まながつお(鯧)の旬・特徴|英語名「Silver pomfret」も解説!

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まながつおは英語で何と呼ばれるのでしょうか?
答えは「Silver pomfret(シルバーポンフレット)」

日本では高級魚として知られる鯧(まながつお)は、旬の時期に脂がのり、刺身や煮付け、焼き物まで幅広く楽しまれています。
ただ、見た目の特徴や地方名、さらには栄養素については意外と知られていません。

この記事では、まながつおの旬・特徴・英語表記・栄養素 を調理師の視点からわかりやすく解説します。さらに、食卓での美味しい楽しみ方や関連する魚の情報も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

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まながつお の旬 ~おいしい時期~

東シナ海

瀬戸内海

季節ごとの旬の食材をもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。▶ 旬の野菜・魚介【年間カレンダー】

まながつおの解説

まながつお(鯧)は、体長50~60cmほどに成長する魚で、ウロコは非常にはがれやすいのが特徴です。主な産地は東シナ海で、旬は冬から春先(12月~3月頃)。また、産卵期である6~8月には瀬戸内海に入り、この時期を旬とする地域もあります。

関西では「初夏を代表する高級魚」として人気がありますが、関東では水揚げが少ないため認知度は高くありません。大きすぎても小さすぎても味が落ち、2~3kg前後の個体が最も美味しいとされています。

味わいは上品な白身で、冬には脂がのり、口の中でとろけるような食感が楽しめます。独特の香りを持ちますが、身自体にクセはなく柔らかいため、刺身・煮付け・焼き物など幅広い料理に使われます。骨は柔らかく、二度揚げすれば骨ごと食べられるのも特徴です。

マナガツオによく合う食材一覧表

食材・調味料・香味合う理由・ポイント
生姜独特の魚の香りを和らげる。さっぱり感をプラス。
長ネギ甘みと香りで魚の淡泊さを引き立てる。切り方や火入れで風味が変わる。
醤油日本の魚料理の定番。旨みを補強し、味の輪郭を出す。
味噌マナガツオの旨みと脂に味噌のコクがよく合う。

みりん
甘み・コク・照りを出す。魚の臭みを取る働きもある。
柚子
酢橘
酸味が魚の脂っこさをリセットし、味に変化をつける。清涼感もアップ。
アスパラガス
マッシュルーム
食感・彩りを加えて、魚だけでは単調になりがちな味を補強。
バター
オリーブオイル
風味とコクを足して、洋風との相性も良くなる。皮を香ばしく仕上げたい時にも有効。
オイスターソース
しょうゆ系中華調味料
甘辛酸っぱさやコクを持たせて味の幅を広げることができる。蒸し料理によく使われる。

まながつおによく合う料理法

調理法向いている理由・メリット
照り焼き甘辛いタレがマナガツオの淡泊な白身と相性良く、皮の風味・香ばしさが楽しめる。照りがあって見た目も良い。
バター醤油焼き火を通すことで身がほろほろ崩れやすく、生食が苦手な人にも安心。バターなどでコクを出せる。
蒸し料理蒸すことで身の水分が保たれ、柔らかくふっくらとした食感になる。あっさりさを好む人にも向く。
煮付け甘辛味が白身によく合い、冷めても美味しい。ご飯のおかずとしての満足感が高い。
唐揚げ表面がカリッとして中はしっとり。子どもや家族で楽しむメニューに向く。香ばしさと食感のコントラストが良い。
西京焼き味噌によるコクと魚のうまみが調和。漬け込むことで風味が豊かになり、香りや旨味もしっかりする。
刺身魚そのものの味をストレートに味わえる。脂ののっている時期に刺身で食べると、白身の甘み・旨みが際立つ。
現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

冬場の脂がのった個体は旨みが強いので、刺身や煮付けにしても絶品です。2~3kg前後のサイズを選ぶと、程よく脂がのっていて外れが少ない印象です。

マナガツオの鮮度の見分け方

項目チェックポイント
くっきりとしている
曇っていない
凹んでいない
エラ鮮やかな赤色
湿りがある
粘液・変色がない
切り身の見た目白濁していない
透明感がある
身がプリッとして張りがある
光沢がある
鱗の状態鱗が剥がれにくい
多く残っているものが良い
体色・光沢銀色に輝き、金属光沢がある
変色やくすみがない
サイズ約2〜3kg前後のものが最も美味しいと言われる
におい生臭くない
海の香りがしっかり
鼻をつく異臭がない
触感・弾力身を軽くおさえて戻るか
表面が張っているか
触るとぬめり過ぎないか
現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

まながつおは白身魚の中でも身がやわらかく、水分が多いので鮮度の落ちやすい魚です。仕入れの際は、まず目の澄み具合とエラの赤さを確認すると間違いが少ないですよ。身に透明感と張りがあるかどうかも大切なポイントです。

マナガツオの注意点

寄生虫(アニサキス)
マナガツオにはアニサキスが寄生している可能性があります。刺身やカルパッチョなど生食ではリスクがあるため、−20℃で24時間以上冷凍するか、中心温度60℃以上で加熱するのが安全です。

鮮度の低下が早い
鱗がはがれやすく、身が白濁して水っぽくなりやすい魚です。購入時は「目の澄み具合」「エラの赤さ」「身の張りと透明感」を確認しましょう。

抱卵期の身質低下
6〜7月頃の産卵期は、身が緩く脂の質も落ちることがあります。冬〜春先に漁獲されたものを選ぶと、より美味しくいただけます。

保存・流通時の温度管理
鮮度が落ちやすい魚なので、買ったらすぐに冷蔵庫に入れましょう。内臓を早めに取り除くと劣化を防げます。氷をあてて温度を下げるのが理想です。

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地方名

  • マナガタ
  • ギンダイ
  • ギンママ
  • マナ
  • チョウチョウ
  • チョウキン
  • メンナ

まながつおの栄養素 (食品成分表)

まながつお(生)
可食部100g当たり

栄養素単位
廃棄率40%
エネルギー161
水分70.8g
タンパク質17.1g
脂質10.9g
食物繊維(総量)g
炭水化物g
ナトリウム160
カリウム370
カルシウム21
マグネシウム25
リン190
0.3
亜鉛0.5
0.02
マンガン0.01
ヨウ素
セレン
クロム
モリブデン
ビタミンA(レチノール)90
ビタミンA(β-カロテン)
ビタミンD5.0
ビタミンE(トコフェロールα)1.4
ビタミンK
ビタミンB10.22
ビタミンB20.13
ナイアシン3.6
ビタミンB60.30
ビタミンB121.4
葉酸7
パントテン酸1.37
ビオチン
ビタミンC1
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」

▶ 栄養の全体像を知りたい方はこちら
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マナガツオの英語・漢字表記

項目内容
漢字表記鯧、真魚鰹、真名鰹、䱽
英語表記silver pomfret
pomfret
butterfish
学名Pampus punctatissimus
読み方まながつお
発音記号(英語・pomfret)UK: /ˈpɒm.frɪt/
US: /ˈpɑːm.frət/

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