百合根(ゆりね)の英語表記は?Lily bulbの意味と発音・食材としての魅力も紹介

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百合根の旬 ~おいしい時期~

百合根

 

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百合根(ゆりね)の旬は 11月〜1月 にかけてです。
寒さが増す冬にかけて、ホクホクとした食感と上品な甘みが引き立ち、最も美味しくなります。
特に、年末年始の「おせち料理」や「茶碗蒸し」に使われることが多く、和食では冬の高級食材として重宝されています。

現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

百合根は鮮度が命。葉のつけ根(鱗片)がしっかりしていて、白く艶やかなものが美味しい証拠です。

百合根とは ~解説~

百合根

百合根(ゆりね)は、ユリ科ユリ属の植物の鱗茎(りんけい)と呼ばれる球根部分を食用にしたもので、主に「オニユリ」や「コオニユリ」の根が利用されます。
1個の百合根は、20枚前後の白くて肉厚な
鱗片(りんぺん)が重なってできており、ほのかな甘みと、ホクホクとした独特の食感が特徴です。

その繊細で上品な味わいは、加熱することでさらに甘みが引き立ち、まるで栗やじゃがいものようなホクホク感を楽しめます。味にクセが少なく、和食はもちろん洋食や中華にも活用できる万能食材です。

百合根の文化的背景

日本では古くからおせち料理や茶懐石などに欠かせない高級食材とされ、花のように広がる姿から「繁栄」や「純粋さ」の象徴としても扱われてきました。
百合根は鱗片が重なっていることから、「子孫が繁栄する」「年を重ねる(長生きする)」という意味をもつ縁起物でもあります

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ほんのりとした自然な甘みと、ホクホク感の中にあるねっとりとした粘りは、一口食べれば忘れられない食感があります。

百合根の保存方法|鮮度と風味を保つ賢い保存術

百合根は乾燥・湿気・傷み・温度変化に弱く、鮮度管理が重要。調理師としての経験も交え、具体的な保存方法をご紹介します。

🧊 冷蔵での長期熟成(おすすめ)

  1. おがくず入りなら、そのまま冷蔵庫へ
    おがくずパック入りは、そのまま野菜室で保存できます。
    2〜3ヶ月程度鮮度を保てます
  2. おがくずなしの場合
    新聞紙やキッチンペーパーに包んでから、ポリ袋に入れて野菜室へ。
    1〜2週間程度は鮮度が維持可能

❄️ 冷凍保存でストック可能
保存期間の目安:約1ヶ月
下ゆで(固め)後に冷凍するのがおすすめ
生のまま冷凍も可能ですが、シャキ感と粘り気がやや失われます

✅ まとめ

保存方法下処理保存期間の目安味の変化と注意点
冷蔵
おがくずあり
包装のままおがくずごと2〜3ヶ月風味も香りも安定
冷蔵
包み保存
新聞紙・ポリ袋に包む1〜2週間水分が抜けないよう密封重視
冷凍保存下ゆでして小分け冷凍約1ヶ月食感や粘りが少し変化
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調理現場では鮮度が重要なため、まずは冷蔵で鮮度管理し、すぐ使わない分は下処理後に冷凍という使い分けが基本です。

百合根の品種群|代表的な食用ユリを紹介

百合根は主にオニユリ(L. lancifolium)やロングフローラユリ(L. longiflorum)など、いくつかのユリ属が食用として栽培されています。以下に、判別しやすい代表品種をご紹介します。

品種・種族特徴
L. longiflorum
(ロングフローラユリ)
球根が大きめで、百合根として出回る代表的な品種。上品な甘みとほくほく感があり、茶碗蒸しや煮物に向く。
L. lancifolium
(オニユリ)
鱗片がやや厚く、甘みとほのかな苦みが共存。中国や日本各地で伝統的に食用にされている。
L. brownii var. viridulum
(中国百合、白合百合)
米中で食用され、球根が大きく苦みが少ない。中国でもポピュラーな食用品種。
その他の食用品種食用にされる野生種には L. pumilum(山丹)や L. davidii(蘭州百合)などがあるが、日本で市販される百合根は主に上記の3種が中心。

百合根と相性の良い食材

ほくほくとした食感とほんのりとした甘みが特徴の百合根は、淡泊で繊細な風味を活かすような食材とよく合います。和食を中心に、以下のような食材との組み合わせが特におすすめです。

相性の良い主な食材

食材名相性ポイント

豆腐
湯葉
百合根のなめらかさと卵のコクが調和。茶碗蒸しや白和えに◎
里芋
長芋
さつまいも
同じくほくほく食感で優しい味わいに。炊き合わせや煮物に
しいたけ
しめじ
舞茸
うま味を加えて百合根の甘みを引き立てる。土瓶蒸しや炊き込みご飯にも
菜の花
小松菜
絹さや
色のコントラストと食感に変化が出て、お吸い物や和え物に映える
白身魚
海老
帆立
やさしい素材同士で高級感ある一皿に。椀物や蒸し料理に
鶏ささみ
鶏ひき肉
百合根の甘さと淡白な旨みが相性良好。つくねや茶碗蒸しの具材に最適
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百合根は「やさしい風味」を持つため、強い香りや脂が多い食材よりも、うま味が穏やかで調和のとれるものがよく合います。特に卵との相性は抜群で、茶碗蒸しやかきたま汁に少量加えるだけでも、季節感と高級感が一気に増します。

百合根の栄養素 ~食品成分表~

ゆりね(生)
可食部100g当たり

栄養素単位
廃棄率10%
エネルギー119
水分66.5g
タンパク質3.8g
脂質0.1g
食物繊維(総量)5.4g
炭水化物28.3g
ナトリウム1
カリウム740
カルシウム10
マグネシウム25
リン71
1.0
亜鉛0.7
0.16
マンガン0.96
ヨウ素1
セレン1
クロム2
モリブデン1
ビタミンA(レチノール)
ビタミンA(β-カロテン)
ビタミンD
ビタミンE(トコフェロールα)0.5
ビタミンK
ビタミンB10.08
ビタミンB20.07
ナイアシン0.7
ビタミンB60.12
ビタミンB12
葉酸77
パントテン酸
ビオチン1.6
ビタミンC9
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」

百合根の英語・漢字表記

百合根の英語表記は “Lily bulb”(リリー・バルブ) です。
英語の発音記号は /ˈlɪli bʌlb/ で、カタカナでは「リリィ・バルブ」と読みます。

海外では、日本のように食用の百合根が一般的ではないため、「Lily bulb」と言っても食材としての認識は薄い場合があります。ただし、中国料理や一部のアジア料理では食材として使われており、英語圏でも健康志向の料理を扱うレストランでは見かけることもあります。

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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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