おせち料理に登場する「くわい」は、独特のほろ苦さとホクホクした食感が特徴の縁起物野菜です。「芽が出る」という意味を持ち、受験や就職などの門出を祝う料理にも使われます。
この記事では、くわいの栄養の特徴や旬の時期、保存方法、調理例、英語表記や漢字の読み方までわかりやすくご紹介。普段はなじみが薄いけれど、実は栄養価も高く、和食に欠かせない存在です。
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慈姑(くわい)の旬 ~おいしい時期~
くわい
| ① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | ⑦ | ⑧ | ⑨ | ⑩ | ⑪ | ⑫ |
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季節ごとの旬の食材をもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。▶ 旬の野菜・魚介【年間カレンダー】
慈姑とは ~解説~

- オモダカ科の水生多年草で原産国は東南アジア(栽培品種は中国)
- 別名「田草」「燕尾草(えんびそう)」「クワエ」
- 日本では「おせち料理」に使われる
- おせち料理で「芽が出る」縁起物として用いられる伝統野菜
- 芽が出ているのが縁起物なので芽を切らないように注意する
- 縁起の良い「松笠」に剥く
- 色を出すために「クチナシの実」を使う
- 年明けには値段が急激に下がる
- アクが強いので下茹でする(皮を剥き、流水でさらし、米のとぎ汁で下茹でする)
- ホクホクとした食感と、やや苦味のある風味が特徴
- 地中にできる塊茎(かいけい)を食べる野菜
- 芽がまっすぐ伸びるため、「出世くわい」とも呼ばれる
- 主に広島県が一大産地で、正月用として12月に出荷のピークを迎える
味わい
百合根に似たほろ苦さがあり、煮物でほっくり感が楽しめる
青慈姑=ホクホクと下食感
白慈姑=シャリシャリとした食感が特徴
くわいの保存方法
- 乾燥に弱い
- ボウルなどに水を張り、慈姑を浸して保存する
- 湿らせたペーパーに包みビニール袋に入れ野菜室で保存する
- 下茹でして、冷凍保存できる
慈姑の主な種類
- 大黒くわい
- 青くわい
- 吹田くわい
- 白くわい
慈姑と相性の良い食材

- 白だしや和風だし:くわいの苦味を引き立てつつまろやかに
- 銀杏や里芋:おせちなどの煮物で相性が良い組み合わせ
- にんじんや絹さや:彩りを添えてお祝い料理にもぴったり
- 鶏肉や鰤(ぶり):煮物や炊き合わせにすると旨味が増す
- 白味噌や田楽味噌:くわいのほろ苦さに甘味噌がマッチする
慈姑(くわい)の栄養素 ~食品成分表~
くわい(ゆで)
可食部100g当たり
| 栄養素 | 茹で | 単位 |
|---|---|---|
| 廃棄率 | 0 | % |
| エネルギー | 129 | ㎉ |
| 水分 | 65.0 | g |
| タンパク質 | 6.2 | g |
| 脂質 | 0.1 | g |
| 食物繊維(総量) | 2.8 | g |
| 炭水化物 | 27.2 | g |
| ナトリウム | 3 | ㎎ |
| カリウム | 550 | ㎎ |
| カルシウム | 5 | ㎎ |
| マグネシウム | 32 | ㎎ |
| リン | 140 | ㎎ |
| 鉄 | 0.8 | ㎎ |
| 亜鉛 | 2.1 | ㎎ |
| 銅 | 0.59 | ㎎ |
| マンガン | 0.12 | ㎎ |
| ヨウ素 | – | ㎍ |
| セレン | – | ㎍ |
| クロム | – | ㎍ |
| モリブデン | – | ㎍ |
| ビタミンA(レチノール) | – | ㎍ |
| ビタミンA(β-カロテン) | – | ㎍ |
| ビタミンD | – | ㎍ |
| ビタミンE(トコフェロールα) | 3.1 | ㎎ |
| ビタミンK | 1 | ㎍ |
| ビタミンB1 | 0.10 | ㎎ |
| ビタミンB2 | 0.06 | ㎎ |
| ナイアシン | 1.6 | ㎎ |
| ビタミンB6 | 0.30 | ㎎ |
| ビタミンB12 | – | ㎍ |
| 葉酸 | 120 | ㎍ |
| パントテン酸 | 0.75 | ㎎ |
| ビオチン | – | ㎍ |
| ビタミンC | – | ㎎ |
栄養素
- 主成分はでんぷん質で、加熱するとホクホクとした口当たりに
- カリウムを多く含み、体内の塩分バランスを整えるのに役立つ
- ビタミンB1・B2・Cが含まれており、穏やかな栄養補給に適している
- 食物繊維も含まれており、おなかにもやさしい
- 苦味の成分には、昔ながらの薬膳的な観点から体を整える働きがあるとされている
「ほっくりデンプン×微量ミネラル」が武器。白く美しく仕上げる下処理と“芽を生かす”盛り付けで、行事食・日常どちらにも展開しやすい食材です。
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くわいの英語・漢字表記

くわいは漢字で「慈姑」と書きます。
読み方は「くわい」または「ジコ」とされますが、一般には「くわい」の呼び方が広く知られています。
英語では「arrowhead(アローヘッド)」または「water chestnut(ウォーター・チェスナット)」と訳されることがありますが、厳密には異なる植物を指す場合もあります。
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