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香り高く、独特の苦味が魅力の「春菊(しゅんぎく)」。お鍋やおひたしに欠かせない存在ですが、実は栄養バランスにも優れた冬の野菜です。
このページでは、春菊の旬の時期、栄養の特徴、保存のコツ、相性の良い食材まで、春菊をもっとおいしく楽しむための情報をわかりやすくまとめました。
英語での表記や発音が気になる方は、下記リンクから英語専門ページもご覧いただけます。
春菊の英語表記や発音、例文について詳しく知りたい方は、こちらの英語解説ページをご覧ください。

春菊とは?特徴と名前の由来
春菊(しゅんぎく)は、キク科の野菜で、独特の香りとほろ苦さが特徴の葉物野菜です。
日本では鍋料理やおひたし、炒め物などに多く使われています。
名前の「春菊」は、春に花を咲かせるキク(菊)科の植物であることに由来します。
中国名の「茼蒿(トンハオ)」が元になり、和名では季節感のある「春菊」と呼ばれるようになりました。
▶ 香り高く、味に個性があるため、「香味野菜」として扱われることもあります。
▶ 一般的に食べられているのは若い葉の部分で、成長が進むと葉が固くなり、香りも強まります。
家庭菜園でも育てやすく、涼しい季節に旬を迎える代表的な緑の葉野菜です。
春菊の旬と出回り時期
① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | ⑦ | ⑧ | ⑨ | ⑩ | ⑪ | ⑫ |
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▶ 季節ごとの野菜・魚介を一覧でチェックする【年間カレンダー】
春菊の旬は秋から冬(11月〜3月頃)にかけてです。
特に寒い季節には葉が柔らかくなり、香りも豊かになるため、鍋物やおひたしにぴったりの野菜として親しまれています。
ただし、最近ではハウス栽培も広がっており、一年を通してスーパーで見かけることができます。
それでも、旬の時期に収穫された春菊は、味・香りともに格別。ぜひ、寒い時期には積極的に取り入れてみてください。
春菊の保存方法と下処理
▶ 下処理のポイント
- 根元を切り落とし、葉を軽く水洗い
- 汚れや土がある場合はボウルに水を張ってふり洗いすると効果的
- 水気をふき取ってから調理・保存へ
▶ 冷蔵保存(2〜3日以内に使う場合)
- 軽く湿らせたキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れる
- 立てて野菜室に保存(しおれ防止)
- ※乾燥しやすいため、洗った後はしっかり水気を取るのがコツ
▶ 冷凍保存(長期保存したい場合)
- さっと茹でて水にさらす(30秒ほど)
- 水気をしっかり絞り、小分けにして冷凍用保存袋へ
- ※使うときは自然解凍、もしくはそのまま加熱調理可
▶ 保存のポイントまとめ
- 生のままなら冷蔵で2〜3日以内
- 冷凍保存なら1ヶ月以内を目安に使い切るのがベスト
菊の栄養素~食品成分表~
しゅんぎく
栄養素 | 茹で | 生 | 単位 |
---|---|---|---|
廃棄率 | – | 1 | % |
エネルギー | 25 | 20 | ㎉ |
水分 | 91.1 | 91.8 | g |
タンパク質 | 2.7 | 2.3 | g |
脂質 | 0.5 | 0.3 | g |
食物繊維(総量) | 3.7 | 3.2 | g |
炭水化物 | 4.5 | 3.9 | g |
ナトリウム | 42 | 73 | ㎎ |
カリウム | 270 | 460 | ㎎ |
カルシウム | 120 | 120 | ㎎ |
マグネシウム | 24 | 26 | ㎎ |
リン | 44 | 44 | ㎎ |
鉄 | 1.2 | 1.7 | ㎎ |
亜鉛 | 0.2 | 0.2 | ㎎ |
銅 | 0.12 | 0.10 | ㎎ |
マンガン | 0.49 | 0.4 | ㎎ |
ヨウ素 | – | 5 | ㎍ |
セレン | – | 2 | ㎍ |
クロム | – | 2 | ㎍ |
モリブデン | – | 12 | ㎍ |
ビタミンA(レチノール) | – | – | ㎍ |
ビタミンA(β-カロテン) | 5300 | 4500 | ㎍ |
ビタミンD | – | – | ㎍ |
ビタミンE(トコフェロールα) | 2.0 | 1.7 | ㎎ |
ビタミンK | 460 | 250 | ㎍ |
ビタミンB1 | 0.05 | 0.10 | ㎎ |
ビタミンB2 | 0.08 | 0.16 | ㎎ |
ナイアシン | 0.4 | 0.8 | ㎎ |
ビタミンB6 | 0.06 | 0.13 | ㎎ |
ビタミンB12 | – | – | ㎍ |
葉酸 | 100 | 190 | ㎍ |
パントテン酸 | 0.13 | 0.23 | ㎎ |
ビオチン | – | 3.5 | ㎍ |
ビタミンC | 5 | 19 | ㎎ |
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春菊と相性の良い食材
春菊は独特の香りとほろ苦さが特徴の葉野菜。その個性を引き立てる組み合わせで、より美味しく楽しめます。
▶ 相性の良い食材一覧
- 豆腐 × 春菊
→ 白和え、味噌汁などでまろやかに仕上げる - 卵 × 春菊
→ 卵とじ、オムレツに加えると香りが立つ - きのこ類(しめじ・椎茸) × 春菊
→ 炒め物や鍋にして香りの相乗効果 - ごま × 春菊
→ 和え物にすると香ばしさがプラスされる - 牛肉 × 春菊
→ すき焼きに代表される定番コンビ - くるみ × 春菊
→ ナッツのコクでサラダのアクセントに - みそ・醤油ベースの調味料
→ 春菊の苦みと発酵調味料の旨みが好相性
春菊の英語表記と読み方

表記 | 発音(カタカナ) | 発音記号 |
---|---|---|
Garland chrysanthemum | ガーランド・クリサンセマム | /ˈɡɑːrlənd ˈkrɪsənθəməm/ |
Crown daisy | クラウン・デイジー | /kraʊn ˈdeɪzi/ |
▶ 用途や表現の違い
「Garland chrysanthemum」は植物学名寄りで、食材としてより正式な呼び方。
「Crown daisy」は日常英語寄りで、料理本やレストランでも使われます。
よくある質問と豆知識
Q. 春菊は生でも食べられるの?
A. はい、新鮮な春菊であれば生食可能です。サラダやナムルに使われることも多く、特有の香りがアクセントになります。ただし、アクが強いため茎の部分は軽く湯通しするのがベターです。
Q. 春菊の香りの成分は?
A. 春菊特有の香りは、「α-ピネン」「ペリルアルデヒド」などの精油成分によるもの。これらはリラックス効果や抗菌作用があるとされ、料理の風味付けにも役立ちます。
Q. 春菊と他の菊とは違うの?
A. 食用の春菊は「キク科シュンギク属」の植物で、観賞用の菊とは別種です。葉の形や香り、利用目的がまったく異なります。
Q. 春菊の名前の由来は?
A. 「春に咲く菊のような植物」という意味から「春菊」と名付けられました。英語では「Garland chrysanthemum(花冠の菊)」と表現されることも。
Q. 春菊の花は咲くの?
A. はい。放置すると黄色や白色の花が咲きます。ただし、花が咲くと葉が硬くなってしまうため、収穫は蕾ができる前がベストです。