ほうれんそう(菠薐草/ほうれん草)の旬・栄養・選び方|調理師が教える使い方と保存法も解説

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ほうれんそう
 

菠薐草(ほうれんそう)の漢字・英語表記・読み方

発音記号:[ˈspɪnɪtʃ]
漢字表記:菠薐草
別表記:赤根草(あかねそう)とも呼ばれることがあります
ひらがな:ほうれんそう
英語表記:Spinach(スピニッチ)

 

ほうれん草の旬

ほうれんそうの旬は11月~2月頃の冬です。
寒さにさらされることで糖度が増し、甘くてやわらかい「冬ほうれん草」が出回ります。特に霜が降りる地域で育ったものは、葉が厚く、栄養も豊富です。

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現役和食調理師のヒント

冬のほうれん草はおひたしやごまあえにすると甘みが引き立ちます
反対に、夏のものは苦味が出やすいため、下茹でをしっかり行い、炒め物や味の濃い煮物に使うのがおすすめです。

 

ほうれんそうとは?

ほうれんそう(菠薐草)は、アカザ科ホウレンソウ属の緑黄色野菜です。
独特の緑色とクセの少ない味わいが特徴で、おひたし・炒め物・汁物など幅広く使える万能野菜として親しまれています。


📜 原産地と名前の由来

ほうれんそうは西アジア(現在のイラン)原産。中国を経由して日本に伝わりました。
「菠薐草(ほうれんそう)」という漢字は、当時のペルシャを指す「菠薐国」から来たものとされています。


🧊 日本での栽培

日本では、寒さに強い「東洋種」と、葉が丸くて肉厚な「西洋種」、それらの特徴をあわせた「交配種」が栽培されています。
現在市場に多く出回っているのは、この交配種が主流です。

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ほうれんそうはアク(シュウ酸)が強いため、下茹でが基本
サッと茹でたあとに冷水にとってアクを抜くことで、エグみを抑え、色も鮮やかに仕上がります

 

ほうれんそうの選び方

新鮮でおいしいほうれんそうを選ぶための3つのポイント

🌿 葉の色とハリ

  • 鮮やかな濃い緑色で、ツヤがあるものが良品。
  • 葉がしおれていたり、黄ばんでいるものは鮮度が落ちているので避けましょう。

🌱 茎が太く、根元がしっかりしている

  • 茎が太くて短いものほど甘みがあり、やわらかい傾向があります。
  • 根元の赤みがしっかりあるものは栄養(ミネラル)も豊富です。

🥬 葉が広がりすぎていない

  • 葉がピンと立ち、株全体がコンパクトにまとまっているものを選びましょう。
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調理の現場では、茎が細すぎると火加減が難しく、根元が固いと火が通りにくいため、「茎が太めで根元が赤くて柔らかそうなもの」がプロのおすすめです。

 

相性が良い食べ合わせ

ほうれんそうはクセが少なく、さまざまな食材と相性の良い万能野菜です。
特におすすめの組み合わせをご紹介します。

🥚 たまご

  • ビタミンCと鉄分を含むほうれんそうに、たんぱく質豊富な卵を組み合わせると、栄養バランスが◎。
  • 例:炒め物、オムレツ、グラタンなど

🥓 ベーコン・ウィンナー

  • 脂と旨みの強い肉類と組み合わせると、ほうれんそうの青臭さがやわらぎ、食べやすさUP。
  • 例:バター炒め、パスタ、キッシュ

🧀 チーズ・牛乳

  • カルシウムと脂質を補い、洋風アレンジにぴったり。
  • 例:クリーム煮、グラタン、キッシュ

🥔 根菜類(じゃがいも・にんじん)

  • 食感と彩りのバランスがよく、栄養価も高まります。
  • 例:白和え、サラダ、味噌汁
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炒め物にする場合は、ベーコンやウィンナーの脂を活用して炒めると、風味が引き立ちます。おひたしや和え物では、少量のかつお節や白ごまを加えると旨みとコクがアップ

 

ほうれんそうの保存方法

ほうれんそうは葉物野菜のため、鮮度が落ちやすい野菜です。
保存方法を工夫して、風味と栄養をしっかりキープしましょう。


🟢 冷蔵保存(生のまま)

  • 根元を湿らせたキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて立てて保存します。
  • 冷蔵庫の野菜室で立てて保存すると、しおれにくくなります。
    保存期間の目安:2~3日以内

❄ 冷凍保存(下ゆでしてから)

  1. さっと下ゆで(塩を少々入れた熱湯で約30秒〜1分)
  2. 冷水にとって冷やし、水気をしっかり絞る
  3. 食べやすくカットしてラップで小分けし、冷凍用保存袋へ

調理時は凍ったまま使えるので、お弁当や炒め物にも便利です。
保存期間の目安:約1か月

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葉がしなびていても、冷水に10分ほど浸けるとシャキッと復活します

 

ほうれん草の品種

  • ちぢみほうれん草
  • サラダほうれん草
  • 赤茎ほうれん草
  • 山形赤根ほうれん草
 

ほうれんそうの栄養素(食品成分表)

ほうれんそう(通年平均)

栄養素油炒め茹で単位
廃棄率05%
エネルギー9123
水分82.091.5g
タンパク質3.82.6g
脂質8.10.5g
食物繊維(総量)4.63.6g
炭水化物4.44.0g
ナトリウム1310
カリウム530490
カルシウム8869
マグネシウム5240
リン5443
1.20.9
亜鉛0.80.7
0.150.11
マンガン0.200.33
ヨウ素1
セレン3
クロム1
モリブデン4
ビタミンA(レチノール)
ビタミンA(β-カロテン)76005400
ビタミンD
ビタミンE(トコフェロールα)4.82.6
ビタミンK510320
ビタミンB10.080.05
ビタミンB20.160.11
ナイアシン0.50.3
ビタミンB60.090.08
ビタミンB12
葉酸140110
パントテン酸0.200.13
ビオチン3.2
ビタミンC2119
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」

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→ 厚生労働省の最新版をもとに、年齢・性別ごとの1日の推奨摂取量を一覧表にまとめています。

 

 

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このページを書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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