しゃぶしゃぶパーティーの準備|調理師が教える量・肉の選び方・段取り

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しゃぶしゃぶパーティーを開くと決めたものの、肉は何人前用意すればいいのか、どんな肉を選べば恥をかかないのか、迷っていませんか?せっかくの機会だからこそ「量が足りない」「安っぽく見える」「当日バタバタする」の3つの不安は避けたいところです。

この記事では調理師歴25年の私が、失敗しない肉の量の目安と選び方、当日の段取りまでプロ目線で具体的にお伝えします。

  1. しゃぶしゃぶパーティーを成功させる3つのポイント
  2. しゃぶしゃぶパーティーの肉は何人前必要?人数別の量の目安
    1. しゃぶしゃぶ肉は1人前何グラム?
    2. 来客構成別の必要量(大人・女性・子供・高齢者の目安表)
    3. パーティーは「10〜15%多め」が正解|足りない不安を防ぐマージンの考え方
    4. 余ったお肉の翌日活用(肉じゃが・牛丼)
  3. 調理師が教える|恥をかかないしゃぶしゃぶ肉の選び方
    1. 部位で選ぶ(リブロース・肩ロース・もも肉の使い分け)
    2. 厚みで選ぶ(0.8〜1.2mm|「しゃぶしゃぶ用カット」表記の見方)
    3. 産地・表記で選ぶ(和牛と国産牛の違い|黒毛和牛表記という基準)
    4. サシの見方(きめの細かい霜降り)
  4. しゃぶしゃぶパーティーにおすすめのブランド和牛3選(松阪牛・近江牛・米沢牛を比較)
    1. 松阪牛|特徴・味の傾向・向いているパーティー
    2. 近江牛|特徴・味の傾向・向いているパーティー
    3. 米沢牛|特徴・味の傾向・向いているパーティー
    4. 3ブランドの比較表(肉質・サシ・味の傾向)+選び方の結論
  5. 当日バタバタしない!しゃぶしゃぶパーティーの段取り(準備)
    1. 前日にやっておけること(買い出し・だし・器)
    2. 当日でないとダメなこと(肉の仕入れ・薬味・冷蔵庫から出すタイミング・盛り付け)
    3. 5分で華やかになる「バラ盛り」の盛り付け方
  6. しゃぶしゃぶパーティーのメニュー・具材と締め
    1. 定番&おすすめ具材(野菜・きのこ・変わり種)
    2. タレの使い分け
    3. 締めの量の目安
  7. プロが教える|しゃぶしゃぶを一番おいしく食べるコツ
    1. だしは沸騰させない(80〜90度・アク取り)
    2. 肉は3〜5秒で引き上げる
    3. 最初の1〜2枚は肉だけで味わう
  8. しゃぶしゃぶパーティーのよくある質問
  9. 【まとめ】

しゃぶしゃぶパーティーを成功させる3つのポイント

先に結論からお伝えすると、しゃぶしゃぶパーティーで失敗するかどうかは、当日の腕前ではなく「量」「質」「段取り」の3つで9割決まります

「肉が足りなかったらどうしよう」
「安っぽく見えたら恥ずかしい」
「当日バタバタしたくない」

——このあたりの不安、心当たりありませんか?もつ鍋やお寿司のときよりも、しゃぶしゃぶは「特別感」を求められる料理だからこそ、余計に気を遣ってしまうものですよね。

調理師として25年、宴会やパーティーの現場でしゃぶしゃぶを何百回と提供してきた私の経験から言うと、この3つのポイントさえ押さえれば、家庭でも料亭のような満足感を出すことは十分可能です。

この記事を読むと、次のことが分かります。

人数別に必要な肉の量(グラム数の具体的な目安)
恥をかかない肉の選び方(部位・厚み・産地表記のポイント)
パーティーにふさわしいブランド和牛の選び方
前日と当日、それぞれでやるべき段取り
だしの温度や肉を入れる秒数など、美味しく仕上げるコツ

量・質・段取り、この3つを順番に見ていきましょう。

しゃぶしゃぶパーティーの肉は何人前必要?人数別の量の目安

しゃぶしゃぶ肉は1人前何グラム?

結論。大人1人前の目安は200〜250g程度、パーティーとして満足してもらいたいなら250〜300gを基準に考えるのがちょうどいいラインです。

「焼肉なら150gくらいで足りてたのに」と思う方もいるかもしれませんが、それだと当日足りなくなる可能性が高いんですよね。しゃぶしゃぶは薄切りで脂も湯に落ちてしまうため、見た目のボリュームほど満腹感が続かないというのが調理師としての実感です。

調理師
調理師

現場でも「焼肉感覚」で肉を仕入れると、後半で明らかに足りなくなる場面を何度も見てきました。だからこそ、しゃぶしゃぶは他の肉料理よりも少し多めに見積もっておくのが正解なんです。

来客構成別の必要量(大人・女性・子供・高齢者の目安表)

しゃぶしゃぶ肉の参考必要量(大人・女性・子供・高齢者の目安表)
参考の必要量です。人を招くときは10~15%多めにすると安心です

200〜300gはあくまで「大人男性」の基準です。実際のパーティーは大人・女性・子供・高齢者が混ざるので、構成に合わせて調整する必要があります。

大人男性を100とした場合、女性はおよそ70、子供(小学生)は40〜50、高齢者は60〜70というのが私の現場感覚です。これをグラム数に落とし込むと、次のような目安になります。

対象1人前の目安
大人男性250〜300g
大人女性150〜200g
子供(小学生)80〜120g
幼児30〜50g
高齢者150g前後

この表に人数をかけ合わせれば、その日必要な合計グラム数がざっくり見えてきます。「うちの場合はどのブランド和牛をどれくらい頼めばいいんだろう」と気になった方は、この後の比較セクションで松阪牛・近江牛・米沢牛それぞれのお取り寄せ先を紹介しているので、必要量が固まった時点で見てみてください。

パーティーは「10〜15%多め」が正解|足りない不安を防ぐマージンの考え方

表で出した合計に、さらに10〜15%を上乗せしておくと安心です。たとえば大人4人・子供2人で合計1,400gだったなら、1,540〜1,610g程度を目安に仕入れるイメージですね。

パーティーはお酒が入ったり会話が弾んだりして、普段の食事より長時間・多めに食べる傾向があります。逆に足りなくなると、せっかくの席の空気が微妙になってしまうので、これは避けたいところです。

調理師
調理師

とはいえ、肉だけを増やす必要はありません。野菜やきのこ、締めのうどん・雑炊でも満腹感はしっかり作れるので、全体的な量を「10〜15%」程度増やせば十分です。

余ったお肉の翌日活用(肉じゃが・牛丼)

余ったお肉のおすすめ活用方法は肉じゃが
高級肉で作った肉じゃがは肉のうまみがじゃがいもなどの野菜が吸って美味しくなります。

「多めに買って余ったらもったいない」と心配になる方もいると思いますが、しゃぶしゃぶ用の薄切り肉は翌日のリメイクがしやすい食材なんです。肉じゃが、牛丼、すき焼き、肉炒めなど。

多少多めに仕入れても無駄にならないと分かっていれば、「足りるかどうか」への不安もぐっと軽くなるはずです。

調理師
調理師

薄切りなので火の通りが早く、肉じゃがや牛丼にそのまま転用できます。特に肩ロースやもも肉が余った場合は、玉ねぎと一緒に煮込むだけで立派な一品に仕上がりますよ。

調理師が教える|恥をかかないしゃぶしゃぶ肉の選び方

部位で選ぶ(リブロース・肩ロース・もも肉の使い分け)

しゃぶしゃぶを部位で選ぶ(リブロース・肩ロース・もも肉の特徴)
部位は1つに絞らずに色々な部位を選ぶことでしゃぶしゃぶが楽しくなります

しゃぶしゃぶパーティーで見栄えを重視するなら、リブロースを主役にするのがベスト。

リブロースはサシ(霜降り)が均一に入りやすく、口どけの良さが際立つ部位です。一方、肩ロースは赤身と脂のバランスが良くコストパフォーマンスに優れるので、大人数分をまかなうのに向いています。もも肉は赤身中心で脂控えめなので、子供や高齢者、あっさり派のゲストに喜ばれる傾向がありますね。

調理師
調理師

「全部リブロースにすれば間違いない」と思うかもしれませんが、正直それだと予算がかさみます。私がパーティーの現場で組む場合は、リブロースを主役に、量を肩ロースやモモでカバーする構成にしています。これなら見栄えとコストの両方が成立するんですよね。

厚みで選ぶ(0.8〜1.2mm|「しゃぶしゃぶ用カット」表記の見方)

しゃぶしゃぶ肉の厚みは0.8〜1.2mmが理想的な目安です。

厚すぎる肉は、中まで火が通る前に表面だけが硬くなってしまい、食感が悪くなります。逆に薄すぎると、だしの中でほろほろと崩れてしまい、箸でつかむ前に溶けてしまうこともあるんです。

通販サイトで肉を選ぶときは、「極薄切り」という表記だけを頼りにするのではなく、「しゃぶしゃぶ用カット」と明記された商品を選ぶようにしてください。同じ薄切りでも、用途に合わせて厚みが調整されているかどうかで仕上がりがまるで違ってきます。

産地・表記で選ぶ(和牛と国産牛の違い|黒毛和牛表記という基準)

パーティーで「特別感」を出したいなら、「近江牛」「松阪牛」といった具体的なブランド名が入っているほうが良い。

「黒毛和牛」は品種を指す言葉なので、知識がない人には正直ピンとこないこともあります。一方、地名の入ったブランド和牛は世間的な知名度があるため、パッケージやメニューにその名前が書いてあるだけで「特別なお肉なんだ」と一目で伝わるんですよね。

たとえば同じ肩ロースでも、「黒毛和牛肩ロース」と書かれているものより、「近江牛肩ロース」と書かれているもののほうが、ゲストへの説得力がまるで違います。ブランド名自体が、味の保証書のような役割を果たしてくれるわけです。

調理師
調理師

特別な日のパーティーで「安っぽく見えたらどうしよう」という不安がある方は、誰もが知ってるブランド和牛を選ぶのが近道です。

ちなみに「和牛」と「国産牛」は別物で、和牛は黒毛和種など特定の品種を指す言葉、国産牛は品種を問わず日本国内で育った牛全般を指します(外国産の品種でも、日本で一定期間育てば「国産牛」と表示できるということです)。この違いを見分ける手っ取り早い方法が、ブランド名が明記されているかどうかを確認することです。

サシの見方(きめの細かい霜降り)

サシを見るときは、大きな脂の塊があるかどうかではなく、繊維に沿って細かく入っているかどうかをチェックする事。

大きな脂の塊がドンと入っている肉は、見た目こそ豪華に見えますが、実際に何切れも食べ進めると脂っぽさが先に立ち、途中で飽きてしまうことが多いんですよね。理想は、赤身の繊維に沿って霜降りが細かく網目状に入っている状態です。

調理師
調理師

写真で肉を選ぶ通販では、サシのきめ細かさまで確認しづらいこともあると思います。そんなときは、後ほど紹介するブランド和牛のように、産地や等級がはっきりしている商品を選ぶと失敗が少なくなりますよ。

しゃぶしゃぶパーティーにおすすめのブランド和牛3選(松阪牛・近江牛・米沢牛を比較)

しゃぶしゃぶパーティーにおすすめのブランド和牛3選(松阪牛・近江牛・米沢牛) を表した日本地図
ブランド和牛3選、松阪牛・近江牛・米沢牛の地図

「結局、どのブランド和牛を選べばいいの?」というのが一番気になるところだと思うので、ここでは日本五大和牛にも数えられる松阪牛・近江牛・米沢牛を、調理師目線で比較していきます。

松阪牛|特徴・味の傾向・向いているパーティー

「特別感を出したい」「多少値が張っても失敗したくない」——そんな特別感重視・少人数のパーティーにおすすめなのが松阪牛です。松阪牛は和牛の中でも「希少性」で頭一つ抜けている、最高級ブランドと言っていいと思います。

松阪牛の特徴
松阪牛は黒毛和種の未経産雌牛(出産経験のない雌牛)に限定され、松阪牛生産区域内での肥育期間が最も長く、最終的な肥育もその区域内で行われた牛だけが名乗れます。これだけ手間をかけて育てられていることが、松阪牛ならではの味わいにつながっているんですよね。

松阪牛の味わい
味の一番の特徴は、赤身に白い脂が細かく入り込んだ、いわゆる「霜降り」の美しさです。長期肥育によって脂肪の融点が下がっているため、口に含んだ瞬間にすっと溶けるような口どけの良さがあり、香りにもほのかな甘みを感じられます。脂の量が多いのにしつこさを感じさせず、上品な後味に仕上がるのが松阪牛らしさで、これはしゃぶしゃぶという食べ方と特に相性がいい特徴だと私は思っています。▶松阪牛A5しゃぶしゃぶを見る


近江牛|特徴・味の傾向・向いているパーティー

歴史や由緒を含めて「日本らしい格式」を演出したいパーティーには、近江牛。三大和牛の中でも群を抜いて歴史が古く、いわば「日本の食肉文化の原点」ともいえるブランドです。

近江牛の特徴
近江牛の歴史はおよそ400年。江戸時代には彦根藩が味噌漬けを「反本丸(へんぽんがん)」という養生薬として将軍家に献上していた記録も残っており、明治期に鉄道輸送が始まったことで「近江牛」の名称が全国に広まりました。派手さよりも、こうして積み重ねてきた歴史そのものが近江牛の価値になっているんですよね。

近江牛の味わい
味の面では、霜降り度が高くオレイン酸(脂に含まれる脂肪酸の一種)を豊富に含むため、比較的低い温度でも脂が溶け出し、口どけがなめらかなのが特徴です。きめ細かい肉質と、濃厚なのに上品さも感じさせる旨みを両立しているのも近江牛らしさですね。▶近江牛しゃぶしゃぶを見る


米沢牛|特徴・味の傾向・向いているパーティー

子供から高齢者まで幅広い年代が集まる席では、米沢牛が一番失敗の少ない選択になりやすいと私は考えています。脂と赤身のバランスが良く、幅広い年代のゲストに受け入れられやすいブランドです。

米沢牛の特徴
米沢牛は山形県置賜地域産の黒毛和種で、出荷時の月齢が33か月以上、かつ未経産雌牛であることが条件です。一般的な牛の出荷月齢(28か月前後)より長く育てられるうえ、雌牛のみを使用しているため、肉質がきめ細かく、香りの良さにも定評があります。

米沢牛の味わい
こうした長期肥育によって脂質の融点が下がっているため、口どけの良さと強い旨みを併せ持っているのが米沢牛の持ち味です。脂の融点が低い分、脂っこい料理が苦手な人でも比較的食べやすいと言われているのも、パーティー向きといえるポイントですね。▶米沢牛しゃぶしゃぶを見る


3ブランドの比較表(肉質・サシ・味の傾向)+選び方の結論

ここまでの内容を、肉質・サシ・味わいの傾向を中心に一覧にまとめました。気になったブランドがあれば、表の中からそのまま商品を見てみてください。

ブランド肉質・サシ・味の傾向
松阪牛
▶松阪牛をチェック
サシが細かく入りやすく希少性が高い。脂の融点が低く、甘い香りととろける口どけが持ち味
近江牛
▶近江牛をチェック
きめ細かい霜降りで、歴史ある伝統的な格付けを誇る。濃厚な旨みと上品さを両立した味わい
米沢牛
▶米沢牛をチェック
未経産雌牛限定できめ細かい肉質。脂と赤身のバランスが良く、食べやすい味わい

この傾向をパーティーに当てはめると、特別感を最優先したい少人数の席には松阪牛、格式や物語性を演出したい席には近江牛、子供から高齢者まで幅広い年代が集まる席には米沢牛。それぞれしっくりくるはずです。

価格帯は購入時期や部位、購入先によって変動するため、この記事では断定を避けていますが、傾向として松阪牛は三者の中でも高価格帯になりやすく、近江牛・米沢牛は比較的手を出しやすい価格帯の商品も見つけやすい、というのが現場での実感です。実際の金額は、必ず各商品ページで確認してから購入を決めてくださいね。

なお、今回紹介した松阪牛・近江牛・米沢牛はいずれも、「牛トレーサビリティ法」に基づいて一頭ごとに個体識別番号で管理されています。これは特定のブランド牛だけの仕組みではなく、日本国内で飼育されるすべての牛が対象になっている国の制度です。生まれてから出荷されるまでの記録をたどれる仕組みなので、購入時に個体識別番号や産地証明がきちんと表示されている商品を選べば、「本当にそのブランド牛なのか」を自分でも確認できます。安心材料の一つとして覚えておくといいと思います。▶牛の個体識別業務について

当日バタバタしない!しゃぶしゃぶパーティーの段取り(準備)

前日にやっておけること(買い出し・だし・器)

前日に済ませておくとラクになるのは「野菜とタレの買い出し」「昆布だしの水出し」「器・コンロのセット」の3つです。

昆布だしは、水に昆布を入れて冷蔵庫で一晩置く「水出し」にしておけば、当日は温めるだけで済みます。ポン酢やごまだれは市販品を使えば十分なので、前日までに買い出しを済ませておけば、当日その場で探す手間がなくなりますよ。

卓上コンロや取り皿、鍋などの器類も、前日のうちにセットしておくと当日の動線がぐっとスムーズになります。

調理師
調理師

野菜のカットについては、前日でも保存自体は可能です。ただ、変色しやすい野菜もあるので、正直なところ野菜のカットは当日にまとめて行うほうが安心だと私は思います。

当日でないとダメなこと(肉の仕入れ・薬味・冷蔵庫から出すタイミング・盛り付け)

肉の仕入れはなるべく当日。大根おろしやもみじおろし、ねぎといった薬味は当日に用意し、盛り付けも来客の10〜15分前に行うのが理想。

しゃぶしゃぶ肉について
肉を冷蔵庫から出すタイミングは、通販でお取り寄せした場合、冷凍便か冷蔵(チルド)便かによっても変わってきます。冷凍便で届いた場合、当日いきなり解凍しようとすると間に合わないことが多いので、前日の夜のうちに冷凍庫から冷蔵庫に移し、時間をかけてゆっくり自然解凍しておくのが安心です。冷蔵(チルド)便であれば、そのまま冷蔵庫で保存しておけば問題ありません。

どちらの場合も、食べる15〜20分前まで冷蔵庫から出さずに待ち、常温に長時間放置するのは避けてください。常温での放置は雑菌が繁殖しやすくなり、食中毒のリスクが高まるとされていますし、肉の乾燥にもつながります。(これで解決!食中毒予防のポイント -家でも食中毒はおきてしまうんです。気をつけて!-:農林水産省

大根おろしやもみじおろし、刻みねぎといった薬味も、当日に用意するのがおすすめです。盛り付けについても、来客の10〜15分前に行うのが理想です。早く盛りすぎると、肉が乾いて見栄えも味も落ちてしまいます。

5分で華やかになる「バラ盛り」の盛り付け方

購入したままの形を崩さずにきれいに盛る方法
番号順に並べていく。等間隔と高さを意識して盛り付けるときれいになります

お肉を購入したときの折りたたまれた形を崩さずに、一枚ずつ丁寧に並べていくだけで、写真のような華やかな一皿に仕上がります。

スーパーや通販で届いたしゃぶしゃぶ肉は、たいてい折りたたまれた状態で1束ずつパックに詰められていますよね。この束をあえて広げたり、自分で折り直したりする必要はありません。束の形を崩さないまま、そっと1束ずつ取り出すだけで十分なんです。

盛り付けるときは、1枚ずつ丁寧に高さが出るように意識して並べるとキレイに仕上がります。肉が多いときは丸皿を一周できます。さらに多いときは肉を端からくるくると丸めて中心に置くと、よりきれいに見えます。

調理師
調理師

丸皿の絵柄が見えないくらいに器一杯に広げると豪華に見えます。

しゃぶしゃぶパーティーのメニュー・具材と締め

定番&おすすめ具材(野菜・きのこ・変わり種)

しゃぶしゃぶパーティーの具材は、定番のきのこ・白菜・豆腐・春菊・水菜・長ねぎに加えて、変わり種を1〜2品加えると満足度がぐっと上がります。

定番の野菜を選ぶときは、だしをしっかり吸って旨味が出る野菜(白菜、水菜など)と、香りで箸休めになる野菜(春菊、長ねぎなど)をバランスよく揃えるのがポイントです。

変わり種としては、しゃぶしゃぶ餅・餅巾着・海老団子・生わかめ・蓮根などを入れると、テーブルが一気に華やかになります。「いつもと同じで地味かも」と思っている方は、こういった一品を加えるだけで印象がガラッと変わりますよ。

調理師
調理師

チーズやトマト、ごぼうといった具材を紹介している記事も見かけますが、正直なところ私はあまりおすすめしていません。だしに強い風味や色が移ってしまい、せっかくの牛肉の旨味が楽しめなくなってしまうからです。しゃぶしゃぶの主役はあくまでお肉なので、脇を固める具材は、だしと素直に馴染むものを選ぶのが一番だと思っています。

タレの使い分け

タレはポン酢とごまだれの2種類

「どちらか一方で十分では」と思う方もいるかもしれませんが、部位ごとにタレを変えるだけで、同じ肉でもまったく違う表情を楽しめます。ゲストにも「今日は2種類の食べ方ができる」という特別感を演出できますよ。

調理師
調理師

私のおすすめの組み合わせは「ポン酢×リブロース」「ごまだれ×もも肉」です。ポン酢のさっぱりとした酸味は、脂の多いリブロースの甘さをすっきり受け止めてくれますし、コクのあるごまだれは赤身中心のもも肉としっかり絡んでくれます。

締めの量の目安

しゃぶしゃぶのシメのご飯とうどんの目安
うどんとご飯を冷凍で常備しておくと便利です

締めは思っているよりも控えめでちょうどいいです。うどんなら0.5玉/人、雑炊ならご飯茶碗の半分程度/人を準備しておくとよいです。

うどんはだしをまとって食べる分、さっぱりとした後味になるのが魅力です。対して雑炊は、肉や野菜の旨味を吸い込んだだしをご飯ごと味わえるので、しゃぶしゃぶの旨味を余すことなく楽しみたい方に向いています。

どちらか一方に絞ってもいいですし、うどんと雑炊を両方少量ずつ用意して選べるようにするのも、パーティーらしい演出になると思いますよ。

調理師
調理師

ご飯とうどんは冷凍で常備しておくと、参加者の意見を聞いてから準備できるのでオススメ。レンジで解凍してすぐに使えるので便利です

プロが教える|しゃぶしゃぶを一番おいしく食べるコツ

だしは沸騰させない(80〜90度・アク取り)

だしは沸騰させない(80〜90度・アク取り)
だしは沸騰させないのがコツ。鍋肌がフツフツしているくらいが目安です

だしは沸騰させないのが鉄則です。80〜90度、鍋肌に小さな泡がふつふつと立つ程度の温度をキープしてください。

だしをぐらぐら沸騰させてしまうと、肉のたんぱく質が急激に硬くなり、食感が悪くなってしまいます。さらにアクも一緒に煮立ってしまい、だし全体が濁って味も落ちてしまうんですよね。

現場でも、火加減を強くしすぎて肉が硬くなってしまう場面はよく見かけます。アクはこまめに網ですくい取りながら、鍋肌が静かにふつふつする程度の火加減を保つよう心がけてみてください

肉は3〜5秒で引き上げる

肉を入れる時間は3〜5秒が目安です。菜箸で1枚ずつ持ち、だしの中で軽く振るようにくぐらせるのが基本のやり方になります。

肉の色が赤からピンク色に変わった瞬間が、引き上げるベストタイミングです。「しっかり火を通したほうが安心」と長く入れてしまう方もいますが、それでは肉が硬く縮んでしまい、しゃぶしゃぶ本来の柔らかさが台無しになってしまいます。

調理師
調理師

薄切り肉は火の通りが驚くほど早いので、「早すぎるかな」と思うくらいのタイミングで引き上げるくらいがちょうどいいですよ。

最初の1〜2枚は肉だけで味わう

パーティーで肉を主役にしたいなら、最初の1〜2枚は具材を入れずに、肉だけをだしにくぐらせて味わう演出がおすすめです。

野菜やきのこの旨味が溶け出す前のだしで肉だけを食べると、素材そのものの味や香りをダイレクトに楽しめます。タレをつけずに、まずは肉だけで一口、という食べ方も良いですね。

「最初からタレをたっぷりつけて食べたい」という気持ちも分かりますが、この一手間を加えるだけで、パーティーの始まりに特別感が生まれます。ゲストへのちょっとした演出として、ぜひ取り入れてみてください。

しゃぶしゃぶパーティーのよくある質問

Q
大人4人子供2人だと肉は何グラム必要?
A

先ほどの「10〜15%多め」の項目では、わかりやすく合計1,400gを例に挙げましたが、ここでは表の数値をもとに正確に計算してみましょう。大人4人(250〜300g×4人)で1,000〜1,200g、子供2人(80〜120g×2人)で160〜240g、合計すると1,160〜1,440gが基本量になります。

ここに10〜15%のマージンを足すと、1,280〜1,660g程度を目安に仕入れておくと安心です。参加メンバーの年齢層や食欲によって前後するので、あくまで出発点として考えてみてください。

Q
安いしゃぶしゃぶ肉と高い肉は何が違う?
A

大きな違いは、部位・厚みの均一さ・サシの入り方、そして産地やブランド名の表記に表れます。詳しくは先ほどの「恥をかかないしゃぶしゃぶ肉の選び方」の章で解説した通りです。

価格が上がるほど、脂の融点が低く口どけが良い部位や、きめ細かいサシの肉が使われている傾向があります。予算と相談しながら、パーティーの目的に合わせて選ぶのが現実的だと思います。

Q
肉は冷凍と冷蔵どちらを買うべき?
A

急速冷凍された小分けタイプのしゃぶしゃぶ肉であれば、冷凍でも品質はしっかり保たれているので、どちらを選んでも大きな差はありません。

冷凍便で届いた場合の解凍タイミングは、先ほどの段取りの章で触れた通り、前日の夜のうちに冷蔵庫に移してゆっくり自然解凍しておくのがおすすめです。解凍後にドリップ(肉から出る赤い水分)が多く出ている場合は、鮮度が落ちているサインなので注意して見てあげてください。

Q
前日に準備できるものは?
A

前述の段取りの章でも触れた通り、だし・タレ・野菜の買い出し、器や卓上コンロのセットは前日のうちに済ませておけます。野菜のカットは、変色を防ぐためにも当日にまとめて行うのがおすすめです。肉の仕入れと盛り付けも当日に回すのが鉄則なので、これらを意識しておけば当日バタバタする心配はぐっと減るはずです。

【まとめ】

しゃぶしゃぶパーティー成功のカギは「量・質・段取り」の3つです。人数別の量を10〜15%多めに見積もり、松阪牛・近江牛・米沢牛から目的に合ったブランド和牛を選べば、特別感のある一皿になります。前日と当日の準備を分けて、当日は肉だけに集中しましょう。

この記事で紹介した松阪牛・近江牛・米沢牛のしゃぶしゃぶお取り寄せは、こちらからチェックしてみてください。

調理師プロフィール画像
この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)
和食の世界で25年以上。旬の食材や家庭でできる調理のコツを、やさしく、わかりやすくお届けしています。料理がもっと楽しく、おいしくなるきっかけになれば嬉しいです。
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