桜海老(さくらえび)の旬・特徴・栄養を解説|相性の良い食材と英語表記も紹介

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桜海老の旬はいつ?
生と干しで栄養は違うの?
どんな料理に使うと美味しい?

桜海老は淡い紅色と香ばしい風味が魅力の小型エビ。静岡県駿河湾でしか水揚げされず、希少価値も高い春と秋の味覚です。この記事では、旬の時期や栄養成分、相性の良い食材やおすすめ調理法まで、調理師目線でわかりやすくご紹介します。

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桜海老の旬 ~おいしい時期~

春漁

秋漁

桜海老は、日本では静岡県の駿河湾でしか商業的に漁獲されない希少なエビです。漁が行われるのは春(3月下旬〜6月上旬)秋(10月下旬〜12月下旬)の年2回で、この期間が「旬」とされます。

季節ごとの旬の食材をもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。▶ 旬の野菜・魚介【年間カレンダー】

現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

春はぷりっとした食感と甘み、秋は旨味が濃くなり香ばしさが増します。生で味わえるのは漁期中だけなので、春や秋に静岡で出会えたら迷わず注文する価値があります。

桜海老とは ~特徴と味わい~

生の桜海老が皿に盛られた写真|鮮やかな色合いと新鮮さが特徴
旬の時期に水揚げされた新鮮な生桜海老

桜海老(さくらえび/学名 Lucensosergia lucens)は、体長4〜5cmほどの小型のエビで、日本では静岡県・駿河湾でしか商業的に漁獲されない非常に希少な食材です。体は半透明の淡い紅色で、その姿から“海のルビー”とも呼ばれます。

生桜海老の特徴

  • 漁期中(春・秋)のみ流通
  • 獲れたては透明感があり、繊細な甘みと旨味が楽しめる
  • 刺身、かき揚げ、酢の物など、生ならではの瑞々しい食感が魅力

干し桜海老の特徴

  • 天日干しや機械乾燥で加工され、保存性が高い
  • 香ばしさと旨味が凝縮し、和え物、炊き込みご飯、味噌汁の具などに最適
  • 年間を通して入手可能だが、旬の時期に干されたものは香りが格別

味わいの魅力

カルシウムが多く、殻ごと食べられるので栄養価が高い
甘み・旨味成分(グリシン・アラニンなど)が豊富
香ばしさと風味が強く、少量でも料理全体の味を引き立てる

現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

生桜海老は、ほんのり甘くて口の中でとろけるような食感。干し桜海老は、少し炒ると香ばしさが倍増します。どちらも色と香りが強いので、料理の仕上げにひとつまみ加えるだけで一気に華やぎます。

桜海老の地方名

桜海老は漁獲地域が限られているため、静岡県では下記のような呼ばれ方をする時があります

呼び名補足・由来
シンエビ春漁で獲れる新物の桜海老。
透明感と甘みが強い。
ヒネエビ秋漁で獲れる桜海老。
旨味が濃く、香りが強い。
ヒカリエビ水揚げ後に体表が光るように見えることから。
現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

シンエビは淡い色とみずみずしさ、ヒネエビは濃厚な香りと旨味。どちらも特徴が違うので、料理に合わせて使い分けると楽しみが広がります。

桜海老の目利き(鮮度の見分け方)

乾燥した桜海老(干し桜海老)の写真|旨味が凝縮された保存食材
旨味と香りが強い干し桜海老は料理の風味付けに最適

生桜海老

  1. 色が鮮やかで透明感がある
    新鮮なものは淡い紅色で透き通っており、黒ずみや白濁がない。
  2. 殻がしっかりしている
    触れたときに潰れやすいものは鮮度が落ちている。
  3. 香りが爽やか
    海の香りがして、嫌な生臭さがないものが良品。

干し桜海老

  1. 色が濃く、均一
    旬の時期に干されたものは鮮やかな赤〜紅色で、色ムラが少ない。
  2. 形がきれいに残っている
    殻が割れていないものほど香りと食感が良い。
  3. 香ばしい香りが強い
    湿気で香りが弱くなったものやカビ臭いものは避ける。
現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

生桜海老は鮮度が落ちるのが早いので、漁期中でも市場近くでしか出回らないこともあります。干し桜海老は冷暗所で保存し、使う直前に軽く炒ると香りがぐっと引き立ちます。

桜海老と相性の良い食材

別のお皿に盛り付けられた桜海老|鮮度を感じる食材写真
料理や用途に合わせて盛り付けられた桜海老
食材使い方例
青ねぎ香りと彩りを加え、かき揚げや炒め物に最適
大根おろし天ぷらやかき揚げと合わせて後味をさっぱり
キャベツ炒め物やお好み焼きに入れると甘みと香ばしさが引き立つ
玉ねぎかき揚げやスープに加えて旨味と甘みをプラス
桜海老入り卵焼きやチャーハンで彩りと風味をアップ
ごはん炊き込みご飯や混ぜご飯で香りと旨味を移す
青じそ酢の物や和え物で香りと爽やかさを加える

おかみさんの一言

桜海老はね、色も香りも強いから、ちょっと加えるだけで料理が華やかになるの。かき揚げなんて、玉ねぎと合わせれば甘みと香ばしさが絶妙で、お酒もごはんも進んじゃうわ。

桜海老に合う調理法

調理法理由
かき揚げ生桜海老の甘みと香ばしさを最大限に引き出せる
炊き込みご飯干し桜海老の旨味がご飯全体に広がる
卵焼き彩りと風味をプラスし、弁当にも向く
酢の物生桜海老の甘みと酸味が調和する
味噌汁干し桜海老の香ばしさと旨味が汁に溶け出す
サラダ彩りは良いが、風味の主張が強く好みが分かれる

おかみさんの一言

桜海老のかき揚げは、衣は薄くしてカリッと揚げると香りがたまらないの。干し桜海老はね、ちょっと炒ってから炊き込みご飯に入れると、家中いい匂いになって、おかわり必至よ。

桜海老の栄養素(食品成分)

さくらえび
可食部100g当たり

栄養素素干し単位
廃棄率0%
エネルギー28678
水分19.478.9g
タンパク質64.916.6g
脂質4.02.0g
食物繊維(総量)g
炭水化物0.10.1g
ナトリウム1200270
カリウム1200310
カルシウム2000630
マグネシウム31069
リン1200330
3.20.3
亜鉛4.91.3
3.340.9
マンガン0.230.05
ヨウ素110
セレン64
クロム1
モリブデン3
ビタミンA(レチノール)1
ビタミンA(β-カロテン)6
ビタミンD0.1
ビタミンE(トコフェロールα)2.3
ビタミンK
ビタミンB10.170.1
ビタミンB20.150.08
ナイアシン5.52.3
ビタミンB60.210.1
ビタミンB1211.04.5
葉酸23094
パントテン酸1.160.29
ビオチン5.2
ビタミンC1
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」

▶ 栄養の全体像を知りたい方はこちら
五大栄養素・ビタミン・ミネラルをまとめたページへ

おかみさんの一言

生の桜海老は甘みと香りが魅力だけど、素干しにすると水分が抜けて栄養がギュッと凝縮されるのよね

英語・漢字表記

桜海老を表す英語「Sakura Shrimp」が書かれたカード
桜海老は英語で「Sakura Shrimp」と表記される

漢字表記:桜海老
英語表記:Sakura shrimp
発音記号:[ˈsɑː.kʊrɑː ʃrɪmp](アメリカ英語)
     [ˈsækərə ʃrɪmp](イギリス英語)

英語表記についてもっと詳しく知りたい方は、こちらのページで 魚介類の漢字・英語表記一覧 をまとめています。

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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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