蕗の薹(ふきのとう)の旬|おいしい時期
ふきのとう
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ふきのとうは早いもので12月下旬から出回ります
地域によって差はありますが、積雪が解け始める頃、土の中から顔を出し始める姿は春の訪れを告げる風物詩でもあります。
特に3月に入ると全国的に多く出回り、天ぷらやふき味噌などで独特のほろ苦さと香りを楽しめます。露地物の天然ふきのとうは短い期間しか出回らないため、見かけたら早めに購入して旬の味を堪能しましょう。
ふきのとうとは|解説

- ふきのとう(蕗の薹)は、キク科フキ属の多年草「フキ(蕗)」の花のつぼみです。
- 春を告げる山菜で知られ、爽やかな苦みが特徴
- ほろ苦い風味でアクが強い
- 地面から顔を出す姿から春を感じさせる
- 鮮度が重要で収穫してからの時間と共にあくが強くなり苦みやえぐみが増える
- 育成中の花茎なので栄養が豊富です
- 食材としてのふきのとうは、天ぷら・ふき味噌・おひたしなどに利用されることが多く、その苦味は春の味覚として人気があります。

現役和食調理師のヒント
ふきのとうは鮮度が命です。摘みたては香りが強く、火を通すと一気に春らしい風味が広がります。
ふきのとうの選び方
茎が短めで太いもの
茎が長いと育ちすぎのサイン。小ぶりでも丸みがあるものの方が、やわらかく香りも良いです。
つぼみがしっかり閉じているもの
開きすぎると苦味が強くなり、香りも落ちやすくなります。つぼみの形がふっくらとして、まだ閉じているものが新鮮です。
緑が鮮やかで、変色していないもの
茶色や黒ずみがあるものは収穫から時間が経っている可能性があります。全体にみずみずしく、鮮やかな緑色のものを選びましょう。

現役和食調理師のヒント
料理用途によって選び方を変えるのもアリです
天ぷら → 小ぶりで固めのつぼみ
ふき味噌 → 少し開いた柔らかめのもの
ふきのとうの保存方法
冷蔵保存(2〜3日以内に使う場合)
- 新聞紙またはキッチンペーパーで包む
- ポリ袋または保存容器に入れ、冷蔵庫の野菜室へ
乾燥と低温障害を防ぐため、直接冷気が当たらないように包むのがコツです。
できるだけ早く使うのが理想で、日にちが経つほど苦味が強くなり、香りも落ちていきます。
冷凍保存(風味はやや落ちる)
- 軽く茹でて(30秒ほど)、冷水にとる
- 水気をしっかりと拭き取る
- 小分けにしてラップし、保存袋に入れて冷凍(目安:1ヶ月)
※ただし、香りや歯ごたえは損なわれやすいため、ふき味噌や炒め物など、風味重視でない料理に使うのがおすすめです。

現役和食調理師のヒント
ふきのとうはとにかく鮮度が勝負。収穫した当日に使うのが一番香り高く、天ぷらやおひたしに最適です。
ふきのとうと相性の良い食材
■ 相性の良い食材一覧
| 食材 | 組み合わせ例 | 解説 |
|---|---|---|
| 味噌 | ふき味噌 | 苦味と甘じょっぱさが調和。春の定番の一品に。 |
| 卵 | 卵焼き かき揚げ | 卵のまろやかさが苦味を包み、子どもでも食べやすい。 |
| 山菜類 (たらの芽、こごみ等) | 天ぷら盛り合わせ | 春の香りを楽しむ組み合わせ。食感と風味にメリハリあり。 |
| 油揚げ・厚揚げ | 炒め物 味噌炒め | 油のコクがふきのとうの苦味を和らげ、旨味が増す。 |
| 白身魚 (鱈・スズキなど) | ホイル焼き ソテー | 淡白な味わいに春の香りがアクセント。 |
| ごはん | ふき味噌のせ 混ぜご飯 | ごはんの甘みとふきのとうの風味が絶妙にマッチ。 |

現役和食調理師のヒント
ふきのとうは苦味が特徴なので、「油・卵・味噌」など、コクやまろやかさのある素材と合わせるのが基本です。
ふきのとうの栄養素|食品成分表
ふきのとう(ゆで)
可食部100g当たり
| 栄養素 | 茹で | 単位 |
|---|---|---|
| 廃棄率 | 0 | % |
| エネルギー | 31 | ㎉ |
| 水分 | 89.2 | g |
| タンパク質 | 2.5 | g |
| 脂質 | 0.1 | g |
| 食物繊維(総量) | 4.2 | g |
| 炭水化物 | 7.0 | g |
| ナトリウム | 3 | ㎎ |
| カリウム | 440 | ㎎ |
| カルシウム | 46 | ㎎ |
| マグネシウム | 33 | ㎎ |
| リン | 54 | ㎎ |
| 鉄 | 0.7 | ㎎ |
| 亜鉛 | 0.5 | ㎎ |
| 銅 | 0.20 | ㎎ |
| マンガン | 0.17 | ㎎ |
| ヨウ素 | – | ㎍ |
| セレン | – | ㎍ |
| クロム | – | ㎍ |
| モリブデン | – | ㎍ |
| ビタミンA(レチノール) | – | ㎍ |
| ビタミンA(β-カロテン) | 260 | ㎍ |
| ビタミンD | – | ㎍ |
| ビタミンE(トコフェロールα) | 2.4 | ㎎ |
| ビタミンK | 69 | ㎍ |
| ビタミンB1 | 0.06 | ㎎ |
| ビタミンB2 | 0.08 | ㎎ |
| ナイアシン | 0.5 | ㎎ |
| ビタミンB6 | 0.07 | ㎎ |
| ビタミンB12 | – | ㎍ |
| 葉酸 | 83 | ㎍ |
| パントテン酸 | 0.24 | ㎎ |
| ビオチン | – | ㎍ |
| ビタミンC | 3 | ㎎ |
・ふきのとうの苦味はポリフェノール由来。茹でてから水にさらすことでえぐみを和らげつつ、香りを残す。
・ビタミンCは少なめ(3mg)なので、他の春野菜と組み合わせる献立が理想。
・β-カロテンとビタミンEの吸収を高めたい場合は、油味噌や天ぷらにすると効率的。
・アク抜き後の再加熱で香りが飛びやすいため、短時間調理を心がける。
蕗の薹の英語・漢字表記

カタカナ表記:バターバー・スケイプ
漢字表記:蕗の薹
ひらがな:ふきのとう
英語表記:Butterbur scape
発音記号:/ˈbʌtərˌbɜːr skeɪp/
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