芹(せり)の栄養と旬|健康効果・保存方法・食べ方まで解説|Japanese parsley

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芹
 

英語・漢字表記|芹(せり)の英語名と発音

  • 漢字表記: 芹(せり)
    七草のひとつとしても知られる日本原産の香味野菜です。清流の岸辺や湿地に自生し、独特の香りとシャキッとした食感が特徴。

英語表

  • Japanese parsley(一般的な訳。西洋のパセリとは異なる)
    • water dropwort(学術的な名称)
    • Oenanthe javanica(植物学名)

発音記

  • Japanese parsley:/ˌdʒæpəˈniːz ˈpɑːrsli/(ジャパニーズ・パースリィ)
  • water dropwort:/ˈwɔːtər ˈdrɒpwɜːt/(ウォーター・ドロップワート)
 

芹(セリ)とは?特徴

  • 独特の香りがある春の代表的な山菜
  • 七草粥の「春の七草」の一つ
  • 水辺や湿地に自生する多年草
  • 葉・茎・根のすべてが食用になる
  • 香り成分はアピオール(精油成分)で、爽やかな風味が特徴
  • 和え物・おひたし・鍋料理など、加熱しても香りを楽しめる
  • 三つ葉と似ているが三つ葉は葉が3枚、セリは葉は5枚
  • 生でも食べられるが、加熱すると苦味がやわらぐ
  • 芹は爽やかな香りと歯ざわりが特徴
  • 軟らかく、細い茎がシャキシャキとした食感
  • ビタミンCやカリウムを含み、栄養価も比較的高い
  • 旬は冬から早春(1月~4月頃)
 

芹の旬はいつ?おいしい時期と産地

せり

▶ 季節ごとの野菜・魚介を一覧でチェックする【年間カレンダー】

芹(せり)は、冬から春にかけてが旬の香味野菜です。
特に1月~3月は、寒さによって甘みや香りが引き立つ時期で、もっともおいしく味わえる季節です。
天然の芹は、冬の冷たい水辺や湿地に自生しており、春の七草の一つとしても知られています。
ハウス栽培や水耕栽培された芹は、通年で出荷されていますが、旬の時期に比べると風味は控えめです。
地域によっては天然の「山セリ」が採れる場所もあり、香りが強くて歯ごたえもあるため、根強い人気を誇っています。

芹の主な産地

  • 宮城県(全国トップの出荷量)
  • 茨城県
  • 福岡県
  • 大分県
 

芹の品種と種類(野生種・栽培種の違い)

種類特徴主な生産・自生地
野生種(山セリ)香りが強い
茎が細い
シャキシャキとした食感
アクが少ない
採取時期が短い
山間部
水辺
野原
※東北〜九州など全国
水耕栽培
露地栽培
香りは穏やか
茎が太くやわらかい
通年で流通しやすい
旬に比べて風味は控えめ
宮城県
茨城県
福岡県など
 

芹の栄養と効能(食品成分表付き)

芹は香りの強い香味野菜でありながら、さまざまな栄養素を含んでいます。以下に、代表的な栄養成分とその特徴を紹介します。

エネルギー
芹は100gあたり約17kcalと非常に低カロリー。ダイエット中や野菜中心の食生活を意識する人に取り入れられやすい食材です。

食物繊維
不溶性食物繊維を含み、日々の食生活の中で野菜から自然に摂取できる点が魅力です。

カリウム
カリウムが比較的多く含まれており、日常の塩分摂取が気になる方の野菜選びの中でも注目されやすい成分です。

β-カロテン
体内でビタミンAに変換されるβ-カロテンを含み、緑黄色野菜として分類されています。彩りだけでなく栄養面でも価値があります。

ビタミンC
ビタミンCも含まれており、生で食べることで損失を抑えながら摂取できます。ただし、加熱調理の際は短時間で仕上げるのがおすすめです。

ビタミンK
ビタミンKも豊富で、野菜全般をバランスよく摂る中でしっかり補える栄養素のひとつです。

芹 (せり)茎葉

栄養素茹で単位
廃棄率1530%
エネルギー1717
水分93.693.4g
タンパク質2.12.0g
脂質0.10.1g
食物繊維(総量)2.82.5g
炭水化物3.43.3g
ナトリウム819
カリウム190410
カルシウム3834
マグネシウム1924
リン4051
1.31.6
亜鉛0.20.3
0.100.15
マンガン1.301.24
ヨウ素
セレン
クロム
モリブデン
ビタミンA(レチノール)
ビタミンA(β-カロテン)17001900
ビタミンD
ビタミンE(トコフェロールα)0.60.7
ビタミンK160160
ビタミンB10.020.04
ビタミンB20.060.13
ナイアシン0.61.2
ビタミンB60.070.11
ビタミンB12
葉酸61110
パントテン酸0.320.42
ビオチン
ビタミンC1020
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」

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▶ 摂取量の目安を知りたい方はこちら
【2025年度版】日本人の食事摂取基準一覧(年齢別の摂取量)
→ 厚生労働省の最新版をもとに、年齢・性別ごとの1日の推奨摂取量を一覧表にまとめています。

 

芹と相性の良い食材・食べ合わせ

  • 鶏肉 × 芹
     定番の「鶏せり鍋」など。鶏の旨味と芹の香りが絶妙にマッチ。
  • 根菜類(ごぼう、大根、にんじん) × 芹
     煮物やけんちん汁に。土の香り同士の組み合わせで、風味豊かに。
  • 油揚げ × 芹
     おひたしや炒め物に。芹のシャキシャキ感と油揚げのコクがよく合う。
  • 卵 × 芹
     卵とじや玉子焼きに。苦味が和らぎ、やさしい味に。
  • しめじ、えのきなどのキノコ類 × 芹
     炒め物やスープに。香りと旨味が加わって奥深い味わいに。
  • 豆腐 × 芹
     白和えや味噌汁に。淡白な豆腐に芹の香りがアクセント。
  • 柚子・すだち × 芹
     風味づけや仕上げに加えると、爽やかさと芹の香味が調和。
 

芹の漢字・英語表記と豆知識

  • 漢字表記:芹
     読み方は「せり」。春の七草の一つとして知られています。
  • 英語表記:Japanese parsley(ジャパニーズ・パセリ)
     英語では「water dropwort」や「Japanese parsley」と表記されることが多く、水辺に生えることから“ウォータードロップワート”とも呼ばれます。

豆知識

  • 春の七草のひとつ
     芹は「せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ」の中の一つ。香りが良く、食欲増進を助けるとされ、正月明けの七草粥に使われます。
  • 名前の由来
     「競り合うように群生すること」から「せり(芹)」と名付けられたと言われています。
  • 野生種と栽培種が存在
     野生種は香りが強く、栽培種はクセが少なく食べやすい傾向にあります。見た目もやや異なり、家庭菜園などで栽培されることも。
  • 地域によっては野菜というより山菜扱い
     特に東北や中部の一部地域では、春の山菜として親しまれており、天然物は香りが非常に豊かです。
 

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