栄養素ゆで単位
廃棄率0%
エネルギー27
水分90.8g
タンパク質4.0g
脂質0.2g
食物繊維(総量)3.6g
炭水化物4.1g
ナトリウム1
カリウム260
カルシウム19
マグネシウム28
リン92
0.9
亜鉛0.7
0.30
マンガン0.44
ヨウ素
セレン
クロム
モリブデン
ビタミンA(レチノール)
ビタミンA(β-カロテン)600
ビタミンD
ビタミンE(トコフェロールα)2.0
ビタミンK97
ビタミンB10.07
ビタミンB20.11
ナイアシン1.3
ビタミンB60.11
ビタミンB12
葉酸83
パントテン酸0.23
ビオチン
ビタミンC3
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」

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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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