真鰯(マイワシ)の旬・特徴・栄養|焼き・煮付けに最適な青魚の魅力とは?

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マイワシは、日本の食卓に昔から親しまれてきた青魚の代表格。脂のりがよく、焼いても煮ても美味しいのが特徴です。とくに旬の時期には、そのふっくらとした身と濃いうま味が引き立ち、シンプルな塩焼きや蒲焼きでも格別の味わいに。

このページでは、マイワシの旬の時期や味の特徴、相性の良い食材、栄養素、選び方のポイントまで、和食調理師の視点でわかりやすくご紹介します。

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真鰯(マイワシ)の旬 ~おいしい時期~

▶ 旬の野菜・魚介【年間カレンダー】

マイワシの旬は、地域によってやや異なりますが、一般的には初夏から秋口(6〜9月頃)にかけてがもっとも脂がのり、美味しくなる時期です。とくに7〜8月頃のマイワシは、皮が青く光り、身がふっくらと厚く、塩焼きや刺身にぴったり。

近年は冷凍流通も発達しているため、旬以外の時期でも出回っていますが、旬の時期の生マイワシは格別の味わいがあります。

現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

鮮度の良い旬のマイワシは、臭みが少なく刺身にも最適。迷ったら「目が澄んでいて体にハリのある個体」を選んで!

マイワシとは〜解説〜

マイワシは、日本の食卓ではなじみ深い青魚のひとつで、「鰯(いわし)」と呼ばれる代表的な種類です。全長20cm前後で、背中は青みがかり、腹は銀白色に光り、体側には黒い斑点が並ぶのが特徴です。

身はやわらかく、脂がのってジューシーな味わい。とくに旬の時期は脂質が増し、刺身や塩焼きにすると非常に美味です。
また、マイワシはカルシウムやEPA・DHAなどの健康に良い栄養素を多く含むことでも知られています。

一方で傷みやすいため、鮮度が落ちやすく「足が早い魚」としても有名です。そのため、漁獲後すぐに加工されることが多く、干物や缶詰などの加工食品でもよく利用されています。

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現役和食調理師のヒント

脂がのったマイワシは、刺身やつみれにも最適。安くて栄養価も高く、家庭料理の強い味方です!

マイワシの地方名

マイワシは全国で広く水揚げされる魚であるため、地域ごとにさまざまな呼び名があります。代表的なものを以下にご紹介します。

地域呼び名・別名補足
関東ナナツボシ体側の斑点が星のように見えることから
東北マイワシ標準和名がそのまま使われる
九州ヒラゴウルメイワシと区別して呼ばれることも
各地イワシ一般的な総称として使われることが多い

呼び名は地方や漁港によっても変わることがあり、同じ「イワシ」という名前でも、実際にはウルメイワシやカタクチイワシを指すこともあります。購入時や料理で使う際には、種類を確認しておくと安心です。

マイワシの目利き(選び方)

新鮮なマイワシを選ぶ際は、次のポイントをチェックしましょう。

チェックポイント解説
目が澄んでいる白く濁っていない透明な目が新鮮さの証拠です
体にハリがある柔らかくなっていないものを選びましょう
鱗がしっかりついている鱗がはがれやすい魚ですが、新鮮なものは比較的しっかり残っています
背が青く光っている退色しておらず、青緑に輝くものが良品です
腹が裂けていない傷んだものは腹が割れやすいので注意しましょう
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現役和食調理師のヒント

マイワシは鮮度が命。購入後はできるだけ早く下処理して使うのがおすすめです。塩焼きや刺身にするなら、その日のうちに調理しましょう。

マイワシと相性の良い食材

脂ののったマイワシは、さまざまな食材と好相性です。特に以下の組み合わせは定番で、調理の幅も広がります。

食材組み合わせの理由・使い方例
生姜煮付けや甘辛炒めに加えると、魚の臭みを和らげ香りを引き立てます
梅干し梅煮にするとさっぱりとした味わいに。日持ちも向上します
大葉揚げ物や巻き物に合わせると、風味が爽やかに
トマトトマト煮にすると洋風アレンジに。脂とのバランスも◎
味噌味噌煮にするとコクが増し、ご飯が進むおかずになります
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マイワシは油分が豊富なので、酸味や香味野菜と組み合わせるとバランスが良くなります。夏場は梅干しや大葉との組み合わせがおすすめですよ。

マイワシに合う調理法

脂がのったマイワシは、シンプルな調理からアレンジ料理まで幅広く楽しめる魚です。特におすすめの調理法を以下にまとめました。

調理法おすすめ度理由
焼き物脂がのっており、香ばしさと旨みが際立つ。塩だけで十分おいしい
煮物
(味噌煮・梅煮)
身が柔らかく煮崩れしにくく、味がしみやすい
揚げ物
(唐揚げ・南蛮漬け)
骨ごと食べられ、カルシウムも摂れる。下味で臭みも消える
刺身鮮度が非常に重要。とろけるような脂が味わえる
酢の物
(マリネ)
酸味で脂のこってり感を中和できるが、下処理に手間がかかる
蒸し料理旨味が逃げやすく、香りも控えめになるためやや不向き
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マイワシは新鮮なら刺身でも絶品ですが、日が経ったものは加熱調理がおすすめ。塩焼きや味噌煮、南蛮漬けなどにすれば、脂の旨みをしっかり生かせます。

マイワシの栄養素~食品成分表~

まいわし
可食部100g当たり

栄養素焼き単位
廃棄率3560%
エネルギー199156
水分57.868.9g
タンパク質25.319.2g
脂質9.49.2g
食物繊維(総量)g
炭水化物0.20.2g
ナトリウム10081
カリウム350270
カルシウム9874
マグネシウム3630
リン300230
0.252.1
亜鉛2.31.6
0.230.20
マンガン0.080.04
ヨウ素24
セレン48
クロム
モリブデン
ビタミンA(レチノール)88
ビタミンA(β-カロテン)
ビタミンD14.032.0
ビタミンE(トコフェロールα)1.92.5
ビタミンK1
ビタミンB10.120.03
ビタミンB20.430.39
ナイアシン9.17.2
ビタミンB60.390.49
ビタミンB1222.016.0
葉酸1210
パントテン酸1.331.14
ビオチン15.0
ビタミンC
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」

鰯はD・B12・たんぱく質の三拍子。焼きはミネラルがまとまり、生(刺身)はDが高めという使い分けが目安です。

▶ 栄養の全体像を知りたい方はこちら
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マイワシの漢字・英語表記

表記読み方・補足
漢字鰯(いわし)
英語Sardine
学名Sardinops melanostictus
発音記号 [sɑːrˈdiːn](サーディン)
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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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