ビタミンDが不足すると?
ビタミンDを多く含む食品は?
骨や歯の健康を支えるビタミンDは、カルシウムの吸収を助ける大切な栄養素です。魚やきのこ類などの食材に多く含まれ、さらに日光を浴びることで体内でも合成されます。
この記事では、ビタミンDの働きや不足したときのリスク、食品別の含有量ランキング、そして1日の摂取基準をわかりやすくまとめています。調理師としての経験を交えながら、普段の食事に取り入れやすい工夫もご紹介します。
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ビタミンDとは?その特徴と働き

ビタミンDは、魚やきのこ類に多く含まれる脂溶性ビタミンのひとつです。
紫外線を浴びることで体内でも生成されるという特徴があり、食品からの摂取と日光との関係も注目されています。
このページでは、ビタミンDの基礎知識と、食品ごとの含有量をランキング形式で紹介します。
毎日の食事に取り入れやすい食材を知りたい方に向けて、わかりやすくまとめました。
脂溶性ビタミンである
ビタミンDは脂に溶ける性質をもつ脂溶性ビタミンの一種で、油と一緒に調理・摂取することで吸収されやすいとされています。
紫外線によって体内で生成される
紫外線を浴びることで皮膚においてビタミンDがつくられるしくみが知られており、季節や生活環境によってその量は変動します。
ただし、体内での産生には個人差があり、日光による生成が不足しがちな場合は、食品からの摂取も重要とされています。
ビタミンDの種類
ビタミンDにはいくつかの種類があり、主に食品に含まれるのは「D2(エルゴカルシフェロール)」と「D3(コレカルシフェロール)」です。
植物性食品にはビタミンD2が、動物性食品にはD3が含まれています。
主な役割
ビタミンDは、体内でのカルシウムやリンの吸収を助ける働きがあることが知られています。
また、体内のバランスを保つためにさまざまな機能に関与しているとされ、日々の健康維持に役立つ栄養素のひとつと考えられています。
※ 医療や健康効果を保証するものではありません。
※ 食事や生活習慣については、必要に応じて専門家にご相談ください。
種類別|ビタミンDの含有量|トップ10
ビタミンDは、食材によって含まれる量に大きな違いがあります。
特に魚介類やきのこ類はビタミンDを多く含む食品として知られており、日常の食事に取り入れやすいのも魅力です。
ここでは、食品成分表(文部科学省「日本食品標準成分表2025年版(八訂)」)を参考に、代表的な食品群ごとにビタミンDの含有量が多い上位10品目を紹介しています。
食材選びの参考として、日々の献立に役立ててみてください。
魚類|ビタミンD|含有量ランキング

魚介類は、ビタミンDを多く含む食品群の中でも特に上位にランクインしやすい特徴があります。
特に、サケ類やイワシなどの脂がのった魚は、ビタミンDの含有量が高めです。
和食に取り入れやすく、調理法も豊富なため、日常的に取り入れやすいカテゴリーです。
| 食品 | 100g当たりの含有量 |
|---|---|
| ウマヅラハギ(開き干し) | 69.0 ㎍ |
| しらす干し(半乾燥品) | 61.0 ㎍ |
| まいわし(みりん干し) | 50.0 ㎍ |
| 身欠きにしん | 50.0 ㎍ |
| いくら | 44.0 ㎍ |
| かわはぎ(生) | 43.0 ㎍ |
| 白鮭(焼き) | 39.0 ㎍ |
| 紅鮭(焼き) | 38.0 ㎍ |
| からすみ | 33.0 ㎍ |
| まいわし(生) | 32.0 ㎍ |
きのこ類|ビタミンD|含有量ランキング

きのこ類もビタミンDを含む数少ない植物性食品です。
干ししいたけやきくらげなどは、乾燥させることでビタミンDの量が増えるとされており、保存性にも優れています。日光に当てることで成分が変化する点も特徴のひとつです。
| 食品 | 100g当たりの含有量 |
|---|---|
| あらげきくらげ(茹で) | 25.0 ㎍ |
| きくらげ(茹で) | 8.8 ㎍ |
| 舞茸(ゆで) | 5.9 ㎍ |
| エリンギ(焼き) | 3.1 ㎍ |
| エリンギ(ゆで) | 2.6 ㎍ |
| 乾しいたけ(茹で) | 1.4 ㎍ |
| ほんシメジ(茹で) | 1.2 ㎍ |
| しろきくらげ(茹で) | 1.2 ㎍ |
| 榎茸(茹で) | 0.8 ㎍ |
| ひらたけ(茹で) | 0.5 ㎍ |
卵類|ビタミンD|含有量ランキング

卵類は、ビタミンDを含む数少ない日常食品のひとつで、特に卵黄部分に多く含まれています。手軽に摂取できるうえ、他の栄養素もバランスよく含まれているため、献立のベースとしても使いやすい食材です。
| 食品 | 100g当たりの含有量 |
|---|---|
| 鶏卵 卵黄(生) | 12.0 ㎍ |
| 鶏卵 卵黄(ゆで) | 7.1 ㎍ |
| ピータン | 6.2 ㎍ |
| 炒り卵(鶏卵) | 4.7 ㎍ |
| 目玉焼き(鶏卵) | 3.9 ㎍ |
| 鶏卵 全卵(生) | 3.8 ㎍ |
| うずら卵(水煮缶) | 2.6 ㎍ |
| ゆで卵(鶏卵) | 2.5 ㎍ |
| うずら卵(生) | 2.5 ㎍ |
| だし巻き卵 | 2.2 ㎍ |
油脂類|ビタミンD|含有量ランキング

油脂類の中では、特にバターや魚由来の油などにビタミンDが含まれています。
使用量は少量であっても、食材全体の栄養バランスに影響を与えるため、調味や風味づけに取り入れるのも一つの方法です。
| 食品 | 100g当たりの含有量 |
|---|---|
| マーガリン | 11.0 ㎍ |
| ファットスプレッド | 1.1 ㎍ |
| 無発酵バター | 0.7 ㎍ |
| 発酵バター | 0.7 ㎍ |
| ラード | 0.2 ㎍ |
| ショートニング | 0.1 ㎍ |
肉類|ビタミンD|含有量ランキング

肉類には魚介類ほど多くは含まれていませんが、レバーや内臓系の部位には比較的ビタミンDが含まれています。
普段の肉料理の中でも、部位によって栄養成分が異なることを意識して選ぶのがポイントです。
| 食品 | 100g当たりの含有量 |
|---|---|
| 豚足(茹で) | 1.0 ㎍ |
| スモークレバー(豚) | 0.9 ㎍ |
| フォアグラ(茹で) | 0.9 ㎍ |
| 鯨(うねす)生 | 0.8 ㎍ |
| 生ハム(豚) | 0.8 ㎍ |
| マトンロース(焼き) | 0.7 ㎍ |
| ロースとんかつ | 0.7 ㎍ |
| ロースベーコン(豚) | 0.6 ㎍ |
| ボンレスハム | 0.6 ㎍ |
| 豚バラ(焼き) | 0.6 ㎍ |
ビタミンDの食事摂取基準|年齢・性別別の必要量を解説!
ビタミンDは、体内での栄養バランスを整えるうえで重要な脂溶性ビタミンの一つです。
日光を浴びることで体内でもつくられる特徴がありますが、日照時間や生活スタイルによって個人差があるため、食品からの摂取目安も示されています。
以下の表は、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」に基づいて、年齢や性別ごとのビタミンDの目安量と耐容上限量(μg/日)をまとめたものです。
ライフステージに合わせて、参考にしてみましょう。

📌 高齢期や妊娠・授乳期も考慮されている
年齢を重ねると、食事のバランスや日光を浴びる機会の減少などから、より意識的な摂取が求められる場合があります。また、妊娠・授乳期には女性の目安量も設定されており、ライフステージに応じた配慮がされています。
📌 ビタミンDを多く含む食品からの摂取が基本
ビタミンDは、魚介類やきのこ類、卵類などに比較的多く含まれています。過不足のない食事を心がけ、日常の献立に取り入れていくことが大切です。
ビタミンDの英語表記

ビタミンDは、英語では “Vitamin D(ビタミン・ディー)” と表記されます。
主に栄養学の文献や、食品パッケージ、サプリメントのラベルなどで使われています。
種類ごとの英語表記も以下のように区別されています:
| 日本語名 | 英語表記 | 備考 |
|---|---|---|
| ビタミンD全般 | Vitamin D | 総称(D2とD3を含む) |
| ビタミンD2 | Ergocalciferol | 主に植物性食品やサプリに含まれる |
| ビタミンD3 | Cholecalciferol | 主に動物性食品や皮膚で合成される型 |
※食品成分表示や輸入食品のラベルなどでは「Vitamin D3」や「Cholecalciferol」などの表記が見られることがあります。
英語表記は、輸入商品を選ぶ時や海外の栄養情報を調べる時にも役立ちます。
D2とD3の違いがわかると、ビタミンDを理解することができます。
まとめ|ビタミンDを多く含む食品と基本情報
- ビタミンDは脂溶性ビタミンの一つで、魚介類やきのこ類、卵などに多く含まれます。
- 紫外線を浴びることで体内でも合成される特徴があり、食品からの摂取とあわせて摂取できる栄養素です。
- 魚ではサケ類やサンマ、きのこでは干ししいたけやきくらげが比較的含有量が多いとされています。
- 年齢や性別によって摂取目安量が異なり、**「日本人の食事摂取基準(2025年版)」**で詳しく示されています。
- ビタミンDの英語表記は「Vitamin D」で、D2(Ergocalciferol)とD3(Cholecalciferol)の2種類があります。
- 日常の食事の中で、無理なく取り入れやすい食材を選びながら、栄養バランスを意識することが大切です。
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