マイワシは、日本の食卓に昔から親しまれてきた青魚の代表格。脂のりがよく、焼いても煮ても美味しいのが特徴です。とくに旬の時期には、そのふっくらとした身と濃いうま味が引き立ち、シンプルな塩焼きや蒲焼きでも格別の味わいに。
このページでは、マイワシの旬の時期や味の特徴、相性の良い食材、栄養素、選び方のポイントまで、和食調理師の視点でわかりやすくご紹介します。
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真鰯(マイワシ)の旬 ~おいしい時期~
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マイワシの旬は、地域によってやや異なりますが、一般的には初夏から秋口(6〜9月頃)にかけてがもっとも脂がのり、美味しくなる時期です。とくに7〜8月頃のマイワシは、皮が青く光り、身がふっくらと厚く、塩焼きや刺身にぴったり。
近年は冷凍流通も発達しているため、旬以外の時期でも出回っていますが、旬の時期の生マイワシは格別の味わいがあります。

現役和食調理師のヒント
鮮度の良い旬のマイワシは、臭みが少なく刺身にも最適。迷ったら「目が澄んでいて体にハリのある個体」を選んで!
マイワシとは〜解説〜

マイワシは、日本の食卓ではなじみ深い青魚のひとつで、「鰯(いわし)」と呼ばれる代表的な種類です。全長20cm前後で、背中は青みがかり、腹は銀白色に光り、体側には黒い斑点が並ぶのが特徴です。
身はやわらかく、脂がのってジューシーな味わい。とくに旬の時期は脂質が増し、刺身や塩焼きにすると非常に美味です。
また、マイワシはカルシウムやEPA・DHAなどの健康に良い栄養素を多く含むことでも知られています。
一方で傷みやすいため、鮮度が落ちやすく「足が早い魚」としても有名です。そのため、漁獲後すぐに加工されることが多く、干物や缶詰などの加工食品でもよく利用されています。

現役和食調理師のヒント
脂がのったマイワシは、刺身やつみれにも最適。安くて栄養価も高く、家庭料理の強い味方です!
マイワシの地方名
マイワシは全国で広く水揚げされる魚であるため、地域ごとにさまざまな呼び名があります。代表的なものを以下にご紹介します。
| 地域 | 呼び名・別名 | 補足 |
|---|---|---|
| 関東 | ナナツボシ | 体側の斑点が星のように見えることから |
| 東北 | マイワシ | 標準和名がそのまま使われる |
| 九州 | ヒラゴ | ウルメイワシと区別して呼ばれることも |
| 各地 | イワシ | 一般的な総称として使われることが多い |
呼び名は地方や漁港によっても変わることがあり、同じ「イワシ」という名前でも、実際にはウルメイワシやカタクチイワシを指すこともあります。購入時や料理で使う際には、種類を確認しておくと安心です。
マイワシの目利き(選び方)
新鮮なマイワシを選ぶ際は、次のポイントをチェックしましょう。
| チェックポイント | 解説 |
|---|---|
| 目が澄んでいる | 白く濁っていない透明な目が新鮮さの証拠です |
| 体にハリがある | 柔らかくなっていないものを選びましょう |
| 鱗がしっかりついている | 鱗がはがれやすい魚ですが、新鮮なものは比較的しっかり残っています |
| 背が青く光っている | 退色しておらず、青緑に輝くものが良品です |
| 腹が裂けていない | 傷んだものは腹が割れやすいので注意しましょう |

現役和食調理師のヒント
マイワシは鮮度が命。購入後はできるだけ早く下処理して使うのがおすすめです。塩焼きや刺身にするなら、その日のうちに調理しましょう。
マイワシと相性の良い食材
脂ののったマイワシは、さまざまな食材と好相性です。特に以下の組み合わせは定番で、調理の幅も広がります。
| 食材 | 組み合わせの理由・使い方例 |
|---|---|
| 生姜 | 煮付けや甘辛炒めに加えると、魚の臭みを和らげ香りを引き立てます |
| 梅干し | 梅煮にするとさっぱりとした味わいに。日持ちも向上します |
| 大葉 | 揚げ物や巻き物に合わせると、風味が爽やかに |
| トマト | トマト煮にすると洋風アレンジに。脂とのバランスも◎ |
| 味噌 | 味噌煮にするとコクが増し、ご飯が進むおかずになります |

現役和食調理師のヒント
マイワシは油分が豊富なので、酸味や香味野菜と組み合わせるとバランスが良くなります。夏場は梅干しや大葉との組み合わせがおすすめですよ。
マイワシに合う調理法
脂がのったマイワシは、シンプルな調理からアレンジ料理まで幅広く楽しめる魚です。特におすすめの調理法を以下にまとめました。
| 調理法 | おすすめ度 | 理由 |
|---|---|---|
| 焼き物 | ◎ | 脂がのっており、香ばしさと旨みが際立つ。塩だけで十分おいしい |
| 煮物 (味噌煮・梅煮) | ◎ | 身が柔らかく煮崩れしにくく、味がしみやすい |
| 揚げ物 (唐揚げ・南蛮漬け) | ◎ | 骨ごと食べられ、カルシウムも摂れる。下味で臭みも消える |
| 刺身 | ○ | 鮮度が非常に重要。とろけるような脂が味わえる |
| 酢の物 (マリネ) | ○ | 酸味で脂のこってり感を中和できるが、下処理に手間がかかる |
| 蒸し料理 | △ | 旨味が逃げやすく、香りも控えめになるためやや不向き |

現役和食調理師のヒント
マイワシは新鮮なら刺身でも絶品ですが、日が経ったものは加熱調理がおすすめ。塩焼きや味噌煮、南蛮漬けなどにすれば、脂の旨みをしっかり生かせます。
マイワシの栄養素~食品成分表~
まいわし
可食部100g当たり
| 栄養素 | 焼き | 生 | 単位 |
|---|---|---|---|
| 廃棄率 | 35 | 60 | % |
| エネルギー | 199 | 156 | ㎉ |
| 水分 | 57.8 | 68.9 | g |
| タンパク質 | 25.3 | 19.2 | g |
| 脂質 | 9.4 | 9.2 | g |
| 食物繊維(総量) | – | – | g |
| 炭水化物 | 0.2 | 0.2 | g |
| ナトリウム | 100 | 81 | ㎎ |
| カリウム | 350 | 270 | ㎎ |
| カルシウム | 98 | 74 | ㎎ |
| マグネシウム | 36 | 30 | ㎎ |
| リン | 300 | 230 | ㎎ |
| 鉄 | 0.25 | 2.1 | ㎎ |
| 亜鉛 | 2.3 | 1.6 | ㎎ |
| 銅 | 0.23 | 0.20 | ㎎ |
| マンガン | 0.08 | 0.04 | ㎎ |
| ヨウ素 | – | 24 | ㎍ |
| セレン | – | 48 | ㎍ |
| クロム | – | – | ㎍ |
| モリブデン | – | – | ㎍ |
| ビタミンA(レチノール) | 8 | 8 | ㎍ |
| ビタミンA(β-カロテン) | – | – | ㎍ |
| ビタミンD | 14.0 | 32.0 | ㎍ |
| ビタミンE(トコフェロールα) | 1.9 | 2.5 | ㎎ |
| ビタミンK | – | 1 | ㎍ |
| ビタミンB1 | 0.12 | 0.03 | ㎎ |
| ビタミンB2 | 0.43 | 0.39 | ㎎ |
| ナイアシン | 9.1 | 7.2 | ㎎ |
| ビタミンB6 | 0.39 | 0.49 | ㎎ |
| ビタミンB12 | 22.0 | 16.0 | ㎍ |
| 葉酸 | 12 | 10 | ㎍ |
| パントテン酸 | 1.33 | 1.14 | ㎎ |
| ビオチン | – | 15.0 | ㎍ |
| ビタミンC | – | – | ㎎ |
鰯はD・B12・たんぱく質の三拍子。焼きはミネラルがまとまり、生(刺身)はDが高めという使い分けが目安です。
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マイワシの漢字・英語表記

| 表記 | 読み方・補足 |
|---|---|
| 漢字 | 鰯(いわし) |
| 英語 | Sardine |
| 学名 | Sardinops melanostictus |
| 発音記号 | [sɑːrˈdiːn](サーディン) |
