※本記事には広告が表示されます。
ビタミンKとは?その特徴と働き

ビタミンKの特徴
ビタミンKは脂溶性ビタミン(脂に溶けやすいビタミン)の一つで、食品から摂取できるほか、腸内の細菌によって体内でも合成されます。
ビタミンKにはいくつかの種類がありますが、栄養学的に特に重要とされているのは以下の2つです。
- ビタミンK1(フィロキノン):主に植物性食品(葉物野菜、豆類、海藻など)に含まれます。
- ビタミンK2(メナキノン類):発酵食品や動物性食品(納豆、チーズ、レバーなど)に多く含まれます。
新生児は腸内環境が整っていないため、ビタミンKの産生が十分ではないといわれています。そのため、医療現場では出生直後の赤ちゃんに対してビタミンKの摂取を行う場合もあります。
出典:厚生労働省「ビタミン(脂溶性ビタミン)」より
ビタミンKの主な働き
ビタミンKは以下のような働きに関与しています:
血管の健康維持に関与
一部の研究では、ビタミンKが血管の石灰化や健康維持に役立つ可能性が示されています。
血液の凝固に関与
出血したときに血を固めるために必要なタンパク質の生成をサポートします。
骨の健康をサポート
骨にカルシウムが沈着するのを助ける働きに関与しているとされています。
種類別|ビタミンKの含有量|トップ10
野菜類|ビタミンK|含有量ランキング

ビタミンKは葉物野菜に多く含まれており、特に青菜類(モロヘイヤ、春菊、ほうれん草など)が豊富なことで知られています。生よりも加熱した状態や乾燥品の方が含有量が高くなる傾向があります。
この一覧では、100gあたりの含有量が多い野菜をランキング形式で掲載しています。
| 食品 | 100g当たりの含有量 |
|---|---|
| パセリ(生) | 850 ㎍ |
| 紫蘇(生) | 690 ㎍ |
| ほうれん草(油いため) | 510 ㎍ |
| 明日葉(生) | 500 ㎍ |
| ほうれん草(茹で) | 480 ㎍ |
| 春菊(茹で) | 460 ㎍ |
| モロヘイヤ(茹で) | 450 ㎍ |
| バジル(生) | 440 ㎍ |
| ブロッコリー(焼き) | 380 ㎍ |
| かぶの葉(ゆで) | 370 ㎍ |
藻類|ビタミンK|含有量ランキング

藻類にもビタミンKが多く含まれるものがあり、特にあおさや青のりなどの乾燥品に多く見られますが、これらは乾燥状態での含有量で現実的ではないので除外しています。
| 食品 | 100g当たりの含有量 |
|---|---|
| 味付け海苔 | 650 ㎍ |
| 焼きのり | 390 ㎍ |
| 昆布の佃煮 | 310 ㎍ |
| 生わかめ | 140 ㎍ |
| 乾燥わかめ(水戻し) | 110 ㎍ |
| 塩蔵わかめ(塩抜き) | 110 ㎍ |
| 刻み昆布 | 91 ㎍ |
| 塩昆布 | 74 ㎍ |
| ひじき(油いため) | 43 ㎍ |
| めかぶわかめ(生) | 40 ㎍ |
豆類|ビタミンK|含有量ランキング

豆類は、特に納豆に代表される発酵食品での含有量が高いことで知られています。ビタミンK2(メナキノン類)は発酵過程で生成されるため、加工の仕方によって含有量が大きく異なります。
| 食品 | 100g当たりの含有量 |
|---|---|
| ひきわり納豆 | 930 ㎍ |
| 油揚げ(焼き) | 65 ㎍ |
| がんもどき | 43 ㎍ |
| そらまめ(フライビーンズ) | 38 ㎍ |
| 炒り大豆 | 38 ㎍ |
| 炒り黒大豆 | 32 ㎍ |
| グリンピース(揚げ豆) | 24 ㎍ |
| ひよこまめ(フライ) | 23 ㎍ |
| 湯葉(生) | 22 ㎍ |
| 青大豆(茹で) | 18 ㎍ |
嗜好飲料類|ビタミンK|含有量ランキング

意外に思われるかもしれませんが、お茶類(特に抹茶)にもビタミンKが多く含まれています。特に粉末の抹茶は茶葉をまるごと摂取するため、含有量が高くなります。
| 食品 | 100g当たりの含有量 |
|---|---|
| 玉露(茶) | 4000 ㎍ |
| 抹茶(茶) | 2900 ㎍ |
| 紅茶 | 1500 ㎍ |
| 青汁 | 1500 ㎍ |
| 煎茶 | 1400 ㎍ |
| 昆布茶 | 13 ㎍ |
ビタミンKの食事摂取基準|年齢・性別別の必要量を解説!
ビタミンKは体内でも一部合成される栄養素ですが、健康的な食生活を送るためには食品からの摂取も大切です。
厚生労働省の『日本人の食事摂取基準(2020年版)』では、**「目安量(AI)」**という形でビタミンKの摂取目安が設定されています。これは、現在の科学的根拠では「推奨量(RDA)」を算定するには不十分であるが、健康な人々の摂取量の実態などから適当と考えられる量を示したものです。
以下は、年齢・性別ごとの1日あたりのビタミンKの目安量(μg)です。

この表を目安に、ビタミンKを多く含む食品をうまく食生活に取り入れることがポイントです。
ただし、個々の体調や医療的な判断が必要な場合は、専門家に相談するようにしましょう。
ビタミンKの英語表記

ビタミンKは英語で Vitamin K(ビタミン・ケイ) と表記されます。
食品の栄養表示や海外の文献、サプリメントの成分表などでは以下のような表現が使われることがあります。
一般的な英語表記
- Vitamin K(ビタミンK:総称)
- Vitamin K1(ビタミンK1)=Phylloquinone(フィロキノン)
- Vitamin K2(ビタミンK2)=Menaquinone(メナキノン)
略語表記
- Vit. K
- K1 / K2(それぞれの型の簡略表記)
表示例(パッケージや成分ラベルで見かける場合)
- “Contains Vitamin K1 (Phylloquinone)”
- “100μg of Vitamin K2 (Menaquinone-7)”
ビタミンKは脂溶性ビタミン(fat-soluble vitamin)に分類されます。
英語圏の資料では、「blood clotting(血液凝固)」や「bone metabolism(骨代謝)」などの関連語と一緒に記載されることが多いのが特徴です。
ビタミンKについてまとめ
- ビタミンKは脂溶性ビタミンで、血液の凝固や骨の健康に関与している栄養素です。
- 主に ビタミンK1(植物性) と ビタミンK2(発酵食品・動物性) の2種類があります。
- 葉物野菜、海藻類、納豆、抹茶などに多く含まれています。
- 日本人の食生活では不足しにくいとされていますが、健康的な食生活を保つためには摂取源を意識することが大切です。
- 英語では Vitamin K と表記され、K1(Phylloquinone)、K2(Menaquinone)などの名前で使われます。
- 抹茶や納豆などの日本ならではの食品がビタミンKを豊富に含んでおり、日常の食事に取り入れやすいのが特徴です。
関連記事
35種類の栄養素一覧表|五大栄養素&ファイトニュートリエントを解説

