お酒を使った食パンレシピ11種を調理師が徹底比較|HBでの配合と検証の記録

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「余ったお酒をパン作りに活かせないか?」 そんな好奇心から始まった実験ですが、調理師として25年以上食材と向き合ってきた経験から、アルコールが生地の膨らみや香りに与える影響を11パターンで徹底検証しました。

日本酒からワイン、さらにはカルーアやウイスキーまで。プロの視点で「美味しい」と「原価」の両面から評価した、お酒パンの決定版データです。

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  1. 調理師が11種を検証して導き出した「結論」
  2. 調理師が検証した11の配合と作り方
    1. 日本酒
      1. 材料の分量と比率と原価
      2. 当日の調理環境(気温・湿度)
      3. 調理師による検証と総評
    2. 白ワイン
      1. 材料の分量と比率と原価
      2. 当日の調理環境(気温・湿度)
      3. 調理師による検証と総評
    3. 赤ワイン32%
      1. 材料の分量と比率と原価
      2. 当日の調理環境(気温・湿度)
      3. 調理師による検証と総評
    4. 赤ワイン40%(脱アルコール24%)
      1. 材料の分量と比率と原価
      2. 当日の調理環境(気温・湿度)
      3. 調理師による検証と総評
    5. 赤ワイン40%(脱アルコール)
      1. 材料の分量と比率と原価
      2. 当日の調理環境(気温・湿度)
      3. 調理師による検証と総評
    6. 赤ワイン60%
      1. 材料の分量と比率と原価
      2. 当日の調理環境(気温・湿度)
      3. 調理師による検証と総評
    7. カルーア8%
      1. 材料の分量と比率と原価
      2. 当日の調理環境(気温・湿度)
      3. 調理師による検証と総評
      4. 【動画】材料投入~パンを割く
    8. カルーア20%
      1. 材料の分量と比率と原価
      2. 当日の調理環境(気温・湿度)
      3. 調理師による検証と総評
      4. 【動画】投入から焼き上がり~パンを割く動画
    9. カルーア28%
      1. 材料の分量と比率と原価
      2. 当日の調理環境(気温・湿度)
      3. 調理師による検証と総評
      4. 【動画】材料投入~パンをカット
    10. ウイスキー12%
      1. 材料の分量と比率と原価
      2. 当日の調理環境(気温・湿度)
      3. 調理師による検証と総評
      4. 【動画】材料投入~パンをカット
    11. 本みりん
      1. 材料の分量と比率と原価
      2. 当日の調理環境(気温・湿度)
      3. 調理師による検証と総評
  3. まとめ:11種類の検証で分かった「お酒をパンに入れる利点」の真実
    1. お酒を入れることをおすすめしない3つの理由
    2. 調理師としての最終的な助言

調理師が11種を検証して導き出した「結論」

配合名調理師のコメント
日本酒焼き上がり直後は、ふわっと日本酒由来の香りが立ち、切った瞬間にもほのかな吟醸香を感じますが、アルコール分は焼成中にほぼ飛ぶため、酔う心配はありません。
白ワイン上部の形はやや崩れやすく、クラムはきめが粗め。仕上がりとしては、ほんのり酸味を感じる食パンになります。
赤ワイン 32%ワインの香り(ぶどう)が 残って味はおいしい。忘れてホームベーカリー内に1時間放置してしまい、ふくらみが悪い。やや水分多いか?
赤ワイン 40%4%のうち24%は脱アルコール。ミミの部分がサクサクしてておいしいが、キメが粗く、所々に空洞ができる。不味くはない。
赤ワイン 40%(脱アルコール)ふっくらおいしく焼けたが、きめが粗い。赤ワインやブドウの味は感じられない。
赤ワイン 60%ふくらみが少なく、ずっしり&しっとりしたパン。色は鮮やかできれいだが、きめが粗い。原価が346円のわりにおいしくない。
カルーア 8%きめが細かく、しっとりとしているが、カルーアの香りや味は感じられない。
カルーア 20%焼き上がり時は香りは少ないが、パンケースから出した時のカルーアの香りが良い。しかし、水分量が多く、食感がイマイチ。
カルーア 28%香り、味は良いが触感がイマイチ。キメが細かく、やや硬い印象。もう少し改善が必要か?
ウイスキー 12%焼き上がり時のふくらみはキレイ。しかし、すぐに小さくなる。ういしきーの味は皆無。ホームベーカリーを開けたときはとてもキレイ。
本みりん味醂の甘さを考慮しすぎて、甘味不足の所kyパンに仕上がる。クラムがやや多い。

調理師が検証した11の配合と作り方

日本酒

日本酒の食パン (日本酒12%)

材料の分量と比率と原価

材料割合(%)分量原価
強力粉100 %250g95 円
ドライイースト1.2 %3g16.8 円
56 %140 cc7 円
生クリーム16 %40 g34 円
日本酒12 %30 g39.9 円
砂糖6%15 g3 円
2%5 g1 円
バター6%15 g30 円
▼原価合計226.7 円
  • 日本酒は香り付け目的ではなく、食感を変える素材として使う
    焼きたてでのみ香りを感じる前提で考える。
  • アルコールは焼成中に飛ぶため、酔う心配はせず、そのまま使用して問題ない
  • きめ細かさやモチモチ感は出にくいため、ふんわり・軽い食感を狙う配合として割り切る。

当日の調理環境(気温・湿度)

項目環境
日付2021.2.2
室温15℃
湿度85℃
天気くもり
投入時間7:00
焼き上がり時間12:00
ホームベーカリーの設定ソフトモード
焼き上がり「淡」

調理師による検証と総評

日本酒を約12%配合した食パンは問題なく成立しました。
焼き上がり直後は、ふわっと日本酒由来の香りが立ち、切った瞬間にもほのかな吟醸香を感じますが、アルコール分は焼成中にほぼ飛ぶため、酔う心配はありません。食感はしっとり&ふんわりで、口当たりはとてもやさしく、春よ恋100%の粉質とも相性の良さを感じます。ただし、この香りは長くは続かず、翌日にはほぼ消えて通常の食パンに近い味わいになります。
クセや苦味はなく、「香りを楽しめるのは焼きたてだけ」という限定的な魅力ですが、ふんわり感を重視したい人や、軽く変化を付けたい人には向いた配合です。

  • 膨らみ・焼き色
    日本酒12%配合でも膨らみは良好で安定。腰折れもなく、弾力のある焼き上がりです。色は淡く均一で、焼成中も強い酒臭さは感じません。
  • クラム・食感
    気泡はやや大きめで、しっとりしつつも軽快な口当たり。モチモチ感は控えめですが、口溶けの良さが際立ちます。
  • 総評
    ほのかな吟醸香と控えめな甘さが特徴の、粋な「大人の食事パン」という印象。翌日は香りが落ち着くため、バターやチーズを添えて味の変化を楽しむのが調理師としての推奨です。

白ワイン

材料の分量と比率と原価

材料割合(%)分量原価
強力粉100 %250g95 円
ドライイースト1.2 %3g16.8 円
白ワイン56 %140 cc140 円
生クリーム24 %60 g51 円
砂糖6 %10 g2 円
2 %5 g1 円
バター6 %10 g20 円
▼原価合計325.8 円
  • 白ワインは香りを残す目的ではなく、酸味を加える素材として使う
    焼成後にワインの香りはほぼ残らない前提で考える。
  • 甘さ控えめ・食事向けの仕上がりになるため、砂糖は増やさず、具材との組み合わせで味を作るほうが向いている。
  • モチモチ感は出にくいため、ふわっと軽い食感を狙う配合として割り切る。

当日の調理環境(気温・湿度)

項目環境
日付2021.3.25
室温17℃
湿度65℃
天気
タイマーセットあり
ホームベーカリーの設定ソフトモード
焼き上がり「淡」

調理師による検証と総評

白ワインを配合して焼いた食パンは問題なく成立しました。
膨らみは良好で、生地が重たくなることもなく、全体としては安定した焼き上がりです。一方で、焼き上がり時に白ワイン特有の香りはほとんど感じられず、飲んでいるような風味は残りませんでした。上部の形はやや崩れやすく、クラムはきめが粗め。仕上がりとしては、ほんのり酸味を感じる食パンになります。

ワインの香りを楽しむパンというより、酸味がアクセントになった変化系の食パンという位置づけが適切な結果です。

赤ワイン32%

赤ワインの食パン (赤ワイン32%)

材料の分量と比率と原価

材料割合(%)分量原価
強力粉100 %250g95 円
ドライイースト1.2 %3g16.8 円
32 %80cc4 円
赤ワイン32 %80 g80 円
生クリーム16 %40 g34 円
砂糖6 %15 g3 円
2 %5 g1 円
バター8 %20 g40 円
▼原価合計 273.8円

1時間ホームベーカリーに放置したので、しっかりと結果はわからないが、水分量は多い気がする。(かなりしっとしりた仕上がり)

当日の調理環境(気温・湿度)

日付2021.2.5
室温14℃
湿度42℃
天気
投入時間0:50
焼き上がり時間7:10
ホームベーカリーの設定ソフトモード
焼き上がり「淡」

調理師による検証と総評

赤ワインの食パン (赤ワイン32%)

焼き上がりを忘れて1時間、ホームベーカリー内で放置する。この影響か?ふくらみが悪い。好みによるが、ぎりぎり許容範囲だといえる。
水分が多く、少しべとつく(超しっとり)ワインの香りが残っておいしい。葡萄の香りがする。冷凍したものを解凍するとさらに水分がさらに多く感じる。あまりおすすめはできない。個人的にはどちらかと言えば失敗。

赤ワイン40%(脱アルコール24%)

赤ワインの食パン (赤ワイン40%)アルコール無

材料の分量と比率と原価

材料割合(%)分量原価
強力粉100 %250g95円
ドライイースト1.2 %3g16.8円
24 %60 cc3 円
生クリーム16 %40 g34 円
赤ワイン
(アルコール無)
24 %60 g51 円
赤ワイン16 %40 g34 円
砂糖6 %15 g3 円
2 %5 g1 円
バター6 %15 g30 円
▼原価合計267.8 円
  • 強力粉は「スーパーキング」を使用
  • 通常の 赤ワイン 16%とアルコールを飛ばした 赤ワイン 24%を混ぜて投入
  • アルコールが発酵を妨げるのでアルコールを飛ばす
  • (赤ワイン を火にかけ、しばらく煮る)
  • 水分は 生クリーム、赤ワイン、水で200g

当日の調理環境(気温・湿度)

赤ワインの食パン (赤ワイン40%)アルコール無
日付2021.2.19
室温13℃
湿度54℃
天気くもり
投入時間0:40
焼き上がり時間11:10
ホームベーカリーの設定ソフトモード
焼き上がり「淡」

セットから10.5時間でも問題なく焼ける

調理師による検証と総評

赤ワインの食パン (赤ワイン40%)アルコール無
  • 24%アルコールを飛ばしたおかげでふわふわに仕上がる
  • 16%のアルコール入り 赤ワイン の効果は感じられない
  • 赤ワイン の味はほとんどない
  • キメが粗く、所々に空洞ができる
  • ミミの部分がサクサクしてておいしい
  • 赤ワイン の味はなく、色が綺麗な小豆色
  • ふわふわでおいしい
  • 赤ワイン 100gの中にポリフェノール は230mg含まれている
    (ポリフェノールは熱に強く、抗酸化作用で老化防止効果がある)
  • 不味くはないが一風変わった食パンとしては良い

赤ワイン40%(脱アルコール)

赤ワインの食パン (赤ワイン40%)

材料の分量と比率と原価

材料割合(%)分量原価
強力粉100 %250g95 円
ドライイースト1.2 %3g16.8 円
24 %60 cc 3 円
赤ワイン
(アルコール無)
40 %100 g100 円
生クリーム16 % 40 g 34 円
砂糖6 % 15 g 3 円
2 % 5 g 1 円
バター6 % 15 g 30 円
▼原価合計282.8 円
  • 強力粉は「春よ恋」を使用
  • 赤ワインのアルコールは飛ばす
    (赤ワインを火にかけ、しばらく煮る)
  • 水分量は赤ワイン100g+水60+生クリーム40g
  • 甘さや塩加減は通常通り
  • 焼き上がり後、約5時間常温放置(袋も被せずまな板の上)

当日の調理環境(気温・湿度)

赤ワインの食パン (赤ワイン40%)
日付2021.2.16
室温17℃
湿度54℃
天気
投入時間0:30
焼き上がり時間7:10
ホームベーカリーの設定ソフトモード
焼き上がり「淡」

調理師による検証と総評

赤ワインの食パン (赤ワイン40%)
  • とってもふっくら焼けた
  • 焼き上がり時は良い香り
  • 色もいい感じのワイン色
  • 赤ワインの味はほぼ感じられない
  • 葡萄の味もほぼ感られない
  • キメがやや粗い
  • 焼き上がり後、忘れててそのまま5時間放置のおかげで水分が飛んだ

赤ワイン60%

赤ワイン60%の食パン

材料の分量と比率と原価

材料割合(%)分量原価
強力粉100 %250g95 円
ドライイースト1.2 %3g16.8 円
赤ワイン60 %150 cc150 円
生クリーム24 %60 g51 円
砂糖6 %15 g3 円
2 %5 g1 円
バター6 %15 g30 円
▼原価合計346.8円
  • 強力粉は「春よ恋」を使用
  • 赤ワインのアルコールは飛ばす
  • 水の代わりに赤ワイン
  • 赤ワインのアルコールを飛ばした後、冷蔵庫で冷やす

当日の調理環境(気温・湿度)

赤ワイン60%の食パン
日付2021.3.15
室温16℃
湿度60℃
天気
投入時間0:20
焼き上がり時間13:10
ホームベーカリーの設定ソフトモード
焼き上がり「淡」

調理師による検証と総評

赤ワイン60%の食パン
  • 焼き上がり時はワインの香りが漂う
  • ふくらみが少ない
  • やはり水分が多く、ずっしりと重い感じがする食パン
  • 色が鮮やかで綺麗
  • ふわふわではなく、しっとり。キメが粗い
  • 不味くはないがおいしくもない
  • 色はきれいで良い
  • マーガリンと合う
  • 赤ワインは高価。高価な割にはおいしさがあまりない

カルーア8%

カルーア 8% 配合の食パン 【魔法庵 × おかだけんいち】

材料の分量と比率と原価

材料割合(%)分量原価
食パンミックス100 %250g500
ドライイースト1.2 %3g付属
牛乳68%170g28.9円
生クリーム8%20g17円
バター6%15g30円
カルーア8%20g86円
原価661.9円

魔法庵の食パンミックス使用。
カルーアを20gの8%を投入

当日の調理環境(気温・湿度)

カルーア 8% 配合の食パン 【魔法庵 × おかだけんいち】
日付室温湿度天気
7 / 3130 ℃60 %くもり
《ホームベーカリーの設定》
モード「ソフト」・焼き色「淡」・タイマー「1:00-11:10」

調理師による検証と総評

通常通り膨らむ
きめが細かく、しっとりとしている食パン
カルーアの香り&味は少ない
香りを楽しむなら、もう少しカルーアをいれた方が良い

【動画】材料投入~パンを割く

カルーア20%

カルーア20% 配合の食パン 【魔法庵 × おかだけんいち】

材料の分量と比率と原価

材料割合(%)分量原価
食パンミックス100 %250g
ドライイースト1.2 %3g付属
カルーア20%50g215円
牛乳44%115g19.55円
生クリーム16%40g34円
バター6%15g30円

当日の調理環境(気温・湿度)

日付室温湿度天気
7 / 2728 ℃64 %はれ
《ホームベーカリーの設定》
モード「ソフト」・焼き色「標準」・タイマー「1:00-11:10」

食パンミックス は「魔法庵食パンミックス」を使用
カルーア+牛乳を投入して焼き上げる
前回の水分量不足を解消&食感向上の対策をしてみる

調理師による検証と総評

カルーア20% 配合の食パン 【魔法庵 × おかだけんいち】

前回同様、焼き上がり時、カルーアの匂いは思ったほどない
パンケースから出した時にカルーアの香りがとてもする
今回は逆に水分が多すぎた(ケービングができる)
味は良いが、食感が悪い
カルーアをもう少し減らしても香りが立つ気がする

【動画】投入から焼き上がり~パンを割く動画

カルーア28%

カルーア28% 配合の食パン

材料の分量と比率と原価

材料割合(%)分量
食パンミックス100 %250g
ドライイースト1.2 %3g
カルーア28%70g
牛乳44%110g
バター6%15g

当日の調理環境(気温・湿度)

日付室温湿度天気
7 / 2628 ℃55 %はれ
《ホームベーカリーの設定》
モード「ソフト」・焼き色「標準」・タイマー「1:00-11:10」

食パンミックス は「魔法庵食パンミックス」を使用
カルーア+牛乳を投入して焼き上げる

調理師による検証と総評

カルーア28% 配合の食パン

焼き上がり時、カルーアの匂いは思ったほどない
パンケースから出した時にカルーアの香りがとてもする
キメが細かく、やや硬い印象
水分不足な気がする(ふくらみが足りない)
香りも良く、味も良いが食感がいまいち
もう少し改良が必要

【動画】材料投入~パンをカット

ウイスキー12%

ウイスキー 12% 配合の食パン 【魔法庵 × おかだけんいち】

材料の分量と比率と原価

材料割合(%)分量原価
食パンミックス100 %250g
ドライイースト1.2 %3g付属
ウイスキー12 %30g69 円
52 %130g6.5 円
生クリーム12 %30g25.5 円
バター6 %15g30 円

当日の調理環境(気温・湿度)

日付室温湿度天気
7 / 2928 ℃60 %はれ
《ホームベーカリーの設定》
モード「ソフト」・焼き色「淡」・タイマー「1:00-11:10」

食パンミックス は「魔法庵食パンミックス」を使用
ウイスキーは「サントリー角瓶」を使用

調理師による検証と総評

ウイスキー 12% 配合の食パン 【魔法庵 × おかだけんいち】

ウイスキーの香り&味は全くない
ソフトモードの焼き色「淡」で焼いたが、真っ白に仕上がる
ふわふわして見えるのが焼き上がりの一瞬だけ
時間が経つと、小さくなりケービングができる

【動画】材料投入~パンをカット

本みりん

材料の分量と比率と原価

材料割合(%)分量原価
強力粉100 %250g95 円
ドライイースト1.2 %3g16.8 円
64 %160 cc8 円
生クリーム16 %40 g34 円
みりん8 %20 g12 円
2 %5 g1 円
バター6 %15 g30 円
▼原価合計196.8円
  • みりんは甘味料の代替ではなく、しっとり感と風味付け目的で使う。砂糖を完全に置き換える前提にしない。
  • 甘さを出したい場合は砂糖を少量併用してバランスを取る。

当日の調理環境(気温・湿度)

項目環境
日付2021.1.22
室温14℃
湿度60℃
天気小雨
タイマーセットあり
ホームベーカリーの設定ソフトモード
焼き上がり「淡」

調理師による検証と総評

焼き上がりは外側が軽く香ばしく、中はふわふわ・しっとりとした、食感の良い仕上がりです。

一方で、みりんの甘さを考慮して砂糖を減らした影響から、甘みやコクは控えめで、やや味気なさを感じました。みりん由来の風味は感じられるものの、単体で食べると物足りなさが残ります。

ただし、甘さが抑えられている分、サンドイッチや食事パンとしての相性は非常に良好。料理と合わせる用途では使いやすい配合です。

まとめ:11種類の検証で分かった「お酒をパンに入れる利点」の真実

今回、日本酒からウイスキーまで11種類のお酒を使い、ホームベーカリーで検証を重ねてきましたが、調理師としての私の率直な結論は「パンにお酒を加える利点は少ない」ということです。

多大なる手間と費用をかけて分かった、厳しい現実を整理してお伝えします。

お酒を入れることをおすすめしない3つの理由

  1. 香りのほとんどが消失する
    焼成時の熱によって、お酒の持つ繊細な香りはその大半が飛んでしまいます。高級なワインや大吟醸酒を使っても、焼き上がったパンからそれらの個性を感じ取るのは非常に困難です。
  2. 発酵を妨げるリスクがある
    アルコール分は酵母の働きを鈍らせる性質があります。水分の一部をお酒に置き換えることで、膨らみが不安定になったり、生地のキメが粗くなったりと、パン作りの難易度をわざわざ上げることになりかねません。
  3. 費用対効果が極めて低い
    原価を計算しても分かる通り、質の良いお酒を使えば一斤あたりの単価は跳ね上がります。しかし、その価格上昇に見合うだけの劇的な味の変化はありません。

調理師としての最終的な助言

もし、美味しいお酒が手元にあるのなら、パンに入れて焼くのではなく、美味しいパンを焼き上げてから、そのお酒を片手に食事として楽しむことを強く推奨します。

今回、あえて11種類もの検証データを公開したのは、皆さんに「同じ失敗をしてほしくない」という思いからです。お酒を隠し味として使うよりも、生クリームや牛乳の配合にこだわった方が、はるかに効率よく「感動するほど美味しいパン」を焼くことができます。

実験の結果が「おすすめしない」という形になりましたが、これもまた一つの大切な検証データです。お酒のパン作りに迷っていた方の参考になれば幸いです。

正直なところ、お酒で変化を狙うのはコスパが悪すぎます。もし『本当に感動するほど美味しいパン』を焼きたいのであれば、私が25年の知見で検証し尽くした生クリーム配合や、のがみ風レシピをぜひ試してください。これらは、お酒とは比較にならないほど確かな手応えがありました。

【全11種】ココナッツミルクパンのホームベーカリーレシピ比較
▶生クリーム食パンの配合を調理師が11種比較
▶ホームベーカリーで乃が美をアレンジ



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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)
和食の世界で25年以上。旬の食材や家庭でできる調理のコツを、やさしく、わかりやすくお届けしています。料理がもっと楽しく、おいしくなるきっかけになれば嬉しいです。
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