にら(韮)とは?栄養・保存・食べ合わせまで解説【調理師監修】|Garlic chives

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韮の英語・漢字表記

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漢字表記:韮(にら)

「にら」は漢字で「」と書きます。
中国由来の字で、古くから薬草や香味野菜として重宝されてきました。


英語表記:Garlic chives

「にら」を英語で表す場合、最も一般的なのは

  1. Garlic chives(ガーリックチャイブス)
  2. Chinese chives(中華料理での呼称)

なお、「Leek(リーク)」は西洋ねぎ(ポロネギ)を指すため、日本のにらとは別の野菜です。

✅ 英語名は混同されやすいため、レシピ検索や表記の際には「Garlic chives」を使うのが正確です。

にらの旬|春と秋に味のピークを迎える栄養野菜

春にら(3月〜5月)

  • 新芽のように柔らかく、香りがやさしい
  • おひたしやナムルなど、火を通しすぎない料理に最適
  • ビタミンCやカロテンも豊富で、春の体調管理におすすめ

秋にら(9月〜10月)

  • 暑さを乗り越えて育ち、香りと辛味がしっかり
  • 鍋や炒め物など、しっかり加熱しても風味が活きる
  • 夏バテ後のスタミナ補給にも役立つ

にら

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韮とは|解説

にら

にら(韮)は、ネギ属の多年草で、古くから香味野菜・薬草・精進料理の材料として親しまれてきました。
葉は細長く柔らかで、強い香りとほんのりとした辛味が特徴です。


にらの特徴

  • 強い香りと独特の辛味:生でも加熱しても香りが残る
  • 豊富な栄養素:β-カロテン、ビタミンC、アリシン、鉄分など
  • 体を温める「温性」食品:薬膳でも「陽性の野菜」として重宝される

和食や中華の名脇役

  • 和食では、みそ汁・おひたし・卵とじなどに使われることが多く、香りづけや色味のアクセントにもなります。
  • 中華では、餃子の具やチヂミ、炒め物で大活躍。
    中国では「韭菜(ジウツァイ)」と呼ばれ、薬膳にも使われます。
現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

にらは「脇役に見えて、主役を引き立てる万能野菜」
短時間で香りを出すため、加熱しすぎないのがポイントです。
鮮度が高いにらは、シャキッとした食感と香りが際立ちます。

にらと相性の良い食材・食べ合わせ|スタミナアップにも効果的

にらは独特の香りと辛味をもつ香味野菜であり、油・肉・卵などとの相性が非常に良いのが特長です。
また、薬膳や和食の観点でも「温性(からだを温める)」の食材として分類され、特定の食材と組み合わせることで相乗効果が期待できます。


にらと相性の良い主な食材

食材相性のポイント主な料理例
香りとコクのバランスが抜群にら玉、炒り卵、スープ
豚肉ビタミンB1の吸収を助け、疲労回復に◎にら豚炒め、餃子
もやしシャキシャキ感とぬめりのコントラスト野菜炒め、ナムル
豆腐優しい食感と味が香りを引き立てるにら豆腐、みそ汁
キムチにらの風味と相乗効果で温活にもチゲ鍋、キムチ炒飯

調味料との相性

  • ごま油:香りをさらに引き立て、加熱にも強い
  • しょうゆ・味噌:にらの辛味をほどよく中和
  • 塩麹・鶏ガラスープ:中華や和風どちらにも合ううま味調味料
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現役和食調理師のヒント

にらは「短時間の加熱が鉄則」。炒めすぎると香りが飛び、ベタつきやすくなります。
卵と合わせるなら最初ににらをさっと炒めてから卵を入れると、色も香りも引き立ちます。

にらの保存方法|鮮度を保って香りをキープするコツ

にらは葉がやわらかく傷みやすい野菜です。正しく保存しないとすぐに変色・しおれ・ぬめりの原因になります。購入後はなるべく早めに使い切るのが基本ですが、以下の方法で少しでも長く鮮度を保つことができます。

🧊 冷蔵保存(おすすめ)
保存期間の目安:2〜3日
根元を湿らせたキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて野菜室へ。
できれば立てて保存することで、葉のシャキッと感がキープされます。
❗ 横に寝かせると呼吸が乱れ、傷みやすくなるため注意。

❄ 冷凍保存(加熱用なら可)
保存期間の目安:約1か月
洗って水気をよくふき取り、3~4cmほどにカット
小分けしてラップし、冷凍用保存袋に入れて冷凍。
凍ったまま炒め物やスープにそのまま使えるのが便利。
※解凍すると水分が出てべちゃつきやすいため、「食感を活かす料理」には不向きです。

現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

にらは香りと食感が命の野菜。冷蔵なら2日以内、冷凍でも1か月以内に使い切るのが理想です。
使い切れないときは「にら醤油」や「にらナムル」などの保存レシピに加工しておくのもおすすめです。

にらの主な品種|香り・色・食感の違いを楽しむ

にらは「青にら(一般的なにら)」のほかにも、食感や香りの異なる品種が存在します。
品種ごとに料理の適性も異なり、目的に応じて使い分けることで、調理の幅が広がります。


青にら(一般的なにら)

  • 最も流通量が多い基本のにら
  • 緑の葉に独特の香りがあり、加熱にも強い
  • 炒め物・鍋・スープ・餃子などオールラウンドに活躍

黄にら(軟白にら)

  • 光を遮って育てるため、黄色〜黄緑色でやわらかい
  • 香りが穏やかで甘みがあり、繊細な料理や彩りに最適
  • ナムル、和え物、天ぷら、薬味などに◎

✅ 見た目も上品で、和食・中華問わずプロの料理人にも好まれる品種です。


花にら(にらの花茎)

  • にらの花が咲く前のつぼみと茎を食用とする
  • シャキッとした食感とやさしい香りが特長
  • 中華料理では炒め物の定番。季節感を演出できる野菜

🌼 白い花が咲く前のつぼみ〜つぼみ直前がもっともおいしいタイミングです。

韮の栄養素(食品成分表)

にら(葉)
可食部100g当たり

栄養素茹で単位
廃棄率0%
エネルギー27
水分89.8g
タンパク質2.6g
脂質0.5g
食物繊維(総量)4.3g
炭水化物5.7g
ナトリウム1
カリウム400
カルシウム51
マグネシウム20
リン26
0.7
亜鉛0.3
0.09
マンガン0.49
ヨウ素
セレン
クロム
モリブデン
ビタミンA(レチノール)
ビタミンA(β-カロテン)4400
ビタミンD
ビタミンE(トコフェロールα)3.1
ビタミンK330
ビタミンB10.04
ビタミンB20.12
ナイアシン0.3
ビタミンB60.13
ビタミンB12
葉酸77
パントテン酸0.39
ビオチン
ビタミンC11
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」

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現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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