茄子(なす)の魅力と調理のコツ|保存・相性の良い食材まで丸わかり!|Eggplant

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茄子(なす)の旬 ~おいしい時期~

🍆「秋ナスは嫁に食わすな」の意味とは?

「秋ナスは嫁に食わすな」ということわざがありますが、これは2つの説があります。

  1. 秋ナスは美味しいので嫁に食べさせるのが惜しい(姑の嫉妬)説
  2. 秋ナスは体を冷やすので、妊娠の可能性がある嫁には食べさせないという体への気づかい説

和食の現場でも、秋のナスは皮がやわらかく、煮びたしや焼き物に最適。脂との相性がよく、旬の味を堪能できる時期です。

季節ごとの旬の食材をもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。▶ 旬の野菜・魚介【年間カレンダー】

茄子(なす)とは ~解説~

茄子 なす(Eggplant)

茄子(なす)はナス科ナス属の野菜で、古くから日本の食卓に親しまれている夏野菜のひとつです。原産地はインド東部から東南アジアとされ、日本には奈良時代以前に伝来したと考えられています。

🍆 茄子の特徴

  • 色:代表的なものは濃い紫色。ただし、白なす・緑なす・縞なすなど多様な色の品種もあります。
  • 形:細長いもの(長なす)、丸いもの(賀茂なす)など、品種によってさまざま。
  • 味:淡白でクセがなく、油や味噌との相性が非常に良いのが特長です。
  • 食感:やわらかく煮崩れしやすい一方で、火を通すととろけるような口あたりに。
  • 特に和食では「焼きなす」「揚げびたし」「味噌炒め」など、季節感を活かしたシンプルな調理法で引き立てられます。

🌍 世界での茄子の利用法

  • イタリア:パルミジャーナ(ナスの重ね焼き)
  • 中東:ババガヌーシュ(焼きなすのディップ)
  • 中国:麻婆茄子や油淋茄子
  • 日本:焼きなす、味噌田楽、天ぷら、ぬか漬け

それぞれの地域で調味料やスパイスを活かし、ナスの柔らかさと油の相性を最大限に生かすレシピが多く存在します。

現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

茄子は「油を含ませるとうま味が引き立つ野菜」の代表格です。
揚げる、焼く、炒めるといった調理法で、味をしっかり吸わせることができます。

茄子と相性の良い食材・調味料

茄子(なす)はクセがなく、油や調味料の味をよく吸い込む野菜です。和・洋・中を問わず、多くの食材と好相性を持ちます。

🍚 和食での定番の組み合わせ

相性の良い食材理由・使い方
味噌甘みのある味噌はナスのうま味とマッチ。田楽や炒め物に最適。
生姜・大葉・みょうが薬味の香りでナスの淡白さを引き立て、夏向きの味に。
ししとう・ピーマン同じ夏野菜で、炒め物や揚げ浸しに彩りと風味をプラス。
鰹節・だし汁シンプルな焼きなすに旨みを足す名脇役。

🍳 洋食・中華での相性の良い食材

食材料理例・ポイント
トマトラタトゥイユやトマトソース炒めに。酸味がナスのコクと合う。
チーズ(モッツァレラ・パルメザン)グラタンやパルミジャーナに。とろける食感同士の相乗効果。
にんにく・オリーブオイル焼きなすやソテーに。香りと油がナスの旨みを引き出す。
豚ひき肉・牛ひき肉麻婆茄子やミートソースなどで、旨みの相乗効果が高い。
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現役和食調理師のヒント

油と組み合わせると格段においしくなる」のが茄子の魅力です。
揚げびたし、焼きなす、油炒めなど、火を入れてからしっかり味を含ませるのがポイントです。

茄子の保存方法|鮮度を保つ3つのコツ

茄子(なす)は水分が多く傷みやすい野菜です。保存方法を間違えると、すぐにシワが出たり変色してしまいます。調理に使うタイミングに合わせて、保存方法を使い分けましょう。


常温保存

(短期向け)※夏以外限定

  • 保存期間:1〜2日程度
  • 保存場所:風通しの良い日陰(15℃以下が理想)
  • ポイント:
    ヘタを下にして新聞紙などに包む
    高温多湿を避ける(夏場は不向き)

冷蔵保存

  • 保存期間:3〜5日程度
  • 方法:
    1. 茄子を1本ずつラップでぴったり包む
    2. 野菜室に立てて保存(ヘタを上に)
  • ポイント:
    冷えすぎると皮が変色しやすいので「冷蔵室」ではなく野菜室
    切った茄子はすぐにラップ+冷蔵し、翌日までに使い切る

冷凍保存(長期保存向け)

  • 保存期間:2〜3週間

生のまま冷凍(炒め物・味噌汁向け)

  1. ヘタを取って一口サイズに切る
  2. 水にさらしてアクを抜く
  3. キッチンペーパーで水気を拭き、ラップ or フリーザーバッグで冷凍

加熱して冷凍(揚げびたし・焼きなす用)

  1. 皮ごとグリル or 素揚げして冷まし、1食分ずつ小分け
  2. フリーザーバッグに入れて冷凍
  • 解凍方法:凍ったまま調理が基本。電子レンジや自然解凍は食感が損なわれやすいです。
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現役和食調理師のヒント

茄子は「冷やしすぎず、乾かさず、すぐ使う」が基本です。
鮮度の良いうちに使うのが一番ですが、どうしても残った場合は用途別にカットして冷凍すると便利です。

主な品種群

  • 水ナス
  • 賀茂ナス
  • 長なす
  • 小茄子
  • 米茄子
  • 青なす
  • 白なす

なすの栄養素 ~食品成分表~

なす 果実
可食部100g当たり

栄養素油炒め茹で単位
廃棄率00%
エネルギー7317
水分85.894.0g
タンパク質1.51.0g
脂質5.80.1g
食物繊維(総量)2.62.1g
炭水化物6.34.5g
ナトリウム1
カリウム290180
カルシウム2220
マグネシウム2116
リン4027
0.40.3
亜鉛0.20.2
0.070.05
マンガン0.200.15
ヨウ素
セレン
クロム
モリブデン
ビタミンA(レチノール)
ビタミンA(β-カロテン)19098
ビタミンD
ビタミンE(トコフェロールα)1.40.3
ビタミンK1110
ビタミンB10.060.04
ビタミンB20..070.04
ナイアシン0.70.4
ビタミンB60.060.03
ビタミンB12
葉酸3622
パントテン酸0.400.29
ビオチン
ビタミンC21
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」

▶ 栄養の全体像を知りたい方はこちら
五大栄養素・ビタミン・ミネラルをまとめたページへ

なすの漢字・英語表記

茄子の英語表記は主に2つあります。

  • Eggplant(発音:/ˈɛɡˌplænt/|エッグプラント)
     → アメリカ英語やカナダ英語で一般的
  • Aubergine(発音:/ˈəʊbəʒiːn/|オーバジーン)
      → イギリス英語やヨーロッパ圏でよく使われます

どちらも「茄子」を意味しますが、地域によって呼び方が異なるのが特徴です。

🌱 由来と語源

  • Eggplant(エッグプラント)
    もともと白くて卵のような形のナスが北米で普及していたため、この名前が定着しました。現在も「ホワイトエッグプラント」という品種が存在します。
  • Aubergine(オーバジーン)
    **フランス語の「aubergine」**に由来し、さらにアラビア語「al-bāḏinjān(バージンジャン)」が語源とされています。
現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

日本では「ナス(茄子)」が一般的な表現ですが、海外のレシピサイトでは「eggplant」や「aubergine」で検索すると、地域ごとの料理や調理法が多く見つかります。
海外レシピを参考にする際は、それぞれの呼び方を覚えておくと便利です。

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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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