黒酢をパン生地に入れたら、体に良さそうな食パンになるのでは。
そんな軽い発想から黒酢を粉に対して8%配合し、ホームベーカリーで焼いてみました。
しかし結果は膨らまない・酸味が強すぎる・正直まずいという、これまでの奮闘記の中でもトップクラスの大失敗。発酵は明らかに弱く、焼き上がりも重く、「これはパンと呼んでいいのか?」と感じる仕上がりでした。
なぜここまで失敗したのか。黒酢の何が生地に影響したのか。やってはいけない配合例として調理師の視点で正直に記録します。
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結論|完全に失敗

黒酢を8%配合した食パンは完全に失敗でした。膨らまず、酸味が強すぎ、正直に言っておいしくありません。
発酵は明らかに弱く、焼き上がりは重く詰まった状態。食パンとして成立せず、調整してどうにかなるレベルではないと感じました。健康効果を期待して黒酢を加えたとしても、この配合ではメリットよりデメリットが圧倒的に大きく、おすすめできる要素はありません。
結論
👉 黒酢8%配合は「やってはいけない配合」
👉 再挑戦するなら、配合・使い方を根本から見直す必要あり
なぜここまで失敗したのか
最大の原因は黒酢の酸が強すぎたことだと考えられます。黒酢を8%という高い割合で配合したことで、生地のpHが大きく下がり、イーストの働きが著しく阻害された可能性が高いです。
パンの発酵は弱酸性〜中性に近い環境で最も安定します。しかし黒酢は酸度が高く、そのまま大量に加えると、発酵に必要な環境を壊してしまいます。また、黒酢特有の強い酸味と風味が生地全体に行き渡り、焼成後も揮発しきらず、酸味だけが前面に出た味わいになったと考えられます。
「黒酢は健康素材だが、パン生地に直接・多量に使う素材ではない」
酸性素材でも成立した例はこちら▶ 日本酒を使った食パンの結果を見る
再現しないためのポイント

- 黒酢を水分として直接配合しない
黒酢は酸度が非常に高く、8%配合は発酵を壊すレベル。健康目的でもパン生地にそのまま入れる素材ではありません。 - 酸性素材は“微量・補助的”に扱う
酢を使う場合でも、風味付けや生地調整としてごく少量(数gレベル)に留める必要があります。 - 発酵を阻害する素材があることを前提に配合を考える
酸・塩分・アルコールは、入れすぎるとイーストの働きを止める要因になります。 - 「体に良さそう=パンに合う」と考えない
黒酢は料理や飲用向きであり、パン生地とは相性が悪い素材です。 - 健康目的なら別の形で摂る
パンに無理に混ぜるより、料理・飲料として取り入れた方が合理的です。
今回使用した配合(失敗検証用)
※この配合はおすすめできません。
黒酢を8%配合した場合、どのような結果になるかを検証するための記録です。
| 材料 | 割合(%) | 分量 | 原価 |
|---|---|---|---|
| 強力粉 | 100 % | 250g | 95 円 |
| ドライイースト | 1.2 % | 3g | 16.8 円 |
| 水 | 56 % | 140 cc | 7 円 |
| 生クリーム (植物性40%) | 16 % | 40 g | 34 円 |
| 砂糖 | 8 % | 20 g | 4 円 |
| 黒酢 | 8 % | 20 g | 33.2 円 |
| 塩 | 2 % | 5 g | 1 円 |
| バター | 6 % | 15 g | 30 円 |
| ▼原価合計 | ー | ー | 221円 |
※今回使用した材料は製菓・製パン材料専門店「コッタ」で購入しました。同じ材料を探したい方はこちら▶製菓材料・ラッピングアイテムをお得に買うなら【cotta】
この配合では、発酵が著しく阻害され膨らみません。味は強い酸味が残るという結果になりました。健康目的であっても、この割合での黒酢配合はおすすめしません。

現役和食調理師のヒント
少しの酸味ならそこまで影響がないと思ったか・・・。さすがに・・
当日の環境
| 項目 | 環境 |
|---|---|
| 日付 | 2021.1.21 |
| 室温 | 12℃ |
| 湿度 | 52℃ |
| 天気 | 晴 |
| タイマー設定 | あり |
| ホームベーカリーの設定 | ソフトモード 焼き上がり「淡」 |
ホームベーカリーを続けるうえで気になる原価や消耗品の現実については、こちらで整理しています。▶ホームベーカリーの原価と消耗品|続けるための現実
今回の奮闘ポイントと結果まとめ

今回の実験では、強力粉「ソメイヨシノ」を使用し、水分の一部を黒酢8%に置き換え、砂糖も8%配合して食パンを焼きました。
黒酢のほのかな酸味やコクを期待しましたが、結果は 膨らまない・生地が重い・酸味が強すぎる という大失敗。食感はねっとりとしており、正直に言って 食べられるレベルではありません。
焼き上がり時にはパンの香ばしさと黒酢特有の強い香りが混ざり、違和感のある匂いが立ちました。味も想像以上に酸っぱく、後味まで酸味が残り、パンとしてのバランスは完全に崩れています。
黒酢は酸性が非常に強く、パン作りに不可欠な イーストの発酵を大きく阻害した可能性が高い と考えられます。その結果、膨らみ不足・生地の重さ・食感の悪化が同時に起こったと推測できます。

現役和食調理師のヒント
黒酢8%配合は、パン作りにおいて明確にNG。今回の実験は、「やってはいけない配合」を確認できたという点で、記録としての価値はあるものの、再挑戦はおすすめできません。
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現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)
和食の世界で25年以上。旬の食材や家庭でできる調理のコツを、やさしく、わかりやすくお届けしています。料理がもっと楽しく、おいしくなるきっかけになれば嬉しいです。
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