蕗の薹(ふきのとう)の英語は「Butterbur scape(バターバー スケープ)」
早春の訪れを告げる山菜「蕗の薹」は、英語圏では「Butterbur scape」と呼ばれます。Butterbur(バターバー)は蕗(フキ)、scape(スケープ)は花茎を意味し、直訳すると「フキの花茎」となります。
独特のほろ苦さと芳醇な香りが特徴で、2月から3月にかけてが旬の時期。天ぷらや蕗味噌として、和食では春の風物詩として親しまれています。
本記事では、和食調理師が英語表記の詳細(読み方・語源・使い方)から、外国人への説明方法、旬の時期、美味しい食べ方、アク抜き方法、保存法まで詳しく解説します。
ふきのとうとは|英語・漢字・意味の解説

蕗の薹(ふきのとう)は、キク科フキ属の多年草である蕗(フキ)の花茎のことを指します。早春に雪解けとともに顔を出す、日本を代表する山菜のひとつです。
蕗の薹の英語表記:Butterbur scape
| 日本語 | 英語表記 | 読み方 |
|---|---|---|
| 蕗の薹 | Butterbur scape | バターバー スケープ |
| 蕗(フキ) | Butterbur | バターバー |
Butterbur(バターバー)
蕗(フキ)の英語名です。語源は、ヨーロッパでフキの仲間の大きな葉がバターを包むのに使われていたことから「Butter(バター)」と「bur(ゴボウの意)」を組み合わせて名付けられました。
scape(スケープ)
植物学用語で「花茎(かけい)」を意味します。つまり「Butterbur scape」は直訳すると「フキの花茎」となります。
外国人への説明例
“It’s an edible spring bud with a unique bitter taste, often enjoyed as tempura.”
(独特の苦味がある春の食用つぼみで、天ぷらで食べることが多いです)
英語圏では馴染みのない食材なので、「spring vegetable(春野菜)」や「wild mountain vegetable(山菜)」と補足すると伝わりやすくなります。
漢字の意味と由来
「蕗の薹(ふきのとう)」 という漢字にはそれぞれ意味があります。
- 蕗(ふき):フキという植物の名前を表す漢字
- 薹(とう):花を咲かせるために伸びる茎のこと(花茎)
つまり「蕗の薹」とは、蕗(フキ)が花を咲かせるために出す茎という意味です。
「薹が立つ」という慣用句を聞いたことがあるかもしれません。これは野菜が成長しすぎて花茎が伸び、食べ頃を過ぎた状態を指し、転じて「年頃を過ぎる」という意味でも使われます。
蕗(ふき)との違い
混同されやすいですが、以下のように異なる部分を食します。
| 名称 | 食べる部分 | 旬の時期 |
|---|---|---|
| 蕗の薹 | 花茎 (つぼみの部分) | 2月〜3月 |
| 蕗 | 葉柄 (茎のような部分) | 4月〜5月 |
蕗の薹は春の訪れを告げる「走り」の食材、蕗は春本番を楽しむ食材として、それぞれ異なる時期に旬を迎えます。
蕗の薹(ふきのとう)の旬|おいしい時期
ふきのとうの旬は12月から3月ごろ
| ① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | ⑦ | ⑧ | ⑨ | ⑩ | ⑪ | ⑫ |
|---|
旬カレンダー(1月〜12月)※色が付いている月が旬の目安です。
蕗の薹(ふきのとう)は、キク科フキ属の多年草である蕗(フキ)の花茎のことを指します。早春に雪解けとともに顔を出す、日本を代表する山菜のひとつです。
蕗の薹の旬は2月から3月です。「春の使者」「早春の味覚」と呼ばれるように、まだ寒さが残る時期に芽吹く貴重な山菜です。
2月〜3月が最盛期
蕗の薹が最も美味しい時期は、つぼみが開く直前の2月中旬から3月上旬です。この時期の蕗の薹は香りが最も強く、ほろ苦さが程よく、つぼみが固く締まり食感が良い
つぼみが開いて花が咲き始めると、苦味が強くなり、香りも薄れてしまいます。また、茎が伸びすぎると繊維質になり、食感も損なわれます。
地域による旬の違い
蕗の薹の収穫時期は、気候や地域によって異なります。
| 地域 | 旬の時期 | 特徴 |
|---|---|---|
| 西日本 (九州・四国) | 1月下旬〜2月 | 最も早く出回る |
| 関東・中部 | 2月中旬〜3月上旬 | 最盛期 |
| 東北 | 3月〜4月上旬 | 雪解けとともに |
| 北海道 | 4月〜5月 | 最も遅い収穫時期 |
ハウス栽培や促成栽培のものは12月頃から市場に出回りますが、天然物は2月以降が本来の旬です。
早採り・遅採りの味わいの違い
- 早採り(1月下旬〜2月上旬):苦味が穏やかで初心者向き。香りはやや控えめ。
- 最盛期(2月中旬〜3月上旬):香りと苦味のバランスが最高。最も美味しい時期。
- 遅採り(3月中旬以降):苦味が強く、通好みの味わい。つぼみが開くと食感も変わる。
2月は蕗の薹以外にも旬を迎える野菜や果実がたくさんあります。
冬から春への季節の変わり目に楽しめる食材について詳しく知りたい方は、【2月|旬の野菜と果実|一覧表【保存版】】もあわせてご覧ください。
ふきのとうとは|解説

- ふきのとう(蕗の薹)は、キク科フキ属の多年草「フキ(蕗)」の花のつぼみです。
- 春を告げる山菜で知られ、爽やかな苦みが特徴
- ほろ苦い風味でアクが強い
- 地面から顔を出す姿から春を感じさせる
- 鮮度が重要で収穫してからの時間と共にあくが強くなり苦みやえぐみが増える
- 育成中の花茎なので栄養が豊富です
- 食材としてのふきのとうは、天ぷら・ふき味噌・おひたしなどに利用されることが多く、その苦味は春の味覚として人気があります。

現役和食調理師のヒント
ふきのとうは鮮度が命です。摘みたては香りが強く、火を通すと一気に春らしい風味が広がります。
ふきのとうの選び方|新鮮な見分け方

鮮度の良い蕗の薹は、香り高く、苦味も穏やかです。市場やスーパーで蕗の薹を選ぶ際は、以下の3つのポイントをチェックしましょう。
つぼみがしっかり閉じているもの
最も重要なチェックポイントです。新鮮な蕗の薹は、つぼみがふっくらと丸く、しっかりと閉じています。つぼみが開き始めたものは収穫から時間が経っており、苦味が強くなったり独特の香りが薄れたりします。つぼみの先端が少し開きかけているくらいなら問題ありませんが、花が咲き始めているものは避けましょう。
茎が短く太いもの
茎の長さと太さは、蕗の薹の育ち具合を示す目安になります。
良い状態
- 茎が短く(2〜3cm程度)、太さがある
- 全体的に丸みがあり、ずんぐりとした形
- 小ぶりでもずっしりと重みを感じる
避けたい状態
- 茎が長く伸びている(5cm以上)
- 茎が細く、全体的にひょろ長い形
茎が長いものは育ちすぎで、繊維質になり苦味も強くなります。小ぶりでも丸みのあるものの方が、やわらかく香りも良好です。
色が鮮やかで変色していないもの
色味は鮮度を判断する重要なサインです。新鮮な蕗の薹の特徴は以下の通り。
- 全体が鮮やかな黄緑色〜明るい緑色
- 葉先がみずみずしく、艶がある
- 触るとハリと弾力がある
避けたい状態
- 茶色く変色している部分がある
- 葉先が黒ずんでいる
- 全体的にしなびている、水分が抜けている
変色は収穫から時間が経っているか、保存状態が悪かった証拠です。全体にみずみずしく、鮮やかな緑色のものを選びましょう。
選び方のまとめチェックリスト
✅ つぼみがふっくら閉じている
✅ 茎が短く太い
✅ 鮮やかな緑色で変色なし
✅ 全体にみずみずしくハリがある
✅ 香りが良い(店頭で確認できる場合)
ふきのとうのアク抜き方法

ふきのとうは独特の苦味とえぐみがあるため、料理によってはアク抜きが必要です。ただし、アク抜きしすぎると香りが飛んでしまうため、料理に応じて加減することが大切です。
天ぷらの場合:アク抜き不要
天ぷらにする場合は、アク抜きせずにそのまま使うのがおすすめです。高温で揚げることで苦味が和らぎ、春らしい香りを最大限に楽しめます。
おひたし・和え物の場合:軽くアク抜き
- たっぷりのお湯に塩ひとつまみを入れて沸騰させる
- ふきのとうを入れて30秒〜1分茹でる
- すぐに冷水にとり、色止めする
- 水気を絞って使う
ポイント:茹ですぎると香りが飛ぶので、短時間が鉄則です。
炒め物・味噌炒めの場合:水にさらす
- ふきのとうを縦半分に切る
- 水に5〜10分さらす
- 水気をよく切って使う
ポイント:油で炒めるとえぐみが和らぐため、軽めのアク抜きで十分です。
ふき味噌の場合:アク抜き不要〜軽め
ふき味噌は味噌の甘辛さが苦味を包み込むため、アク抜きは不要か、気になる場合は水に5分程度さらす程度でOKです。

現役和食調理師のヒント
アク抜きは「引き算の調理」です。やりすぎると春の香りまで失われてしまいます。まずは軽めに処理して、次回調整するのがおすすめです。
ふきのとうの保存方法
冷蔵保存(2〜3日以内に使う場合)
2〜3日以内に使う
- 新聞紙またはキッチンペーパーで包む
- ポリ袋または保存容器に入れ、冷蔵庫の野菜室へ
乾燥と低温障害を防ぐため、直接冷気が当たらないように包むのがコツです。
できるだけ早く使うのが理想で、日にちが経つほど苦味が強くなり、香りも落ちていきます。
冷凍保存
風味はやや落ちるが蕗味噌や炒め物に
- 軽く茹でて(30秒ほど)、冷水にとる
- 水気をしっかりと拭き取る
- 小分けにしてラップし、保存袋に入れて冷凍(目安:1ヶ月)
※ただし、香りや歯ごたえは損なわれやすいため、ふき味噌や炒め物など、風味重視でない料理に使うのがおすすめです。

現役和食調理師のヒント
ふきのとうはとにかく鮮度が勝負。収穫した当日に使うのが一番香り高く、天ぷらやおひたしに最適です。
ふきのとうの美味しい食べ方

天ぷら
最も香りと食感を楽しめる調理法です。
- つぼみを縦半分に切り、衣を薄くつけて揚げる
- 揚げ時間は1分半〜2分(揚げすぎ注意)
- 塩や天つゆでシンプルに
ふき味噌
刻んだふきのとうを味噌、砂糖、みりん、酒で炒め煮にした春の常備菜。
- ごはんのお供、豆腐の薬味、おにぎりの具に
- 冷蔵庫で1週間程度保存可能
おひたし・和え物
アク抜きしたふきのとうを、醤油やポン酢で和えるだけのシンプルな一品。
- 鰹節、胡麻、柚子皮などと相性抜群
- 春らしい苦味を存分に味わえる
パスタ・炒め物
ベーコンやツナと合わせて洋風にアレンジ。
- オリーブオイルとニンニクで炒めるだけ
- 苦味がアクセントになり、大人の味わいに

現役和食調理師のヒント
初めて調理する方には天ぷらが一番おすすめです。失敗が少なく、ふきのとうの魅力を最も感じられます。
ふきのとうと相性の良い食材

| 食材 | 組み合わせ例 | 解説 |
|---|---|---|
| 味噌 | ふき味噌 | 苦味と甘じょっぱさが調和。春の定番の一品に。 |
| 卵 | 卵焼き かき揚げ | 卵のまろやかさが苦味を包み、子どもでも食べやすい。 |
| 山菜類 (たらの芽、こごみ等) | 天ぷら盛り合わせ | 春の香りを楽しむ組み合わせ。食感と風味にメリハリあり。 |
| 油揚げ・厚揚げ | 炒め物 味噌炒め | 油のコクがふきのとうの苦味を和らげ、旨味が増す。 |
| 白身魚 (鱈・スズキなど) | ホイル焼き ソテー | 淡白な味わいに春の香りがアクセント。 |
| ごはん | ふき味噌のせ 混ぜご飯 | ごはんの甘みとふきのとうの風味が絶妙にマッチ。 |

現役和食調理師のヒント
ふきのとうは苦味が特徴なので、「油・卵・味噌」など、コクやまろやかさのある素材と合わせるのが基本です。
ふきのとうの栄養素|食品成分表
ふきのとう(ゆで)
可食部100g当たり
| 栄養素 | 茹で | 単位 |
|---|---|---|
| 廃棄率 | 0 | % |
| エネルギー | 31 | ㎉ |
| 水分 | 89.2 | g |
| タンパク質 | 2.5 | g |
| 脂質 | 0.1 | g |
| 食物繊維(総量) | 4.2 | g |
| 炭水化物 | 7.0 | g |
| ナトリウム | 3 | ㎎ |
| カリウム | 440 | ㎎ |
| カルシウム | 46 | ㎎ |
| マグネシウム | 33 | ㎎ |
| リン | 54 | ㎎ |
| 鉄 | 0.7 | ㎎ |
| 亜鉛 | 0.5 | ㎎ |
| 銅 | 0.20 | ㎎ |
| マンガン | 0.17 | ㎎ |
| ヨウ素 | – | ㎍ |
| セレン | – | ㎍ |
| クロム | – | ㎍ |
| モリブデン | – | ㎍ |
| ビタミンA(レチノール) | – | ㎍ |
| ビタミンA(β-カロテン) | 260 | ㎍ |
| ビタミンD | – | ㎍ |
| ビタミンE(トコフェロールα) | 2.4 | ㎎ |
| ビタミンK | 69 | ㎍ |
| ビタミンB1 | 0.06 | ㎎ |
| ビタミンB2 | 0.08 | ㎎ |
| ナイアシン | 0.5 | ㎎ |
| ビタミンB6 | 0.07 | ㎎ |
| ビタミンB12 | – | ㎍ |
| 葉酸 | 83 | ㎍ |
| パントテン酸 | 0.24 | ㎎ |
| ビオチン | – | ㎍ |
| ビタミンC | 3 | ㎎ |
・ふきのとうの苦味はポリフェノール由来。茹でてから水にさらすことでえぐみを和らげつつ、香りを残す。
・ビタミンCは少なめ(3mg)なので、他の春野菜と組み合わせる献立が理想。
・β-カロテンとビタミンEの吸収を高めたい場合は、油味噌や天ぷらにすると効率的。
・アク抜き後の再加熱で香りが飛びやすいため、短時間調理を心がける。
