栄螺(さざえ)の旬と栄養を調理師が解説|特徴・可食部・英語表記【Turban shell】

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栄螺(さざえ)の旬はいつ?
どの部分が食べられる?
英語では何と呼ばれる?

栄養価や美味しい食べ方も知りたい――。

つぼ焼きやお刺身で親しまれる栄螺は、磯の香りと独特の食感が魅力の貝類です。旬の時期は春から夏にかけてで、肝や身など部位ごとの味わいも豊か。タンパク質や亜鉛などの栄養成分も豊富で、健康面でも優れています。

この記事では、さざえの旬・特徴・可食部・栄養成分・英語表記(Turban shell)・目利き・相性の良い食材・おすすめの調理法まで、調理師の視点でわかりやすく解説します。

「栄螺ってどんな貝?」という疑問を、ここで一気に解決しましょう。

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栄螺(さざえ)の旬 ~おいしい時期~

さざえ

季節ごとの旬の食材をもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。▶ 旬の野菜・魚介【年間カレンダー】

サザエは一年を通して流通していますが、最も美味しい旬は5月〜8月の初夏から夏にかけてです。この時期は産卵を控えて身が太り、旨味が強く肝の苦味もほどよく調和します。

地域ごとの旬の傾向
日本海沿岸 … 6月〜8月に最盛期。夏の海水浴シーズンには浜焼きとして人気。
太平洋沿岸 … 春から初夏(4月〜6月)に漁獲が増える。
九州・四国 … 年中水揚げがあるが、やはり夏が一番美味。

サザエの旬まとめ

  • もっとも旨い時期は5〜8月
  • 春〜夏は身が太り、肝に旨味が増す
  • 通年流通しているが、冬のサザエは身がやや痩せ気味
現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

のサザエは殻から身がパンパンに詰まっていて、壺焼きにすると磯の香りが一気に立ちます。逆に冬場のサザエは肝が痩せていることが多いので、火を通して炊き込みご飯や煮物にするといいですよ。

栄螺とは ~特徴と味わい~

栄螺(さざえ)は、巻貝の仲間(腹足綱・リュウテンサザエ科)で、日本では主に本州中部以南の岩礁域や潮間帯に生息しています。潮の流れが速い岩場にしっかり張りついて生活し、日本の沿岸を代表する磯の貝として親しまれています。


外見の特徴
:厚くて頑丈。表面には角(つの)のような突起があり、これが名前の由来のひとつ。
波の穏やかな海域では角が少なく、荒い波の場所では角が発達する傾向がある。
殻口(出口):蓋(ふた)を閉じて身を守る構造を持つ。殻の渦巻きは右巻き・左巻き両方が存在し、左巻きのサザエは珍重されることもある。


食味・身の特徴
:白身部分はコリコリとした歯ごたえで、噛むほどに磯の香りと旨味が広がる。
肝(ワタ):ほろ苦さと濃厚な旨味を併せ持ち、日本酒の肴や壺焼きに最適。
唾液腺(黒い部分)には苦味があるため、好みで取り除くこともある。
味わい:磯の香りが強く、海の風味をダイレクトに感じられるのが魅力。


調理との相性
刺身:新鮮なものは生でも食べられ、氷水で締めるとよりコリコリ感が際立つ。
加熱:火を通すと香ばしさが増し、壺焼き・バター焼き・炊き込みご飯などで旨味が引き立つ。
和食・洋食どちらにも対応できる万能食材。


特徴まとめ

項目内容
味わい磯の香りが強く、噛むほどに旨味が出る
食感白身部分はコリコリ、肝は濃厚でほろ苦い
厚くて頑丈。角状の突起がある
可食部身・肝(ワタ)・一部のヒモ部分。唾液腺は苦味が強いため除くことも
調理法刺身、壺焼き、酒蒸し、バター焼き、炊き込みご飯など

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現役和食調理師のヒント

「サザエの魅力はやっぱり“肝”。苦味が苦手な方もいますが、新鮮なものは旨味が強くて後を引く美味しさです。刺身なら氷水でサッと締めるとコリコリ感が際立ちますよ。

栄螺の目利き(鮮度の見分け方)

サザエは生きたまま販売されることが多い貝です。鮮度の良いものを選ぶポイントは以下の通りです。

  • 動きがあるか … 触ると蓋(ふた)をキュッと閉じるものが新鮮
  • 殻の重さ … 持ったときにずっしり重く、水分を感じるものが良品
  • 殻口がきれい … 殻の口(蓋の部分)が乾いていない、ぬめりが少ないものを選ぶ
  • 磯の香りが強い … 新鮮なサザエは海の香りがはっきりしている
  • 身がしっかりしている … 調理時に身が縮みにくく、食感も良い
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現役和食調理師のヒント

市場でサザエを選ぶときは、まず“蓋が閉まるかどうか”を必ず確認。動かないサザエは鮮度が落ちていることが多いので避けた方が無難です。

栄螺と相性の良い食材

食材組み合わせの理由・使い方例
醤油壺焼きや煮付けで磯の香りを引き立てる定番の調味料
酒蒸しや煮付けに使うことで臭みを消し、旨味を凝縮させる
味噌炊き込みご飯や味噌煮にすると、肝の苦味がまろやかに
生姜煮物や和え物に使うと磯臭さを和らげ、さっぱり仕上げる
青じそ刺身に添えると爽やかな香りが加わり、後味がすっきりする
すだち
レモン
焼き物に搾ると爽やかな酸味で磯の風味を中和
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サザエは磯の香りが強いので、調味料や薬味で“香りを整える”のがコツ。醤油や味噌の発酵系、生姜や柑橘のさっぱり感は相性抜群です。

栄螺に合う調理法

調理法おすすめ度理由
壺焼き サザエ料理の定番。磯の香りと肝の旨味をそのまま味わえる
刺身 新鮮なサザエはコリコリとした食感が楽しめる。ただし鮮度が落ちやすいため注意
炊き込みご飯 身と肝の旨味がご飯に染み込み、旬の味覚を堪能できる
煮付け 醤油や酒で甘辛く煮ると、肝の苦味がやわらぎ食べやすい
天ぷら 独特の磯の香りと油が重なりややくどくなるが、好みで楽しめる
酒蒸し 日本酒で蒸すことで身がふっくらし、肝の風味も上品に仕上がる
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現役和食調理師のヒント

サザエは“壺焼き”と“炊き込みご飯”が双璧。特に旬の時期は香りが強いので、シンプルに焼くだけでごちそうになりますよ。

栄螺の地方名

呼び名主な地域・由来
アマサザイ九州地方などで呼ばれる名前
サゼ西日本を中心とした呼び方
サンデ山陰地方などでの呼称
ツボッカイ北陸地方での呼び方。「壺貝」がなまったもの
テンゲス四国地方での方言
ケンサザエ日本海側での呼び名。棘(ケン)のような突起があるため
オトコサンゼ九州地方などでの呼称。殻の力強い形から名付けられたとも言われる
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地方名が多いのは、それだけサザエが昔から各地で親しまれてきた証拠。市場で“サゼ”“ツボッカイ”と言われても、サザエのことだと知っていれば安心ですね。

さざえの栄養素 ~食品成分表~

さざえ
可食部100g当たり

栄養素焼き単位
廃棄率8585%
エネルギー9183
水分75.678.0g
タンパク質21.319.4g
脂質0.40.4g
食物繊維(総量)g
炭水化物0.90.8g
ナトリウム280240
カリウム220250
カルシウム2922
マグネシウム6754
リン120140
0.90.8
亜鉛2.52.2
0.730.39
マンガン0.030.02
ヨウ素97
セレン19
クロム6
モリブデン5
ビタミンA(レチノール)
ビタミンA(β-カロテン)49044
ビタミンD
ビタミンE(トコフェロールα)2.82.3
ビタミンK23
ビタミンB10.040.04
ビタミンB20.10.09
ナイアシン1.51.7
ビタミンB60.060.05
ビタミンB121.11.3
葉酸2216
パントテン酸0.300.24
ビオチン1.9
ビタミンC11

筋肉づくりや減量中→高たんぱく低脂質で相性良し。
ミネラル補給→銅・亜鉛・セレン・ヨウ素を一度に取りやすいのが利点。
塩分管理→ナトリウムは生240 mg、焼き280 mgとそこそこあるため、味付けで調整を。

▶ 栄養の全体像を知りたい方はこちら
五大栄養素・ビタミン・ミネラルをまとめたページへ

栄螺の英語・漢字表記

漢字表記:栄螺
ひらがな表記:さざえ
英語表記:Turban shell
発音記号:[ˈtɜːrbən ʃel]
カタカナ読み:ターバン・シェル

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現役和食調理師のヒント

“Turban shell”は直訳すると“ターバンの貝”。ぐるぐる巻いた殻の形が、ターバンを巻いた頭に似ていることからこの名前がついたんです。日本語の“栄螺”の方が、なんだか格好いいですよね。

英語表記についてもっと詳しく知りたい方は、こちらのページで 魚介類の漢字・英語表記一覧 をまとめています。

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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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