土筆(つくし)は食べられる?|食中毒リスクと安全な調理法を調理師が解説

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春の野原に顔を出すつくし(土筆)は、見た目もかわいらしく、山菜として人気のある食材です。
でも「つくしって本当に食べても大丈夫?」「食中毒の危険はないの?」と気になる方も多いはず。
このページでは、つくしの安全な食べ方や下処理、注意すべき有毒成分について、調理師がわかりやすく解説します。

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つくしの英語・漢字表記

  • 「horsetail」は植物全体(スギナ類)を指すため、
     「つくし=horsetail(の胞子茎部分)」という文脈で使われます。
  • 欧米では食用文化があまりないため、「edible horsetail(食用のつくし)」や
     「spring shoots of horsetail」などの補足表現を使うとより伝わりやすくなります。

英語表記についてもっと詳しく知りたい方は、こちらのページで【食×英語】野菜と果物180種の英単語&漢字一覧表まとめています。

土筆の旬~おいしい時期~

つくし

季節ごとの旬の食材をもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。▶ 旬の野菜・魚介【年間カレンダー】

つくしとは~解説~

つくし(土筆)は、春の訪れを感じさせる山菜のひとつで、全国の野原や河原に自生しています。実は、つくしは「スギナ」という植物の**胞子茎(ほうしけい)**で、春先にだけ地上に顔を出します。

🌿 節にある「袴(はかま)」が特徴
つくしの茎にはいくつかの節があり、その節ごとに「袴(はかま)」と呼ばれるギザギザの葉のようなものがついています。食用とする際には、この袴をひとつひとつ丁寧に取り除く**必要があります。


🗣 地域による呼び名の違い
地方によっては「つくづくし」「どひつ」「つくしんぼ」など、親しみを込めた呼び方で呼ばれることもあります。※呼び方の違いからも、昔から春の風物詩として愛されてきたことがわかります。


🧂 食べるときはアク抜きを
つくしには強いアク(苦味・えぐみ)があるため、そのままでは食べられません。調理前に以下の手順でアクを抜きます。

アク抜きの手順

  1. 袴をすべて取り除く
  2. 沸騰したお湯で1〜2分さっと茹でる
  3. すぐに冷水にとり、10分ほどさらす

その後は炒め物・おひたし・卵とじなど、さまざまな料理に使えます。


⚠ 有毒成分について

つくしには、アルカロイド類などの微量な有毒成分が含まれているとされています。
日常的に食べる程度であれば問題はありませんが、一度に大量に食べると中毒症状を起こす可能性もあるため、食べる量には注意が必要です。

食中毒一覧はコチラ【最新版】食中毒の種類・症状・原因一覧|予防法も徹底解説

つくしの保存方法

生のまま保存(冷蔵)

方法ポイント
袴を取らずにそのまま保存乾燥を防ぐため、湿らせた新聞紙かキッチンペーパーに包む
保存場所ビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室
保存期間1~2日以内(非常に傷みやすいため)
注意点時間が経つとアクが強くなり、えぐみや苦味が増すため、できるだけ早く使いましょう

下処理後に保存

✅ アク抜き後の冷蔵保存

  • アク抜き(茹で+水さらし)をした後、しっかり水気を切ってタッパーなどに入れる
  • 保存期間:冷蔵で1〜2日以内
  • 使用法:すぐにおひたし、卵とじ、炒め物などに

✅ アク抜き後の冷凍保存

  • 水気をよく切ってから小分けにしてラップ包み → フリーザーバッグへ
  • 保存期間:冷凍で2〜3週間程度
  • 解凍時は:自然解凍 or 凍ったまま加熱調理がおすすめ(炒め物や汁物向け)

保存のポイントまとめ

状態保存方法保存期間向いている料理
生のまま冷蔵(湿らせて密封)1~2日アク抜きしてから使用
アク抜き後冷蔵(タッパー)1〜2日おひたし・卵とじ
アク抜き後冷凍(ラップ&保存袋)2〜3週間炒め物・煮物・汁物

つくしとよく合う食材

  • 卵(卵とじ・炒め物) 卵のまろやかさが、苦味やえぐみをやさしく包み込みます。
  • 油揚げ・厚揚げ つくしと油揚げの煮浸し、味噌汁の具に
  • 鰹節・だし おひたしに鰹節を添えて
  • 豚肉・鶏ひき肉 動物性のうま味が加わると、春野菜特有のクセが和らぎます
  • 味噌・醤油・みりん つくしの甘辛煮、味噌炒め、佃煮風の常備菜に

つくしの栄養素(食品成分表)

つくし(生)胞子茎
可食部100g当たり

栄養素茹で単位
廃棄率0%
エネルギー28
水分88.9g
タンパク質3.4g
脂質0.1g
食物繊維(総量)6.7g
炭水化物6.7g
ナトリウム4
カリウム340
カルシウム58
マグネシウム26
リン82
1.1
亜鉛1.0
0.16
マンガン0.18
ヨウ素
セレン
クロム
モリブデン
ビタミンA(レチノール)
ビタミンA(β-カロテン)1100
ビタミンD
ビタミンE(トコフェロールα)3.6
ビタミンK17
ビタミンB1
ビタミンB20.10
ナイアシン1.1
ビタミンB60.21
ビタミンB12
葉酸74
パントテン酸0.48
ビオチン
ビタミンC15
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」

▶ 栄養の全体像を知りたい方はこちら
五大栄養素・ビタミン・ミネラルをまとめたページへ
→ たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルなど、健康に必要な栄養素35種類を、分類ごとにわかりやすく解説しています。

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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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