赤味噌の食パンを焼いたらどうなったか|ホームベーカリー奮闘記

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味噌をパンに入れたら、どこまで「あり」なのか。
今回は赤味噌を12%配合した食パンをホームベーカリーで焼いてみました。

味噌は塩分が高く、発酵への影響も大きい素材です。少量なら隠し味になりますが、12%となると
「しょっぱくなりすぎないか」
「膨らまなくならないか」
と不安要素も多くなります。

色はどこまで濃くなるのか。香りは味噌が前に出すぎないのか。そして、食パンとして成立するのか。正直、攻めすぎかもしれない配合でしたが、実際に焼いてみると予想とは違う部分もありました。赤味噌12%の食パンがどう仕上がったのかを、ホームベーカリー奮闘記として正直にまとめます。

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結論

赤味噌12%配合の食パンは十分に成立する仕上がりでした。
クラムはやや粗くなったものの、焼き上がり時には香ばしい良い香りが立ち、見た目や扱いに大きな問題はありません。特に印象的だったのはトーストしたときで、表面が乾いたことでせんべいに近い風味が生まれ、赤味噌らしい香ばしさがはっきり感じられました。

通常の食パンとは別物ですが、味噌の個性を楽しむパンとしてはアリという結果です。


このレシピを試した理由

赤味噌をパン生地に入れると、どんな仕上がりになるのかを一度確かめてみたかった、というのが理由です。具体的な完成形を想定していたわけではなく、赤味噌を12%まで入れた場合、ホームベーカリーではどうなるのかを知りたくて試しました。

味噌は塩分や発酵由来の風味を持つ素材のため、少量と多めでは結果が大きく変わる可能性があります。今回は調整を加えず、そのまま配合したときの挙動を確認することを目的としています。


レシピと条件

レシピ|赤味噌12%の食パン

材料割合(%)分量原価
強力粉100 %250g95円
ドライイースト1.2 %3g16.8円
60 %150 cc7.5 円
液味噌(赤味噌)12 %30 g17.4 円
生クリーム16 %40 g34 円
砂糖4 %4 g2 円
4 %4 g0.4 円
バター6 %6 g30 円
▼原価合計203.1 円

※今回使用した材料は、製菓・製パン材料専門店「コッタ」で購入しました。
同じ材料を探したい方はこちら。▶ コッタ公式サイトを見る

条件

今回使用したホームベーカリーはPanasonic SD-BH104(廃盤モデル)
発売からかなり年数が経っていますが、現在も安定した焼き上がりで現役使用中です。

項目環境
日付2021.2.22
室温15℃
湿度66℃
天気
タイマー設定あり
ホームベーカリーの設定ソフトモード
焼き上がり「淡」

実際の焼き上がりと食感

膨らみ
赤味噌の塩分量(大さじ1で約17g)を考慮し、塩の量をあらかじめ調整しました。その影響もあり、発酵は極端に阻害されることはなく、焼き上がりは安定しています。高さは十分ですが、通常の食パンと比べると、きめはやや粗めです。


焼き色
全体の色は、赤味噌由来のブラウン系に仕上がりました。焦げすぎることはなく、見た目にも味噌入りだと分かる色合いです。焼成中から香ばしい良い香りが立ちます。


クラム
クラムは均一ではあるものの、やや粗め。ふんわり系というより、噛みごたえが残るタイプです。生地が詰まりすぎることはなく、扱いにくさは感じませんでした。


食感
そのまま食べるよりトーストしたときに本領を発揮します。表面、特にミミの部分はしっかりと焼き色が付き、せんべいに近い香ばしさと歯切れの良さが出ました。やや強めに焼くと香ばしさが増し、「柔らかいせんべいを食べているような感覚」で、なかなか面白い食感です。
一方で、思った以上に塩分を感じるため、もう少し塩を減らしても良さそうだと感じました。


なぜこの結果になったのか(仮説)

今回の仕上がりは、赤味噌に含まれる塩分と発酵由来の成分が大きく影響したと考えられます。
赤味噌は塩分が高く、イーストの働きをやや抑えるため、その結果としてクラムがやや粗くなった可能性があります。

一方で、味噌に含まれる糖分やアミノ酸が焼成時に反応し、焼き上がりやトースト時に強い香ばしさが出たと考えられます。せんべいに近い風味になったのは、この影響が大きいでしょう。

また、塩分量を調整したことで極端な失敗にはならず、「成立はするが、食感は独特」という結果に落ち着いたと推測できます。味噌の塩分濃度は商品ごとに差があるため、仕上がりの違いが出やすい配合である点も、今回の特徴といえます。


再現するためのポイント

  • 赤味噌の塩分量を考慮し、加える塩は少なめに調整する
    ※味噌の種類によって塩分が大きく異なるため、表示の確認は必須。
  • ふんわり感よりも香ばしさが出やすい配合のため、
    きめが粗くなる前提で焼くと仕上がりに納得しやすい。
  • そのまま食べるより、トースト前提で考える
    やや強めに焼くと、ミミの香ばしさと「せんべい風」の食感が引き立つ。
  • 焼き色が付きやすいため、
    焼き時間や焼き色の確認をこまめに行うと失敗しにくい。

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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)
和食の世界で25年以上。旬の食材や家庭でできる調理のコツを、やさしく、わかりやすくお届けしています。料理がもっと楽しく、おいしくなるきっかけになれば嬉しいです。
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