ナイアシンは糖質や脂質の代謝を助け、エネルギーを作り出すのに欠かせない栄養素です。
【カツオ】や【たらこ】に多く含まれますが【鶏むね肉】にも意外と多く含まれています。
さらに【豚レバー】や【きのこ類(エリンギなど)】にも豊富に含まれており、日常の食卓に取り入れやすい食品ばかりです。
ナイアシンは水溶性で体内にため込めないため、かつおのたたき や 鶏むね肉のグリル など、日々の料理でバランスよく摂ることを心がけましょう。
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カツオは刺身やたたきにするとナイアシンを効率よく摂れます。鶏むね肉は蒸し鶏にすれば余分な脂を落としながらも旨味を逃さず、ヘルシーに楽しめますよ。水溶性で流出しやすい点を踏まえ、短時間加熱や汁ごと食べられる調理(スープ・みそ汁)もおすすめです。
ナイアシンとは?その特徴と働き

ナイアシンは、ビタミンB群のひとつで、「ビタミンB3」とも呼ばれています。
体内でアミノ酸の一種「トリプトファン」からも一部が合成されますが、基本的には食事から摂ることが大切な栄養素です。
ナイアシンの主な特徴
- ビタミンB群に分類される(水溶性ビタミン)
- 「ニコチン酸」と「ニコチンアミド」の総称
- トリプトファン(アミノ酸)からも体内で合成される
- 肉や魚、きのこ類など、さまざまな食品に含まれる
ナイアシンの働き(役割)
- エネルギー代謝に関わる補酵素としてはたらく
- 糖質・脂質・たんぱく質を体内で活用するのに必要
- 健康的な食生活を支える栄養素のひとつとされている
栄養バランスのよい食生活の中で、ナイアシンを含む食品をうまく取り入れていくことが大切です。
種類別|ナイアシンの含有量|トップ10
魚介類|ナイアシン|含有量ランキング

魚介類は、ナイアシンを多く含む食品の代表格です。特にマグロやカツオ、サバなどの青魚には豊富に含まれており、焼き魚やお刺身として食べやすいのも魅力。
水産物の中でも、加熱調理後の含有量が高いものもあるので、調理法もチェックポイントです。
| 食品 | 100g当たりの含有量 |
|---|---|
| 焼きたらこ | 57.0 mg |
| びんなが(生) | 21.0 mg |
| 辛子明太子 | 20.0 mg |
| クロマグロ(焼き) | 19.0 mg |
| かつお(春獲り)生 | 19.0 mg |
| ごまさば(焼き) | 19.0 mg |
| きはだ(生) | 18.0 mg |
| かつお(秋獲り)生 | 18.0 mg |
| 田作り(かたくちいわし) | 17.0 mg |
| うるめイワシ(丸干し) | 16.0 mg |
種実類|ナイアシン|含有量ランキング

ナッツや種子類などの「種実類」もナイアシンが多く含まれる食品のひとつ。ピーナッツやごま、アーモンドなどは、間食や料理のトッピングとしても取り入れやすい存在です。
脂質が多い分、少量でもエネルギーが高いので、摂りすぎには注意しつつバランスよく活用しましょう。
| 食品 | 100g当たりの含有量 |
|---|---|
| 落花生(炒り) | 23.0 mg |
| バターピーナッツ | 17.0 mg |
| ねりごま | 6.8 mg |
| いりごま | 5.3 mg |
| アーモンド(炒り) | 3.9 mg |
| マカダミアナッツ(炒り) | 2.1 mg |
| ブラジルナッツ(フライ) | 1.5 mg |
| 甘栗 | 1.3 mg |
| ヘーゼルナッツ(フライ) | 1.0 mg |
| ピスタチオ(炒り) | 1.0 mg |
きのこ類|ナイアシン|含有量ランキング

きのこ類、焼きエリンギやしめじ、舞茸なども適度に含んでおり、炒め物や汁物で手軽に取り入れやすい食品です。ナイアシンは水溶性なので汁物に入れるのが最適。
| 食品 | 100g当たりの含有量 |
|---|---|
| エリンギ(焼き) | 9.1 mg |
| えのきだけ(油いため) | 7.2 mg |
| ぶなしめじ(素揚げ) | 7.0 mg |
| ひらたけ(茹で) | 7.0 mg |
| 舞茸(油炒め) | 6.0 mg |
| なめこ(茹で) | 4.7 mg |
| なめたけ(味付瓶詰) | 4.4 mg |
| 椎茸(油いため) | 4.4 mg |
| ぶなしめじ(茹で) | 4.2 mg |
| マッシュルーム(油いため) | 3.8 mg |
野菜類|ナイアシン|含有量ランキング

野菜全体ではナイアシンの含有量は控えめです。ぬかづけに含まれています。
普段の野菜からナイアシンを補うには、バランスよく食べることが大切ですね。
| 食品 | 100g当たりの含有量 |
|---|---|
| ドライトマト | 13.0 mg |
| 落花生(茹で) | 8.2 mg |
| 蕪の糠漬け | 3.2 mg |
| 大根の糠漬け | 2.7 mg |
| とうもろこし(レンジ調理) | 2.4 mg |
| グリンピース | 2.2 mg |
| 西洋かぼちゃ(焼き) | 2.1 mg |
| ブロッコリー(焼き) | 1.7 mg |
| きゅうりの糠漬け | 1.6 mg |
| ししとう(油いため) | 1.5 mg |
肉類|ナイアシン|含有量ランキング

豚肉や鶏肉、特に「鶏むね肉」や「豚ヒレ」にはナイアシンが豊富です。加熱しても栄養が比較的保たれるため、炒め物やグリルなどでもしっかり摂ることができます。
| 食品 | 100g当たりの含有量 |
|---|---|
| とりむね(焼き) | 18.0 mg |
| ささみソテー | 18.0 mg |
| 焼き豚 | 14.0 mg |
| 豚ヒレ(焼き) | 13.0 mg |
| くじら(生) | 12.0 mg |
| 生ハム | 9.9 mg |
| ロースハム(豚) | 9.5 mg |
| 豚もも(焼き) | 9.4 mg |
| 鶏ひき肉(焼き) | 9.3 mg |
| 豚ロース(焼き) | 9.2 mg |
ナイアシンの食事摂取基準|年齢・性別別の必要量を解説!
ナイアシンの1日の摂取量は、年齢や性別によって異なります。
ここでは、厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2025年版)」に基づいた推奨量、推定平均必要量をご紹介します。
ナイアシンの摂取量は「mgNE(ナイアシン当量)」という単位で示されます。これは、食品から摂るナイアシンに加えて、体内でトリプトファンから作られる分も含めた指標です。

偏った食生活や極端なダイエットなどで、ナイアシンを含むビタミンB群が不足しないよう、毎日の食事からさまざまな食材を取り入れることが大切とされています。
特定の食品やサプリメントに頼らず、日々の献立で自然に摂ることがポイントです。
ナイアシンの英語表記

ナイアシンは英語で “Niacin”(ナイアシン) と表記されます。
「Niacin」という言葉は、nicotinic acid(ニコチン酸) と vitamin(ビタミン) を組み合わせてつくられた造語です。
英語圏では、以下のように分類されることもあります。
| 表記 | 説明 |
|---|---|
| Niacin | 一般的な呼び方(ナイアシン全体を指す) |
| Nicotinic acid | ナイアシンの一種(主に医薬品・研究用語として使用) |
| Nicotinamide(または niacinamide) | もう一つのナイアシン成分で、食品やサプリに多く含まれる |
また、食品成分表(英語版)やサプリメントのラベルでは「Niacin」と表記されていることがほとんどです。
料理や健康に関心のある方は、英語表記もあわせて覚えておくと、情報収集に役立ちますよ。
英語での発音(読み方)
ナイアシン(Niacin)
米国英語では「ナイアシン」に近い発音ですが、
イギリス英語では「ナイアシーン(ナイアスィーン)」と伸ばして発音されることもあります。
【参考発音記号】/ˈnaɪ.ə.sɪn/
👂例:
米:ナイアシン(NAI-uh-sin)
英:ナイアシーン(NAI-uh-seen)
まとめ|ナイアシンを含む食品でバランスの良い食生活を
ナイアシンは、エネルギー代謝をサポートするビタミンB群のひとつで、毎日の食事から摂っておきたい栄養素です。
特別な食材ではなく、肉・魚・きのこ類など身近な食品に多く含まれているため、日々の献立の中でも取り入れやすいのがポイントです。
このページで紹介した「食品別ナイアシン含有量ランキング」を参考にしながら、栄養バランスのよい食生活を意識してみましょう。
POINT
- ナイアシンは「ビタミンB3」とも呼ばれ、代謝に関わる栄養素
- トリプトファンから体内で合成もされるが、食事からの摂取が基本
- 魚・肉・きのこ類などに豊富に含まれている
- 英語では「Niacin」や「Nicotinamide」と表記される
- 偏りのない食事で、自然に取り入れていくことが大切
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