炊き立てのご飯を「本当においしい」と感じたことはありますか?
実は、その違いを生むのが“土鍋”なんです。
三重県伊賀市の伝統工芸「伊賀焼き」は、遠赤外線効果が高く、食材の旨味をじっくり引き出す焼き物。その中でも人気なのが、長谷園の『かまどさん』。火加減いらずでふっくらとしたご飯が炊けると、料理人から家庭まで幅広く愛されています。
本記事では、調理師の私が「伊賀焼き土鍋の魅力・使い方・お手入れのコツ」を詳しく紹介します。さらに、通販で安心して購入できるおすすめの伊賀焼き土鍋も紹介します。
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伊賀焼きとは?|伝統が息づく土鍋の魅力

三重県伊賀市で作られる「伊賀焼き」は1300年以上の歴史をもつ伝統工芸品です。
古くは奈良時代に日用雑器の生産が始まり、桃山時代には茶の湯文化とともに“茶陶”として発展しました。
この地域の土は、約400万年前に形成された「古琵琶湖層」と呼ばれる堆積層から採れる伊賀の粗土(あらつち)で、気泡を多く含むのが特徴です。
そのため熱に強く、蓄熱性に優れ、冷めにくいという特性を持っています。
この土の性質を活かした伊賀焼の土鍋は、火から下ろした後もトロ火のような温度を保ち、じっくりと煮込む料理や炊飯に最適です。日本国内でも伊賀の粗土は特に耐火度と蓄熱性に優れた陶土として知られています。この特性により、伊賀焼きの土鍋は“火とともに生きる器”と称され、長年にわたり料理人や職人に愛されています。
桃山時代には茶人・古田織部(ふるたおりべ)をはじめ、多くの武家茶人が伊賀の茶陶を愛用したといわれています。素朴で力強い造形と、土そのものの風合いを生かした焼き上がりは、今もなお「わび・さび」の美を象徴する器として高く評価されています。
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伊賀焼きで作られている主な製品
- IH対応の土鍋
- ご飯炊き用の土鍋(代表作「かまどさん」)
- レンジ調理器・陶製鍋
- マグカップ・ビアジョッキ
- 飯碗・皿・鉢などの食器
- 花瓶・インテリア陶器
これらの製品はいずれも、伊賀の土の蓄熱性と温もりある質感を活かしたもの。特に土鍋は、調理師である私から見ても、火通り・旨味の引き出し方・見た目の美しさのすべてに優れています。
購入前に知っておきたい!伊賀焼き土鍋の特徴と選び方

伊賀焼きの土鍋はその見た目の素朴さとは裏腹に、機能性・耐久性・美しさの三拍子がそろった調理器具です。購入する前に、特徴と選び方のポイントを知っておくと、長く愛用できる一品に出会えます。
伊賀焼き土鍋の主な特徴
- 高い蓄熱性
火から下ろした後も熱をしっかり保持し、余熱でじっくりと調理できる。煮込み料理や炊飯に最適。 - 遠赤外線効果でふっくら
陶土から放たれる遠赤外線が、食材の芯まで熱を通し、米や野菜の甘みを引き出します。 - 粗土の質感とデザイン性
ひとつひとつが手作りで、表情が異なるのが伊賀焼きの魅力。キッチンに置くだけで存在感があります。 - 丈夫で長持ち
正しい目止めを行えば、長年使い続けられる耐久性を持っています。
土鍋の選び方のポイント
- サイズで選ぶ
1〜2人なら「1合〜2合炊き」、家族向けなら「3〜5合炊き」がおすすめ。炊飯以外に鍋料理をする場合は、人数+1サイズ大きめを選ぶと便利です。 - 用途で選ぶ
炊飯専用の「かまどさん」シリーズや、煮込み・鍋料理兼用のタイプなど、使い方で選びましょう。電子レンジ対応・IH対応タイプもあるため、使用環境に合わせて確認を。 - 見た目で選ぶ
伊賀焼の魅力は、使うほどに味わいが増す「土の表情」。自分の食卓や料理スタイルに合う色・形を選ぶことで愛着が深まります。
かまどさんの魅力ポイント
- 二重蓋構造で吹きこぼれしにくく、旨味を逃さない
- 遠赤外線効果で米の芯までふっくら
- 炊飯時間は約13分+蒸らし10分。短時間で極上ごはん
- 1〜5合炊きまでサイズ展開あり
- ご飯以外にも、炊き込み・おかゆ・煮込み料理にも最適

現役和食調理師のヒント
伊賀焼きの土鍋は、火の通り方がやわらかく、素材の旨味を引き出してくれます。特にご飯を炊くと「米が立つ」と言われるほどの仕上がりになります。少し高価でも、“一生ものの道具”として選ぶ価値ありです。
購入後の手入れ(目止め)の方法と注意点
※まずは必ず取扱説明書を確認してください。
一部メーカー(型・釉薬)では目止め不要や別手順が指定されていることがあります。
目止めとは
初めて使う土鍋の微細なスキマ(貫入)をデンプンで埋め、におい移り・水漏れ・ひび割れを防ぐ作業です。米のデンプン質が一番安定するため、とぎ汁ではなく“お粥”で行うのが基本です。
手順(はじめての1回だけ)
用意するもの
- 炊いたご飯:茶碗1杯(約150g) ※残りご飯でOK
- 水:鍋の8分目(満水にしない)
- 木べら(焦げ付き防止用)
1〜6の手順
- 洗って乾かす
内外をさっと洗い、外側の水分を完全に乾燥させる(ひび割れ防止)。 - お粥をセット
土鍋に炊いたご飯を入れ、水を8分目まで注ぐ。軽くほぐす。 - 弱めの中火→弱火
ふちに気泡が出てきたら弱火へ。吹きこぼれ注意。木べらで時々底をなでる。 - コトコト10〜15分
“ゆるく対流”する火力を保つ。ぐらぐら沸騰はNG。 - 火を止め、自然に完全放冷
フタをしたまま室温で放冷。急冷はひびの原因。 - 中身を取り出し、水洗い→しっかり乾燥
お粥は取り出す(食べてOK)。鍋は洗剤なしのぬるま湯で洗い、よく乾燥させる。
※底面が湿ったまま収納しない(カビ・においの原因)
注意点(やりがちミス防止)
- とぎ汁ではなく“お粥”で
とぎ汁は粒子が粗くムラになりやすい。お粥の方が密着性が高い。 - 外側を濡らしたまま加熱しない
外面の水分が熱ショックの原因に。必ず完全乾燥。 - 急激な温度変化を避ける
空焚き/強火スタート/熱い鍋に冷水を注ぐ → ひび割れの典型。 - 金属おたまでガシガシしない
内面を傷める。木べら・シリコン推奨。 - IH加熱は“対応モデル”のみ
通常の土鍋はIH不可。底プレート付きなど対応品のみ使用可。
よくある質問
- Q目止めは1回で足りますか?
- A
基本は最初の1回でOK。長年使って煮こぼれやにおいが気になるときに“再目止め”をすることで改善されることがあります。
- Q洗剤は使っていい?
- A
基本はお湯洗いのみ。油っぽい料理のあとだけ薄めの中性洗剤→よくすすいで完全乾燥。
- Qにおいがついた/色がついた
- A
重曹ひとさじ+たっぷりの湯で10分ほど沸かして消臭→よく乾燥。

現役和食調理師のヒント
目止め直後の数回は汁気のある料理(煮物・お粥・雑炊)から使い始めると、内面が落ち着きやすく長持ちします。使うごとに“鍋が育つ”ので、完全乾燥→収納のリズムを習慣にしましょう。
土鍋でご飯を炊く|プロが教える美味しく炊くコツ

土鍋で炊いたご飯は、炊飯器とは一味違う香りと甘みが際立ちます。炊き方のポイントは「火加減」と「蒸らし」。少しのコツで、誰でも料亭のようなご飯を炊けます。
基本の炊き方(2~3合)
- 米を洗う
手早く2~3回すすぎ、ザルに上げて15〜30分ほどおく(水を吸わせるため)。
※無洗米は15分ほど水に浸してから使用。 - 水加減を調整する
土鍋に米を入れ、以下の割合で水を加える。
– 2合 → 水400〜450ml
– 3合 → 水600〜650ml
※米の状態・季節・土鍋の厚みによって調整。 - 火にかける
フタをして中火で加熱。沸騰まで約8〜10分。
※ふちから泡が立ち、蒸気が出てきたらOK。 - 弱火で炊く(約12〜15分)
沸騰したら火を弱め、コトコトと音がする程度に。
※吹きこぼれを防ぐため、火加減は控えめに。 - 蒸らす(10分)
火を止めたらフタを開けずに10分蒸らす。蒸らし終わったらしゃもじで底から切るように混ぜ、余分な蒸気を逃がす。
プロのコツ
- 吸水時間を省かない
この工程で仕上がりが決まります。水をしっかり吸わせた米は、芯が残らずふっくら。 - 火を強くしすぎない
急激な沸騰は“吹きこぼれ”や“焦げ”の原因に。土鍋は蓄熱性が高いため、弱火でもしっかり加熱されます。 - 炊き上がり後の「蒸らし」で香りを閉じ込める
蒸らしを省くと、表面の米だけ柔らかく芯が残ることも。10分待つだけで全体が均一になります。
よくある失敗と対処法
| 状況 | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| ご飯が硬い | 水が少ない/吸水不足 | 水量を10%増やし、吸水時間を長くする |
| ベチャッとする | 水が多い/火力弱い | 水を減らし、中火を少し強めに |
| 底が焦げる | 火が強い/加熱時間が長い | 沸騰後すぐ弱火に切り替える |
| においが残る | 乾燥不十分 | 洗った後は底面を完全に乾かしてから使用 |

現役和食調理師のヒント
土鍋は“火を止めたあと”が本番。余熱でじんわり米の芯まで火が通り、甘みが増します。炊飯器では出せない「おこげの香ばしさ」もぜひ楽しんでください。
伊賀焼き「かまどさん」の魅力とおすすめ理由【PR】
「かまどさん」は、伊賀焼きの伝統技術を活かしたご飯専用の土鍋です。火加減の難しい“土鍋炊飯”を誰でも簡単に楽しめるよう設計されており、和食のプロから一般家庭まで幅広く愛用されています。
サイズ展開が豊富
3合炊き、4合炊きのラインナップがあり、一人暮らしから家族まで用途に合わせて選べます。特に2合炊きは少量でもムラなく炊けるため、“お弁当や朝ごはんに毎日炊きたい人”にもぴったりです。
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火加減いらずで“ふっくらご飯”
「かまどさん」は二重フタ構造になっており、吹きこぼれを防ぎながら鍋の中の圧力を一定に保ちます。そのため火加減の調整がほとんど不要で、中火で約13分・蒸らし10分でツヤツヤのご飯が炊き上がります。
土鍋ならではの遠赤外線効果により、米の芯まで熱がじっくり伝わり、甘みが際立つのが特徴です。
高い蓄熱性と保温力
伊賀の粗土は、気泡を多く含むため蓄熱性が非常に高いのが特長。火を止めた後もゆっくり熱が伝わり、余熱で米の旨みが引き出される「炊き上がりの美味しさ」が違います。
また冷めにくく、炊きたての温もりを長くキープできるのも魅力です。
「かまどさん電気」も人気
人気の「かまどさん」をベースに、伊賀焼の土鍋と電気ヒーターを一体化した電気炊飯モデルも登場。スイッチ一つで本格的な土鍋ご飯が楽しめ、火加減調整が不安な方や忙しい方にもおすすめです。

現役和食調理師のヒント
ご飯だけでなく、炊き込みご飯・おかゆ・おこげご飯にも最適。特に「かまどさん」は焦げにくく、冷めても甘いご飯が特徴です。和食の現場でも使えるほど完成度が高い土鍋です。
レビュー|実際に使って感じた良い点・注意点
良い点
「かまどさん」は、料理が好きな方や“ご飯の味にこだわりたい方”に本気でおすすめできる土鍋です。白飯はもちろん、炊き込みご飯・おかゆ・おこげなど、どの炊き方でも失敗が少なく、ひと口目から「甘い」と感じるご飯に仕上がります。
特に炊き上がったご飯の香りとツヤは炊飯器とは別格。蓋を開けた瞬間に湯気とともに立ち上る香ばしさは、まさに“食卓のごちそう”です。
また、取扱説明書が丁寧で、初心者でも火加減に迷わない構成になっています。説明書を紛失しても、販売元(長谷園)の公式サイトでレシピや炊き方がすぐ確認できる点も安心です。
惜しい点
唯一の難点は価格と重さです。
高品質な伊賀焼き製のためやや値段は張りますが、長く使うことを考えれば決して高くはありません。また、厚みのある土を使っているため少し重く感じます。
IHコンロには非対応ですが、直火の方が美味しく炊ける設計になっており、ガス火が使える環境なら問題ありません。

現役和食調理師のヒント
ご飯の粒立ち、香り、粘り——どれも炊飯器では出せない味わいです。特に「炊き込みご飯」では具材の香りがふんわりと全体に広がり、土鍋ならではの“火の優しさ”を感じます。
見た目も美しく、食卓にそのまま出せるのも魅力のひとつです。
まとめ|伊賀焼きの土鍋でご飯をもっとおいしく

伊賀焼きの土鍋は、単なる調理器具ではなく、ご飯の美味しさを最大限に引き出す“火の器”です。
炊飯器では再現できない香ばしさと、ひと粒ひと粒が立つような食感。一度味わうと、もう普通のご飯には戻れません。
初めて土鍋を使う方でも「かまどさん」なら失敗知らず。火加減を気にせず、いつものお米が驚くほどふっくら炊き上がります。そのまま食卓に出しても絵になるデザインで、見た目にも温かみがあります。
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