鱈場蟹 たらばがに (King crab)

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見た目の豪快さと濃厚な甘みで人気の「タラバガニ」。お正月や特別な日のごちそうとして親しまれていますが、実は“本当の旬”や“美味しい選び方”があまり知られていません。

「ボイル済みと生はどちらがおいしい?」
「旬は冬だけじゃないって本当?」
「失敗しない解凍方法は?」

こうした疑問を持つ方に向けて、この記事では現役和食調理師がタラバガニの旬・特徴・選び方・保存・おすすめ調理法を分かりやすく解説します。

最後に紹介する 英語表記 “King crab” は、海外通販や料理検索にも役立ちます。
タラバガニをもっとおいしく味わうための基礎知識として、ぜひ参考にしてください。

タラバガニの旬

タラバガニ

季節ごとの旬の食材をもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。▶ 旬の野菜・魚介【年間カレンダー】

タラバガニとは ~解説~

タラバガニ
  • 漢字で「鱈場蟹」「多羅波蟹」
  • 異尾下目(ヤドカリ下目)タラバガニ科 タラバガニ属のカニ
  • 生物学上はヤドカリの仲間
  • 足を広げると1.5mにもなる
  • 甲羅は丸みを帯びた三角形でH型のくぼみがあり、暗紫色をしている
  • 多くのトゲを持ち、足は4組8本しかない
  • 生息域が鱈の漁場と重なるため「鱈場蟹」と呼ばれるようになったと言われる
  • 寒海性で北太平洋・日本海・北極海の冷水帯(水温10℃以下)に生息する
  • メスよりオスの方がおいしい(日本ではメスの漁獲が禁止されているので、メスは外国産)
  • 旬は秋~冬(春~夏は脱皮するので水っぽくなる)
  • 国産物は少なく、ロシア産やアメリカ産が多い(ロシア産が約90%)
  • 全体的に大きい物はしっかり身が詰まっている

味わい
脱皮したては水っぽくなる
秋から冬にかけて身が詰まっていて味がいい
熱を通すと甘みと旨味が増す
カニらしい風味があって、バランスのいい味が楽しめる
肉厚で食べごたえのある身と、ぷりぷりとした食感が特徴
カニミソは油分や水分が多く生臭い
内子はおいしいが、外子はおいしくない
メスよりオスの方がおいしい

保存方法

  • 家庭での生の保存は避けた方が良い
  • 茹でて密閉容器に入れる
  • 茹でて冷凍保存も可能(ラップなどに包む)
  • 茹でて身をほぐして冷凍もできる

地方名

  • 本タラバ
  • アンコ (未成体)
  • クラッカ (未成体より小さい物)
  • たらがに
  • いばらがに

目利き

  • 鮮度が良いものを選ぶとよい
  • 殻を押して柔らかい物は脱皮後まもない証拠
  • 脱皮後は水っぽく身が詰まっていないので避ける
  • 全体的に大きい物はしっかり身が詰まっている

仲間

  • 油蟹 (あぶらがに)
  • 花咲蟹 (はなさきがに)

タラバガニを使った料理

  • タラバガニの刺身、寿司
  • タラバガニのしゃぶしゃぶ
  • 茹で蟹
  • 蒸し蟹
  • 焼き蟹

タラバガニの栄養素 (食品成分表)

タラバガニ(ゆで)
可食部100g当たり

栄養素単位
廃棄率60%
エネルギー77
水分80.0g
タンパク質17.5g
脂質1.5g
食物繊維(総量)g
炭水化物0.3g
ナトリウム310
カリウム230
カルシウム48
マグネシウム51
リン190
0.2
亜鉛4.2
0.41
マンガン0.04
ヨウ素62
セレン35
クロム1
モリブデン2
ビタミンA(レチノール)
ビタミンA(β-カロテン)8
ビタミンD
ビタミンE(トコフェロールα)3.0
ビタミンK
ビタミンB10.07
ビタミンB20.06
ナイアシン1.8
ビタミンB60.13
ビタミンB129.9
葉酸15
パントテン酸0.48
ビオチン5.4
ビタミンC
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」

▶ 栄養の全体像を知りたい方はこちら
五大栄養素・ビタミン・ミネラルをまとめたページへ

タラバガニの英語表記

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King crab
red king crab

英語表記についてもっと詳しく知りたい方は、こちらのページで 魚介類の漢字・英語表記一覧 をまとめています。

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