春の香りを感じる「独活(うど)の白煮」は、淡い色合いと上品な香りが魅力の一品。
家庭で作る際によくある失敗は、「色がくすむ」「柔らかくなりすぎる」「味がぼやける」こと。
結論は、“色を付けずに短時間で煮含める”。
火加減・下処理・煮含め時間の3点を押さえれば、料亭のような白く澄んだ仕上がりになります。
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よくある失敗と原因
- 色が茶色くなる → 醤油を入れすぎ/強火で煮すぎ
- 柔らかくなりすぎる → 煮込みすぎ、余熱の扱いミス
- 味がぼやける → 水切り不足で出汁が薄まる
- 酸っぱくなる → 酢水の濃度・時間が過剰
- 香りが弱い → 木の芽を加熱して香りを飛ばしている
材料

| 材料 | 分量 | 役割 |
|---|---|---|
| 独活(うど) | 1本(約200g) | 主役。春の香りと食感を楽しむ |
| 木の芽 | 適量 | 香り付け・季節感を演出 |
調味料
| 調味料 | 分量 | 役割 |
|---|---|---|
| 出汁 | 300cc | 全体の旨味とやさしい味のベース |
| 薄口醤油 | 2cc | 色をつけずに旨味を補う |
| みりん | 10cc | やわらかさと上品な甘み |
| 塩 | 5g | 味を締める・白さを保つ |
| 酢水 | 水200ccに対して酢10cc | アク止め・変色防止用 |
下処理
| 食材 | 手順 |
|---|---|
| 独活 | ①長さ5cmに切る ②皮を厚めに剥く(繊維が硬い) ③酢水に10分ほど浸けてアク止め ④ザルに上げて水気を切る |
| 木の芽 | 手のひらにのせ、軽く叩いて香りを立てる(飾り用) |

現役和食調理師のヒント
酢水の濃度が薄いと変色、濃いと酸味が残る。水200ccに対し酢10ccが最適。
作り方
①下茹でする(中火)
鍋に米のとぎ汁を入れ、沸騰させる。
独活を入れて中火で約5分。
竹串がすっと通る程度になったらザルに上げ、流水で冷ます。
👉 合図:断面の白が透け始めたらOK。柔らかくなりすぎる前に止める。
②調味液を作る(中火)
鍋に出汁・薄口醤油・みりん・塩を入れ、一度沸騰させる。
香りが立ったら火を弱める。
③煮含める(弱火)
下茹でした独活の水分をふき取り、調味液に入れる。
弱火で約5分煮る。煮立たせず、静かに味を含ませる。
火を止めて、そのまま10分ほど置いて味をなじませる。
👉 合図:鍋の表面に小さな泡が立ち続ける“静かな沸き”を保つ。
④盛り付け
器に独活を上品に盛り付け、木の芽を添える。
木の芽は叩いて香りを立ててから乗せると風味が引き立つ。
失敗しない3つのコツ
- 色を付けない薄口仕立て:濃口醤油はNG。出汁の香りを生かす。
- 火加減は“静かにゆらぐ程度”:煮立たせると白さが失われる。
- 余熱で味を含ませる:火を止めてから10分が勝負。
保存方法
- 冷蔵保存:煮汁ごと冷まし、密閉容器で2日以内。
- 冷凍保存:不可(香りと食感が損なわれる)。
- 食べる直前に木の芽を添えると香りが蘇る。
相性の良い料理
| 組み合わせ | 理由 |
|---|---|
| 鰆の西京焼き | 春の香りと淡白な味の調和 |
| 若竹汁 | 山菜の香りを引き立てる汁物 |
| 菜飯 | 独活の香りがご飯によく合う |
▶ 内部リンク:
独活(うど)の解説ページ
出汁の基本|プロが教える“よくわかるレシピ”
旬と豆知識
独活(うど)の旬は3〜5月。
香り成分「ウドメトン」は春の山菜特有の清涼感を生み出す。
皮や根も食用になり、皮はきんぴら、根は天ぷらにしても美味。

現役和食調理師のヒント
白煮は“火を入れすぎず、色を付けない”のが命。強火厳禁・落ち着いた弱火で煮含めるのがプロの仕事です。煮るより“出汁に含ませる”意識で、春の香りをそのまま食卓へ。
失敗の原因と解決法
| 失敗 | 原因 | 解決方法 |
|---|---|---|
| 硬い | 煮不足 | 生でも食べられるのでそのまま風味を楽しむ |
| 柔らかい | 煮すぎ | そのまま食べてOK(煮崩れはしにくい) |
| 味が薄い | 水切り不足/調味料間違い | 醤油を少し垂らす(再加熱NG) |
| 味が濃い | 分量間違い | 水または出汁を加えて調整 |
| 酸っぱい | 酢の量/時間が長い | 新しい出汁で煮直す |
独活の白煮の英語表記
Boiled white Udo
Boiled white Japanese Udo
