自然薯(じねんじょ)とは?読み方・英語・旬・栄養成分を徹底解説

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自然薯(読み方:じねんじょ、英語:Japanese yam)は、日本原産の山芋の一種で、11月から1月が旬の冬の食材です。

「自然薯ってどう読むの?」「長芋や山芋と何が違うの?」そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

この記事では、自然薯の基本情報から旬の時期、栄養成分、保存方法、おすすめの食べ方まで、和食のプロが徹底解説します。粘りが強く、滋養強壮にも優れた自然薯の魅力を、ぜひご覧ください。

自然薯(じねんじょ)とは ~解説~

自然薯

自然薯(じねんじょ)は、ヤマノイモ科ヤマノイモ属に分類される日本原産のつる性植物で、「山芋の原種」ともいわれる存在です。その名の通り、山野に自然に自生していたことから「自然薯」と呼ばれるようになりました。
現在では栽培も盛んに行われており、主に秋から冬にかけてが旬。とろろや和え物、鍋料理など、さまざまな料理で親しまれています。

味わいと特徴

  • 長芋や大和芋と比べて、粘りが非常に強く濃厚
  • すりおろすと、香り豊かで土のような野趣あふれる風味が楽しめる
  • アクが強いため、すりおろすと時間とともに変色することがあります(酵素反応によるもの)

自然薯の英語・漢字表記と発音

漢字表記
自然薯(じねんじょ)
→「自然に生える薯(いも)」という意味で、古くから山野に自生する貴重な山芋のことを指します。

英語表記

英語表記読み方(発音記号)意味・補足
Japanese yam/dʒəˈpænɪs jæm/最も一般的な訳。長芋や山芋の総称としても使われます。
wild yam/waɪld jæm/「野生のヤムイモ」という意味で自然薯を指すことがあります。
Dioscorea japonica/ˌdaɪəˈskɔːriə dʒəˈpɒnɪkə/学名。専門的な文脈や文献で使用されます。

自然薯と長芋・山芋の違い

山芋=芋類の総称

「自然薯」「長芋」「山芋」、よく混同されますが、実は違う品種です。
まず知っておきたいのは、「山芋」はヤマノイモ科の芋類全体を指す言葉だということ。自然薯も長芋も、広い意味では山芋の仲間です。

自然薯 vs 長芋:何が違う?

自然薯(じねんじょ)

  • 日本原産の野生種
  • 細長く曲がりくねった形
  • 粘りが非常に強い(山芋類で最強)
  • 濃厚で野性的な風味
  • 高級食材(栽培が難しく希少)

長芋(ながいも)

  • 中国原産の栽培種
  • 太くまっすぐな円筒形
  • 粘りは弱め、水分多くシャキシャキ
  • あっさりした味わい
  • 手頃な価格(スーパーで通年入手可能)

簡単比較表

比較項目自然薯長芋
原産地日本中国
細長く曲線太く直線
粘り★★★★☆☆
風味濃厚あっさり
価格高級手頃
おすすめの食べ方とろろ短冊・炒め物

結論
自然薯の強い粘りと濃厚な味わいは、長芋では代用できません。本格的なとろろご飯を楽しむなら、自然薯を選びましょう。

自然薯のむかごとは

むかご(零余子)とは、自然薯の葉の付け根にできる直径1〜2cmほどの小さな球芽のことです。
むかごは自然薯の「赤ちゃん」のようなもので、土に植えると新しい自然薯として育ちます。自然薯は種子でも増えますが、このむかごからも繁殖できるのが特徴です。

むかごの旬と食べ方

むかごの収穫時期は9月〜11月。自然薯本体よりも早く収穫できます。

おすすめの食べ方

  • むかごご飯: 炊き込みご飯にすると、ホクホクとした食感と独特の風味が楽しめます
  • 素揚げ・炒め物: 塩で味付けするだけで美味しいおつまみに
  • 塩ゆで: シンプルにゆでて、そのまま食べても◎

むかごは自然薯と同じく栄養豊富で、特にでんぷんやミネラルを含んでいます。小粒ながら滋養のある秋の味覚として、昔から親しまれてきました。スーパーで見かけることは少ないですが、道の駅や産直市場では秋になると並ぶことがあります。自然薯を育てている農

自然薯(じねんじょ)の旬 ~おいしい時期~

じねんじょの旬は10月から2月ごろ

旬カレンダー(1月〜12月)
※色が付いている月が旬の目安です。

自然薯の旬は11月~2月(晩秋から冬)です
収穫は10月中旬から始まりますが、本格的に美味しくなるのは11月以降。特に12月~2月は霜が降りてアクが抜け、甘みと粘りが最も強くなる最高の時期です。寒さが増すほど熟成が進み、味わいが深まるのが自然薯の大きな特徴といえます。

この時期の自然薯は、すりおろしたときの粘りが格段に強く、風味も濃厚。とろろご飯や麦とろにすると、その違いがはっきりと分かります。

1月の旬食材をもっと知りたい方へ
自然薯と同じく1月が旬の野菜・果実は他にもたくさんあります。冬ならではの美味しい食材をまとめてチェックしたい方は、1月|旬の野菜と果実|一覧表【保存版】をご覧ください。


じねんじょの栄養素 ~食品成分表~

じねんじょ(生)
可食部100g当たり

栄養素単位
廃棄率20%
エネルギー118
水分68.8g
タンパク質2.8g
脂質0.7g
食物繊維(総量)2.0g
炭水化物26.7g
ナトリウム6
カリウム550
カルシウム10
マグネシウム21
リン31
0.8
亜鉛0.7
0.21
マンガン0.12
ヨウ素
セレン
クロム
モリブデン1
ビタミンA(レチノール)
ビタミンA(β-カロテン)
ビタミンD
ビタミンE(トコフェロールα)4.1
ビタミンK
ビタミンB10.11
ビタミンB20.04
ナイアシン0.6
ビタミンB60.18
ビタミンB12
葉酸29
パントテン酸0.67
ビオチン2.4
ビタミンC15
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」

栄養の特徴

自然薯は栄養価が高く、古くから滋養食として親しまれてきた食材です。

主な栄養成分
自然薯には消化酵素アミラーゼが含まれており、でんぷんの分解を助けます。そのため、生のまま食べられるのが特徴です。
カリウムは100gあたり550mgと豊富。カリウムは体内の水分バランスに関わるミネラルです。
ビタミンEは4.1mg
食物繊維は2.0g含まれています。ビタミンEは脂溶性ビタミンの一種で、食物繊維は炭水化物の一種です。

さらに、自然薯にはジオスゲニンという植物ステロイドの一種が含まれていることが知られています。エネルギーは100gあたり118kcalと、芋類の中では比較的低めです。

自然薯の保存方法

自然薯は水分が多くデリケートな食材です。適切に保存することで、風味と食感を長く保つことができます。

冷蔵保存(短期保存向け)

保存期間: 1~2週間

保存方法

  • 土付きのまま新聞紙に包み、冷蔵庫の野菜室で保存
  • 直射日光と乾燥を避ければ、風通しの良い冷暗所でも可
  • カットした場合は、切り口にラップを密着させ、密閉容器に入れる
現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

洗ってしまうと劣化が早まるため、使う直前に洗うのがベストです。土付きのままの方が日持ちします。

冷凍保存(長期保存向け)

自然薯は冷凍保存も可能です。下処理をしてから冷凍すると、調理時に便利に使えます。
保存期間: 約1ヶ月

保存方法:

  • 皮をむいてすりおろし、小分けにしてラップで包む
  • または製氷皿でキューブ状に冷凍し、固まったら保存袋へ移す
  • 凍ったまま味噌汁や炒め物に加えられる

加工保存(すりおろし・焼き加工)

便利な保存アレンジ

  • すりおろして冷凍すれば、とろろご飯・お好み焼き・汁物にすぐ使える
  • 軽く焼いてから冷凍保存すれば、おやき風や揚げ団子にもアレンジ可能
現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

自然薯は空気や水分で変色しやすい食材です。使わない分は早めに密閉し、小分け保存しておくと安心です。

自然薯のおすすめの食べ方

自然薯は生でも加熱しても美味しく食べられる万能食材です。粘りの強さを活かした食べ方から、ホクホク食感が楽しめる調理法まで、おすすめの食べ方をご紹介します。

生で食べる

自然薯の最大の魅力は、生のまま食べられること。強い粘りと濃厚な風味を、そのまま堪能できます。

とろろご飯・麦とろ
自然薯の定番といえば、やはりとろろ。皮をむいてすりおろし、だし汁で伸ばしてご飯にかけるだけ。シンプルですが、自然薯本来の味わいが際立ちます。麦ご飯との相性も抜群です。

短冊切り
自然薯を5mm程度の短冊に切り、わさび醤油や梅肉で食べる贅沢な一品。シャキシャキとした食感と粘りが楽しめます。お酒のおつまみにも最適です。

千切り(拍子木切り)
細く切って、海苔や鰹節、醤油をかけていただきます。箸でつまむと糸を引く粘りが食欲をそそります。

調理のポイント:
すりおろす際は、すり鉢を使うと空気を含んでふわふわに仕上がります。金属製のおろし金でも問題ありませんが、変色を防ぐため、すりおろしたらすぐに酢水を少量加えるか、だし汁で伸ばしましょう。

加熱して食べる

加熱すると、粘りとは違うホクホクとした食感が楽しめます。

磯辺焼き
厚めに切った自然薯を焼き、海苔を巻いて醤油をつけていただきます。外はカリッ、中はホクホク。焼くことで甘みが増し、香ばしさも加わります。

バター醤油焼き
輪切りにした自然薯をバターで焼き、醤油で味付け。洋風の味わいで、お弁当のおかずにもぴったりです。

天ぷら
衣をつけて揚げると、サクサクの衣とホクホクの自然薯の食感が絶品。天つゆでも塩でも美味しくいただけます。

お好み焼き・グラタン
すりおろした自然薯を生地に混ぜると、ふわふわの食感に。グラタンに加えれば、とろみとコクが増します。

味噌汁・鍋物
冷凍した自然薯をそのまま味噌汁や鍋に入れるだけ。とろみが出て、体が温まる一品になります。

現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

焼く場合は中火でじっくりが基本。強火で焼くと外だけ焦げてしまいます。厚さ1〜1.5cmに切ると、火の通りが均一になります。

自然薯と相性の良い食材

  • だし(かつおだし・昆布だし)
    → とろろ汁に欠かせない存在。自然薯の風味を引き立てる。
  • 卵(生卵・卵黄)
    → とろろに加えるとまろやかに。タンパク質の補完にも。
  • ごはん(麦飯・白米)
    → 王道の組み合わせ。すりおろした自然薯をかけて「とろろごはん」に。
  • そば・うどん→ 自然薯をとろろにして麺類にかけると、つるりとしたのどごしと一体感が出る。
  • まぐろ(刺身)
    → 自然薯の粘りとマグロの赤身が好相性。山かけとしても定番。
  • のり・青のり
    → 香りづけ・風味アップに。トッピングとして添えると味に深みが出る。
  • 味噌・醤油
    → 自然薯の甘味と塩味がよく合う。味噌汁やとろろ鍋の味付けにも。
  • 鶏ひき肉・豚肉
    → すりおろした自然薯を加えるとふんわり食感に。つくねやハンバーグのつなぎにも◎
  • 山芋(長芋・大和芋)
    → 食べ比べやミックスに。自然薯の粘りが最も強いためアクセントに最適。

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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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