とうもろこし(玉蜀黍)の旬・栄養・保存法を紹介【調理師監修】

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とうもろこしの旬

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とうもろこしは、6月下旬から9月頃までが旬の夏野菜です。中でも7月〜8月にかけては、糖度がぐんと上がり、みずみずしく甘みの強いとうもろこしが多く出回ります。

スーパーに並ぶのは初夏からですが、朝採りで鮮度の高いものは直売所や産直市などで多く見られます。収穫してから時間が経つと糖がでんぷんに変わってしまうため、購入後はできるだけ早く加熱・調理すると、とうもろこし本来の甘さを楽しめます。

とうもろこしとは ~解説~

玉蜀黍 とうもろこし(sweetcorn)
  • 大きく分けて黄粒種新、白粒種新、バイカラー種に分かれる
  • 漢字では「玉蜀黍(とうもろこし)」と書き、イネ科の一年草で、原産は中南米(メキシコ周辺)です。
  • 主に食用とされるのは「スイートコーン(甘味種)」で、生でも食べられるほど糖度が高く、野菜として分類されることが多いですが、乾燥させて粉にする品種などは穀物に含まれることもあります。
  • 日本では夏の定番野菜として親しまれ、茹でたり焼いたりするほか、天ぷらや炊き込みご飯などにもよく使われます。
  • 品種改良が進んでおり、「ゴールドラッシュ」「ピュアホワイト」など、甘さ・色・粒皮のやわらかさが異なる品種が多く流通しています。
  • おかずよりも、おやつとしての方が圧倒的に多いので、甘さが価値基準になっている

特徴(見た目・味・食感・栄養素)

  • 見た目:太くまっすぐな円柱状の実に、黄色や白、またはバイカラーの粒がぎっしり詰まっています。皮付きのまま売られているものが新鮮。
  • 味わい:強い甘みとコクが特徴。収穫後すぐに食べると果物のようなジューシーさを感じることも。
  • 食感:粒皮がやわらかく、ぷちっとした歯ごたえが心地よい。加熱によってさらに甘さが引き立ちます。
  • 栄養素の特徴
    糖質が豊富で、エネルギー源になります。
    食物繊維も多く、腸内環境のサポートにも。

とうもろこしと相性の良い食材

油脂類

  • バター:王道の組み合わせ。加熱すると香ばしさと甘さが引き立ち、醤油と合わせると一層旨味が増します。
  • チーズ:コーンピザやコーングラタンなど、塩気とまろやかさが甘さと好相性。

肉・魚介類

  • ベーコン・ハム:うまみと塩気がとうもろこしの甘さを引き立てます。
  • ツナ缶:サラダや和え物に。手軽で栄養も補えます。
  • エビ:中華炒めやかき揚げなどでプリッとした食感との相性が抜群。

野菜類

  • 枝豆:彩りもよく、夏の冷菜やかき揚げにぴったり。
  • 玉ねぎ:加熱で甘みが増し、コーンと一緒にスープや炒め物に。
  • じゃがいも:コーンポタージュやコーンマヨポテトなど、ホクホク感との調和が楽しめます。

穀類・豆類

  • ごはん:炊き込みご飯にすると、とうもろこしの風味が引き立ちます。
  • 豆乳・牛乳:スープやポタージュに。やさしい味に仕上がります。

調味料・香辛料

  • マヨネーズ:コーンサラダに定番。酸味とコクが甘さと調和。
  • 塩・醤油:素材の甘さを引き締め、シンプルに味を引き立てます。
  • クミンやカレー粉:スパイスと合わせてエスニック風にも。

現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

とうもろこしの甘さと旨味を活かすためには、塩気・脂肪分・うま味成分との組み合わせが効果的です。

とうもろこしの保存方法|甘さを保つコツ

とうもろこしは収穫後すぐに糖度が落ちるため、買ったらすぐに保存・調理するのが鉄則です。保存法を間違えると、風味や甘さが損なわれてしまうので注意しましょう。


【常温保存】…非推奨

  • 常温では時間とともに糖分がデンプンに変化し、甘さがどんどん落ちます。
  • 保存時間:当日中が限界。夏場は数時間以内に処理するのが理想です。

【冷蔵保存】

  • 皮付きのまま保存すると乾燥を防げます。
  • 保存方法
    1. 皮付きでラップか新聞紙に包む。
    2. 立てた状態で冷蔵庫の野菜室へ。
  • 保存期間:2〜3日程度
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冷蔵庫でも時間とともに甘さは減少。なるべく早く加熱しましょう。


【冷凍保存】

▶ 生のまま冷凍(手軽)

  • 方法
    1. 皮とヒゲを取り、1/2〜1/3にカット。
    2. ラップで包み、フリーザーバッグに入れて冷凍。
  • 調理時:凍ったまま茹でる or レンジ加熱。

▶ 加熱して冷凍(甘さ・風味をキープ)

  • 方法
    1. 茹でる or レンジで加熱後、粗熱を取る。
    2. 実を芯から外して、フリーザーバッグに入れて冷凍。
  • 保存期間:1か月程度

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加熱してから冷凍した方が、色・甘さ・香りの持続性が高いです。

主な品種群

  • バイカラーコーン
  • ベビーコーン(ヤングコーン)
  • ウッディーコーン
  • シルバー系

とうもろこしの栄養素 (食品成分表)

スイートコーン 未熟種子
可食部100g当たり

栄養素ゆで単位
廃棄率30%
エネルギー95
水分75.4g
タンパク質3.5g
脂質1.7g
食物繊維(総量)3.1g
炭水化物18.6g
ナトリウム
カリウム290
カルシウム5
マグネシウム38
リン100
0.8
亜鉛1.0
0.10
マンガン0.31
ヨウ素
セレン
クロム
モリブデン
ビタミンA(レチノール)
ビタミンA(β-カロテン)20
ビタミンD
ビタミンE(トコフェロールα)0.3
ビタミンK
ビタミンB10.12
ビタミンB20.10
ナイアシン2.2
ビタミンB60.12
ビタミンB12
葉酸86
パントテン酸0.51
ビオチン
ビタミンC6
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」
栄養素名特徴
炭水化物主成分。エネルギー源として優秀。
カリウム体内のナトリウムを調整し、むくみ防止に効果的。
リン骨・歯の形成、代謝に関与。
マグネシウムエネルギー代謝や筋肉機能を支える。
葉酸細胞の再生や造血に関わる重要なビタミン。特に妊婦に推奨される。

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とうもろこしの英語表記

とうもろこしは英語で一般的に 「corn(コーン)」「sweetcorn(スウィートコーン)」 と呼ばれます。
北米では「corn」が日常的に「とうもろこし全般」を指す一方で、「sweetcorn」 は特に甘味のある品種(スイートコーン)を表します。

イギリス英語では「sweetcorn」がよく使われ、野菜としてのとうもろこし全般を示す際にも用いられます。
また、料理やレシピの文脈では「grilled corn(焼きとうもろこし)」や「corn soup(コーンスープ)」などのように使われることが多いです。

英語表記についてもっと詳しく知りたい方は、こちらのページで【食×英語】野菜と果物180種の英単語&漢字一覧表まとめています。

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現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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