脂質の含有量ランキング|卵・魚・野菜・肉・乳製品のベスト10

脂質の含有量ランキング|食品別ベスト10【卵・魚・肉】
脂質の含有量ランキング|食品別ベスト10【卵・魚・肉】
TOP » 35種類の栄養素一覧表|五大栄養素&ファイトニュートリエントを解説 » 脂質の含有量ランキング|卵・魚・野菜・肉・乳製品のベスト10

※本記事には広告が表示されます。

脂質とは?その特徴と働き

タンパク質とは?その特徴と働き
脂質とは?その特徴と働き

脂質は、炭水化物・たんぱく質と並ぶ三大栄養素のひとつで、重要なエネルギー源として体内で利用されます。食品に含まれる脂質は、体の機能維持やエネルギーの貯蔵、細胞の構成に関与し、健康的な食生活を送る上で欠かせない成分です。

脂質の特徴

  • 三大栄養素の中で最も多くのエネルギーを持ち、1gあたり約9kcalのエネルギーを供給する。
  • 体内でエネルギー源として利用されるほか、余剰分は体脂肪として蓄積される。
  • 脂質には種類があり、常温で固まるもの(飽和脂肪酸を多く含む)と、固まらないもの(不飽和脂肪酸を多く含む)がある。
  • 細胞膜の主要成分であり、体内の構造を支える役割を持つ。
  • 体温を保つための断熱材として機能し、内臓を衝撃から守る
  • ビタミンA・D・E・K(脂溶性ビタミン)の吸収を助ける
  • 摂取バランスが重要であり、食事からの過剰摂取は体脂肪の増加につながる可能性がある。

厚生労働省の「国民健康・栄養調査」(令和元年度)によると、日本人の約35.0%の男性、約44.4%の女性が脂質の摂取量が推奨範囲を超えていると報告されています。これは、食生活の変化に伴い、脂質の摂取量が増加していることを示しています。

脂質の働き

  • 細胞膜の主要成分として、細胞の形状や機能を維持する。
  • 神経組織の一部として、情報伝達に関与する。
  • 脂溶性ビタミン(A・D・E・K)の吸収をサポートする
  • 体温調節や外部の衝撃から臓器を守る役割を持つ

適切な脂質の摂取は、健康的な生活を送る上で重要ですが、摂りすぎや不足がないように、食事のバランスを考えることが大切です。

種類別|脂質の含有量|トップ10

脂質を多く含む食品は、一般的に「油脂類」が上位を占めます。食用油(ごま油、サラダ油、オリーブオイルなど)やバター、ショートニングといった純粋な脂質を含む食品がリストの上位に並びます。

その次に、**牛肉や豚肉の脂身(生)**がランクインし、これらは食肉の中でも特に脂質含有量が高い部位とされています。

また、植物性食品の中で特に脂質を多く含むのがマカダミアナッツです。実は、豚ロースの脂身(生)よりも多くの脂質を含んでいます。つまり、動物性脂肪(食肉の脂身)を除くと、マカダミアナッツが脂質含有量No.1 ということになります。

食品の種類ごとに脂質の含有量トップ10を一覧表にまとめましたので、気になる食品の脂質量をチェックしてみてください。

野菜類|脂質|含有量ランキング

茄子の天ぷら|脂質|含有量ランキング

野菜は一般的に脂質が少ない食品ですが、調理法によっては脂質の含有量が増加します。特に油を使用した炒め物や天ぷら、揚げ物などでは、脂質の割合が高くなる傾向があります。

このランキングでは、「そのまま食べられる状態」を基準に、調理済みの野菜を対象として脂質含有量の多い順にまとめました。例えば、落花生(茹で)は生では食べられないため、茹でた状態のものをランキングに含めています。

野菜の脂質含有量が気になる方は、調理法の違いにも注目してみてください。

食品
脂質の含有量(100gあたり)
落花生(茹で)24.2 g
ベイナス(素揚げ)17.0 g
なすび(天ぷら)14.0 g
ほうれん草(油いため)8.1 g
人参(油いため)6.4 g
ブロッコリー(油いため)6.3 g
枝豆(茹で)6.1 g
キャベツ(油いため)6.0 g
豆苗(油いため)5.9 g
野菜類|脂質|含有量ランキング|一覧

参考文献「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

魚介類|脂質|含有量ランキング

ウナギの白焼き|脂質|含有量ランキング

魚介類は種類によって脂質の含有量が大きく異なります。特に青魚(サバ、イワシ、サンマ)やウナギなどの脂がのった魚は脂質の割合が高い傾向にあります。

このランキングでは、一般的に食べられる調理済みの状態を基準とし、**「フライ」「焼き魚」「みりん干し」「生の脂身」**など、実際に口にする機会の多い形態で脂質含有量の多い順にまとめました。

調理法によって脂質の量は変化します。例えば、フライは衣が油を吸収するため、脂質の含有量が高くなる傾向にあります。一方で、焼き魚は調理中に脂が落ちるため、揚げ物よりは脂質量が低めになることが一般的です。

魚の脂質は、エネルギー源として利用されるだけでなく、種類によってはDHAやEPAといった不飽和脂肪酸を多く含むものもあり、食事バランスを考えながら摂取することが大切です。

食品脂質の含有量(100gあたり)
真いわし(フライ)30.3 g
大西洋さば(焼き)29.3 g
からすみ28.9 g
みなみ鮪(生/脂身)28.3 g
黒鮪(生/脂身)27.5 g
しめさば26.9 g
さんま(みりん干し)25.8 g
うなぎ(白焼き)25.8 g
真鯖(フライ)25.1 g
さんま(焼き)22.8 g
魚介類|脂質|含有量ランキング

参考文献「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

肉類|脂質|含有量ランキング

リブロース|脂質|含有量ランキング

肉類は、部位や調理法によって脂質の含有量が大きく異なります。**牛肉や豚肉の「霜降り」や「脂身が多い部位」**は脂質含有量が高くなる傾向があります。

このランキングでは、一般的に食べられる調理済みの状態を基準とし、「焼き」「茹で」「揚げ」など、実際の食事で摂取する形態の脂質含有量を比較しています。

  • 牛リブロースやフォアグラなどは、特に脂質含有量が高い食品です。
  • **揚げ物(とんかつ、フライ)**は衣が油を吸収するため、脂質量が増加します。
  • 牛タンやハラミは、他の部位に比べて脂質量がやや控えめですが、調理法によって差が出ます。

脂質を多く含む肉は、コクや旨味が強く食べ応えがある一方で、摂取量や調理法を工夫することでバランスの良い食事を心がけることが重要です

食品脂質の含有量(100gあたり)
牛リブロース(焼き)60.1 g
牛リブロース(茹で)58.2 g
フォアグラ(茹で)49.9 g
牛バラ(焼き)44.2 g
豚バラ(焼き)43.9 g
牛ハラミ(焼き)37.2 g
牛タン(焼き)37.1 g
豚ロースとんかつ35.9 g
ロースハム(フライ)32.3 g
ウインナーソーセージ(茹で)32.0 g

参考文献「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

種実類|脂質|含有量ランキング

種実類(ナッツ類やごま、ピーナッツなど)は、脂質を多く含む食品群のひとつです。特にマカダミアナッツやペカンナッツ、松の実は、100gあたりの脂質含有量が非常に高く、植物性食品の中でもトップクラスの脂質量を誇ります。

このランキングでは、炒り・揚げなど、一般的に食べる形態での脂質含有量を比較しています。

食品脂質の含有量(100gあたり)
マカダミアナッツ76.7 g
ペカン(フライ)73.4 g
松の実(炒り)72.5 g
ヘーゼルナッツ(フライ)69.3 g
ブラジルナッツ(フライ)69.1 g
くるみ(炒り)68.8 g
ピスタチオ(炒り)56.1 g
アーモンド(フライ)55.7 g
胡麻53.8 g
バターピーナッツ53.2 g

参考文献「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

乳類|脂質|含有量ランキング

乳製品|たんぱく質|含有量ランキング
乳製品|たんぱく質|含有量ランキング

乳製品は種類によって脂質含有量が大きく異なります。**クリーム(43.0g)、ホイップクリーム(40.7g)**などの高脂肪食品が上位を占め、チーズ類も脂質が豊富です。

特にハード系チーズ(チェダー、エメンタール、パルメザンなど)は脂質が多く、風味が濃厚なのが特徴です。一方で、プロセスチーズやマスカルポーネは比較的脂質が控えめですが、それでも高脂質な食品に分類されます。

乳製品の脂質は料理やお菓子作りに欠かせませんが、摂取量には注意しながらバランスよく取り入れることが大切です。

食品脂質の含有量(100gあたり)
クリーム(乳脂肪)43.0 g
ホイップクリーム(乳脂肪)40.7 g
チェダーチーズ33.8 g
エメンタールチーズ33.6 g
クリームチーズ33.0 g
パルメザンチーズ30.8 g
ゴーダチーズ29.0 g
ブルーチーズ29.0 g
マスカルポーネ28.2 g
プロセスチーズ26.0 g

参考文献「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

脂質の食事摂取基準|年齢・性別別の必要量を解説!

脂質は、エネルギー源として重要な栄養素ですが、摂取量のバランスが大切です。過剰摂取は体脂肪の増加につながる可能性があり、不足するとエネルギー不足や体調の変化を招くことがあります。

この表は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」に基づき、年齢や性別ごとの脂質の適切な摂取割合(%エネルギー)を示しています。食事のバランスを意識しながら、適量を取り入れることが大切です。

日本人の食事摂取基準(2025年版)脂質の推奨摂取量一覧
2025年版|脂質の推奨摂取量(日本人の食事摂取基準)

📌 年齢・性別による脂質の適量
脂質の摂取量は、年齢や活動量によって適切な範囲が異なります。一般的に、成人(18〜64歳)の脂質の摂取目安は総エネルギーの20〜30%とされています。高齢者(65歳以上)でも同様の範囲が推奨されており、エネルギー源として重要な役割を果たします。

📌 妊娠・授乳期の脂質摂取
妊娠・授乳期には、エネルギーの確保が重要となるため、脂質の摂取もバランスを考慮することが推奨されています。ただし、摂取量が過剰にならないよう注意しながら、適量を維持することが大切です。

📌 食事からの脂質摂取のポイント
脂質は肉・魚・乳製品・ナッツ類・植物油などに含まれており、調理方法によって摂取量が変わるため、食事のバランスを意識することが重要です。過剰摂取を避けつつ、エネルギー源として適切に取り入れることが推奨されます。

脂質の英語表記

脂質は英語で 「Fat(ファット)」 または 「Lipid(リピッド)」 と表記されます。食品ラベルや栄養成分表では、以下のような表記が使われることがあります。

食品ラベル・栄養成分表示での表記

  • Fat(一般的な表記)
  • Total Fat(総脂質量)
  • Saturated Fat(飽和脂肪酸)
  • Unsaturated Fat(不飽和脂肪酸)
  • Trans Fat(トランス脂肪酸)
  • Omega-3 Fatty Acids(オメガ3脂肪酸)

特に海外の食品パッケージやレストランのメニューでは、脂質の種類が細かく記載されていることが多いです。

📌 料理や食品関連での脂質の表現
脂質を含む食材は、英語で以下のように表現されます。

食材英語表記
肉類Beef (牛肉)
Chicken (鶏肉)
Pork (豚肉)
魚介類Salmon (サーモン)
Mackerel (サバ)
Tuna (マグロ)
乳製品Cheese (チーズ)
Cream (クリーム)
ナッツ類Almonds (アーモンド)
Walnuts (くるみ)
Macadamia Nuts (マカダミアナッツ)

脂質は料理の風味や食感を決める重要な要素であり、食品ごとに異なる種類の脂質が含まれています。海外の食品表示を確認するときは、これらの英語表記を参考にすると便利です。

まとめ|脂質の特徴と摂取のポイント

  • 脂質は三大栄養素のひとつ で、エネルギー源として利用される。
  • 食品によって含有量が異なり、調理方法によっても変化する ため、食事の選択が重要となる。
  • 肉類・魚介類・乳製品・ナッツ・植物油などに含まれている が、種類や摂取量に注意が必要。
  • 脂質の摂取量は年齢や性別、ライフステージによって推奨される範囲がある
  • 食品ラベルでは「Fat」「Total Fat」などの表記が使われ、海外の食品パッケージでも確認できる

食事に含まれる脂質の量や種類を確認しながら、バランスの良い食生活を意識してみましょう。

関連記事

ビタミンCって結局なに?
ナトリウム含有量ランキング
鉄分が豊富な食品トップ10

調理師プロフィール画像
この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

プロフィールを見る

タイトルとURLをコピーしました