きくらげの戻し方と下ごしらえ
きくらげは「乾燥」と「生」で扱い方が違います。とくに乾燥きくらげは戻し方でつまずく人が多い食材です。ここでは、失敗しない戻し方と下ごしらえを、調理師の視点で解説します。
乾燥きくらげの戻し方(基本は水戻し)

いちばんおすすめなのは、時間をかけた水戻しです。ふっくらと均一に戻り、コリコリした食感が活きます。
手順
- ボウルに乾燥きくらげを入れ、たっぷりの水を注ぐ
- 冷蔵庫に入れ、数時間〜一晩かけてゆっくり戻す
- きくらげ全体が水に浸かるよう、落としラップやキッチンペーパーで軽く押さえると、戻りムラを防げます

注意したいのは膨らむ量です。 乾燥きくらげは、戻すと約7倍の大きさにふくらみます。使いたい量より、かなり少なめの乾燥状態から戻すのがコツです。5gも戻せば、料理には十分な量になります。
急ぐときの早戻し(ぬるま湯・電子レンジ)
「今すぐ使いたい」ときは、次の方法で時短できます。
ぬるま湯で戻す
38度前後のぬるま湯に浸けると、15〜30分ほどで戻ります。ひとつまみの砂糖を加えると、戻りが早まると言われています。
電子レンジで戻す
耐熱容器に乾燥きくらげとかぶるくらいの水を入れ、600Wで1分ほど加熱。足りなければ様子を見ながら追加します。いちばん急ぐときの方法です。

早戻しは便利ですが、じっくり水戻ししたものに比べると、食感がやや柔らかくなりがちです。コリコリ感を最大に楽しみたいなら、前の晩に冷蔵庫で水戻ししておくのが一番です。
生きくらげの下ごしらえ

生きくらげは戻す必要がなく、乾燥にはないぷるぷる・肉厚の食感が魅力です。ただし、下ごしらえと加熱が欠かせません。
- 石づき(根元の固い部分)があれば切り落とす
- 流水でよく洗い、汚れを落とす
- 食べやすい大きさに切る

必ず加熱してから食べてください。 きくらげは生でも乾燥でも、加熱調理が基本です。炒め物やスープに使うなら、他の食材と一緒にしっかり火を通せば問題ありません。和え物など、そのまま使いたい場合は、さっと湯通し(30秒〜1分ほど茹でる)してから使うと安心です。
戻し方でつまずかないための要点

- 乾燥は約7倍にふくらむので、戻す量は少なめに
- ふっくら戻すなら冷蔵庫で水戻し、急ぐならぬるま湯・レンジ
- 生きくらげは戻し不要だが、必ず加熱する
- 戻しすぎたら、水気を切って冷蔵で数日・冷凍で1か月ほど保存できる
下ごしらえさえ押さえれば、きくらげは和・洋・中どんな料理にも使える便利な食材です。
ラーメンの具としてのきくらげ
とんこつラーメンに黒いコリコリした細切りが乗っているのを見たことはありませんか。あれがきくらげです。とくに博多とんこつラーメンの定番の具として知られ、「ラーメンのあの食感を家でも出したい」という方に向けて、調理師の視点で解説します。
なぜラーメンにきくらげが合うのか

ラーメンにきくらげが使われるのには理由があります。とんこつのような濃厚でこってりしたスープは、それだけだと口の中が単調になりがちです。そこにコリコリした歯ごたえのきくらげが入ると、食感にアクセントが生まれ、最後まで飽きずに食べ進められます。
きくらげ自体はクセのない淡白な味なので、スープの邪魔をしません。味ではなく「食感」で完成度を上げる、名脇役のような具材です。
家でラーメンにきくらげをのせる方法
家庭のラーメンに加えるのはとても簡単です。
乾燥きくらげを使う場合
前もって水で戻し(前項の戻し方を参照)、細切りにしておきます。スープに入れて軽く煮るか、茹でた麺の上にのせるだけです。
生きくらげを使う場合
石づきを取って洗い、細切りにして、さっと火を通してからのせます。
味付けをするなら
ごま油・醤油・少量の鶏がらスープの素で細切りきくらげを軽く炒めておくと、より本格的な味になります。市販のインスタントラーメンや袋麺に、このひと手間を加えるだけで、お店のような一杯に近づきます。

きくらげは細切りにするほど、ラーメンの麺やスープとなじみます。市販の「味付けきくらげ」や「ラー油きくらげ」を少量トッピングするのも手軽ですが、自分で戻したきくらげを細切りにして加えるほうが、コリコリ感が際立って美味しく仕上がります。
とんこつはもちろん、醤油ラーメンや味噌ラーメン、担々麺にもよく合います。食感が物足りないと感じるラーメンに、ぜひ加えてみてください。
きくらげの旬~おいしい時期~
きくらげの旬は6月から9月ごろ
| ① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | ⑦ | ⑧ | ⑨ | ⑩ | ⑪ | ⑫ |
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旬カレンダー(1月〜12月)
※色が付いている月が旬の目安です。
買い物前に“今月の旬”を確認しておくと、季節感のある献立が作りやすくなります。6月の旬の野菜と果物【一覧表】はこちらです▶6月の旬の野菜と果物【一覧表】
きくらげとは?~解説~

- キノコの一種で、コリコリとした独特の食感が特徴
- 名前の由来は、見た目が「木に生える耳」のように見えることから
- 主にクワやニワトコなどの広葉樹の朽木に発生する
- 黒きくらげと白きくらげに大別される(食用で一般的なのは黒きくらげ)
- 日本では国産きくらげの流通も増えており、乾燥品・生の両方がある
- 炒め物、中華料理、スープ、卵料理、和え物など幅広い料理に使われる
- 加熱しても食感が失われにくく、料理に歯ごたえを加える食材として重宝されている
- 乾燥きくらげは戻すと数倍に膨らみ、保存性にも優れる繊維が豊富
きくらげの栄養
- 食物繊維を含むきのこのひとつ
- 鉄、カリウム、カルシウムなどのミネラル類を含んでいる
- ビタミンDを含む食材のひとつで、特に乾燥きくらげは含有量が多いとされている
- ビタミンB群(B1、B2、ナイアシン)も含まれている
- エネルギーは100gあたり約13kcal(生)と非常に低カロリー
- 水分が多く、乾燥品と生では栄養価が大きく異なる場合がある
おすすめの食べ合わせ
- きくらげ × 卵 × 豚肉:中華風炒め物、天津飯の具材に
- きくらげ × たけのこ × ピーマン:八宝菜や中華炒めに
- きくらげ × キャベツ × 春雨:春雨サラダやスープに
- きくらげ × 卵 × もやし:和風だしスープや味噌汁の具材にも◎
きくらげの保存方法
きくらげは「乾燥」「生」「戻したもの」で、保存の仕方と日持ちが変わります。それぞれのポイントを押さえておけば、無駄なく使い切れます。
乾燥きくらげの保存

乾燥きくらげは、常温で長期保存できるのが最大の利点です。直射日光と湿気を避け、密閉できる袋や容器に入れて保管します。湿気を吸うとカビや風味落ちの原因になるので、開封後は乾燥剤と一緒に入れておくと安心です。保存期間の目安は、パッケージの賞味期限に従えば、半年〜1年ほど日持ちします。
生きくらげの保存

生きくらげは日持ちしないので、早めに使い切るのが基本です。
冷蔵
水気を拭き取り、ビニール袋や保存容器に入れて冷蔵庫へ。目安は2〜3日ほどです。
冷凍
使い切れないときは冷凍がおすすめです。よく洗って水気を切り、食べやすい大きさに切ってから、重ならないように保存袋に入れて空気を抜いて冷凍します。凍ったまま炒め物やスープに使え、1か月ほど保存できます。
戻したきくらげの保存

乾燥きくらげを戻しすぎてしまったときも、捨てる必要はありません。
冷蔵
水気をしっかり切り、キッチンペーパーで包んで保存容器に入れれば、冷蔵で数日ほど保存できます。
冷凍
小分けにして保存袋に入れれば、冷凍で1か月ほど。凍ったまま調理に使えて便利です。

生・戻したきくらげは、冷凍しておくと「あと一品」というときにすぐ使えて重宝します。凍ったまま料理に加えれば水っぽくなりにくく、食感も残りやすいので、まとめて戻して冷凍しておくのがおすすめです。
主な品種群
- アラゲきくらげ
- シロきくらげ
- ヒメきくらげ
- タマきくらげ
きくらげを使った料理

- 中華風炒め物
- トマトとキクラゲの炒め物
- キクラゲのサラダ
- ラーメンの具材に
きくらげの栄養素(食品成分表)
きくらげ(ゆで)
| 栄養素 | 木耳 | 白木耳 | 単位 |
|---|---|---|---|
| 廃棄率 | 0 | 0 | % |
| エネルギー | 14 | 15 | ㎉ |
| 水分 | 93.8 | 92.6 | g |
| タンパク質 | 0.6 | 0.4 | g |
| 脂質 | 0.2 | – | g |
| 食物繊維(総量) | 5.2 | 6.4 | g |
| 炭水化物 | 5.2 | 6.7 | g |
| ナトリウム | 9 | 2 | ㎎ |
| カリウム | 37 | 79 | ㎎ |
| カルシウム | 25 | 27 | ㎎ |
| マグネシウム | 27 | 8 | ㎎ |
| リン | 10 | 11 | ㎎ |
| 鉄 | 0.7 | 0.2 | ㎎ |
| 亜鉛 | 0.2 | 0.3 | ㎎ |
| 銅 | 0.03 | 0.01 | ㎎ |
| マンガン | 0.53 | 0.01 | ㎎ |
| ヨウ素 | – | – | ㎍ |
| セレン | – | – | ㎍ |
| クロム | 2 | – | ㎍ |
| モリブデン | – | – | ㎍ |
| ビタミンA(レチノール) | – | – | ㎍ |
| ビタミンA(β-カロテン) | – | – | ㎍ |
| ビタミンD | 8.8 | 1.2 | ㎍ |
| ビタミンE(トコフェロールα) | – | – | ㎎ |
| ビタミンK | – | – | ㎍ |
| ビタミンB1 | 0.01 | – | ㎎ |
| ビタミンB2 | 0.06 | 0.05 | ㎎ |
| ナイアシン | – | – | ㎎ |
| ビタミンB6 | 0.01 | 0.01 | ㎎ |
| ビタミンB12 | – | – | ㎍ |
| 葉酸 | 2 | 1 | ㎍ |
| パントテン酸 | – | 0 | ㎎ |
| ビオチン | 1.3 | 4.4 | ㎍ |
| ビタミンC | – | – | ㎎ |