2025年5月に届いたポストコーヒーの豆3種を、現役調理師としての視点でレビューします。
今月は「爽やかな酸味の浅煎り」「しっかりコクのある深煎り」「ナッツ系のバランス型」と、タイプの異なる3種類が届き、朝と午後で飲み分けがしやすい構成でした。
この記事では、それぞれの豆の フレーバー・香り・味の方向性 を整理し、
「どんな人に合うか」まで具体的に解説します。
購入前に味のイメージをつかみたい方や、自分のタイプと合うか確かめたい方は参考にしてください。▶ ポストコーヒーをやめなかった理由はこちら
※本記事には広告が表示されます。
今月届いた豆のラインナップ

ペルー カルナバル
エートス
ブラジル エルナーニ ペレイラ カルネイロ
※ 詳細レビューは後述
個別レビュー
ペルー カルナバル

焙煎度:浅煎り
産地:ぺルー
フレーバー&香り
ひと口目から、明るくフルーティーな酸味が立ち上がり、浅煎りらしい軽やかさと透明感が際立ちます。香りは柑橘を思わせる爽やかさの中に、ほんのりとチョコレートのような奥行きがあり、上品でスッと抜ける印象です。
味の方向性
苦味はほとんど感じず、フルーティーな酸味が中心。後味はすっきりしていて、ほんの少しだけ甘さが残るクリアなタイプです。ブラックで飲むと、この豆本来の明るさと軽やかさが最も素直に楽しめます。一言でいうと、「すっきりとした酸味系コーヒーの代表」といえる一杯です。
この豆が合う人
浅煎りのフルーティーなコーヒーが好きな人
すっきり爽やかな味わいを求める人
朝のリフレッシュに軽めのコーヒーを飲みたい人
苦味控えめの柔らかい味が好みの人
エートス

焙煎度:深煎り
産地:ブラジル
フレーバー&香り
ひと口目から、チョコレートを思わせる濃厚な香りが立ち上がり、深煎りならではのビターさとコクがしっかり感じられます。
香りの余韻はやや重めで、落ち着いた甘苦いニュアンスが続きます。
味の方向性
最初の印象は「しっかりとした苦味と深いコク」。酸味はほとんどなく、ビター系の味わいが主体です。ブラックはもちろん、ラテにしても負けない強さと奥行きがあり、朝の目覚めにぴったりの力強い一杯。一言でいうと「バランスが良く、朝にぴったりの深煎りコーヒー」というタイプです。
この豆が合う人
朝のスタートにキレのある深煎りを飲みたい人
酸味が苦手で、苦味やコクをしっかり味わいたい人
ラテやカフェオレ用にも向く“強さ”のある豆が好きな人
ブラジル エルナーニ ペレイラ カルネイロ

焙煎度:中煎り
産地:ブラジル
フレーバー&香り
ナッツの香ばしい香りがふわりと立ち上がり、後味にはほのかな甘みが心地よく残ります。
酸味は控えめで、香り全体に丸みがあるため、どの時間帯にも飲みやすい“優しいブラジルらしさ”を感じる香りです。
味の方向性
程よい酸味と穏やかな苦味がバランスよく共存し、コクは中程度。ナッツの甘みが後半に広がるため、ブラックでも飲みやすく、どこかまろやかな印象の一杯です。「ほんの少しだけ酸味を感じたいけれど、強すぎるのは苦手」という人にぴったりの、調和のとれた味わい。一言でいうと「ナッツの甘みが心地よい、バランス系ブラジル」のようなイメージです。
この豆が合う人
ナッツ系・チョコレート系の香ばしい風味が好きな人
ブラック派で、まろやかさや甘みも欲しい人
酸味は苦手だけど、ほんの少しなら楽しみたい人
飲み疲れしない“やさしいブラジル”を探している人
今月のまとめ
2025年5月は、
「浅煎りの明るさ × 中深煎りの安定感 × ブラジルのまろやかさ」
がバランスよく揃った、比較的“万人向け”のラインナップでした。
最も個性が強かったのは浅煎りの ペルー カルナバル。
フルーティーで爽やかな酸味が際立ち、5月らしい軽やかな印象をつくっていました。
味の軸を支えていたのが エートス(深煎り)。しっかりした苦味・コクがあり、朝の一杯に向いた“王道の深煎り”。3種類の中で最も“安定感のある黒さ”を出してくれています。
そして、間に入るように調和していたのがブラジル エルナーニ ペレイラ カルネイロ。ナッツの香りと自然な甘みがあり、浅煎りの酸味とも深煎りの苦味とも相性がよく、全体をまろやかにまとめていました。
▶ 2025年4月のレビューを見る(前月)
▶ 2025年6月のレビューを見る(翌月)
── 他のレビューも読む ──
▶ ポストコーヒー|月別レビュー一覧ページはこちら
あわせて読みたい

現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)
和食の世界で25年以上。旬の食材や家庭でできる調理のコツを、やさしく、わかりやすくお届けしています。料理がもっと楽しく、おいしくなるきっかけになれば嬉しいです。
▶ プロフィールを見る